292 / 422
メルリアナへ
291話
しおりを挟む
「随分と懐かれたのね」
クラリスたちとのいざこざも終わり、自分の準備をしようとしていたところで、アランはレオノーラにそう言われる。
とはいえ、その言葉は嫉妬ではなく面白そうな色が混ざっていたのだが。
レオノーラにしてみれば、クラリスとアランのやり取りはそれだけ面白いものだったのだろう。
「そうらしいけど、何であんなに急に懐かれたのか、全く分からないんだが」
アランにしてみれば、クラリスに対して何かしたようなつもりはない。
可能性としては、あのとき周囲に響いたクラリスの声にアランだけが何も感じていなかったということくらいだが……それは言ってみれば、種族特性か、魔法か、マジックアイテムか、スキルか、その辺りは分からないが、ともあれクラリスの奥の手がアランには通じないということを意味している。
であれば、アランを忌避するのならともかく、アランに好意を抱くというのは理解出来ない。
「まだ子供だったから、年の近いアランに親しみを感じたんじゃない?」
「その可能性は……ないとは言えないか?」
実際、ゴドフリーや他の獣人たちは全員が大人と呼ぶべき年齢だ。
アランもまた、子供か大人かで考えれば大人と呼ぶ方に入るのだが、それでもまだクラリスと年齢は近い。
「けど、それならレオノーラたちはどうなんだ? そっちにだって、俺と年齢の近い奴はいるだろ?」
「いるけど、あのときクラリスだったわよね? あの娘の側にいたのはアランだけだったでしょう?」
「それでも、普通なら男の俺よりも女のレオノーラとかに親しみを覚えるんじゃないか?」
アランは男で、クラリスは女だ。
そうである以上、クラリスがもし懐くとしたら自分ではなくレオノーラのような女なのではいか。
アランとしてはそのように思うのだが、レオノーラはそんなことはないと首を横に振る。
「あのくらいの年齢なら、まだそこまで相手が男か女かというのは気にしないわよ」
「……そうか?」
アランから見て、クラリスは十歳前後に見える。
つまり、日本では小学四年生といったところだ。
ましてや、クラリスはかなり頭がいいように思える。
そんな人物が男か女かを気にしないのか? と言われれば、アランは素直に頷くことは出来ない。
少なくても、アランが小学四年生だった頃は男女でそれぞれ違うグループを作ったり、相手を意識したりといったことをした記憶があったからだ。
「姫様って呼ばれていたくらいだから、当然だけど今まで親しい男友達はいなかったんでしょうね」
そうレオノーラが言うのは、自分もまた姫という立場だからだか。
それも、レオノーラの場合は本当の意味で一国の姫なのだ。
クラリスの場合は、姫様と周囲の者たちに呼ばれてはいるものの、今の状況から見た限りではそのような本当の意味での姫というようには思えなかった。
「まぁ、クラリスが俺に懐いている件はともかく……多少なりとも向こうの事情を知ってしまった以上、簡単に切り捨てるって訳にはいかなくなったな」
「そうね。相手がきちんとした大人ならよかったんだけど。あんな子供だとね。それに……尻尾が二本ある獣人なんて、私は聞いたことがないわよ? アランは?」
「地球でなら、そういう獣人の話はいくつもあったな」
「……それ、ゲームとか漫画とかでしょ?」
アランの記憶を追体験したことがあるだけに、レオノーラは即座にそう答える。
実際アランはそのつもりで見たそういう獣人の話はいくつもあったと言っていたので、レオノーラの言葉は見事に当たっていた形だ。
だが、それを素直に認めると負けたような気分になるので、少し考えてから首を横に振る。
「いや、九尾の狐が過去にいたった伝説があってな。……もちろん地球だから、そんな存在が本当にいたとは思えないけど」
「あら、分からないわよ? どういう理由かはアランがこの世界に転生してきたんだから、もしかしたらこの世界から地球に転生……いえ、転移した人がいてもおかしくないんじゃない?」
「だと、いいけどな。だとすれば、玲二の奴ももしかしたらこの世界に転生してきているのかもしれないな」
アランは、前世で友人だった男の顔を思い出す。
自分が死ぬよりも前に死んでしまった友人。
そういう意味では、自分が転生したこの世界に玲二も転生していたら面白いのにと、そう思う。
しかし、そう思うだけで実際にそうなっているとは思えなかった。
もし死んだ者が全員この世界に転生してくるのなら、それこそ地球の文化がもっと広まっていてもおかしくはないのだから。
(あるいは、転生しても俺みたい記憶を持っては転生出来ないとか?)
