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ガリンダミア帝国との決着
382話
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ガリンダミア帝国軍を撃退し、宴会をした翌日……アランは珍しく一人でゼオンに乗って先行偵察を行っていた。
今までは一緒にいたレオノーラがいないことに、若干の寂しさを覚える。
しかし、本隊と合流した以上、レオノーラはアランの相棒としてではなく、黄金の薔薇というクランを率いる立場に戻ってしまっている。
そうである以上、クランを率いる身としてやるべき仕事は多々あった。
それこそ、自分と同じ立場にいるイルゼンが、いつこのような仕事を片付けているのかといったように疑問を抱いてしまうほどには、忙しい。
「レオノーラがいないのなら、それに慣れるしかないか」
寂しさを誤魔化すために、そう呟く。
レオノーラという存在は非常に大きい。
大きいが、それでも今の状況を思えばそれは仕方のないことだった。
「ともあれ、今はまず自分の仕事をしっかりとしないとな。でないと、面倒なことになる」
明日には本隊がガリンダミア帝国の首都を目指して出発する。
そうなれば、当然のようにガリンダミア帝国側もそれを阻止しようするだろう。
素直に攻めてくれるのなら、アランとしては助かる。
だが、そうではない場合……阻止をするのに戦力ではなく戦術を使ってこられた場合、アランたちとしては面白くない。
具体的には、村や街、都市から食料を全て奪い、井戸には死体なり糞尿なりを投げて使えなくし……といった具合だ。
また、この辺りはガリンダミア帝国の従属国だ。
住人たちを気遣う必要もない以上、飢えた住人たちをアランたちに押し付けるといったような真似をされる可能性もあった。
そうなると、アランたちとしては非常に困る。
……とはいえ、困るからといってそのような手段を使われた場合、アランたちに取れる手段はない。
これがガリンダミア帝国本国の住人なら、中には見捨てても構わないといったように考える者もいるかもしれない。
しかし、ここは従属国……ガリンダミア帝国軍によって占領され、その後は傀儡の国とならざるをえなかった国々だ。
それこそレジスタンスというのは、そのような従属国の者たちが集まって出来た集団である以上、ここで従属国の住人を見捨てるような真似をすれば、それはレジスタンスとしての存在意義を失ってしまう。
「出来れば、そういう悪辣な手段は取って欲しくないけど……どうだろうな」
普通に考えれば、焦土戦というのは勝利したあとの傷跡が非常に大きい。
そこから立ち直るのに、かなりの労力が必要となるだろう。
ガリンダミア帝国としても、従属国の国力を必要以上に落とすというのは好まないだろうが、ガリンダミア帝国本国が狙われている状態である以上、そのような真似をしてもおかしくはない。
アランとレオノーラという、高速で空を飛んで移動出来る能力の持ち主もいるのだが、それにでも本隊全員分の食料を用意すると言った真似は出来ないし、最悪の場合はそこが敵に狙われる可能性も否定出来なかった。
このとき、別にアランとレオノーラ……いや、ゼオンや黄金のドラゴンに戦いで勝つ必要はない。
あくまでも、運んでいる食料を使えないようにすればいいのだから。
アランたちは食料を運んでいる以上、当然のようにそれを守る必要がある。
アランが前世で読んだことのある漫画や小説のようにアイテムボックスの類があれば、話は別だが。
生憎とアランにそのような能力はない。
あるいは古代魔法文明の遺跡にならそのような物がアーティファクトとして眠っている可能性はあるだろうが、アランはそのように便利な物はもっていなかった。
「っと、見えてきたな。……人が、いる?」
焦土戦について、出来れば止めて欲しい。
そんな思いを浮かべながら飛んでいたアランは、コックピットブロックに映像モニタに村が見えてきたをの確認し、眼下の村ではまだ普通に人が暮らしているのを見て、驚きの声を出す。
とはいえ、その驚きの声の中には嬉しさの方が強い。
つい数秒前まで、焦土戦を繰り広げられたどうしようといったように考えていたのが、実際にここに来てみるとその心配がなかったというのは、アランにとって非常に大きいのだろう。
かなり高度の高い場所を飛んでいるので、村からゼオンの存在に気が付かれる心配は、絶対に……という訳ではなないが、非常に小さい。
