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ガリンダミア帝国との決着
377話
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『そろそろ、本隊の方に戻らない? 予定通りなら、向こうもすでに進軍をしているでしょうし。そうなれば、向こうの方でもガリンダミア帝国軍との衝突が起きてる可能性は否定出来ないわよ?』
レオノーラがそう言ってきたのは、街を略奪している軍隊を撃退――実際には向こうが勝手に逃げたのだが――してから数日後のことだった。
アランとレオノーラが本隊……イルゼン率いる雲海や黄金の薔薇、そして合流したレジスタンスたちから離れてから、すでにそれなりの日数が経過している。
そうである以上、レオノーラの言う通り、当初の予定が正しければすでに進軍が開始されているはずだった。
ガリンダミア帝国軍も周辺諸国との戦いに派遣した戦力を最小限にしてまで、レジスタンスの壊滅を狙っている。
そうである以上、当然ながらアランたちも本隊に合流する頃合いであるのは間違いなかった。
もちろん、アランたちが本隊に合流するということは、ガリンダミア帝国の領土内で活動しているレジスタンスが軍に見つかった場合、それに対処出来る者が減るということになる。
だが、元々の話アランとレオノーラだけでガリンダミア帝国の領土内にいる全てのレジスタンスを守るといったような真似が出来るはずもない。
今日までガリンダミア帝国軍に攻撃されているレジスタンスを守ってきたのは事実だが、それでも全てのレジスタンスを救えた訳ではない。
これまで周辺国家を次々と制圧してきたガリンダミア帝国軍だけに、その領土は広大なのだ。
それこそ、ゼオンと黄金のドラゴンが自由に空を飛んで移動していても、全てのレジスタンスを救うのは不可能というほどに。
「そうだな。なら、本隊に合流するか。……イルゼンさんなら、何の問題もなく本隊を動かしているように思えるけど」
『それは否定しないわ。……正直、イルゼンのことは一体どう判断したらいいのか、分からないくらいに有能だもの』
そう返してくるレオノーラは、少しだけイルゼンを羨む色がある。
レオノーラも、黄金の薔薇というクランを率いている身だ。
黄金の薔薇は規模的にも雲海とそう違わない。
そういう意味では、レオノーラとイルゼンは互角の立場にいるようなものなのだが……しかし、レオノーラとしてはイルゼンがこれまでやってきたことを間近で見て、とてもではないが自分とは互角の相手とは思えなかった。
今回イルゼンがやった、周辺諸国に連合軍を結成させ、ガリンダミア帝国の領土内にいるレジスタンスを一斉に蜂起させるという行動。
もしそんな真似をレオノーラがやれと言われても、到底出来るとは思えない。
あるいはもし出来たとしても、イルゼンのように短時間でそのような真似をするのは無理だ。
それこそ、最低でも年単位の時間がかかってもおかしくはなかった。
同じ規模のクランを率いているだけに、レオノーラは自分とイルゼンの実力差に嘆くことが多い。
もちろん、実際に戦いになった場合はレオノーラがイルゼンに負けるといったつもりはなかったが、それはあくまでも個人の探索者としての話だ。
今回やったように集団を率いるといったような立場で考えた場合、イルゼンとレオノーラのどちらが格上なのかというのは、考えるまでもなく明らかだ。
「言っておくけど、イルゼンさんは色々と特殊な存在だからな。そこまで気にする必要はないと思うぞ」
『アラン……それって慰めてるのかしら?』
「いや、そういう訳じゃなくて、純粋に俺が思っていることだ。イルゼンさんがどこか普通じゃないってのは、それこそ一緒に行動していれば嫌でも分かるしな」
元々、情報収集が得意なのは知っていた。
そして情報操作についても同様だった。
そんなイルゼンだけに、どこか普通と違うというのは分かってしまう。
