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逆襲
153話
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巨大な鷲が上空を通りすぎたあと、大樹に向かうアランたちの足は今まで以上に速くなる。
先程までは、ここにいるにが自分たちだけだと思っていたためか、いくら進んでも全く近付いてこない大樹の姿に、半ばやる気を失いつつあった。
それでも進み続ければいつかと大樹に到着するだろうという思いから、面倒臭がりながらも進んでいたのだが……そんなアランたちの上空を、巨大な鷲が悠々と追い越していったのだ。
(見逃して貰ったって方が正しいのかもしれないけど)
首を切断しても殺すことが出来ない、巨大な鷲。
さらに風のブレスを放つという攻撃方法を持っているだけに、あの状況で自分たちに攻撃を行っていれば、致命的なまでの被害があったのは間違いない。
アランやレオノーラといったように空を飛ぶ巨大な鷲に対抗する手段がない訳ではない。
だが、それで地上にいる他の者たちを完全に守れるかと言われれば……正直なところ、自信はなかった。
そう考えれば、やはり自分たちは巨大な鷲に見逃して貰ったという方が正しいだろうというのが、アランの予想だ。
地下八階にあった砂漠で、巨大な鷲の背に乗っていた者の態度を考えると、そう簡単に自分たちを見逃すといった真似をするとは思えなかったのだが。
「行きましょう。あの鷲が先に大樹のある場所に行った以上、僕たちも少しでも早く大樹に到着するべきです」
「イルゼンさん、やっぱりゼオンを使いますか? ゼオンなら、移動する時間は短くてすむけど」
「それは……難しいところですね。あの巨大な鷲がいなければ、それもよかったかしれません。ですが、この空にあの巨大な鷲がいると分かった以上、ゼオンが空を飛べば当然のように向こうを警戒させてしまいます。……本当に今更の話ですが、最初からゼオンに乗って移動していればよかったですね」
しみじみと告げるイルゼンだったが、あの巨大な鷲が来た今だからこそ、そのようなことを言えるのだ。
実際、最初にアランがゼオンで移動しないかと提案したときには、それを断ったのだから。
とはいえ、アランもそれを責める気にはならない。
そもそもの話、まさか砂漠で戦った巨大な鷲がこの地下二十階までやって来るとは思いもしなかったのだから。
「そうですか。なら、少しでも急いだ方がいいですね。でないと、色々と面倒なことになりそうですし」
あの巨大な鷲が一体何をしにこの地下二十階までやって来たのか、アランには分からない。
予想出来るとすれば、やはり巨大な鷲の背中に乗っていた相手が怪しいということくらいだろう。
ともあれ、今は急ぐ必要があると皆が今まで以上に速度を上げて歩き出す。
本来なら走れば一番早いのだろうが、大樹までの距離を考えると体力が保たない可能性がある。
また、もし体力が保っても、大樹に到着してすぐに巨大な鷲と戦いになる可能性を考えると、どうしても体力の温存を考える必要があった。
「ねぇ、アラン。……あの鷲がいたということは、やっぱりいると思う?」
いつの間にかアランの隣にやって来ていたレオノーラが、そんな風に尋ねる。
アランはその問いにすぐに頷く。
「間違いなくいると思う。あの鷲を操ってるといった感じだったし。だとすれば……」
「戦闘になるのはほぼ確実、ね」
砂漠のときのことを思い出せば、戦闘にならないという選択肢は存在しないように思えた。
砂漠では鷲の首を落とされるといったことが予想外だったためか、もしくはそれ以外に何か理由があるのかは分からなかったが、結局向こうが退いた。
だが、この階層が恐らくこの迷宮の最深部で、そこに鷲がやってきたとなると、大樹のある場所にアランたちが到着したときに、騒動にならないはずがない。
「ああ。そうなると、あの鷲と互角に戦えるのは……俺とレオノーラだけか」
