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ザッカラン防衛戦
167話
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「そう、ですか。……予想していましたが、やはりそれは厄介なことですね」
アランとケラーノの二人から城壁の外での話を聞くと、イルゼンは少しだけ残念そうな表情を浮かべる。
いつもは飄々としているイルゼンだけに、そんな様子はかなり珍しい。
……もっとも、それはこの先色々と面倒なことになるだろうと、そう思えてしまうのだが。
「イルゼンさん、あの連中……放っておいてもいいんですか?」
「放っておくしかないでしょう。アラン君たちが見たので、全員という訳ではないでしょうし。ここで下手に手を出すと、それこそ向こうの思い通りの展開になりますよ」
そう言われれば、アランとしても反論は出来ない。
出来ないが、ガリンダミア帝国軍がザッカランの奪還に来たときに、内部で色々と動かれるのは不味いというのは理解出来た。
実際にラリアント防衛戦においては、戦いの最中に色々と動いていた者がいた……と、そんな話を聞いたことがあったのだ。
そのときは、結局ラリアントがドットリオン王国に所属していたために、そこまで多くの内通者はいなかった。
だが、このザッカランはつい先日まではガリンダミア帝国に所属していたのだ。
今でこそ、雲海と黄金の薔薇が大樹の遺跡を攻略したということで、人当たりもいくらかは柔らかくなっているが、ガリンダミア帝国軍が来たときもそれが続くとは限らない。
それどころか、ガリンダミア帝国軍に対して点数を稼ごうとして動く可能性は非常に高かった。
「……とはいえ、何もしないというのも少し不味いかもしれませんね」
イルゼンの呟きに、それを聞いた者たちがそれぞれ頷く。
今の状況を考えれば、やはり前もって出来る対処はやっておく必要があるのは間違いない。
「どう動くんです?」
探索者の一人がそう尋ねる。
動くのはともかく、どのようにして動くのかは、この場合問題だった。
下手に動こうとした場合、目敏い相手がそれを察知し、余計に面倒な事態になりかねないのだ。
特に今回は、ケラーノとアランが絡まれた相手がすでに動いている以上、それこそ向こうはすでに色々と準備を整えていてもおかしくはない。
(とはいえ、動ける者全員が一つの意思で動いているというよりは、やはりいくつかの意思に従って動いている、という可能性の方が高いでしょうけどね)
誰か一人が裏で糸を引いているにしては、今回の一件はあからさまに怪しすぎる。
それこそ、普通ならこのような真似をすれば相手に怪しむなと言う方が無理なのだから。
そうなると、今回の一件は先走りすぎたというのが正しい。
……とはいえ、それで今の一件が解決するのかと言われれば、また別の話なのだが。
「そうなると、どう動きます?」
「そうですね。まずは向こうを嵌めてみましょうか。アラン君、明日にでもゼオンでガリンダミア帝国軍が動いているかどうか、偵察してきて下さい。それも、ザッカランの住民たちにもしっかりと分かるようにして」
「え? まぁ、それは別に構いませんけど……それでもし本当に敵を見つけたらどうします?」
「その可能性は……今はまだ少ないと思いますが、その辺りの判断はアラン君に任せます。ただ、出来れば半壊程度に留めておいてくれると助かりますね。全滅させると相手がどう反応するか分かりませんし、手を出さないとそれはそれで予想外の方向に進みそうですから」
意図的に全滅させないようにする必要がある、と。
そうイルゼンの言葉を理解するアランだったが、理解出来たからといってそれが出来るかと言われれば、微妙なところだろう。
もし偵察隊なり先遣隊なりを見つけたとしても、それこそビームライフルを始めとした、ゼオンの攻撃力は高すぎるのだ。
