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逃避行
241話
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帝都を脱出することに成功したアランたちだったが……数日経っても、その姿は帝都からそう離れていない森の中にあった。
かなり深い森なのだが、帝都からそれほど離れていない場所ということもあり、モンスターの類はほぼいない。
とはいえ、いないのはあくまでもモンスターだけで、動物は普通にいる。
森ということで、果実や山菜、木の実といった食料も多数あるのし、食べられる動物もいて、川には魚もいる。
野営が出来る技術を持っている者にしてみれば、それこそ森から出ないで自給自足することも可能だった。
……そう、現在森の中に潜んでいるアランたちのように。
「にしても、イルゼンさん。本当にここにいていいんですか? ガリンダミア帝国軍が探しに来るんじゃ?」
アランはそう言いながら、木の枝に刺して焼かれた魚を口に運ぶ。
この森の中で手に入らない物資はそれなりに多いが、そんな中でも塩を始めとした調味料の類は、その最たるものだろう。
一応植物や果実を使えばそれなりに調味料に似たようなものは作れるのだが、それはあくまでもそれらしいものでしかない。
特に人間が生きる上で必要な塩は、この森では手に入らない。
……あるいは、もっと探せば岩塩の類が見つかるのかもしれないが、今のところそのような場所は見つかっていない。
「可能性は低いだろうね」
こちらもまた、川で採れた魚を食べながらイルゼンが告げる。
川魚らしく淡泊な身をしている魚だったが、塩だけの味付けで十分に美味い。
今はまだ塩の備蓄が結構な量あるので問題はないのだが、この先もとなると色々と厳しくなるだろう。
「何でです?」
「この森は、私たちが来たドットリオン王国からは外れた場所にあるからね。そうである以上、ガリンダミア帝国軍が私たちを追撃するとしても、ここには来ないと思うよ」
「……けど、こんなあからさまに分かりやすい場所ですよ? 普通に考えれば、森も探索範囲に入ってもおかしくはないと思いますけど」
「そうですね。普通ならそうでしょう。ですが、何人かから街道をドットリオン王国に向かって急いで移動している集団がいると聞かされれば……追っ手はどうするでしょうね」
そんなイルゼンの言葉に、話していたアランだけではなく、周囲で話を聞いていた者たちまでもが驚く。
イルゼンがアラン救出のために色々と動いていたのは知っていた。
だが、それでもここまで手を回しているとは、思いもよらなかったのだろう。
そもそもの話、イルゼンは帝都に入ったあとはずっと帝都の中にいたはずだ。
なのに、そのような状況で一体どうやってドットリオン王国に続く街道沿いの村や街にそのような偽情報を流す人物を用意出来たのか。
「いっそ、アランのゼオンとレオノーラさんの黄金のドラゴンで一気に移動出来ればいいんでしょうけどね」
雲海の女の探索者が、しみじみと呟く。
実際、それが一番手っ取り早く、安全なのは間違いない。間違いないのだが……それでもそのような真似が出来ないのは、いくつかの理由があった。
まず第一の……そして最大の理由として、どんなに頑張ってもゼオンと黄金のドラゴンでは一度に全員を運ぶことは出来ないというのがある。
そして光学迷彩といった能力を持たない以上、ゼオンと黄金のドラゴンがこの森から飛び立つのを見れば、最初の面々を運んでいるときに他の面々がガリンダミア帝国軍に見つかってしまう可能性が非常に高い。
また、そうなった場合は当然だが運べるのは探索者たちだけで、馬車やそこに積まれている荷物の類を運ぶのは難しい。
「そんな真似をしたら、間違いなく見つかるでしょう。今は取りあえずこの森に隠れて、ガリンダミア帝国軍がいなくなってから、ゆっくりと進めばいいんですよ」
