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ラリアント防衛戦
117話
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ゼオリューン。
それは、アランの心核たるゼオンと、レオノーラの心核たる黄金のドラゴンが合体した姿だ。
外見上の大きな変化としては、ゼオンはどこからどう見ても普通のロボットにしか見えないのだが、黄金のドラゴンと合体したことにより、その姿が有機的な生体パーツを身につけているような姿になっていることか。
具体的には、ウイングバインダーの部位がドラゴンの翼に変わっており、腰からは新たにドラゴンの尻尾が生え、装甲は黄金竜鱗によって覆われている。
半人半獣という言葉があるが、今のゼオリューンは人型機兵器とモンスターの融合した姿という意味では、その言葉が相応しい。
コックピットも、ゼオンのときはアランの一人乗りだったのが、現在は黄金のドラゴンに変身していたはずのレオノーラも乗っており、二人乗りとなっている。
また、コックピットが増えた影響からか、大きさも全長十八メートルから全長二十メートルほどに大きくなっている。
ゼオンとほぼ同じ大きさの黄金のドラゴンが合体したのに、何故大きくなったのは二メートル程度なのか。
それはゼオリューンのコックピットにいるアランやレオノーラにも、分からなかった。
そして……変わったのは、当然のように外見だけではない。
大きくなったのは二メートル程度でしかないのだが、それでも今のゼオリューンからはゼオンのときとは全く違う迫力が備わっていた。
それは、ゼオンを相手に有利に戦いを進めていたガリンダミア帝国軍の心核使いたちの動きを止めるには、十分なだけの迫力。
外見での差異そのものは、大きいと言えば大きいが、それでも一目見てゼオンの面影がないとは言えない程度。
だが、そこから受ける迫力……一種の圧迫感は、ゼオンとは比較にならないほどの代物だった。
それこそ、姿形は似ているが、その中身は全く違うと言ってもいいほどに。
心核使いとして変身したモンスターの本能で感じたのか、ゼオリューンの姿を見た者の多くは、我知らず数歩後退る。
それでも、故郷を人質に取られていたり、自分の出世のためにここから逃げ出すといったことが出来ない心核使いといった者たちは何とか踏み度止まり、視線の先にいたゼオリューンに向かって攻撃を開始する。
「攻撃しろ、攻撃だ! ここで俺たちが負ければ、一体どうなるか分からない訳ではないだろう! 今はとにかく、あの化け物を攻撃するんだ!」
背中に水の泡のようなものを背負った猪のようなモンスターに変身した心核使いが叫ぶ。
ゼオリューンから受ける迫力は相当のものではあったが、自分たちが逃げる訳にはいかないと。
そう判断し、同時に自分だけではとてもではないが目の前の異形……ゼオリューンを倒せないというのは分かっているのか、他の心核使いたちにも呼びかけて。
猪のモンスターの言葉に、他の心核使いたちも怯えつつではあったが、反応する。
たとえ相手が強力な存在であっても、自分たちはここで負ける訳にはいかない。
絶対に勝たなければならないと、そう理解しているためだ。
そうして気を取り直した心核使いたちは、一気にゼオリューンに向かって攻撃を行う。
ゼオリューンから発せられる強烈な圧力に屈した数人の心核使いたちは場から逃げ去ったが、それでも今の状況を思えば、多く残った方だろう。
「レオノーラ、魔力障壁の展開は?」
「問題ないわ」
アランの言葉に、自分よりも前に位置するコックピットに座っているレオノーラは、素早くそう言葉を返す。
ゼオリューンに合体したことで変わったのは、外見もそうだが能力も大きく変わっている。
そんな中で特に大きく変わった……いや、追加したのは、アランが口にした魔力障壁だ。
魔力障壁……その名の通り、魔力によって作られた障壁で、アランにとって分かりやすい説明としては、バリアだ。