それなら、アランにも一応納得出来る。……あくまでも一応だが。
「どうしたの?」
そんなアランの様子に疑問を抱いたのか、レオノーラがそう尋ねてくる。
「いや、これから色々と面倒なことになりそうだなと思って」
「そうね。クラリスのことを知ってしまったから、それを考えれば間違いなく面倒なことになるでしょうね」
アランにしてみれば、レオノーラの言葉は否定出来ない事実だ。
とはいえ、アランはその面倒についてはそこまで心配はしていない。
アランたちがゴドフリーを見つけたとき、襲っていた相手。
その相手は結局逃がしてしまったが、正面から戦って負けるとは全く思っていない。
また襲ってきたら、それこそすぐにでも捕らえることが出来るだろう。
であれば、襲撃に関しては心配する必要はないのだ。
……ただし、それはあくまでも襲撃に対してだけであって、襲撃以外の面倒となると話は別だ。
そしてクラリスが姫と呼ばれている以上、その襲撃以外の面倒が襲ってくる可能性は十分に高かった。
「ちなみに、本当にちなみにの話だが、俺たちが向かっているメルリアナの王女の名前がクラリスだったりするなってことはないよな?」
「どうかしら。私もメルリアナについてはあまり詳しくないもの。小国だしね。だから、もしかしたら王女の名前がクラリスという可能性は決して否定出来ないわ。……もっとも、多分違うとは思うけど」
「違っていて欲しいな。個人的な希望としては、獣人の中で特別な存在だから姫扱いされているとか、そんな風に思いたい。いくら何でも、一国の姫がただの探索者にあそこまで懐くとは思えないし」
ただの探索者という言葉に、レオノーラは呆れの……それこそ本気か? 正気か? といったような視線を向ける。
レオノーラから見て、アランはとてもではないが普通の探索者とは思えない。
ゼオンという規格外の心核を使い、本人は前世の……それも異世界で生きた記憶を持っているのだ。
そのような人物を普通だということは、とてもではないが出来ない。
少なくても、レオノーラから見ればアランを普通の探索者と表現するのは不可能だった。
もっとも、そういうレオノーラも黄金のドラゴンに変身する心核使いで、一国の王女という立場である以上は、こちらもまた普通の探索者と呼ぶことはまず不可能だったが。
お互いがお互いを普通の探索者ではないと言い合い、やがて二十分ほどが経過してようやく落ち着く。
「それで、結局あの子はどうするの?」
「特にどうもしない。ここで下手に構ったら余計に懐かれそうだし」
「そうかもしれないわね。……でも……」
アランの言葉を聞いたレオノーラは、その言葉に納得した様子を見せながらも視線を逸らして意味深な笑みを浮かべる。
そんなレオノーラの様子を見て微妙に嫌な予感がしたアランは、レオノーラの視線を追う。
するとそこには、ゴドフリーとロルフを引き連れたクラリスの姿があった。
アランに見つかるまでは馬車で隠れていたクラリスだったが、自分の姿を見られてしまった以上は、もう隠れても意味がないと判断したのか、堂々と表を歩いている。
「アランさん、遊びにきちゃいました」
「……あー、うん。そうだな遊びに来ちゃいましたな」
「アランさん? 何か言葉遣いが変ですよ?」
「いや、ちょっと予想外の光景を見てな。クラリスは人前に出ない方がよかったんじゃないか?」
そうアランが言うと、その言葉に抗議するようにクラリスの二本の尻尾が激しく振られる。
「だってしょうがないでじゃないですか。私がここにいるのは、もう知られてしまったんですから。なら、わざわざ馬車の中にいなくてもいいでしょう? それに、ここにいれば安全ですし」
ねぇ? と同意を求めるように尋ねてくるクラリスに対し、アランが出来るのは頷くだけだ。
この状況で実は安全ではないといったようなことを言えば、それこそ自分たち実力が足りないと示しているようなものなのだから。