そんなイルゼンの言葉に、アランは前世に日本で読んだ漫画を思い出す。
人の死体を埋めるときは、それを埋めたあとでその上に何か他の動物……犬や猫の死体を埋めておけば、もしそこを何らかの理由で掘った者がいても、人の死体を見つけるよりも前に犬や猫の死体を見つけて、それが埋まっていたと満足し、それ以上掘ることはない、というシーンを。
ガリンダミア帝国軍の追跡隊も、自分たちが得た情報からアランたちがドットリオン王国に向かっていると信じれば、わざわざドットリオン王国に向かう街道から外れたこの場所にあるこの森にやってきたりはしないだろう。
「話は分かりましたけど、ゆっくりって具体的にはどのくらいこの森にいるんです?」
探索者の一人が、イルゼンにそう尋ねる。
この森はかなり広い森ではあるが、それでも森だけに猟師が来ることもあるし、冒険者が依頼で薬や魔法薬に使う植物を採取しに来る可能性もある。
雲海と黄金の薔薇……そして馬車や馬がそれぞれ複数あるという現在の状況を考えれば、それこそいつ見つかってもおかしくはない。
むしろ、今まで見つかっていないというのは運がよかったからこそなのだろう。
だからこそ、いつまでこの森にいるのかといったことを聞いたのだが……
「そうですね。数日といったところでしょうか」
「……は?」
イルゼンの口から出た言葉は、尋ねた女だけではなく、話を聞いていた他の者たちにとっても完全に予想外だった。
当然だろう。先程の話から考えて、十日以上……場合によっては数ヶ月単位でこの森の中にいるのではないかと、そう思っていたのだから。
だが、イルゼンの口から出て来たのは数日。
それで混乱するなという方が無理だった。
「ははは。驚かせてしまったようですみませんね。ですが……実は、ここから数日移動した場所に遺跡があるんですよ。ガリンダミア帝国の中にある遺跡に潜るのは、僕たちだと難しいでしょうから、この機会にと思いまして」
「でも、それだと私たちの正体があっさりと知られてしまうんじゃない?」
そう。元々自分たちがここに隠れているのは、ガリンダミア帝国軍に見つからないためだ。
そうである以上、帝都からそう離れていない場所にある遺跡に姿を現せば、間違いなく話題に上がってしまう。
雲海も黄金の薔薇も、双方共にそれなりに名前を知られた実力派のクランなのだから。
……ましてや、ガリンダミア帝国軍を何度となく破っている以上、その知名度は他の国よりもガリンダミア帝国内での方が大きくても、おかしくはない。
そのくらいのことは、当然知ってるだろうに……それでも、何故? と、そんな疑問の視線がイルゼンに向けられる。
雲海だけではなく、黄金の薔薇の探索者の面々からも。
そんな視線を向けられたイルゼンだったが、特に心配はないと頷く。
「遺跡そのものは、そこまで人気がないから人も少ないらしい。……それに、遺跡の見張りをしている兵士は、レジスタンスの者らしいから、そちらから話をつけて貰ってるんだ」
「……いつの間に?」
「それはもちろん、帝都にいるときに決まってるだろう? 帝都を脱出してからは、そんなことをするような余裕はなかったんだから」
「……私たちがドットリオン王国に向かって逃げていったと、情報操作をしている時点でどうかと思うけど」
イルゼンの説明に、レオノーラは半ば感心、半ば呆れといった様子で告げる。
レオノーラは、探索者として考えれば自分は決してイルゼンに負けていないと思う。
だが、クランを運営するという点においては、明らかに自分が負けていると思ってしまう。
「そうですか? ……とはいえ、油断していては意味がないんですけどね」
自分に言い聞かせるように、イルゼンは呟く。
アランを奪われた一連の事件において、イルゼンは情報戦という点では明らかに負けてしまった。
だからこそ、今回はその辺りに気をつけたような行動を取っているのだが。
だが、イルゼンは自分の一言で何人かが落ち込んだ様子を見せたことにより、小さく咳払いして、暗い雰囲気を吹き飛ばす。