実際には色々と細かい違いがあるのかもしれないが、効果としてはバリアで間違いない。
ゼオンにはなかったこのバリアは、敵の攻撃を防ぐという意味では、非常に強力な能力だった。
ゼオンも相応の防御力を持ってはいるのだが、それでもダメージがあれば、当然のようにそれを無効化するような真似は出来ない。
だからこそ、今のこの状況においてバリアというのは非常にありがたかった。
もちろん、現状で使えるようになったのはバリアだけではない。
ゼオリューンになった影響でビームライフルを始めとした各種射撃武器の威力も軒並み上がっており、それこそこの場を打破するという意味では最適の存在になったのは、間違いなかった。
……ただし、それはあくまでもこの場においての話であって、ラリアントを守る全体として見た場合にどうなったのかというのは、微妙なところなのだが。
上空を飛びがら、地上にいるガリンダミア帝国軍に対してレーザーブレスを放っていた黄金のドラゴンがいなくなったというのは、ラリアント軍全体として見た場合、非常に痛い。
(だからこそ、俺達は何とかしてここにいる心核使いたちを可能な限り早く倒す必要がある)
二人乗り用になったコックピットの中で、アランは自分に言い聞かせるように考える。
現状ではとにかく行動をする方が先だと、そう考えて。
「レオノーラ、今は少しでも早くここにいる心核使いたちを倒して、ガリンダミア帝国軍を倒そう」
「そうね。今はここで時間を潰しているような余裕はないもの。……ただ、ここで目立つとあとが面倒になるわよ?」
レオノーラのその言葉は、アランにも納得出来た。出来たが……それはいまさらの話だろうと思えてしまう。
ゼオンという存在を知っただけで、ガリンダミア帝国軍は攻めて来たのだ。
もちろん、ゼオンの存在だけでここまで大規模な戦いを起こしたのではなく、あくまでもゼオンは今回の侵攻を招いた一要因にすぎない。
だが、それはゼオンの存在によってガリンダミア帝国軍の侵攻が前倒しになったというのも事実であり、その辺の事情を考えるとガリンダミア帝国軍にゼオリューンのことを知られても、いまさらの話でしかないと思えた。
なら、この力を使わないという選択肢はアランの中にはなかった。
「来るわよ!」
映像モニタを見ていたレオノーラが、素早く、そして鋭く言葉を発する。
このゼオリューンにおいて、レオノーラは魔力関係の調整を行うが、機体そのものを動かすのはアランの仕事だ。
「分かってる! けど、魔力障壁の調子を見たいから、そのまま受け止めるぞ!」
ユニコーンのように、額から長い角を生やしている狼……それも普通の人間よりも大きな狼が突っ込んでくるのを見て、レオノーラが叫び、アランはそれに反応する。
ただし、レオノーラが希望するように回避するのではなく、魔力障壁が具体的にどれだけの硬さを持つのかを確認するために、意識して敵の攻撃を受けるという対応なのだが。
以前のスタンピードのときにも、魔力障壁は使っている。
だが、今回は二回目のゼオリューンへの合体だ。
今回の魔力障壁も、前回と同じような防御力もっているのかどうかは、どうしても確認しておく必要があった。
この魔力障壁こそが、今のゼオリューンにとって大きな力なのは間違いない。
だからこそ、今の状況ではとにかく魔力障壁が実際にどれだけの防御力を持っているのか、なるべく早く確認しておく必要があった。
……とはいえ、今の状況を考えるとそれが非常に危険なことなのも事実だ。
もし魔力障壁が狼の突進を防ぐようなことが出来ない場合、これからの戦いがかなり難しくなるのは、間違いなかったからだ。しかし……
『ギャンッ!』
外部スピーカを通して、ゼオリューンのコックピットに狼のモンスターの悲鳴が聞こえてくる。
長く伸びた角でゼオリューンを傷つけようとした狼は、魔力障壁を貫くことが出来ずに吹き飛ばされたのだ。……それでも狼に額から伸びている長い角が折れなかったのは、心核使いとしての実力が高かったからだろう。
「よし!」
魔力障壁の効果を確認したアランは、すぐに次の行動に移す。