頭部バルカンですら、まともに命中すれば一撃で肉片と化すのだけの威力をもっているのだから。
とはいえ、この世界には心核使いが存在しており、そのような存在はゼオンの攻撃を受けても耐えられる者もいる。
そういう意味では、別に攻撃力過多という訳でもないのだが。
「えっと……その、取りあえず、敵に半分くらい命中させないようにして攻撃すればいいですかね?」
ビームライフルは着弾した場所を中心に爆発が起き、腹部拡散ビーム砲は狙った場所を中心としてかなりランダムな場所に命中する。
フェルスならある程アランの思い通りに攻撃出来るが、奥の手である以上は軽々しく使いたくはない。
これは別に勿体ぶっているという訳ではなく、どのような武器であっても何度も使われれば、それは対処法を考えられる可能性があるためだ。……何だかんだと、アランはフェルスを気軽に使っているが。
そうなると、残る攻撃手段は頭部バルカンとビームサーベル。
だが、ビームサーベルは当然のように敵に近付かなければ使うことは出来ない。
そうなると、最後に残ったのは頭部バルカン。
敵の動きを思えば、それで十分だろうという思いもあった。
そんなアランの考えを読んだかのように、イルゼンは頷く。
「そうですね。そうして貰えればいいです。アラン君がザッカランの外に出れば、動き出す者もいるでしょうし」
本来なら、ゼオンと同等の実力を持っている心核使いとしては、レオノーラが変身する黄金のドラゴンもいる。
いるのだが、ザッカランの住人たちが一番恐れているのは、やはりザッカランを攻撃するときに実際に攻撃したゼオンなのだ。
そのゼオンを操るアランがザッカランの外に――ケラーノとの模擬戦のようにザッカランのすぐ近くではなく、飛んで移動するような距離――出れば、何かを企んでいる者は動くだろうというのが、イルゼンの読みだった。
「あー……そりゃそうか。ザッカランの連中にしてみれば……いや、ガリンダミア帝国軍が攻めて来たときに何か妙なことを考えてる奴にしてみれば、ゼオンは災厄の象徴とでも言うべき存在だしな」
「ケラーノさん、それはちょっと言いすぎでは?」
アランとしては、自分――正確にはゼオン――が恐れられているのは分かる。
だが、それでも災厄の象徴などと言われるのは、面白い訳がない。
たとえ、それが事実であったとしてもだ。
「ははは、悪い。けど、実際にそう思われてるのはアラン本人が一番知ってるだろ?」
「それは……まぁ、そうですけど」
大樹の遺跡を攻略したとはいえ、それでもゼオンのパイロットであるアランに恐怖の視線を向けてくる者がいるのは事実だ。
アランとしても、それが面白い訳ではない。
だが、それでもザッカラン攻略戦のことを考えれば、そんな視線を向けられてもおかしくはないという思いはあった。
「じゃあ、取りあえず行ってきますね。……さっき戻ってきたばかりなんですけど」
「その辺はアラン君にも申し訳なく思っています。ですが、このままだと防衛戦をやるときに色々と面倒なことになりかねませんしね」
そう告げるイルゼンだったが、その表情はいつもの飄々とした笑みを浮かべており、本当にアランに対して悪いと思っている様子はない。
……そんなイルゼンに対して少し言いたいこともあったアランだったのだが、今の状況を考えればそれよりも先にやるべき事があるというのは明らかだ。
結果として、アランはその場にいる面々に行ってきますと言って部屋を出ることだけだった。
そうして泊まっていた宿から外に出ようとしたところで、不意に声をかけられる。
「アラン」
「父さん、どうしたの?」
聞き覚えのある声に視線を向けると、そこにいたのはアランの父親のニコラス。
その表情には、どこか真剣な色がある。
「いや、これを渡そうと思ってな」
そう言い、ニコラスが渡してきたのはポーション。
それもただの……その辺の店で売ってるようなポーションではなく、かなり高価な代物なのは間違いない、そんなポーションだった。