その地理的優位を活かし、村の様子をしっかりと確認するアラン。
村にはガリンダミア帝国軍の兵士がいるようには思えない。
普通に暮らしているようにしか見えなかった。
「取りあえず、向こうが焦土戦をやらないというのは俺たちにとって幸運だったな」
現状、やられたら一番嫌なのが焦土戦だった。
食料や水を補給出来ず、それどころか村や街、都市といった場所で住んでいる者たちにアランたちが有する食料を分け与えるといったことになれば、最悪の結末しか思い浮かばない。
ガリンダミア帝国の帝都どころか、ガリンダミア帝国の本土に到着するまでに食料がなくなってしまう可能性があった。
アランたちは、ガリンダミア帝国の打倒を目的としている。
そうである以上、ガリンダミア帝国の従属国が焦土戦の犠牲となる可能性が高いとなれば、それに対応する必要が出てくるのは当然だろう。
そうした結果、どうなるか……
ガリンダミア帝国に到着する前に食料がなくなって撤退するか、あるいは食料を分け与えるはずの従属国から食料を奪うかといった感じになってしまう。
後者を選んでしまえば、アランたちはレジスタンスなどではなく、それこそ盗賊の群れと化すだろう。
レジスタンスとしてのアイデンティティを失うのだ。
それは、レジスタンスの崩壊を意味している。
「ともあれ、そんな心配をしなくてもよくなったのはいいな。取りあえず戻るか」
一番近い村でこの様子なら、ガリンダミア帝国軍は特に何を仕掛けたりといったような真似もしてないだろうと判断する。
あるいは、自分が戻っていった後で何らかの仕込みをするといった可能性もあったが、生憎と今はそんなことを考えていられるような状況ではない。
まさか、いつまでもここにいる訳にもいかないのだから。
そうして本陣に戻ろうとしたアランだったが……半ば反射的にゼオンを動かす。
何かがレーダーに反応した訳ではない。
だが、ゼオンを手に入れたから潜り抜けてきた戦いの数々、そして心核使いに特化したアランだからこそ、気がつけた何か。
村の住人たちにゼオンの存在を知られないようにと行動していたのだが、すでにそのようなことを考えている暇はない。
ウィングバインダーのスラスターを全開にして回避した次の瞬間、ゼオンの存在していた空間を何かが通り抜けていく。
何か……そう、本当に何かとしか表現出来ない、何かだ。
「何だ!?」
驚きうつつも、レーダーを使って周辺の状況を確認する。
だが、レーダーの範囲内に敵と思しき反応は一つもない。
(どうなっている? いや、可能性としては二つか。ゼオンのレーダーの範囲外から俺を狙っているのか、それともゼオンにレーダーでも察知されない何らかの能力を持ってるのか)
考えつつ、また何かを感じたら即座に対応出来るように準備しながら周囲の様子を窺う。
しかし、敵の追撃は未だにない
「連続して攻撃が出来ないのか、それともそう思わせるためのブラフか」
自分を落ち着かせる意味でも、アランはそう呟く。
とはいえ、何かを使ったゼオンでも認識出来ない攻撃が連発されることがないのは、アランにとって幸運だったのは間違いない。
それでも、最初の攻撃から数分が経過し、未だに攻撃がないのはアランにとって疑問でしかなかった。
「今の攻撃で終わりか?」
呟くも、当然ながら誰かがそれに答えるといったようなことはない。
一応、と。再びレーダーで周囲の様子を確認してみるが、やはりそこに何らかの敵の姿は存在していない。
このまま拠点まで帰ってもいいのか、それとも今の攻撃をしてきた相手をどうにか対処すればいいのか。
アランとしては後者の方がいいような気もするが、問題なのはその敵の姿を見つけることが出来ないということだろう。
かといって、このまま拠点に戻れば、今の何らかの攻撃をしてきた相手を拠点に近づけるということを意味している。
ゼオンの性能だから……そして、心核使いとして突出した能力を持つアランだからこそ、先程の一撃は回避出来たのだ。
そんな攻撃をしてくる相手を、拠点に連れていけばどうなるか。
それこそ、最悪の場合は何も気が付かないうちにイルゼンを始めとした首脳陣が殺されてもおかしくはない。
イルゼンは色々な意味で特別な……もしくは特殊な存在だが、それでも生身の人間であることは間違いない。
ゼオンに乗っているアランですら危険だと判断したような攻撃をされた場合、それは間違いなく致命傷になってもおかしくはないだろう。
(なるよな?)