「魔力障壁がこれだけの性能を持っているのなら、防御に徹する必要はない。今はとにかく、敵の……心核使いの数を減らす!」
短く告げ、レオノーラの返事を待つ前にゼオリューンを前方に向かって突っ込ませる。
当然のように何もせずただ突っ込むだけではなく、攻撃をしながらだ。
放たれた頭部バルカンによって、赤いスライムが破片となって砕け散っていく。
なお、魔力障壁を展開している最中はその内部から攻撃出来ないので、現在は魔力障壁を展開していない。
魔力障壁を展開はレオノーラの判断で行われるので、敵の攻撃を回避しきれないと判断したときに、改めて魔力障壁を展開するつもりだった。
そんな状況で放たれた頭部バルカンによって砕かれたスライムだが、スライムだけにこれで無事に倒せたのかどうかは、分からない。
だが、もしこれで倒せいていなくても、大きなダメージを与えたことは間違いのない事実だった。
そして、ゼオンの状態では出来なかったことが、ゼオリューンとなった今では出来る。
「フェルス!」
アランの叫びに反応し、空間に波紋が浮かんだかと思えれば、そこからフェルスが姿を現す。
「アラン、そっちは私が!」
「分かった、頼む!」
フェルスのコントロールをレオノーラに渡し、アランはビームライフルを使って敵を攻撃していく。
魔力のコントロールに長け、また生来の資質もあるのだろう。
レオノーラはフェルスを使う技術にかんしては、アランよりは若干劣るが、それでも十分実戦的に使いこなすことが出来た。
ビームソードを展開し、当を幸いと敵を斬り裂き、またはビーム砲の発射によって、敵にダメージを与えていく。
アランもまた、ゼオリューンになって威力の強化されたビームライフルで敵を貫き、腹部拡散ビーム砲を放って数匹を纏めて倒し、空いている方の手でビームサーベルを展開しては、近づいてくる敵を斬り裂いていく。
二人が息を揃えて戦っているその光景は、それこそゼオンと黄金のドラゴンが合体してゼオリューンになったかのような、そんな鋭い連携で心核使いたちを蹂躙していくのだった。
それは、アランの心核たるゼオンと、レオノーラの心核たる黄金のドラゴンが合体した姿だ。
外見上の大きな変化としては、ゼオンはどこからどう見ても普通のロボットにしか見えないのだが、黄金のドラゴンと合体したことにより、その姿が有機的な生体パーツを身につけているような姿になっていることか。
具体的には、ウイングバインダーの部位がドラゴンの翼に変わっており、腰からは新たにドラゴンの尻尾が生え、装甲は黄金竜鱗によって覆われている。
半人半獣という言葉があるが、今のゼオリューンは人型機兵器とモンスターの融合した姿という意味では、その言葉が相応しい。
コックピットも、ゼオンのときはアランの一人乗りだったのが、現在は黄金のドラゴンに変身していたはずのレオノーラも乗っており、二人乗りとなっている。
また、コックピットが増えた影響からか、大きさも全長十八メートルから全長二十メートルほどに大きくなっている。
ゼオンとほぼ同じ大きさの黄金のドラゴンが合体したのに、何故大きくなったのは二メートル程度なのか。
それはゼオリューンのコックピットにいるアランやレオノーラにも、分からなかった。
そして……変わったのは、当然のように外見だけではない。
大きくなったのは二メートル程度でしかないのだが、それでも今のゼオリューンからはゼオンのときとは全く違う迫力が備わっていた。
それは、ゼオンを相手に有利に戦いを進めていたガリンダミア帝国軍の心核使いたちの動きを止めるには、十分なだけの迫力。
外見での差異そのものは、大きいと言えば大きいが、それでも一目見てゼオンの面影がないとは言えない程度。
だが、そこから受ける迫力……一種の圧迫感は、ゼオンとは比較にならないほどの代物だった。
それこそ、姿形は似ているが、その中身は全く違うと言ってもいいほどに。
心核使いとして変身したモンスターの本能で感じたのか、ゼオリューンの姿を見た者の多くは、我知らず数歩後退る。