「取りあえず、折角の遺跡です。このままずっとこの森にいるよりは、その遺跡に行ってみた方がいいと思いませんか? 僕たちは、あくまでも探索者。遺跡の探索が仕事なのですから」
イルゼンの口から出た言葉は、不思議に聞いている者たちをその気にさせる。
本来なら、ガリンダミア帝国軍に追われているという今の状況は、決して油断出来るような状況ではない。
だが、今なら何とかなりそうな気がする。
明確な理由がある訳ではなかったが、それでも今の状況を考えると、不思議とそんな気分になった。
「とはいえ、遺跡に潜るとなると食料や水の類が心配だな。森にいれば、その辺はどうとでもなるんだけど」
森にいるのなら、食料や水の類は現地調達出来る。
もちろん、全てを無事に入手出来る訳ではないのだが、森で入手出来る諸々は多い。
結果として、馬車の中にある保存食の類はほとんど消費していなかった。
「遺跡によっては、内部に森が出来ているとか、そういう場所もあるけど……期待するのは難しいだろうな」
探索者の一人が呟くが、実際に遺跡の中に森があるといったような場所は、ない訳ではないが、数はかなり少ない。
であれば、食料はどうするのか。
そんな疑問の視線を向けられたイルゼンは、特に気にした様子もなく口を開く。
「その辺は問題ないよ。多少割高になるけど、遺跡の見張りに買ってきて貰うから」
「それは……」
イルゼンの口から出たその言葉に、話を聞いていた者たちは驚きながらも納得する。
見張りがレジスタンスの手の者であれば、ガリンダミア帝国と敵対しているアランたちに協力してもおかしくはない。
ましてや、アランたちの手伝いをすることによって、自分の懐か暖かくなるのだ。
当然のように、意欲が増すだろう。
そしてアランたちも、多少割高ではあっても別に金に困っている訳ではない以上、明らかにぼったくられるといったようなことがない限りは許容する。
「それなら、問題はないだろう。なら、出発の準備をするか。ここの食料で軽い保存食くらいなら出来そうだしな」
そう告げる探索者の言葉に頷き、食事を終えたアランたちはそれぞれ行動を開始するのだった。
かなり深い森なのだが、帝都からそれほど離れていない場所ということもあり、モンスターの類はほぼいない。
とはいえ、いないのはあくまでもモンスターだけで、動物は普通にいる。
森ということで、果実や山菜、木の実といった食料も多数あるのし、食べられる動物もいて、川には魚もいる。
野営が出来る技術を持っている者にしてみれば、それこそ森から出ないで自給自足することも可能だった。
……そう、現在森の中に潜んでいるアランたちのように。
「にしても、イルゼンさん。本当にここにいていいんですか? ガリンダミア帝国軍が探しに来るんじゃ?」
アランはそう言いながら、木の枝に刺して焼かれた魚を口に運ぶ。
この森の中で手に入らない物資はそれなりに多いが、そんな中でも塩を始めとした調味料の類は、その最たるものだろう。
一応植物や果実を使えばそれなりに調味料に似たようなものは作れるのだが、それはあくまでもそれらしいものでしかない。
特に人間が生きる上で必要な塩は、この森では手に入らない。
……あるいは、もっと探せば岩塩の類が見つかるのかもしれないが、今のところそのような場所は見つかっていない。
「可能性は低いだろうね」
こちらもまた、川で採れた魚を食べながらイルゼンが告げる。
川魚らしく淡泊な身をしている魚だったが、塩だけの味付けで十分に美味い。
今はまだ塩の備蓄が結構な量あるので問題はないのだが、この先もとなると色々と厳しくなるだろう。
「何でです?」
「この森は、私たちが来たドットリオン王国からは外れた場所にあるからね。そうである以上、ガリンダミア帝国軍が私たちを追撃するとしても、ここには来ないと思うよ」
「……けど、こんなあからさまに分かりやすい場所ですよ? 普通に考えれば、森も探索範囲に入ってもおかしくはないと思いますけど」
