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ガリンダミア帝国との決着
376話
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結局レオノーラの変身した黄金のドラゴンによって咆吼が放たれると、略奪していた者たちはそれ以上何も行動は出来なくなった。
黄金のドラゴンの咆吼は、己の分を知れ、と。略奪者達にそのように思い知らせるには十分な迫力がある。
そして自分たちが攻撃をしようとしていたのがどのような存在なのかを知った者たちは、一人、また一人とその場から逃げ出していき……そうして逃げ出す者の数が一定値を超えたところで、襲撃者たちは一気にその場から逃げ出すことになる。
『待て! 逃げるな! ここで逃げれば敵前逃亡だぞ!』
間近で黄金のドラゴンの咆吼を聞き、それによって腰を抜かしていた男は、自分の目の前で逃げ出し始めた者たちを見て、そんな風に叫ぶ。
間近で咆吼を浴びたというのに、真っ先に我に返った辺りは肝が太いのかもしれないが……それでも腰を抜けしてまともに動けないようになっているのを見れば、凄いと思う人物はそう多くないかもしれないが。
それでもここで兵士に逃げられ、街を襲撃したことが明るみに出てしまえば、自分にとって未来には絶望しかないと、そう判断しているのだろう。
だからこそ必死に叫び、もしくは脅すものの、兵士たちは上官の男を顧みるようなことはない。
今は少しでも黄金のドラゴンから離れようと、それだけしか考えていなかった。
「結局こんなものか」
腰を抜かし、地面から立ち上がることが出来ない相手を見ながら、アランはそんな風に呟く。
部下からも完全に見捨てられた男は、必死になって逃げるなといったように言っていたが……やがて、その言葉は変わる。
『私も連れていけ! 指揮官を置いていくとは何事だ!』
そう、兵士たちに向かって逃げるなと言うのではなく、逃げるのなら自分も連れていけと言い出したのだ。
とはいえ、兵士たちも自分たちが黄金のドラゴンから逃げるのに精一杯である以上、そんな男に構っているような余裕はない。
何しろ、黄金のドラゴンを怒らせた男だ。
もし男を連れていったりしたら、黄金のドラゴンに目を付けられる可能性は皆無ではない。
だからこそ、男を助けるなどといったことを考えることもないまま、逃げ出したのだろう。
『で、アラン。これからどうするの?』
「どうするのと言われてもな。街の襲撃はもう終わったんだし、俺たちがこれ以上何かをする必要はないと思うぞ。あの男も自分でやった件の不始末を自分の身で支払うことになるだろうし」
レオノーラに言葉を返すアランの視線は、映像モニタに向けられている。
そこに映し出されているのは、ゼオンと黄金のドラゴンがいるので、まだ近付いて来る様子はないが……それでも木の棒や兵士が忘れていった長剣、槍……中には包丁の類を武器として手にし、男の周囲に集まってくる街の住人たちの姿。
もしここでアランたちがいなくなれば、この街を襲った軍を率いていた者がどのようことになるのかは、想像するのも難しくはないだろう。
それを承知の上で、アランはここから離れようとレオノーラに言っているのだ。
(あの男を殺せば、あとでこの街が色々と面倒なことになるかもしれないが……その件にかんしては、襲撃があったってことをあとで知らせれば、それで問題はなくなる……訳ではないが、それでも大きな問題にはならないはずだ)
元々が、決してガリンダミア帝国の従属国で略奪の類をしてはいけないということになっていた以上、それを行った者の……そしてそんな人物を軍の上層部においた国の責任は重い。
一応、この街に逃げ込んだガリンダミア帝国軍の兵士を捜すという目的が表向きにあったようだったが、実際に街で行われていたのは、逃げ込んだ兵士たちの捜索ではなく略奪だ。