自分でイルゼンも危険だと判断したにも関わらず、アランはそんな風に思ってしまう。
イルゼンの性格を考えれば、それこそゼオンですら回避しなければ危険だと判断した攻撃を受けても、特にダメージがなくても、何故か妙に納得出来てしまう。
そんなことを考えつつ、周囲の様子を窺うも……五分、十分、十五分……それだけの時間が経過しても、敵が攻撃を再開するといった様子はない。
「もしかして、もういないのか? それとも……実はさっきのは攻撃じゃなかったとか?」
現状を整理する意味で呟きながらも、それは有り得ないことだろうと判断する。
ゼオンのレーダーですら認識出来ない何らかの攻撃。
そのような真似をされたのだから、それが攻撃でない訳がなかった。
「このままここにこうしている訳にもいかないしな。……下の様子もあるし」
先程まで偵察していた村の様子を映像モニタで確認する。
そこでは、多くの村人が空を見上げ……かなりの高度にいるゼオンを認識しているのが明らかだった。
普通に空を飛んでいるだけなら、見つかる可能性は低かっただろう。
だが、不可視の攻撃を回避した際の行動により、村人たちにも違和感を抱かせたのだろう。
(もしかして、村に俺の存在を知らせるのが目的だった? ……まさかな)
そんなことを考えながら、二十分。
それでも特に攻撃をされる様子がなかったので、アランはやがて拠点に戻ることを決めたのだった。
今までは一緒にいたレオノーラがいないことに、若干の寂しさを覚える。
しかし、本隊と合流した以上、レオノーラはアランの相棒としてではなく、黄金の薔薇というクランを率いる立場に戻ってしまっている。
そうである以上、クランを率いる身としてやるべき仕事は多々あった。
それこそ、自分と同じ立場にいるイルゼンが、いつこのような仕事を片付けているのかといったように疑問を抱いてしまうほどには、忙しい。
「レオノーラがいないのなら、それに慣れるしかないか」
寂しさを誤魔化すために、そう呟く。
レオノーラという存在は非常に大きい。
大きいが、それでも今の状況を思えばそれは仕方のないことだった。
「ともあれ、今はまず自分の仕事をしっかりとしないとな。でないと、面倒なことになる」
明日には本隊がガリンダミア帝国の首都を目指して出発する。
そうなれば、当然のようにガリンダミア帝国側もそれを阻止しようするだろう。
素直に攻めてくれるのなら、アランとしては助かる。
だが、そうではない場合……阻止をするのに戦力ではなく戦術を使ってこられた場合、アランたちとしては面白くない。
具体的には、村や街、都市から食料を全て奪い、井戸には死体なり糞尿なりを投げて使えなくし……といった具合だ。
また、この辺りはガリンダミア帝国の従属国だ。
住人たちを気遣う必要もない以上、飢えた住人たちをアランたちに押し付けるといったような真似をされる可能性もあった。
そうなると、アランたちとしては非常に困る。
……とはいえ、困るからといってそのような手段を使われた場合、アランたちに取れる手段はない。
これがガリンダミア帝国本国の住人なら、中には見捨てても構わないといったように考える者もいるかもしれない。
しかし、ここは従属国……ガリンダミア帝国軍によって占領され、その後は傀儡の国とならざるをえなかった国々だ。
それこそレジスタンスというのは、そのような従属国の者たちが集まって出来た集団である以上、ここで従属国の住人を見捨てるような真似をすれば、それはレジスタンスとしての存在意義を失ってしまう。
「出来れば、そういう悪辣な手段は取って欲しくないけど……どうだろうな」
普通に考えれば、焦土戦というのは勝利したあとの傷跡が非常に大きい。
そこから立ち直るのに、かなりの労力が必要となるだろう。