「そうなるわね。相手が空を飛んでいるんだもの。あの巨大な鷲を地上に落とすことが出来れば、他の人も攻撃は出来るでしょうから、どうにかなるでしょうけど」
「問題なのは、それが出来るかどうか、か」
言うは易し。
そんな言葉を思い出すアラン。
何しろ、首を切断されても普通にまだあの巨大な鷲は飛んでいたのだ。
そのような相手を、一体どうやって地上に落とせばいいのか。
(首を切断しても飛んでいたんなら、翼を攻撃してみるか? 首はともかく、翼は存在しないと飛び続けることは難しいだろうし。……駄目だ。翼を攻撃しても、何だか普通に飛んでるような気がする)
首を切断されても普通に飛んでいた光景が強く印象づけられた為だろう。
アランの中では、あの巨大な鷲にどのような攻撃をしても、全く地上に落とすような真似が出来るとは思えなかった。
それはあくまでも、アランがそう思っているだけかもしれない。
それだけ、首を切断されても全く問題がなかったという光景は、アランに強い印象を与えたのだろう。
「ともあれ、何とかするしかない以上、頑張るしかないか。……最悪、あの鷲の背にのっていた相手の方を攻撃すれば何とかなると、そう思いたい」
砂漠でのやり取りから、恐らく巨大な鷲の背中にいた相手が黒幕的な存在なのは間違いないだろう。
アランにはそう思えたし、それはレオノーラもまた同様だった。
「ちょっ、おい! あれを見てみろよ!」
大樹に向かって進み、かなり近付いてきた……それによって大樹が壁のように見えたきた中、不意に探索者の一人が大樹の方を指さして叫ぶ。
一体何が? という疑問がアランにはあったが、すぐにその理由は判明した。
先程空を飛んで自分たちを追い越していった巨大な鷲が、大樹に向かって風のブレスを放っていたのだ。
どこからどう見ても、大樹を攻撃しているようにしか見えない。
事実、まだかかなり離れているアランたちから見ても、大樹から生えている枝や木の皮が剥がれて地上に落ちているのが分かるのだから。
こうして見ている限りでは、とてもではないが巨大な鷲が大樹にじゃれついている……といったようには見えず、明らかに敵意をもって攻撃していた。
「これは……イルゼンさん、このまま地上を進んでいれば、間違いなく大樹の被害が大きくなります。やっぱりここは、ゼオンで行かせて下さい!」
「……仕方がないですね。ですが、アラン君だけでは危険です」
そう言ったイルゼンの視線が向けれたのは、レオノーラ……だけではなく、ロッコーモ、カオググ、ジャスパーという他の心核使いたちだ。
アランとレオノーラだけではなく、他の心核使いも一緒に先行させる。
それがイルゼンの考えだった。
「いや、けど……それはそれで危なくないですか? もし強力な敵が出て来たら……痛っ!」
アランの言葉を遮るように、リアはその頭を叩く。
……それでも、拳ではなく平手だった辺り、リアとしては手加減をしているのだろう。
「私たちがいるのよ? 他に、アランより強い人は大勢いる。どんなモンスターが襲ってきても、対処するのは難しくはないわよ。それとも何? もしかしてアランがいないと私たちは勝てないと、そう思ってるの?」
「いや、それは……」
母親の言葉に、アランは反論出来ない。
実際、この場にいる者が生身で戦った場合、最弱なのはもちろんアランだ。
そんなアランが他の面々の心配をするというのは、烏滸がましい。
リアにしてみれば、そのように思ってしまうのは当然だろう。
「ほら、分かったらさっさと準備を整えて先に行く。もしあの巨大な鷲が大樹に何かしようとしていたら、それを止めるのはアランなんだからね」
「こっちは大丈夫だ。父さんたちもいるんだから、アランは自分のやるべきことをやりなさい」
「父さん」
アランの父親のニコラスが、自信に満ちた笑みでそう告げる。
実際にニコラスがかなりの実力者であるのは間違いない以上、今回の一件においては父親であるということよりも、実力のある探索者であるという意味で信じることが出来た。
「うん、分かった。……じゃあ、俺は行くよ」
「あら、母親の言うことは素直に聞かないのに、父親の言うことは聞くのね」
アランとニコラスのやり取りを見ていたリアが、若干不満を現しながらそう告げる。
とはいえ、そこに不満はあれども本気で怒っている様子ではない。
何だかんだと、夫と息子のことだから当然なのだろう。
とはいえ、それをアランに分かれという方が無理であり……
「あ、えっと、うん。取り合えず早く行かないと大樹がどうにかなってしまいかねないから、急ぐよ」
そう言って誤魔化し、皆から離れる。
「ふふ」
そんなアランと一緒に行動するレオノーラは小さく笑い声を上げるが、アランはそれに対して何も言わない。
もしここで自分が何か言えば、間違いなく面倒なことになると、そう理解しているためだ。
「じゃあ、頼むなカロ」
「ピ!」
仲間たちから十分に離れた場所で、アランはカロにそう告げる。
次の瞬間、アランの前にはゼオンの姿があった。
ここにいる者の多くは、ゼオンを何度も見ている。
間近で見たこともあるし、その機体に乗って移動した者もいた。
それでも、こうして目の前でゼオンの姿を見れば、例え何度であっても驚くのだ。
また、ゼオンの隣には黄金のドラゴンの姿もあり、多くの者の度肝を抜く。
「さて、じゃあ行きますから、乗るのは……ゼオンじゃなくてレオノーラの背に乗った方がいいかもしれませんね」
人型機動兵器たるゼオンよりも、黄金のドラゴンの方がどうしても乗りやすい。
アランにしてみれば、今回の一件では巨大な鷲と戦って激しく空中戦を行う可能性が高いので、そうなればゼオンに乗っていると落ちてしまう可能性がある。
その辺の事情を考えると、やはり乗るのならゼオンよりも黄金のドラゴンの方が容易だ。
……とはいえ、今回乗るのは心核使いである以上、派手に動き回るゼオンであってもどうにかなるのでは? という思いがアランの中には若干あったが。
そんな風に考えつつ、アランは出撃の準備をし……他の心核使いもモンスターに変身し、やがてその場から飛び立つのだった。
先程までは、ここにいるにが自分たちだけだと思っていたためか、いくら進んでも全く近付いてこない大樹の姿に、半ばやる気を失いつつあった。
それでも進み続ければいつかと大樹に到着するだろうという思いから、面倒臭がりながらも進んでいたのだが……そんなアランたちの上空を、巨大な鷲が悠々と追い越していったのだ。
(見逃して貰ったって方が正しいのかもしれないけど)
首を切断しても殺すことが出来ない、巨大な鷲。
さらに風のブレスを放つという攻撃方法を持っているだけに、あの状況で自分たちに攻撃を行っていれば、致命的なまでの被害があったのは間違いない。
アランやレオノーラといったように空を飛ぶ巨大な鷲に対抗する手段がない訳ではない。
だが、それで地上にいる他の者たちを完全に守れるかと言われれば……正直なところ、自信はなかった。
そう考えれば、やはり自分たちは巨大な鷲に見逃して貰ったという方が正しいだろうというのが、アランの予想だ。
地下八階にあった砂漠で、巨大な鷲の背に乗っていた者の態度を考えると、そう簡単に自分たちを見逃すといった真似をするとは思えなかったのだが。
「行きましょう。あの鷲が先に大樹のある場所に行った以上、僕たちも少しでも早く大樹に到着するべきです」
「イルゼンさん、やっぱりゼオンを使いますか? ゼオンなら、移動する時間は短くてすむけど」
「それは……難しいところですね。あの巨大な鷲がいなければ、それもよかったかしれません。ですが、この空にあの巨大な鷲がいると分かった以上、ゼオンが空を飛べば当然のように向こうを警戒させてしまいます。……本当に今更の話ですが、最初からゼオンに乗って移動していればよかったですね」
しみじみと告げるイルゼンだったが、あの巨大な鷲が来た今だからこそ、そのようなことを言えるのだ。
実際、最初にアランがゼオンで移動しないかと提案したときには、それを断ったのだから。
とはいえ、アランもそれを責める気にはならない。
そもそもの話、まさか砂漠で戦った巨大な鷲がこの地下二十階までやって来るとは思いもしなかったのだから。
「そうですか。なら、少しでも急いだ方がいいですね。でないと、色々と面倒なことになりそうですし」
あの巨大な鷲が一体何をしにこの地下二十階までやって来たのか、アランには分からない。
予想出来るとすれば、やはり巨大な鷲の背中に乗っていた相手が怪しいということくらいだろう。
ともあれ、今は急ぐ必要があると皆が今まで以上に速度を上げて歩き出す。
本来なら走れば一番早いのだろうが、大樹までの距離を考えると体力が保たない可能性がある。
また、もし体力が保っても、大樹に到着してすぐに巨大な鷲と戦いになる可能性を考えると、どうしても体力の温存を考える必要があった。
「ねぇ、アラン。……あの鷲がいたということは、やっぱりいると思う?」
いつの間にかアランの隣にやって来ていたレオノーラが、そんな風に尋ねる。
アランはその問いにすぐに頷く。
「間違いなくいると思う。あの鷲を操ってるといった感じだったし。だとすれば……」
「戦闘になるのはほぼ確実、ね」
砂漠のときのことを思い出せば、戦闘にならないという選択肢は存在しないように思えた。
砂漠では鷲の首を落とされるといったことが予想外だったためか、もしくはそれ以外に何か理由があるのかは分からなかったが、結局向こうが退いた。
だが、この階層が恐らくこの迷宮の最深部で、そこに鷲がやってきたとなると、大樹のある場所にアランたちが到着したときに、騒動にならないはずがない。
「ああ。そうなると、あの鷲と互角に戦えるのは……俺とレオノーラだけか」
「そうなるわね。相手が空を飛んでいるんだもの。あの巨大な鷲を地上に落とすことが出来れば、他の人も攻撃は出来るでしょうから、どうにかなるでしょうけど」
「問題なのは、それが出来るかどうか、か」
言うは易し。
そんな言葉を思い出すアラン。
何しろ、首を切断されても普通にまだあの巨大な鷲は飛んでいたのだ。
そのような相手を、一体どうやって地上に落とせばいいのか。
(首を切断しても飛んでいたんなら、翼を攻撃してみるか? 首はともかく、翼は存在しないと飛び続けることは難しいだろうし。……駄目だ。翼を攻撃しても、何だか普通に飛んでるような気がする)
首を切断されても普通に飛んでいた光景が強く印象づけられた為だろう。
アランの中では、あの巨大な鷲にどのような攻撃をしても、全く地上に落とすような真似が出来るとは思えなかった。
それはあくまでも、アランがそう思っているだけかもしれない。
それだけ、首を切断されても全く問題がなかったという光景は、アランに強い印象を与えたのだろう。
「ともあれ、何とかするしかない以上、頑張るしかないか。……最悪、あの鷲の背にのっていた相手の方を攻撃すれば何とかなると、そう思いたい」
砂漠でのやり取りから、恐らく巨大な鷲の背中にいた相手が黒幕的な存在なのは間違いないだろう。
アランにはそう思えたし、それはレオノーラもまた同様だった。
「ちょっ、おい! あれを見てみろよ!」
大樹に向かって進み、かなり近付いてきた……それによって大樹が壁のように見えたきた中、不意に探索者の一人が大樹の方を指さして叫ぶ。
一体何が? という疑問がアランにはあったが、すぐにその理由は判明した。
先程空を飛んで自分たちを追い越していった巨大な鷲が、大樹に向かって風のブレスを放っていたのだ。
どこからどう見ても、大樹を攻撃しているようにしか見えない。
事実、まだかかなり離れているアランたちから見ても、大樹から生えている枝や木の皮が剥がれて地上に落ちているのが分かるのだから。
こうして見ている限りでは、とてもではないが巨大な鷲が大樹にじゃれついている……といったようには見えず、明らかに敵意をもって攻撃していた。
「これは……イルゼンさん、このまま地上を進んでいれば、間違いなく大樹の被害が大きくなります。やっぱりここは、ゼオンで行かせて下さい!」
「……仕方がないですね。ですが、アラン君だけでは危険です」
そう言ったイルゼンの視線が向けれたのは、レオノーラ……だけではなく、ロッコーモ、カオググ、ジャスパーという他の心核使いたちだ。
アランとレオノーラだけではなく、他の心核使いも一緒に先行させる。
それがイルゼンの考えだった。
「いや、けど……それはそれで危なくないですか? もし強力な敵が出て来たら……痛っ!」
アランの言葉を遮るように、リアはその頭を叩く。
……それでも、拳ではなく平手だった辺り、リアとしては手加減をしているのだろう。
「私たちがいるのよ? 他に、アランより強い人は大勢いる。どんなモンスターが襲ってきても、対処するのは難しくはないわよ。それとも何? もしかしてアランがいないと私たちは勝てないと、そう思ってるの?」
「いや、それは……」
母親の言葉に、アランは反論出来ない。
実際、この場にいる者が生身で戦った場合、最弱なのはもちろんアランだ。
そんなアランが他の面々の心配をするというのは、烏滸がましい。
リアにしてみれば、そのように思ってしまうのは当然だろう。
「ほら、分かったらさっさと準備を整えて先に行く。もしあの巨大な鷲が大樹に何かしようとしていたら、それを止めるのはアランなんだからね」
「こっちは大丈夫だ。父さんたちもいるんだから、アランは自分のやるべきことをやりなさい」
「父さん」
アランの父親のニコラスが、自信に満ちた笑みでそう告げる。
実際にニコラスがかなりの実力者であるのは間違いない以上、今回の一件においては父親であるということよりも、実力のある探索者であるという意味で信じることが出来た。
「うん、分かった。……じゃあ、俺は行くよ」
「あら、母親の言うことは素直に聞かないのに、父親の言うことは聞くのね」
アランとニコラスのやり取りを見ていたリアが、若干不満を現しながらそう告げる。
とはいえ、そこに不満はあれども本気で怒っている様子ではない。
何だかんだと、夫と息子のことだから当然なのだろう。
とはいえ、それをアランに分かれという方が無理であり……
「あ、えっと、うん。取り合えず早く行かないと大樹がどうにかなってしまいかねないから、急ぐよ」
そう言って誤魔化し、皆から離れる。
「ふふ」
そんなアランと一緒に行動するレオノーラは小さく笑い声を上げるが、アランはそれに対して何も言わない。
もしここで自分が何か言えば、間違いなく面倒なことになると、そう理解しているためだ。
「じゃあ、頼むなカロ」
「ピ!」
仲間たちから十分に離れた場所で、アランはカロにそう告げる。
次の瞬間、アランの前にはゼオンの姿があった。
ここにいる者の多くは、ゼオンを何度も見ている。
間近で見たこともあるし、その機体に乗って移動した者もいた。
それでも、こうして目の前でゼオンの姿を見れば、例え何度であっても驚くのだ。
また、ゼオンの隣には黄金のドラゴンの姿もあり、多くの者の度肝を抜く。
「さて、じゃあ行きますから、乗るのは……ゼオンじゃなくてレオノーラの背に乗った方がいいかもしれませんね」
人型機動兵器たるゼオンよりも、黄金のドラゴンの方がどうしても乗りやすい。
アランにしてみれば、今回の一件では巨大な鷲と戦って激しく空中戦を行う可能性が高いので、そうなればゼオンに乗っていると落ちてしまう可能性がある。
その辺の事情を考えると、やはり乗るのならゼオンよりも黄金のドラゴンの方が容易だ。
……とはいえ、今回乗るのは心核使いである以上、派手に動き回るゼオンであってもどうにかなるのでは? という思いがアランの中には若干あったが。
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