それをしっかりと見ている以上、もし万が一にもこの街に兵士が逃げ込んでいたとしても、アランとしては略奪を認めるといったつもりはかった。
……いや、略奪だけなら兵士を捜しているといったように見ることも出来たかもしれないが、兵士を捜している者たちが、何故女の服を破っていたのか、そして地面に押し倒し、のしかかっていたのか。
その辺にかんしては、とてもではないが説得力がない。
「この一件はあとで報告させて貰う。お前の国が受ける罰則は重いし、それを引き起こすことになったお前の友人や知人、家族、恋人といった面々は国で肩身の狭い思いをする……いや、国にいることが出来るかどうかも分からないが、それはお前という人物にかかわった不幸だと思って諦めろ」
『なぁっ! ま、待て! 待ってくれ!』
アランが外部スピーカーで男に告げると、それを聞いた男は急に慌て出す。
まさか自分の行いが自分と縁のある者たちにも被害を与えるとは、思っていなかったのか。
あるいは、それを隠し通せるつもりでいたのか。
その辺りはアランには分からない。
分からないが、アランにはこれ以上この件で男を擁護するようなつもりはない。
アランたちがやって来たとき、略奪をしていた時点でどうしようもうないのだ。
……あるいは、本当、万が一、億が一にもこの街にガリンダミア帝国軍の兵士が逃げ込んだのだとしても、略奪をせず普通に捜索をしているのであれば、アランも責めるといったような真似をする必要がなかったのだが。
戦争、それとも今までは常に勝利していたガリンダミア帝国軍に勝ち、興奮していたのは分かるが、それでもやはり略奪は許容出来なかった。
「レオノーラ、そろそろ行こうか」
『そうね。他のレジスタンスたちも襲われているかもしれないから、助ける必要があるでしょうし』
レオノーラもアランの意見に反対はないのか、素直に頷く。
そんな会話をしている間にも、男の周囲に集まってきた街の住人たちは、武器を手にして近付いていく。
そして……今更ながらに、男は自分の置かれている状況に理解したのか、慌てたように叫ぶ。
『待て! ここで私に手を出せば、どうなるのか分かっているのか! お前たちに未来はなくなるぞ!』
自分が助かりたいがため、必死になって叫ぶ男。
しかし、その言葉はむしろ周囲に集まってきていた者たちの復讐心に火を点ける結果となる。
男にしてみれば、自分に危害が加えられれば自国が黙っていないと、そう主張したつもりなのだろう。
だが、先程までアランと男がしていた会話を聞いていた者も多い。
今回の街の略奪によって、男が……そして男の国が受ける被害は、とてつもなく大きいというのは、皆が予想出来た。
もっとも、自分たちが受けた被害を思えば、後先を考えずに行動する者も多かったが。
男の言葉に対し、周囲にいる者たちは再び包囲を狭める。
血走った目、怒り狂った目、復讐心に燃えた目……男は様々な視線を向けられ、必死にその場から逃げようとするものの、街の住人たちに囲まれている以上、そのような真似は出来ない。
ましてや、黄金のドラゴンの口から放たれた咆吼によって、未だに腰が抜けたままなのだ。
殺気に満ちた視線で自分を見ている街の住人たちに、どうするべきか男は迷う。
このままでは殺される。
そう思った男は半ば反射的にとはいえ、致命的な言葉を口にしてしまう。
『待て、待つんだ。今回の不幸な出来事で被害にあった人たちには申し訳なく思うが、誰も復讐は望んでいないはずだ! 君たちの手が他人の血によって汚れることは、君たちの家族や恋人、友人も望んでいない。復讐は何も生まないのだから!』
男にしてみれば、それは一世一代の叫びだったのだろう。
しかし、家族や友人、恋人が街の住人の手が血に染まることは望んでいない。また、復讐は何も生まないというその言葉は、もし第三者が口にしたのなら、多少は効果があったかもしれない。
だが、それを口にしたのが、街を襲撃した者たちを率いていた者であれば……それは街の住人たちの感情を逆撫でする行為以外のなにものでもない。
『黙れぇっ!』