ガリンダミア帝国としても、従属国の国力を必要以上に落とすというのは好まないだろうが、ガリンダミア帝国本国が狙われている状態である以上、そのような真似をしてもおかしくはない。
アランとレオノーラという、高速で空を飛んで移動出来る能力の持ち主もいるのだが、それにでも本隊全員分の食料を用意すると言った真似は出来ないし、最悪の場合はそこが敵に狙われる可能性も否定出来なかった。
このとき、別にアランとレオノーラ……いや、ゼオンや黄金のドラゴンに戦いで勝つ必要はない。
あくまでも、運んでいる食料を使えないようにすればいいのだから。
アランたちは食料を運んでいる以上、当然のようにそれを守る必要がある。
アランが前世で読んだことのある漫画や小説のようにアイテムボックスの類があれば、話は別だが。
生憎とアランにそのような能力はない。
あるいは古代魔法文明の遺跡にならそのような物がアーティファクトとして眠っている可能性はあるだろうが、アランはそのように便利な物はもっていなかった。
「っと、見えてきたな。……人が、いる?」
焦土戦について、出来れば止めて欲しい。
そんな思いを浮かべながら飛んでいたアランは、コックピットブロックに映像モニタに村が見えてきたをの確認し、眼下の村ではまだ普通に人が暮らしているのを見て、驚きの声を出す。
とはいえ、その驚きの声の中には嬉しさの方が強い。
つい数秒前まで、焦土戦を繰り広げられたどうしようといったように考えていたのが、実際にここに来てみるとその心配がなかったというのは、アランにとって非常に大きいのだろう。
かなり高度の高い場所を飛んでいるので、村からゼオンの存在に気が付かれる心配は、絶対に……という訳ではなないが、非常に小さい。
その地理的優位を活かし、村の様子をしっかりと確認するアラン。
村にはガリンダミア帝国軍の兵士がいるようには思えない。
普通に暮らしているようにしか見えなかった。
「取りあえず、向こうが焦土戦をやらないというのは俺たちにとって幸運だったな」
現状、やられたら一番嫌なのが焦土戦だった。
食料や水を補給出来ず、それどころか村や街、都市といった場所で住んでいる者たちにアランたちが有する食料を分け与えるといったことになれば、最悪の結末しか思い浮かばない。
ガリンダミア帝国の帝都どころか、ガリンダミア帝国の本土に到着するまでに食料がなくなってしまう可能性があった。
アランたちは、ガリンダミア帝国の打倒を目的としている。
そうである以上、ガリンダミア帝国の従属国が焦土戦の犠牲となる可能性が高いとなれば、それに対応する必要が出てくるのは当然だろう。
そうした結果、どうなるか……
ガリンダミア帝国に到着する前に食料がなくなって撤退するか、あるいは食料を分け与えるはずの従属国から食料を奪うかといった感じになってしまう。
後者を選んでしまえば、アランたちはレジスタンスなどではなく、それこそ盗賊の群れと化すだろう。
レジスタンスとしてのアイデンティティを失うのだ。
それは、レジスタンスの崩壊を意味している。
「ともあれ、そんな心配をしなくてもよくなったのはいいな。取りあえず戻るか」
一番近い村でこの様子なら、ガリンダミア帝国軍は特に何を仕掛けたりといったような真似もしてないだろうと判断する。
あるいは、自分が戻っていった後で何らかの仕込みをするといった可能性もあったが、生憎と今はそんなことを考えていられるような状況ではない。
まさか、いつまでもここにいる訳にもいかないのだから。
そうして本陣に戻ろうとしたアランだったが……半ば反射的にゼオンを動かす。
何かがレーダーに反応した訳ではない。
だが、ゼオンを手に入れたから潜り抜けてきた戦いの数々、そして心核使いに特化したアランだからこそ、気がつけた何か。