「そうですね。普通ならそうでしょう。ですが、何人かから街道をドットリオン王国に向かって急いで移動している集団がいると聞かされれば……追っ手はどうするでしょうね」
そんなイルゼンの言葉に、話していたアランだけではなく、周囲で話を聞いていた者たちまでもが驚く。
イルゼンがアラン救出のために色々と動いていたのは知っていた。
だが、それでもここまで手を回しているとは、思いもよらなかったのだろう。
そもそもの話、イルゼンは帝都に入ったあとはずっと帝都の中にいたはずだ。
なのに、そのような状況で一体どうやってドットリオン王国に続く街道沿いの村や街にそのような偽情報を流す人物を用意出来たのか。
「いっそ、アランのゼオンとレオノーラさんの黄金のドラゴンで一気に移動出来ればいいんでしょうけどね」
雲海の女の探索者が、しみじみと呟く。
実際、それが一番手っ取り早く、安全なのは間違いない。間違いないのだが……それでもそのような真似が出来ないのは、いくつかの理由があった。
まず第一の……そして最大の理由として、どんなに頑張ってもゼオンと黄金のドラゴンでは一度に全員を運ぶことは出来ないというのがある。
そして光学迷彩といった能力を持たない以上、ゼオンと黄金のドラゴンがこの森から飛び立つのを見れば、最初の面々を運んでいるときに他の面々がガリンダミア帝国軍に見つかってしまう可能性が非常に高い。
また、そうなった場合は当然だが運べるのは探索者たちだけで、馬車やそこに積まれている荷物の類を運ぶのは難しい。
「そんな真似をしたら、間違いなく見つかるでしょう。今は取りあえずこの森に隠れて、ガリンダミア帝国軍がいなくなってから、ゆっくりと進めばいいんですよ」
そんなイルゼンの言葉に、アランは前世に日本で読んだ漫画を思い出す。
人の死体を埋めるときは、それを埋めたあとでその上に何か他の動物……犬や猫の死体を埋めておけば、もしそこを何らかの理由で掘った者がいても、人の死体を見つけるよりも前に犬や猫の死体を見つけて、それが埋まっていたと満足し、それ以上掘ることはない、というシーンを。
ガリンダミア帝国軍の追跡隊も、自分たちが得た情報からアランたちがドットリオン王国に向かっていると信じれば、わざわざドットリオン王国に向かう街道から外れたこの場所にあるこの森にやってきたりはしないだろう。
「話は分かりましたけど、ゆっくりって具体的にはどのくらいこの森にいるんです?」
探索者の一人が、イルゼンにそう尋ねる。
この森はかなり広い森ではあるが、それでも森だけに猟師が来ることもあるし、冒険者が依頼で薬や魔法薬に使う植物を採取しに来る可能性もある。
雲海と黄金の薔薇……そして馬車や馬がそれぞれ複数あるという現在の状況を考えれば、それこそいつ見つかってもおかしくはない。
むしろ、今まで見つかっていないというのは運がよかったからこそなのだろう。
だからこそ、いつまでこの森にいるのかといったことを聞いたのだが……
「そうですね。数日といったところでしょうか」
「……は?」
イルゼンの口から出た言葉は、尋ねた女だけではなく、話を聞いていた他の者たちにとっても完全に予想外だった。
当然だろう。先程の話から考えて、十日以上……場合によっては数ヶ月単位でこの森の中にいるのではないかと、そう思っていたのだから。
だが、イルゼンの口から出て来たのは数日。
それで混乱するなという方が無理だった。
「ははは。驚かせてしまったようですみませんね。ですが……実は、ここから数日移動した場所に遺跡があるんですよ。ガリンダミア帝国の中にある遺跡に潜るのは、僕たちだと難しいでしょうから、この機会にと思いまして」
「でも、それだと私たちの正体があっさりと知られてしまうんじゃない?」
そう。元々自分たちがここに隠れているのは、ガリンダミア帝国軍に見つからないためだ。
そうである以上、帝都からそう離れていない場所にある遺跡に姿を現せば、間違いなく話題に上がってしまう。