ポーションというのは、傷を回復する効果を持つマジックアイテムだが、その効果は千差万別だ。
安ければ、軽い切り傷でも治るのに時間がかかるような物もあり、高価な物になれば切断された手足ですらくっつけることが可能になる。
ニコラスがアランに渡してきたのは、そこまで常識外れな効果を持つポーションではないのだが、それでもその辺の店で普通に買えるようなポーションでないのは明らかだ。
「これ……いいの?」
「ああ。アランは色々と大変だからな。いざというときのために、持っておいた方がいい」
「ありがと」
アランとしても、この手の回復手段はあった方がいい。
回復魔法を使えればそれが最善なのだろうが、アランは残念ながら――あるいは当然と言うべきか――回復魔法を使うようなことは出来ない。
そんなアランにとって、ポーションは……それも効果の高いポーションはありがたい。
……ただし、問題なのはそんな高価なポーションをどう持っておくかということだろう。
小説や漫画、アニメ、ゲーム等で出て来るアイテムボックスといったような物を持っていないアランとしては、ポーションの類を持ち歩くとすれば、何らかのバッグのような物を使うしかない。
だが、父親から貰ったポーションの値段を考えると、とてもではないが簡単に壊れそうな場所に入れる訳にはいかない。
「頑張れよ」
アランがポーションをどうするべきか考えていると、ニコラスはそう言葉をかけてからその場を立ち去る。
雲海の魔法使いとして、今のニコラスにはやるべきことがいくらでもあるのだろう。
それこそ、そんな時間のないときにアランにポーションを渡しに来た辺り、親馬鹿ぶりを示しているのか。
ともあれ、アランは貰ったポーションをどうするべきか迷い……結局、腰の小さなバッグ……もしくはポシェットとでも呼ぶべき物に入れておくことにする。
(取りあえず、これがあれば壊れたりはしないだろ。……しないよな?)
本音を言えば、出来るのならこの希少なポーションは置いていきたい。
だが、ポーションというのは使ってこそ意味がある。
死蔵しても、意味はない。
だからこそ、使う用意をしながら……アランはゼオンを使った偵察に向かうのだった。
アランとケラーノの二人から城壁の外での話を聞くと、イルゼンは少しだけ残念そうな表情を浮かべる。
いつもは飄々としているイルゼンだけに、そんな様子はかなり珍しい。
……もっとも、それはこの先色々と面倒なことになるだろうと、そう思えてしまうのだが。
「イルゼンさん、あの連中……放っておいてもいいんですか?」
「放っておくしかないでしょう。アラン君たちが見たので、全員という訳ではないでしょうし。ここで下手に手を出すと、それこそ向こうの思い通りの展開になりますよ」
そう言われれば、アランとしても反論は出来ない。
出来ないが、ガリンダミア帝国軍がザッカランの奪還に来たときに、内部で色々と動かれるのは不味いというのは理解出来た。
実際にラリアント防衛戦においては、戦いの最中に色々と動いていた者がいた……と、そんな話を聞いたことがあったのだ。
そのときは、結局ラリアントがドットリオン王国に所属していたために、そこまで多くの内通者はいなかった。
だが、このザッカランはつい先日まではガリンダミア帝国に所属していたのだ。
今でこそ、雲海と黄金の薔薇が大樹の遺跡を攻略したということで、人当たりもいくらかは柔らかくなっているが、ガリンダミア帝国軍が来たときもそれが続くとは限らない。
それどころか、ガリンダミア帝国軍に対して点数を稼ごうとして動く可能性は非常に高かった。
「……とはいえ、何もしないというのも少し不味いかもしれませんね」
イルゼンの呟きに、それを聞いた者たちがそれぞれ頷く。
今の状況を考えれば、やはり前もって出来る対処はやっておく必要があるのは間違いない。
「どう動くんです?」
探索者の一人がそう尋ねる。
動くのはともかく、どのようにして動くのかは、この場合問題だった。
下手に動こうとした場合、目敏い相手がそれを察知し、余計に面倒な事態になりかねないのだ。
特に今回は、ケラーノとアランが絡まれた相手がすでに動いている以上、それこそ向こうはすでに色々と準備を整えていてもおかしくはない。
(とはいえ、動ける者全員が一つの意思で動いているというよりは、やはりいくつかの意思に従って動いている、という可能性の方が高いでしょうけどね)
誰か一人が裏で糸を引いているにしては、今回の一件はあからさまに怪しすぎる。
それこそ、普通ならこのような真似をすれば相手に怪しむなと言う方が無理なのだから。
そうなると、今回の一件は先走りすぎたというのが正しい。
……とはいえ、それで今の一件が解決するのかと言われれば、また別の話なのだが。
「そうなると、どう動きます?」
「そうですね。まずは向こうを嵌めてみましょうか。アラン君、明日にでもゼオンでガリンダミア帝国軍が動いているかどうか、偵察してきて下さい。それも、ザッカランの住民たちにもしっかりと分かるようにして」
「え? まぁ、それは別に構いませんけど……それでもし本当に敵を見つけたらどうします?」
「その可能性は……今はまだ少ないと思いますが、その辺りの判断はアラン君に任せます。ただ、出来れば半壊程度に留めておいてくれると助かりますね。全滅させると相手がどう反応するか分かりませんし、手を出さないとそれはそれで予想外の方向に進みそうですから」
意図的に全滅させないようにする必要がある、と。
そうイルゼンの言葉を理解するアランだったが、理解出来たからといってそれが出来るかと言われれば、微妙なところだろう。
もし偵察隊なり先遣隊なりを見つけたとしても、それこそビームライフルを始めとした、ゼオンの攻撃力は高すぎるのだ。
頭部バルカンですら、まともに命中すれば一撃で肉片と化すのだけの威力をもっているのだから。
とはいえ、この世界には心核使いが存在しており、そのような存在はゼオンの攻撃を受けても耐えられる者もいる。
そういう意味では、別に攻撃力過多という訳でもないのだが。
「えっと……その、取りあえず、敵に半分くらい命中させないようにして攻撃すればいいですかね?」
ビームライフルは着弾した場所を中心に爆発が起き、腹部拡散ビーム砲は狙った場所を中心としてかなりランダムな場所に命中する。
フェルスならある程アランの思い通りに攻撃出来るが、奥の手である以上は軽々しく使いたくはない。
これは別に勿体ぶっているという訳ではなく、どのような武器であっても何度も使われれば、それは対処法を考えられる可能性があるためだ。……何だかんだと、アランはフェルスを気軽に使っているが。
そうなると、残る攻撃手段は頭部バルカンとビームサーベル。
だが、ビームサーベルは当然のように敵に近付かなければ使うことは出来ない。
そうなると、最後に残ったのは頭部バルカン。
敵の動きを思えば、それで十分だろうという思いもあった。
そんなアランの考えを読んだかのように、イルゼンは頷く。
「そうですね。そうして貰えればいいです。アラン君がザッカランの外に出れば、動き出す者もいるでしょうし」
本来なら、ゼオンと同等の実力を持っている心核使いとしては、レオノーラが変身する黄金のドラゴンもいる。
いるのだが、ザッカランの住人たちが一番恐れているのは、やはりザッカランを攻撃するときに実際に攻撃したゼオンなのだ。
そのゼオンを操るアランがザッカランの外に――ケラーノとの模擬戦のようにザッカランのすぐ近くではなく、飛んで移動するような距離――出れば、何かを企んでいる者は動くだろうというのが、イルゼンの読みだった。
「あー……そりゃそうか。ザッカランの連中にしてみれば……いや、ガリンダミア帝国軍が攻めて来たときに何か妙なことを考えてる奴にしてみれば、ゼオンは災厄の象徴とでも言うべき存在だしな」
「ケラーノさん、それはちょっと言いすぎでは?」
アランとしては、自分――正確にはゼオン――が恐れられているのは分かる。