これがアランだけの実力であれば、クラリスの言葉に安全を約束は出来ないと言ってもよかったのだが、ここにいるのはアランだけではない。
雲海や黄金の薔薇の面々が揃っている状況で、そんなことを言えるはずもない。
「そうだな。安全ではあるだろうけど……クラリスは姫なんだろ? なら、もっと人数を引き連れて歩いてもいいんじゃないか?」
「だって、皆アランさんのことを悪く言うんですもの。ですから、ゴドフリーとロルフだけを連れてきました」
そう言われたアランは、名前を呼ばれた二人に視線を向ける。
本当にそれでいいのか? といったその視線だったが、それを向けられた二人はそっと視線を逸らす。
クラリスの言動に二人も色々と思うところはあるのだろうが、それでも自分たちの行動よりもクラリスの言動が優先すると、そう思っているのだろう。
つまり、それだけクラリスという存在は皆から大事にされているということだ。
(だからって、そのクラリスの相手を俺にさせるってのはどうかと思うけど。……いっそ、十歳くらいじゃなくてもっと大人なら俺も接するのが嬉しかったんだろうな。あ、でもそうなるとレオノーラにどういう目で見られるか分からないな)
自然とレオノーラのことを気にしているアランだったが、本人は全くそのことに気が付いてはいない。
口に出していないので、レオノーラもそんなアランの様子に気が付くことはなかったが。
ともあれ、アランはやむなくクラリスの相手をすることになるのだった。
クラリスたちとのいざこざも終わり、自分の準備をしようとしていたところで、アランはレオノーラにそう言われる。
とはいえ、その言葉は嫉妬ではなく面白そうな色が混ざっていたのだが。
レオノーラにしてみれば、クラリスとアランのやり取りはそれだけ面白いものだったのだろう。
「そうらしいけど、何であんなに急に懐かれたのか、全く分からないんだが」
アランにしてみれば、クラリスに対して何かしたようなつもりはない。
可能性としては、あのとき周囲に響いたクラリスの声にアランだけが何も感じていなかったということくらいだが……それは言ってみれば、種族特性か、魔法か、マジックアイテムか、スキルか、その辺りは分からないが、ともあれクラリスの奥の手がアランには通じないということを意味している。
であれば、アランを忌避するのならともかく、アランに好意を抱くというのは理解出来ない。
「まだ子供だったから、年の近いアランに親しみを感じたんじゃない?」
「その可能性は……ないとは言えないか?」
実際、ゴドフリーや他の獣人たちは全員が大人と呼ぶべき年齢だ。
アランもまた、子供か大人かで考えれば大人と呼ぶ方に入るのだが、それでもまだクラリスと年齢は近い。
「けど、それならレオノーラたちはどうなんだ? そっちにだって、俺と年齢の近い奴はいるだろ?」
「いるけど、あのときクラリスだったわよね? あの娘の側にいたのはアランだけだったでしょう?」
「それでも、普通なら男の俺よりも女のレオノーラとかに親しみを覚えるんじゃないか?」
アランは男で、クラリスは女だ。
そうである以上、クラリスがもし懐くとしたら自分ではなくレオノーラのような女なのではいか。
アランとしてはそのように思うのだが、レオノーラはそんなことはないと首を横に振る。
「あのくらいの年齢なら、まだそこまで相手が男か女かというのは気にしないわよ」
「……そうか?」
アランから見て、クラリスは十歳前後に見える。
つまり、日本では小学四年生といったところだ。
ましてや、クラリスはかなり頭がいいように思える。
そんな人物が男か女かを気にしないのか? と言われれば、アランは素直に頷くことは出来ない。
少なくても、アランが小学四年生だった頃は男女でそれぞれ違うグループを作ったり、相手を意識したりといったことをした記憶があったからだ。