雲海も黄金の薔薇も、双方共にそれなりに名前を知られた実力派のクランなのだから。
……ましてや、ガリンダミア帝国軍を何度となく破っている以上、その知名度は他の国よりもガリンダミア帝国内での方が大きくても、おかしくはない。
そのくらいのことは、当然知ってるだろうに……それでも、何故? と、そんな疑問の視線がイルゼンに向けられる。
雲海だけではなく、黄金の薔薇の探索者の面々からも。
そんな視線を向けられたイルゼンだったが、特に心配はないと頷く。
「遺跡そのものは、そこまで人気がないから人も少ないらしい。……それに、遺跡の見張りをしている兵士は、レジスタンスの者らしいから、そちらから話をつけて貰ってるんだ」
「……いつの間に?」
「それはもちろん、帝都にいるときに決まってるだろう? 帝都を脱出してからは、そんなことをするような余裕はなかったんだから」
「……私たちがドットリオン王国に向かって逃げていったと、情報操作をしている時点でどうかと思うけど」
イルゼンの説明に、レオノーラは半ば感心、半ば呆れといった様子で告げる。
レオノーラは、探索者として考えれば自分は決してイルゼンに負けていないと思う。
だが、クランを運営するという点においては、明らかに自分が負けていると思ってしまう。
「そうですか? ……とはいえ、油断していては意味がないんですけどね」
自分に言い聞かせるように、イルゼンは呟く。
アランを奪われた一連の事件において、イルゼンは情報戦という点では明らかに負けてしまった。
だからこそ、今回はその辺りに気をつけたような行動を取っているのだが。
だが、イルゼンは自分の一言で何人かが落ち込んだ様子を見せたことにより、小さく咳払いして、暗い雰囲気を吹き飛ばす。
「取りあえず、折角の遺跡です。このままずっとこの森にいるよりは、その遺跡に行ってみた方がいいと思いませんか? 僕たちは、あくまでも探索者。遺跡の探索が仕事なのですから」
イルゼンの口から出た言葉は、不思議に聞いている者たちをその気にさせる。
本来なら、ガリンダミア帝国軍に追われているという今の状況は、決して油断出来るような状況ではない。
だが、今なら何とかなりそうな気がする。
明確な理由がある訳ではなかったが、それでも今の状況を考えると、不思議とそんな気分になった。
「とはいえ、遺跡に潜るとなると食料や水の類が心配だな。森にいれば、その辺はどうとでもなるんだけど」
森にいるのなら、食料や水の類は現地調達出来る。
もちろん、全てを無事に入手出来る訳ではないのだが、森で入手出来る諸々は多い。
結果として、馬車の中にある保存食の類はほとんど消費していなかった。
「遺跡によっては、内部に森が出来ているとか、そういう場所もあるけど……期待するのは難しいだろうな」
探索者の一人が呟くが、実際に遺跡の中に森があるといったような場所は、ない訳ではないが、数はかなり少ない。
であれば、食料はどうするのか。
そんな疑問の視線を向けられたイルゼンは、特に気にした様子もなく口を開く。
「その辺は問題ないよ。多少割高になるけど、遺跡の見張りに買ってきて貰うから」
「それは……」
イルゼンの口から出たその言葉に、話を聞いていた者たちは驚きながらも納得する。
見張りがレジスタンスの手の者であれば、ガリンダミア帝国と敵対しているアランたちに協力してもおかしくはない。
ましてや、アランたちの手伝いをすることによって、自分の懐か暖かくなるのだ。
当然のように、意欲が増すだろう。
そしてアランたちも、多少割高ではあっても別に金に困っている訳ではない以上、明らかにぼったくられるといったようなことがない限りは許容する。
「それなら、問題はないだろう。なら、出発の準備をするか。ここの食料で軽い保存食くらいなら出来そうだしな」
そう告げる探索者の言葉に頷き、食事を終えたアランたちはそれぞれ行動を開始するのだった。
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