村の住人たちにゼオンの存在を知られないようにと行動していたのだが、すでにそのようなことを考えている暇はない。
ウィングバインダーのスラスターを全開にして回避した次の瞬間、ゼオンの存在していた空間を何かが通り抜けていく。
何か……そう、本当に何かとしか表現出来ない、何かだ。
「何だ!?」
驚きうつつも、レーダーを使って周辺の状況を確認する。
だが、レーダーの範囲内に敵と思しき反応は一つもない。
(どうなっている? いや、可能性としては二つか。ゼオンのレーダーの範囲外から俺を狙っているのか、それともゼオンにレーダーでも察知されない何らかの能力を持ってるのか)
考えつつ、また何かを感じたら即座に対応出来るように準備しながら周囲の様子を窺う。
しかし、敵の追撃は未だにない
「連続して攻撃が出来ないのか、それともそう思わせるためのブラフか」
自分を落ち着かせる意味でも、アランはそう呟く。
とはいえ、何かを使ったゼオンでも認識出来ない攻撃が連発されることがないのは、アランにとって幸運だったのは間違いない。
それでも、最初の攻撃から数分が経過し、未だに攻撃がないのはアランにとって疑問でしかなかった。
「今の攻撃で終わりか?」
呟くも、当然ながら誰かがそれに答えるといったようなことはない。
一応、と。再びレーダーで周囲の様子を確認してみるが、やはりそこに何らかの敵の姿は存在していない。
このまま拠点まで帰ってもいいのか、それとも今の攻撃をしてきた相手をどうにか対処すればいいのか。
アランとしては後者の方がいいような気もするが、問題なのはその敵の姿を見つけることが出来ないということだろう。
かといって、このまま拠点に戻れば、今の何らかの攻撃をしてきた相手を拠点に近づけるということを意味している。
ゼオンの性能だから……そして、心核使いとして突出した能力を持つアランだからこそ、先程の一撃は回避出来たのだ。
そんな攻撃をしてくる相手を、拠点に連れていけばどうなるか。
それこそ、最悪の場合は何も気が付かないうちにイルゼンを始めとした首脳陣が殺されてもおかしくはない。
イルゼンは色々な意味で特別な……もしくは特殊な存在だが、それでも生身の人間であることは間違いない。
ゼオンに乗っているアランですら危険だと判断したような攻撃をされた場合、それは間違いなく致命傷になってもおかしくはないだろう。
(なるよな?)
自分でイルゼンも危険だと判断したにも関わらず、アランはそんな風に思ってしまう。
イルゼンの性格を考えれば、それこそゼオンですら回避しなければ危険だと判断した攻撃を受けても、特にダメージがなくても、何故か妙に納得出来てしまう。
そんなことを考えつつ、周囲の様子を窺うも……五分、十分、十五分……それだけの時間が経過しても、敵が攻撃を再開するといった様子はない。
「もしかして、もういないのか? それとも……実はさっきのは攻撃じゃなかったとか?」
現状を整理する意味で呟きながらも、それは有り得ないことだろうと判断する。
ゼオンのレーダーですら認識出来ない何らかの攻撃。
そのような真似をされたのだから、それが攻撃でない訳がなかった。
「このままここにこうしている訳にもいかないしな。……下の様子もあるし」
先程まで偵察していた村の様子を映像モニタで確認する。
そこでは、多くの村人が空を見上げ……かなりの高度にいるゼオンを認識しているのが明らかだった。
普通に空を飛んでいるだけなら、見つかる可能性は低かっただろう。
だが、不可視の攻撃を回避した際の行動により、村人たちにも違和感を抱かせたのだろう。
(もしかして、村に俺の存在を知らせるのが目的だった? ……まさかな)
そんなことを考えながら、二十分。
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