街の住人の一人が叫び、手にした鍬を腰が抜けてその場から動けない男に向かって振り下ろす。
『ぎゃああああああああああっ!』
周囲に響き渡る男の悲鳴。
鍬の先端が、男の身体に叩き込まれたのだ。
幸いにも鎧を着ていたので、その一撃は致命傷となるようなことはない。
鍬の先端が男の身体に突き刺さるといったようなこともなかった。
だが、金属の鎧を通して伝わってきた衝撃は、男に悲鳴を上げさせるには十分な威力を持つ。
冷静になれば、その衝撃にも多少は堪えることが出来たのかもしれないが、復讐心よって暴走している者たちに囲まれているという今の状況を思えば、とてもではないが落ち着けというのは無理だった。
そして男にとっては不幸なことに、最初の一撃によって発せられた悲鳴は、他の者たちの攻撃を誘発することになる。
すでに男のすぐ側まで来ていた者たちが、悲鳴を聞いて自分も男に思い知らせてやりたいと、それぞれが持っている武器を振り上げ……
「ひっ、ひぃっ」
それを見た男は、自分がこれからどうなるのかを理解したのだろう。
喉の億から引き攣るような悲鳴が発せられ、だがぞれ以上何かが男の口から出るよりも前に、武器を振り上げていた者たちは、まるでタイミングを計ったかのように一斉に振り下ろす。
「ぎゃああああああ! や、やめっ、止めてくれぇっ! 俺が悪か、がぼっ、げぼっ、ごがぁ……」
何かを言おうとするものの、次々に加えられる攻撃によって男の声は減っていく。
そして同時に、周囲に響くのは男の悲鳴だけとなり、次第にその悲鳴も減って肉を叩く音だけが周囲に響き渡る。
映像モニタでその様子を見ていたアランは、これはさすがにやりすぎでは? と思わないでもなかったが、この街で略奪を行った報いを受けているのだから、それをアランにどうこう言う筋合いはない。
「レオノーラ、行くか」
そう言うアランに、レオノーラが変身した黄金のドラゴンは翼を軽く羽ばたかせて了承の返事とする。
ゼオンと黄金のドラゴンは、この街に対して色々と思うところがあったが、今はそれよりも前にやるべきことが多数あると判断し……その街から飛び去るのだった。
黄金のドラゴンの咆吼は、己の分を知れ、と。略奪者達にそのように思い知らせるには十分な迫力がある。
そして自分たちが攻撃をしようとしていたのがどのような存在なのかを知った者たちは、一人、また一人とその場から逃げ出していき……そうして逃げ出す者の数が一定値を超えたところで、襲撃者たちは一気にその場から逃げ出すことになる。
『待て! 逃げるな! ここで逃げれば敵前逃亡だぞ!』
間近で黄金のドラゴンの咆吼を聞き、それによって腰を抜かしていた男は、自分の目の前で逃げ出し始めた者たちを見て、そんな風に叫ぶ。
間近で咆吼を浴びたというのに、真っ先に我に返った辺りは肝が太いのかもしれないが……それでも腰を抜けしてまともに動けないようになっているのを見れば、凄いと思う人物はそう多くないかもしれないが。
それでもここで兵士に逃げられ、街を襲撃したことが明るみに出てしまえば、自分にとって未来には絶望しかないと、そう判断しているのだろう。
だからこそ必死に叫び、もしくは脅すものの、兵士たちは上官の男を顧みるようなことはない。
今は少しでも黄金のドラゴンから離れようと、それだけしか考えていなかった。
「結局こんなものか」
腰を抜かし、地面から立ち上がることが出来ない相手を見ながら、アランはそんな風に呟く。
部下からも完全に見捨てられた男は、必死になって逃げるなといったように言っていたが……やがて、その言葉は変わる。
『私も連れていけ! 指揮官を置いていくとは何事だ!』
そう、兵士たちに向かって逃げるなと言うのではなく、逃げるのなら自分も連れていけと言い出したのだ。
とはいえ、兵士たちも自分たちが黄金のドラゴンから逃げるのに精一杯である以上、そんな男に構っているような余裕はない。
何しろ、黄金のドラゴンを怒らせた男だ。
もし男を連れていったりしたら、黄金のドラゴンに目を付けられる可能性は皆無ではない。
だからこそ、男を助けるなどといったことを考えることもないまま、逃げ出したのだろう。
『で、アラン。これからどうするの?』
「どうするのと言われてもな。街の襲撃はもう終わったんだし、俺たちがこれ以上何かをする必要はないと思うぞ。あの男も自分でやった件の不始末を自分の身で支払うことになるだろうし」
レオノーラに言葉を返すアランの視線は、映像モニタに向けられている。
そこに映し出されているのは、ゼオンと黄金のドラゴンがいるので、まだ近付いて来る様子はないが……それでも木の棒や兵士が忘れていった長剣、槍……中には包丁の類を武器として手にし、男の周囲に集まってくる街の住人たちの姿。
もしここでアランたちがいなくなれば、この街を襲った軍を率いていた者がどのようことになるのかは、想像するのも難しくはないだろう。
それを承知の上で、アランはここから離れようとレオノーラに言っているのだ。
(あの男を殺せば、あとでこの街が色々と面倒なことになるかもしれないが……その件にかんしては、襲撃があったってことをあとで知らせれば、それで問題はなくなる……訳ではないが、それでも大きな問題にはならないはずだ)
元々が、決してガリンダミア帝国の従属国で略奪の類をしてはいけないということになっていた以上、それを行った者の……そしてそんな人物を軍の上層部においた国の責任は重い。
一応、この街に逃げ込んだガリンダミア帝国軍の兵士を捜すという目的が表向きにあったようだったが、実際に街で行われていたのは、逃げ込んだ兵士たちの捜索ではなく略奪だ。
それをしっかりと見ている以上、もし万が一にもこの街に兵士が逃げ込んでいたとしても、アランとしては略奪を認めるといったつもりはかった。
……いや、略奪だけなら兵士を捜しているといったように見ることも出来たかもしれないが、兵士を捜している者たちが、何故女の服を破っていたのか、そして地面に押し倒し、のしかかっていたのか。
その辺にかんしては、とてもではないが説得力がない。
「この一件はあとで報告させて貰う。お前の国が受ける罰則は重いし、それを引き起こすことになったお前の友人や知人、家族、恋人といった面々は国で肩身の狭い思いをする……いや、国にいることが出来るかどうかも分からないが、それはお前という人物にかかわった不幸だと思って諦めろ」
『なぁっ! ま、待て! 待ってくれ!』
アランが外部スピーカーで男に告げると、それを聞いた男は急に慌て出す。
まさか自分の行いが自分と縁のある者たちにも被害を与えるとは、思っていなかったのか。
あるいは、それを隠し通せるつもりでいたのか。
その辺りはアランには分からない。
分からないが、アランにはこれ以上この件で男を擁護するようなつもりはない。
アランたちがやって来たとき、略奪をしていた時点でどうしようもうないのだ。
……あるいは、本当、万が一、億が一にもこの街にガリンダミア帝国軍の兵士が逃げ込んだのだとしても、略奪をせず普通に捜索をしているのであれば、アランも責めるといったような真似をする必要がなかったのだが。
戦争、それとも今までは常に勝利していたガリンダミア帝国軍に勝ち、興奮していたのは分かるが、それでもやはり略奪は許容出来なかった。
「レオノーラ、そろそろ行こうか」
『そうね。他のレジスタンスたちも襲われているかもしれないから、助ける必要があるでしょうし』
レオノーラもアランの意見に反対はないのか、素直に頷く。
そんな会話をしている間にも、男の周囲に集まってきた街の住人たちは、武器を手にして近付いていく。
そして……今更ながらに、男は自分の置かれている状況に理解したのか、慌てたように叫ぶ。
『待て! ここで私に手を出せば、どうなるのか分かっているのか! お前たちに未来はなくなるぞ!』
自分が助かりたいがため、必死になって叫ぶ男。
しかし、その言葉はむしろ周囲に集まってきていた者たちの復讐心に火を点ける結果となる。
男にしてみれば、自分に危害が加えられれば自国が黙っていないと、そう主張したつもりなのだろう。
だが、先程までアランと男がしていた会話を聞いていた者も多い。
今回の街の略奪によって、男が……そして男の国が受ける被害は、とてつもなく大きいというのは、皆が予想出来た。
もっとも、自分たちが受けた被害を思えば、後先を考えずに行動する者も多かったが。
男の言葉に対し、周囲にいる者たちは再び包囲を狭める。
血走った目、怒り狂った目、復讐心に燃えた目……男は様々な視線を向けられ、必死にその場から逃げようとするものの、街の住人たちに囲まれている以上、そのような真似は出来ない。
ましてや、黄金のドラゴンの口から放たれた咆吼によって、未だに腰が抜けたままなのだ。
殺気に満ちた視線で自分を見ている街の住人たちに、どうするべきか男は迷う。
このままでは殺される。
そう思った男は半ば反射的にとはいえ、致命的な言葉を口にしてしまう。
『待て、待つんだ。今回の不幸な出来事で被害にあった人たちには申し訳なく思うが、誰も復讐は望んでいないはずだ! 君たちの手が他人の血によって汚れることは、君たちの家族や恋人、友人も望んでいない。復讐は何も生まないのだから!』
男にしてみれば、それは一世一代の叫びだったのだろう。
しかし、家族や友人、恋人が街の住人の手が血に染まることは望んでいない。また、復讐は何も生まないというその言葉は、もし第三者が口にしたのなら、多少は効果があったかもしれない。
だが、それを口にしたのが、街を襲撃した者たちを率いていた者であれば……それは街の住人たちの感情を逆撫でする行為以外のなにものでもない。
『黙れぇっ!』
街の住人の一人が叫び、手にした鍬を腰が抜けてその場から動けない男に向かって振り下ろす。
『ぎゃああああああああああっ!』
周囲に響き渡る男の悲鳴。
鍬の先端が、男の身体に叩き込まれたのだ。
幸いにも鎧を着ていたので、その一撃は致命傷となるようなことはない。
鍬の先端が男の身体に突き刺さるといったようなこともなかった。
だが、金属の鎧を通して伝わってきた衝撃は、男に悲鳴を上げさせるには十分な威力を持つ。
冷静になれば、その衝撃にも多少は堪えることが出来たのかもしれないが、復讐心よって暴走している者たちに囲まれているという今の状況を思えば、とてもではないが落ち着けというのは無理だった。
そして男にとっては不幸なことに、最初の一撃によって発せられた悲鳴は、他の者たちの攻撃を誘発することになる。
すでに男のすぐ側まで来ていた者たちが、悲鳴を聞いて自分も男に思い知らせてやりたいと、それぞれが持っている武器を振り上げ……
「ひっ、ひぃっ」
それを見た男は、自分がこれからどうなるのかを理解したのだろう。
喉の億から引き攣るような悲鳴が発せられ、だがぞれ以上何かが男の口から出るよりも前に、武器を振り上げていた者たちは、まるでタイミングを計ったかのように一斉に振り下ろす。
「ぎゃああああああ! や、やめっ、止めてくれぇっ! 俺が悪か、がぼっ、げぼっ、ごがぁ……」
何かを言おうとするものの、次々に加えられる攻撃によって男の声は減っていく。
そして同時に、周囲に響くのは男の悲鳴だけとなり、次第にその悲鳴も減って肉を叩く音だけが周囲に響き渡る。
映像モニタでその様子を見ていたアランは、これはさすがにやりすぎでは? と思わないでもなかったが、この街で略奪を行った報いを受けているのだから、それをアランにどうこう言う筋合いはない。
「レオノーラ、行くか」
そう言うアランに、レオノーラが変身した黄金のドラゴンは翼を軽く羽ばたかせて了承の返事とする。
ゼオンと黄金のドラゴンは、この街に対して色々と思うところがあったが、今はそれよりも前にやるべきことが多数あると判断し……その街から飛び去るのだった。
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