だが、それでも災厄の象徴などと言われるのは、面白い訳がない。
たとえ、それが事実であったとしてもだ。
「ははは、悪い。けど、実際にそう思われてるのはアラン本人が一番知ってるだろ?」
「それは……まぁ、そうですけど」
大樹の遺跡を攻略したとはいえ、それでもゼオンのパイロットであるアランに恐怖の視線を向けてくる者がいるのは事実だ。
アランとしても、それが面白い訳ではない。
だが、それでもザッカラン攻略戦のことを考えれば、そんな視線を向けられてもおかしくはないという思いはあった。
「じゃあ、取りあえず行ってきますね。……さっき戻ってきたばかりなんですけど」
「その辺はアラン君にも申し訳なく思っています。ですが、このままだと防衛戦をやるときに色々と面倒なことになりかねませんしね」
そう告げるイルゼンだったが、その表情はいつもの飄々とした笑みを浮かべており、本当にアランに対して悪いと思っている様子はない。
……そんなイルゼンに対して少し言いたいこともあったアランだったのだが、今の状況を考えればそれよりも先にやるべき事があるというのは明らかだ。
結果として、アランはその場にいる面々に行ってきますと言って部屋を出ることだけだった。
そうして泊まっていた宿から外に出ようとしたところで、不意に声をかけられる。
「アラン」
「父さん、どうしたの?」
聞き覚えのある声に視線を向けると、そこにいたのはアランの父親のニコラス。
その表情には、どこか真剣な色がある。
「いや、これを渡そうと思ってな」
そう言い、ニコラスが渡してきたのはポーション。
それもただの……その辺の店で売ってるようなポーションではなく、かなり高価な代物なのは間違いない、そんなポーションだった。
ポーションというのは、傷を回復する効果を持つマジックアイテムだが、その効果は千差万別だ。
安ければ、軽い切り傷でも治るのに時間がかかるような物もあり、高価な物になれば切断された手足ですらくっつけることが可能になる。
ニコラスがアランに渡してきたのは、そこまで常識外れな効果を持つポーションではないのだが、それでもその辺の店で普通に買えるようなポーションでないのは明らかだ。
「これ……いいの?」
「ああ。アランは色々と大変だからな。いざというときのために、持っておいた方がいい」
「ありがと」
アランとしても、この手の回復手段はあった方がいい。
回復魔法を使えればそれが最善なのだろうが、アランは残念ながら――あるいは当然と言うべきか――回復魔法を使うようなことは出来ない。
そんなアランにとって、ポーションは……それも効果の高いポーションはありがたい。
……ただし、問題なのはそんな高価なポーションをどう持っておくかということだろう。
小説や漫画、アニメ、ゲーム等で出て来るアイテムボックスといったような物を持っていないアランとしては、ポーションの類を持ち歩くとすれば、何らかのバッグのような物を使うしかない。
だが、父親から貰ったポーションの値段を考えると、とてもではないが簡単に壊れそうな場所に入れる訳にはいかない。
「頑張れよ」
アランがポーションをどうするべきか考えていると、ニコラスはそう言葉をかけてからその場を立ち去る。
雲海の魔法使いとして、今のニコラスにはやるべきことがいくらでもあるのだろう。
それこそ、そんな時間のないときにアランにポーションを渡しに来た辺り、親馬鹿ぶりを示しているのか。
ともあれ、アランは貰ったポーションをどうするべきか迷い……結局、腰の小さなバッグ……もしくはポシェットとでも呼ぶべき物に入れておくことにする。
(取りあえず、これがあれば壊れたりはしないだろ。……しないよな?)
本音を言えば、出来るのならこの希少なポーションは置いていきたい。
だが、ポーションというのは使ってこそ意味がある。
死蔵しても、意味はない。
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