だが、それでもアランにとっては産まれた……もしくはこの世界に転生したときから、家族が所属するクランを率いる人物として、一緒に行動してきた相手だ。
……そんなアランにとっても、今回の一件は驚くようなことが多かったのだが。
(何だか、今まで隠していた実力を発揮したって感じだよな)
普段は飄々としているイルゼンだ。
何かをすると雲海の皆から叱られていた光景は、すぐにでも思い出せる。
しかし、纏めるところではしっかりと皆を纏め、そんなイルゼンを雲海の者たちも頼っていた。
(それが変わったというか、本当の実力を発揮するようになったのは、やっぱりガリンダミア帝国の件があってからだよな。……本当の実力を発揮するようになったというか、発揮する必要が出て来たといった表現の方が正しいけど)
アランはそんな風に思いつつもレオノーラと会話を交わしつつ、進行方向を変える。
イルゼン率いる本隊が、現在いる大体の場所は分かる。
だが、その正確な場所は分からない以上、探すのは何気に大変そうだった。
とはいえ、雲海と黄金の薔薇を中心に多数のレジスタンスが集まっているのだ。
そうである以上、どうしても規模が大きくなり、それを見つけるのは難しいことではなさそうだったが。
つまり、本隊に合流しようと考えたからとはいえ、それがすぐに叶うといったことはない。
そんな中で、実はすでに本隊がガリンダミア帝国軍によって負けているといった可能性を一切考えないのは、仲間の実力に強い信頼を抱いているからだろう。
それこそガリンダミア帝国軍が大軍でやってきても、雲海や黄金の薔薇の面々がいれば全く問題なく戦えるはずだった。
……レジスタンスの方には、大きな被害が出るかもしれないが。
(まぁ、ガリンダミア帝国軍が何をしても、母さんや父さんがいるから何とでもなりそうだけど)
普通、こういうときには母親よりも父親の方が先にくるのが普通だろう。
だが、リアとニコラスというアランの両親の性格を考えれば、強気で前に出ることが多いリアの名前が先に出ることは当然だった。
「取りあえず、向かうか。何をするにしても、合流してからの方がいいだろうし」
『そうね。……もっとも、いっそのこと私たちだけで帝都に向かって、上空から攻撃して逃げるといった真似をしても面白いかもしれないけど』
「いや、それはどうよ? 多分、向こうもその辺はしっかりと対処してると思うぞ?」
ゼオンと黄金のドラゴンの能力を知らないのならともかく、向こうはその辺についてもしっかりと理解しているのだ。
そうである以上、当然だが上空からの爆撃といったような手段に対処をしていないとは思えなかった。
あるいは、これがガリンダミア帝国ではなく、もっと小国であれば多少は話が違った可能性もあっただろうが。
しかし、ガリンダミア帝国は多くの心核使いを抱えている国だ。
そんなガリンダミア帝国が、上空からの攻撃に何の対処もしていないというのは、アレンにはとてもではないが信じられなかった。
もちろん、そのような真似が出来るのならそれが最善なのは間違いないだろうが。
「空を飛べる心核使いが複数用意されているのは当然で、その上でマジックアイテムを使って対処をしてくる可能性は十分にある」
空を飛ぶ心核使いだけなら、ゼオンと黄金のドラゴンという戦力を考えれば、全く問題なく対処出来るだろう。
それこそ、以前アランが戦った空を飛ぶケルベロス級の心核使いが多数いたりするのでなければ、問題はない。
だが、マジックアイテム……特に、死の瞳というマジックアイテムが非常に厄介なのは、以前経験して理解していた。
何しろ、心核が使えなくなるのだから。
もしアランたちが帝都の上空に到着したところで死の瞳を使われた場合、最悪そのままガリンダミア帝国に身柄を押さえられかねない。
死の瞳の効果は個人を対象にするのではなく、一定に範囲内に効果を及ぼす。
それはつまり、アランやレオノーラだけではなく、ガリンダミア帝国の心核使いに対しても死の瞳の効果があるということなのだが……ガリンダミア帝国であれば、その辺を考慮するといったことはないだろう。
あるいは、考慮した上でアランたちを捕らえることが出来ると判断すれば、躊躇なく死の瞳を使ってもおかしくはなかった。
死の瞳の使用者は死ぬことになるのだが、それでもまた躊躇したりはしないだろう。
ガリンダミア帝国にしてみれば、使用者……一定以上の魔力を持つ者の一人や二人死んだことで、アランやレオノーラを確保出来るのなら問題はないと、そう思ってもおかしくはないのだから。
『そう、残念ね。上手くいけば、ガリンダミア帝国を警戒させることが出来て、他の方面でも楽になると思ったんだけど』
「それは否定しないけど、やっぱりちょっとリスクが高すぎると思う」
もし成功した場合、帝都が攻撃を受けたということで、レジスタンスの対処に向かわせている戦力を帝都の防衛に回すといったようなことをして、それによってガリンダミア帝国の領土で活動しているレジスタンスが楽になるのは、間違いのない事実だ。
……もっとも、そうなればそうなったで、帝都の防衛が硬くなるので、最終的に帝都を攻撃するときになり苦労することになるのだが。
そういう意味では、現在の状況はレジスタンスを狙って行動しているガリンダミア帝国軍を各個撃破して戦力を削る絶好の機会なのは間違いのない事実だった。
もっとも、それはあくまでもガリンダミア帝国軍を倒すことが出来る戦力があるというのが前提になっている話なのだが。
また、レジスタンスが必ずしも雲海や黄金の薔薇の本隊と行動を共にしている訳ではない以上、レジスタンス側もまた、各個撃破されることが多いのだが。
そういう意味では、アランやレオノーラがガリンダミア帝国の領土を飛び回ってガリンダミア帝国軍を見つけては撃破するといったようなことは、悪い選択ではない。
いや、むしろ最良の選択肢の一つではあるだろう。
……それでも、いつまでも同じことをしている訳にはいかず、こうして本隊に合流しようとしているのだが。
「とにかく、今は帝都に向かうんじゃなくて本隊に合流しよう」
『そうね』
最終的にレオノーラはアランの言葉に頷き、移動を始めるのだった。
レオノーラがそう言ってきたのは、街を略奪している軍隊を撃退――実際には向こうが勝手に逃げたのだが――してから数日後のことだった。
アランとレオノーラが本隊……イルゼン率いる雲海や黄金の薔薇、そして合流したレジスタンスたちから離れてから、すでにそれなりの日数が経過している。
そうである以上、レオノーラの言う通り、当初の予定が正しければすでに進軍が開始されているはずだった。
ガリンダミア帝国軍も周辺諸国との戦いに派遣した戦力を最小限にしてまで、レジスタンスの壊滅を狙っている。
そうである以上、当然ながらアランたちも本隊に合流する頃合いであるのは間違いなかった。
もちろん、アランたちが本隊に合流するということは、ガリンダミア帝国の領土内で活動しているレジスタンスが軍に見つかった場合、それに対処出来る者が減るということになる。
だが、元々の話アランとレオノーラだけでガリンダミア帝国の領土内にいる全てのレジスタンスを守るといったような真似が出来るはずもない。
今日までガリンダミア帝国軍に攻撃されているレジスタンスを守ってきたのは事実だが、それでも全てのレジスタンスを救えた訳ではない。
これまで周辺国家を次々と制圧してきたガリンダミア帝国軍だけに、その領土は広大なのだ。
それこそ、ゼオンと黄金のドラゴンが自由に空を飛んで移動していても、全てのレジスタンスを救うのは不可能というほどに。
「そうだな。なら、本隊に合流するか。……イルゼンさんなら、何の問題もなく本隊を動かしているように思えるけど」
『それは否定しないわ。……正直、イルゼンのことは一体どう判断したらいいのか、分からないくらいに有能だもの』
そう返してくるレオノーラは、少しだけイルゼンを羨む色がある。
レオノーラも、黄金の薔薇というクランを率いている身だ。
黄金の薔薇は規模的にも雲海とそう違わない。
そういう意味では、レオノーラとイルゼンは互角の立場にいるようなものなのだが……しかし、レオノーラとしてはイルゼンがこれまでやってきたことを間近で見て、とてもではないが自分とは互角の相手とは思えなかった。
今回イルゼンがやった、周辺諸国に連合軍を結成させ、ガリンダミア帝国の領土内にいるレジスタンスを一斉に蜂起させるという行動。
もしそんな真似をレオノーラがやれと言われても、到底出来るとは思えない。
あるいはもし出来たとしても、イルゼンのように短時間でそのような真似をするのは無理だ。
それこそ、最低でも年単位の時間がかかってもおかしくはなかった。
同じ規模のクランを率いているだけに、レオノーラは自分とイルゼンの実力差に嘆くことが多い。
もちろん、実際に戦いになった場合はレオノーラがイルゼンに負けるといったつもりはなかったが、それはあくまでも個人の探索者としての話だ。
今回やったように集団を率いるといったような立場で考えた場合、イルゼンとレオノーラのどちらが格上なのかというのは、考えるまでもなく明らかだ。
「言っておくけど、イルゼンさんは色々と特殊な存在だからな。そこまで気にする必要はないと思うぞ」
『アラン……それって慰めてるのかしら?』
「いや、そういう訳じゃなくて、純粋に俺が思っていることだ。イルゼンさんがどこか普通じゃないってのは、それこそ一緒に行動していれば嫌でも分かるしな」
元々、情報収集が得意なのは知っていた。
そして情報操作についても同様だった。
そんなイルゼンだけに、どこか普通と違うというのは分かってしまう。
だが、それでもアランにとっては産まれた……もしくはこの世界に転生したときから、家族が所属するクランを率いる人物として、一緒に行動してきた相手だ。
……そんなアランにとっても、今回の一件は驚くようなことが多かったのだが。
(何だか、今まで隠していた実力を発揮したって感じだよな)
普段は飄々としているイルゼンだ。
何かをすると雲海の皆から叱られていた光景は、すぐにでも思い出せる。
しかし、纏めるところではしっかりと皆を纏め、そんなイルゼンを雲海の者たちも頼っていた。
(それが変わったというか、本当の実力を発揮するようになったのは、やっぱりガリンダミア帝国の件があってからだよな。……本当の実力を発揮するようになったというか、発揮する必要が出て来たといった表現の方が正しいけど)
アランはそんな風に思いつつもレオノーラと会話を交わしつつ、進行方向を変える。
イルゼン率いる本隊が、現在いる大体の場所は分かる。
だが、その正確な場所は分からない以上、探すのは何気に大変そうだった。
とはいえ、雲海と黄金の薔薇を中心に多数のレジスタンスが集まっているのだ。
そうである以上、どうしても規模が大きくなり、それを見つけるのは難しいことではなさそうだったが。
つまり、本隊に合流しようと考えたからとはいえ、それがすぐに叶うといったことはない。
そんな中で、実はすでに本隊がガリンダミア帝国軍によって負けているといった可能性を一切考えないのは、仲間の実力に強い信頼を抱いているからだろう。
それこそガリンダミア帝国軍が大軍でやってきても、雲海や黄金の薔薇の面々がいれば全く問題なく戦えるはずだった。
……レジスタンスの方には、大きな被害が出るかもしれないが。
(まぁ、ガリンダミア帝国軍が何をしても、母さんや父さんがいるから何とでもなりそうだけど)
普通、こういうときには母親よりも父親の方が先にくるのが普通だろう。
だが、リアとニコラスというアランの両親の性格を考えれば、強気で前に出ることが多いリアの名前が先に出ることは当然だった。
「取りあえず、向かうか。何をするにしても、合流してからの方がいいだろうし」
『そうね。……もっとも、いっそのこと私たちだけで帝都に向かって、上空から攻撃して逃げるといった真似をしても面白いかもしれないけど』
「いや、それはどうよ? 多分、向こうもその辺はしっかりと対処してると思うぞ?」
ゼオンと黄金のドラゴンの能力を知らないのならともかく、向こうはその辺についてもしっかりと理解しているのだ。
そうである以上、当然だが上空からの爆撃といったような手段に対処をしていないとは思えなかった。
あるいは、これがガリンダミア帝国ではなく、もっと小国であれば多少は話が違った可能性もあっただろうが。
しかし、ガリンダミア帝国は多くの心核使いを抱えている国だ。
そんなガリンダミア帝国が、上空からの攻撃に何の対処もしていないというのは、アレンにはとてもではないが信じられなかった。
もちろん、そのような真似が出来るのならそれが最善なのは間違いないだろうが。
「空を飛べる心核使いが複数用意されているのは当然で、その上でマジックアイテムを使って対処をしてくる可能性は十分にある」
空を飛ぶ心核使いだけなら、ゼオンと黄金のドラゴンという戦力を考えれば、全く問題なく対処出来るだろう。
それこそ、以前アランが戦った空を飛ぶケルベロス級の心核使いが多数いたりするのでなければ、問題はない。
だが、マジックアイテム……特に、死の瞳というマジックアイテムが非常に厄介なのは、以前経験して理解していた。
何しろ、心核が使えなくなるのだから。
もしアランたちが帝都の上空に到着したところで死の瞳を使われた場合、最悪そのままガリンダミア帝国に身柄を押さえられかねない。
死の瞳の効果は個人を対象にするのではなく、一定に範囲内に効果を及ぼす。
それはつまり、アランやレオノーラだけではなく、ガリンダミア帝国の心核使いに対しても死の瞳の効果があるということなのだが……ガリンダミア帝国であれば、その辺を考慮するといったことはないだろう。
あるいは、考慮した上でアランたちを捕らえることが出来ると判断すれば、躊躇なく死の瞳を使ってもおかしくはなかった。
死の瞳の使用者は死ぬことになるのだが、それでもまた躊躇したりはしないだろう。
ガリンダミア帝国にしてみれば、使用者……一定以上の魔力を持つ者の一人や二人死んだことで、アランやレオノーラを確保出来るのなら問題はないと、そう思ってもおかしくはないのだから。
『そう、残念ね。上手くいけば、ガリンダミア帝国を警戒させることが出来て、他の方面でも楽になると思ったんだけど』
「それは否定しないけど、やっぱりちょっとリスクが高すぎると思う」
もし成功した場合、帝都が攻撃を受けたということで、レジスタンスの対処に向かわせている戦力を帝都の防衛に回すといったようなことをして、それによってガリンダミア帝国の領土で活動しているレジスタンスが楽になるのは、間違いのない事実だ。
……もっとも、そうなればそうなったで、帝都の防衛が硬くなるので、最終的に帝都を攻撃するときになり苦労することになるのだが。
そういう意味では、現在の状況はレジスタンスを狙って行動しているガリンダミア帝国軍を各個撃破して戦力を削る絶好の機会なのは間違いのない事実だった。
もっとも、それはあくまでもガリンダミア帝国軍を倒すことが出来る戦力があるというのが前提になっている話なのだが。
また、レジスタンスが必ずしも雲海や黄金の薔薇の本隊と行動を共にしている訳ではない以上、レジスタンス側もまた、各個撃破されることが多いのだが。
そういう意味では、アランやレオノーラがガリンダミア帝国の領土を飛び回ってガリンダミア帝国軍を見つけては撃破するといったようなことは、悪い選択ではない。
いや、むしろ最良の選択肢の一つではあるだろう。
……それでも、いつまでも同じことをしている訳にはいかず、こうして本隊に合流しようとしているのだが。
「とにかく、今は帝都に向かうんじゃなくて本隊に合流しよう」
『そうね』
最終的にレオノーラはアランの言葉に頷き、移動を始めるのだった。
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