「姫様って呼ばれていたくらいだから、当然だけど今まで親しい男友達はいなかったんでしょうね」
そうレオノーラが言うのは、自分もまた姫という立場だからだか。
それも、レオノーラの場合は本当の意味で一国の姫なのだ。
クラリスの場合は、姫様と周囲の者たちに呼ばれてはいるものの、今の状況から見た限りではそのような本当の意味での姫というようには思えなかった。
「まぁ、クラリスが俺に懐いている件はともかく……多少なりとも向こうの事情を知ってしまった以上、簡単に切り捨てるって訳にはいかなくなったな」
「そうね。相手がきちんとした大人ならよかったんだけど。あんな子供だとね。それに……尻尾が二本ある獣人なんて、私は聞いたことがないわよ? アランは?」
「地球でなら、そういう獣人の話はいくつもあったな」
「……それ、ゲームとか漫画とかでしょ?」
アランの記憶を追体験したことがあるだけに、レオノーラは即座にそう答える。
実際アランはそのつもりで見たそういう獣人の話はいくつもあったと言っていたので、レオノーラの言葉は見事に当たっていた形だ。
だが、それを素直に認めると負けたような気分になるので、少し考えてから首を横に振る。
「いや、九尾の狐が過去にいたった伝説があってな。……もちろん地球だから、そんな存在が本当にいたとは思えないけど」
「あら、分からないわよ? どういう理由かはアランがこの世界に転生してきたんだから、もしかしたらこの世界から地球に転生……いえ、転移した人がいてもおかしくないんじゃない?」
「だと、いいけどな。だとすれば、玲二の奴ももしかしたらこの世界に転生してきているのかもしれないな」
アランは、前世で友人だった男の顔を思い出す。
自分が死ぬよりも前に死んでしまった友人。
そういう意味では、自分が転生したこの世界に玲二も転生していたら面白いのにと、そう思う。
しかし、そう思うだけで実際にそうなっているとは思えなかった。
もし死んだ者が全員この世界に転生してくるのなら、それこそ地球の文化がもっと広まっていてもおかしくはないのだから。
(あるいは、転生しても俺みたい記憶を持っては転生出来ないとか?)
それなら、アランにも一応納得出来る。……あくまでも一応だが。
「どうしたの?」
そんなアランの様子に疑問を抱いたのか、レオノーラがそう尋ねてくる。
「いや、これから色々と面倒なことになりそうだなと思って」
「そうね。クラリスのことを知ってしまったから、それを考えれば間違いなく面倒なことになるでしょうね」
アランにしてみれば、レオノーラの言葉は否定出来ない事実だ。
とはいえ、アランはその面倒についてはそこまで心配はしていない。
アランたちがゴドフリーを見つけたとき、襲っていた相手。
その相手は結局逃がしてしまったが、正面から戦って負けるとは全く思っていない。
また襲ってきたら、それこそすぐにでも捕らえることが出来るだろう。
であれば、襲撃に関しては心配する必要はないのだ。
……ただし、それはあくまでも襲撃に対してだけであって、襲撃以外の面倒となると話は別だ。
そしてクラリスが姫と呼ばれている以上、その襲撃以外の面倒が襲ってくる可能性は十分に高かった。
「ちなみに、本当にちなみにの話だが、俺たちが向かっているメルリアナの王女の名前がクラリスだったりするなってことはないよな?」
「どうかしら。私もメルリアナについてはあまり詳しくないもの。小国だしね。だから、もしかしたら王女の名前がクラリスという可能性は決して否定出来ないわ。……もっとも、多分違うとは思うけど」
「違っていて欲しいな。個人的な希望としては、獣人の中で特別な存在だから姫扱いされているとか、そんな風に思いたい。いくら何でも、一国の姫がただの探索者にあそこまで懐くとは思えないし」
ただの探索者という言葉に、レオノーラは呆れの……それこそ本気か? 正気か? といったような視線を向ける。