それでも、故郷を人質に取られていたり、自分の出世のためにここから逃げ出すといったことが出来ない心核使いといった者たちは何とか踏み度止まり、視線の先にいたゼオリューンに向かって攻撃を開始する。
「攻撃しろ、攻撃だ! ここで俺たちが負ければ、一体どうなるか分からない訳ではないだろう! 今はとにかく、あの化け物を攻撃するんだ!」
背中に水の泡のようなものを背負った猪のようなモンスターに変身した心核使いが叫ぶ。
ゼオリューンから受ける迫力は相当のものではあったが、自分たちが逃げる訳にはいかないと。
そう判断し、同時に自分だけではとてもではないが目の前の異形……ゼオリューンを倒せないというのは分かっているのか、他の心核使いたちにも呼びかけて。
猪のモンスターの言葉に、他の心核使いたちも怯えつつではあったが、反応する。
たとえ相手が強力な存在であっても、自分たちはここで負ける訳にはいかない。
絶対に勝たなければならないと、そう理解しているためだ。
そうして気を取り直した心核使いたちは、一気にゼオリューンに向かって攻撃を行う。
ゼオリューンから発せられる強烈な圧力に屈した数人の心核使いたちは場から逃げ去ったが、それでも今の状況を思えば、多く残った方だろう。
「レオノーラ、魔力障壁の展開は?」
「問題ないわ」
アランの言葉に、自分よりも前に位置するコックピットに座っているレオノーラは、素早くそう言葉を返す。
ゼオリューンに合体したことで変わったのは、外見もそうだが能力も大きく変わっている。
そんな中で特に大きく変わった……いや、追加したのは、アランが口にした魔力障壁だ。
魔力障壁……その名の通り、魔力によって作られた障壁で、アランにとって分かりやすい説明としては、バリアだ。
実際には色々と細かい違いがあるのかもしれないが、効果としてはバリアで間違いない。
ゼオンにはなかったこのバリアは、敵の攻撃を防ぐという意味では、非常に強力な能力だった。
ゼオンも相応の防御力を持ってはいるのだが、それでもダメージがあれば、当然のようにそれを無効化するような真似は出来ない。
だからこそ、今のこの状況においてバリアというのは非常にありがたかった。
もちろん、現状で使えるようになったのはバリアだけではない。
ゼオリューンになった影響でビームライフルを始めとした各種射撃武器の威力も軒並み上がっており、それこそこの場を打破するという意味では最適の存在になったのは、間違いなかった。
……ただし、それはあくまでもこの場においての話であって、ラリアントを守る全体として見た場合にどうなったのかというのは、微妙なところなのだが。
上空を飛びがら、地上にいるガリンダミア帝国軍に対してレーザーブレスを放っていた黄金のドラゴンがいなくなったというのは、ラリアント軍全体として見た場合、非常に痛い。
(だからこそ、俺達は何とかしてここにいる心核使いたちを可能な限り早く倒す必要がある)
二人乗り用になったコックピットの中で、アランは自分に言い聞かせるように考える。
現状ではとにかく行動をする方が先だと、そう考えて。
「レオノーラ、今は少しでも早くここにいる心核使いたちを倒して、ガリンダミア帝国軍を倒そう」
「そうね。今はここで時間を潰しているような余裕はないもの。……ただ、ここで目立つとあとが面倒になるわよ?」
レオノーラのその言葉は、アランにも納得出来た。出来たが……それはいまさらの話だろうと思えてしまう。
ゼオンという存在を知っただけで、ガリンダミア帝国軍は攻めて来たのだ。
もちろん、ゼオンの存在だけでここまで大規模な戦いを起こしたのではなく、あくまでもゼオンは今回の侵攻を招いた一要因にすぎない。
だが、それはゼオンの存在によってガリンダミア帝国軍の侵攻が前倒しになったというのも事実であり、その辺の事情を考えるとガリンダミア帝国軍にゼオリューンのことを知られても、いまさらの話でしかないと思えた。
なら、この力を使わないという選択肢はアランの中にはなかった。
「来るわよ!」
映像モニタを見ていたレオノーラが、素早く、そして鋭く言葉を発する。
このゼオリューンにおいて、レオノーラは魔力関係の調整を行うが、機体そのものを動かすのはアランの仕事だ。
「分かってる! けど、魔力障壁の調子を見たいから、そのまま受け止めるぞ!」
ユニコーンのように、額から長い角を生やしている狼……それも普通の人間よりも大きな狼が突っ込んでくるのを見て、レオノーラが叫び、アランはそれに反応する。
ただし、レオノーラが希望するように回避するのではなく、魔力障壁が具体的にどれだけの硬さを持つのかを確認するために、意識して敵の攻撃を受けるという対応なのだが。
以前のスタンピードのときにも、魔力障壁は使っている。
だが、今回は二回目のゼオリューンへの合体だ。
今回の魔力障壁も、前回と同じような防御力もっているのかどうかは、どうしても確認しておく必要があった。
この魔力障壁こそが、今のゼオリューンにとって大きな力なのは間違いない。
だからこそ、今の状況ではとにかく魔力障壁が実際にどれだけの防御力を持っているのか、なるべく早く確認しておく必要があった。
……とはいえ、今の状況を考えるとそれが非常に危険なことなのも事実だ。
もし魔力障壁が狼の突進を防ぐようなことが出来ない場合、これからの戦いがかなり難しくなるのは、間違いなかったからだ。しかし……
『ギャンッ!』
外部スピーカを通して、ゼオリューンのコックピットに狼のモンスターの悲鳴が聞こえてくる。
長く伸びた角でゼオリューンを傷つけようとした狼は、魔力障壁を貫くことが出来ずに吹き飛ばされたのだ。……それでも狼に額から伸びている長い角が折れなかったのは、心核使いとしての実力が高かったからだろう。
「よし!」
魔力障壁の効果を確認したアランは、すぐに次の行動に移す。
「魔力障壁がこれだけの性能を持っているのなら、防御に徹する必要はない。今はとにかく、敵の……心核使いの数を減らす!」
短く告げ、レオノーラの返事を待つ前にゼオリューンを前方に向かって突っ込ませる。
当然のように何もせずただ突っ込むだけではなく、攻撃をしながらだ。
放たれた頭部バルカンによって、赤いスライムが破片となって砕け散っていく。
なお、魔力障壁を展開している最中はその内部から攻撃出来ないので、現在は魔力障壁を展開していない。
魔力障壁を展開はレオノーラの判断で行われるので、敵の攻撃を回避しきれないと判断したときに、改めて魔力障壁を展開するつもりだった。
そんな状況で放たれた頭部バルカンによって砕かれたスライムだが、スライムだけにこれで無事に倒せたのかどうかは、分からない。
だが、もしこれで倒せいていなくても、大きなダメージを与えたことは間違いのない事実だった。
そして、ゼオンの状態では出来なかったことが、ゼオリューンとなった今では出来る。
「フェルス!」
アランの叫びに反応し、空間に波紋が浮かんだかと思えれば、そこからフェルスが姿を現す。
「アラン、そっちは私が!」
「分かった、頼む!」
フェルスのコントロールをレオノーラに渡し、アランはビームライフルを使って敵を攻撃していく。
魔力のコントロールに長け、また生来の資質もあるのだろう。
レオノーラはフェルスを使う技術にかんしては、アランよりは若干劣るが、それでも十分実戦的に使いこなすことが出来た。
ビームソードを展開し、当を幸いと敵を斬り裂き、またはビーム砲の発射によって、敵にダメージを与えていく。
アランもまた、ゼオリューンになって威力の強化されたビームライフルで敵を貫き、腹部拡散ビーム砲を放って数匹を纏めて倒し、空いている方の手でビームサーベルを展開しては、近づいてくる敵を斬り裂いていく。
二人が息を揃えて戦っているその光景は、それこそゼオンと黄金のドラゴンが合体してゼオリューンになったかのような、そんな鋭い連携で心核使いたちを蹂躙していくのだった。
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