レオノーラから見て、アランはとてもではないが普通の探索者とは思えない。
ゼオンという規格外の心核を使い、本人は前世の……それも異世界で生きた記憶を持っているのだ。
そのような人物を普通だということは、とてもではないが出来ない。
少なくても、レオノーラから見ればアランを普通の探索者と表現するのは不可能だった。
もっとも、そういうレオノーラも黄金のドラゴンに変身する心核使いで、一国の王女という立場である以上は、こちらもまた普通の探索者と呼ぶことはまず不可能だったが。
お互いがお互いを普通の探索者ではないと言い合い、やがて二十分ほどが経過してようやく落ち着く。
「それで、結局あの子はどうするの?」
「特にどうもしない。ここで下手に構ったら余計に懐かれそうだし」
「そうかもしれないわね。……でも……」
アランの言葉を聞いたレオノーラは、その言葉に納得した様子を見せながらも視線を逸らして意味深な笑みを浮かべる。
そんなレオノーラの様子を見て微妙に嫌な予感がしたアランは、レオノーラの視線を追う。
するとそこには、ゴドフリーとロルフを引き連れたクラリスの姿があった。
アランに見つかるまでは馬車で隠れていたクラリスだったが、自分の姿を見られてしまった以上は、もう隠れても意味がないと判断したのか、堂々と表を歩いている。
「アランさん、遊びにきちゃいました」
「……あー、うん。そうだな遊びに来ちゃいましたな」
「アランさん? 何か言葉遣いが変ですよ?」
「いや、ちょっと予想外の光景を見てな。クラリスは人前に出ない方がよかったんじゃないか?」
そうアランが言うと、その言葉に抗議するようにクラリスの二本の尻尾が激しく振られる。
「だってしょうがないでじゃないですか。私がここにいるのは、もう知られてしまったんですから。なら、わざわざ馬車の中にいなくてもいいでしょう? それに、ここにいれば安全ですし」
ねぇ? と同意を求めるように尋ねてくるクラリスに対し、アランが出来るのは頷くだけだ。
この状況で実は安全ではないといったようなことを言えば、それこそ自分たち実力が足りないと示しているようなものなのだから。
これがアランだけの実力であれば、クラリスの言葉に安全を約束は出来ないと言ってもよかったのだが、ここにいるのはアランだけではない。
雲海や黄金の薔薇の面々が揃っている状況で、そんなことを言えるはずもない。
「そうだな。安全ではあるだろうけど……クラリスは姫なんだろ? なら、もっと人数を引き連れて歩いてもいいんじゃないか?」
「だって、皆アランさんのことを悪く言うんですもの。ですから、ゴドフリーとロルフだけを連れてきました」
そう言われたアランは、名前を呼ばれた二人に視線を向ける。
本当にそれでいいのか? といったその視線だったが、それを向けられた二人はそっと視線を逸らす。
クラリスの言動に二人も色々と思うところはあるのだろうが、それでも自分たちの行動よりもクラリスの言動が優先すると、そう思っているのだろう。
つまり、それだけクラリスという存在は皆から大事にされているということだ。
(だからって、そのクラリスの相手を俺にさせるってのはどうかと思うけど。……いっそ、十歳くらいじゃなくてもっと大人なら俺も接するのが嬉しかったんだろうな。あ、でもそうなるとレオノーラにどういう目で見られるか分からないな)
自然とレオノーラのことを気にしているアランだったが、本人は全くそのことに気が付いてはいない。
口に出していないので、レオノーラもそんなアランの様子に気が付くことはなかったが。
ともあれ、アランはやむなくクラリスの相手をすることになるのだった。
0
お気に入りに追加
163
あなたにおすすめの小説
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる