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ラリアント防衛戦
113話
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アランの操縦するゼオンは、目の前にいる巨大な――あくまでも一般的な基準でだが――蛙を前に、頭部バルカンを撃とうとしたのだが……次の瞬間、その場から後方に跳躍する。
そしてゼオンがいた場所に、次々に降り注いでくる無数の羽根。
その羽根は、まるで矢か何かのように次々と地面に突き刺さる。
咄嗟に上空を見たアランが見たのは、人間の上半身を持つモンスター。
上半身は全裸の女と呼ぶべき姿で、下半身は鳥、両手のある場所には翼があるという、ハーピーだった。
そのハーピーの翼から、羽根が次々と撃たれたのだ。
そんなに羽根を使えば、翼の方で悪影響が出るのではないか? と一瞬思ったアランだったが、ハーピーはそんなことは全く気にした様子もなく、ゼオンを牽制するように次々と羽根を射出する。
「面倒なんだよ!」
その羽根諸共に破壊してやる。
そんな思いで頭部バルカンをハーピーに向けたゼオンだったが、蛙がそれをさせまいと舌を伸ばす。
本来なら、蛙の舌程度でどうにかなったりといったことはしない。
だが、巨大な蛙だけあって……いや、普通の蛙ではなくモンスターだけあって、射出された舌の速度は素早く、ゼオンに激しい衝撃を与える。
……それでも、ゼオンの装甲が破損するようなことがなかったのは、ゼオンの装甲がそれだけ頑丈だったということなのだろう。
とはいえ、装甲は破壊されなくてもその衝撃を無効化することが出来る筈もなく、コックピットのアランには強烈な衝撃が伝わる。
その衝撃で怪我をするといった類のものではないが……衝撃によって操縦に数秒にも満たないタイムラグが生じた。
そして、ガリンダミア帝国軍の心核使いがそんな好機を見逃すはずがない。
ハーピーや蛙以外にも、ゼオンに怯えていた者、隙を窺っていた者といった他の心核使いの攻撃が一斉にゼオンに向けられる。
それを察したゼオンは、半ば反射的にウィングバインダーのスラスターを全開にして、その場から上空に向かって飛び上がっていた。
……だが、そのゼオンの行動は、敵の攻撃を回避するという意味では正しかったが、城壁を守るという意味では失敗でしかない。
ゼオンの背後から放たれた様々な攻撃は、ゼオンに命中するようなことはなかたが、その代わり……ラリアントの城壁に、次々と命中したのだ。
不幸中の幸いだったのは、何らかのモンスターの放った木で出来た槍が城壁の前にいる蛙の身体を串刺しにしたことか。
本来なら味方同士で被害を与えるというのは考えれないことだったが、ガリンダミア帝国軍の心核使いは、あくまでも占領された従属国から強制的に連れてこられた者たちだ。
当然のように、お互いに対する仲間意識の類は薄い。
ない訳ではないのだが、それでも自分と同じ境遇とはいえ、初めて会った心核使いよりも、故郷で待っている仲間たち……言ってみればガリンダミア帝国軍に人質とされている者たちの方が心配なのは当然だった。
また、故郷の者たちを人質にされてりいるのは事実だが、同時にこの戦いで活躍すれば、故郷に対する利益にもなる。
だからこそ、自分と同じ国の心核使い、またはガリンダミア帝国に征服される前に交流があり、親しい相手だったといったような理由でもない限り、攻撃を止めるということはなかった。
ましてや、もし数人がその心核使いと知り合いであっても、この場に集まっている心核使いの数はすでに十人を超えている。
そうである以上、今のままではどうにか出来るはずもない。
「うわぁ……っと、邪魔だ!」
味方の攻撃によって蛙が斬り裂かれ、貫かれ、燃やされ、砕かれ……様々な攻撃によって死ぬのを見ていたアランだったが、そんなアランの様子にチャンスだと思ったのか、ハーピーがゼオンの頭部に向かって急降下してくる。
いくらゴーレムであっても、頭部を破壊すれば殺せる……いや、壊せると。そう思っての行動だったのだろう。
それは決して間違ってはいない。いないのだが……ハーピーにとって最大の誤算は、単純に戦力差が大きすぎるということだった。
足の爪でゼオンの目でも攻撃しようとしたハーピーだったが……アランはそんなハーピーに対し、頭部バルカンのトリガーを引く。
次々と放たれる無数の弾丸は、それこそ一瞬にしてハーピーを死体すら残さないよう肉片として、周囲に巻き散らかす。
地上にいた他の心核使いたちは、ハーピーの肉片や骨片、血、体液……それらで出来た雨により、身体を汚されることになる。
ここに連れて来られはしたものの、戦いに積極的ではなかった羊の心核使いは、自分の身体が次々と血や肉片によって汚れていくのを見て、悲しそうな悲鳴を上げた。
それでも、その羊の心核使いはまだ運のいい方だっただろう。
運の悪い……コボルトの心核使いは、ハーピーの足の爪が降ってきたところに運悪く立っており、顔に非常に大きな傷をつくり、右目の眼球を失うことになってしまったのだから。
「ついでだ、これも食らえ!」
そんな戸惑いを感じたアランは、地上に向かって腹部拡散ビーム砲を放つ。
放たれた拡散ビーム砲は、地上にいた心核使いたちの変身したモンスターに向かって降り注ぐ。
何人もの心核使いに向かって放たれる攻撃。
当然のように、その攻撃を食らった心核使いたちは多かれ少なかれダメージを受けた者が多かったが、それでも今の一撃で死んだり戦闘不能になるほどの大きなダメージを受けた者というのは、そこまで多くはなかった。
本来なら上空でもう少しゆっくりしたかったというのが、アランの正直な気持ちだった。
しかし、今の状況ではそのようなことも出来ない。
そもそも、現在こうしてアランがゼオンに乗って戦っているのは、あくまでも敵の心核使いをこの場に集めるためだ。
ガリンダミア帝国軍が有する心核使いの数は、ラリアント軍に比べて圧倒的に多い。
「というか、多すぎるだろ!」
先程の腹部拡散ビーム砲で倒した以上の心核使いが既に集まっているのを確認し、アランの口からは弱音が出る。
ザラクニアとの一件でも、ガリンダミア帝国軍は多くの心核使いを密かに派遣していた。
その派遣された心核使いも、ほぼ全員が殺されるなり、降伏して捕獲されるなりといったことになったのだ。
そこまで消耗させたにもかかわらず、まだこうして無尽蔵に心核使いを出してくる余裕のあるガリンダミア帝国軍の国力というのは、アランから見て恐るべきものとしか表現出来ない。
この戦場では大量に存在しているので勘違いしそうになるが、本来なら心核使いというのは非常に希少な存在なのだ。
それこそ、小規模な戦場であれば心核使いが一人いるだけで、その戦局が決まってしまってもおかしくはないような。
そのような心核使いが、何故これだけいるのか。
当然のように、アランはその理由に覚えがあった。
ガリンダミア帝国が以前からラリアントを欲していて、今回の侵略は牽制や示威行為の類ではなく、本気でラリアントを占領しているからというのもある。
だが……それ以上に、やはりガリンダミア帝国にとってアランの持つゼオンをそれほどに欲しているということなのだろう。
今まで見たこともないようなゴーレム。
……正確にはゴーレムではないのだが、人型機動兵器などという概念の存在しない世界の者にしてみれば、無理矢理分類するとなればやはりゼオンはゴーレムなのだ。
とはいえ、当然のようにゼオンは普通のゴーレムではなく、特殊……いや、特別なゴーレムと認識されているのだが。
実際に空を飛ぶことが出来、それこそ心核使いが変身したモンスターよりも早い速度で飛べて、その上で、あくまでもゴーレムなので本人に疲労はない。
また、ビーム兵器というこの世界では類を見ない兵器を使うことも出来て、どこからともなく呼び出せる遠隔操作砲台のフェルスを使えもする。
その辺の事情を考えると、ゼオンという戦力を欲するのは当然のことだった。
それこそ、ガリンダミア帝国にしてみれば、その辺の諸々の心核使いを犠牲にしてでも欲するのは間違いない。
アランもその辺の事情は何となく理解している。
しているのだが……今の自分の状況を思えば、それがどうした! と叫びたくなる。
空を飛んでいたゼオンに、足が三本ある鷲が攻撃を仕掛ける。
これで鷲ではなく鴉であれば八咫烏だなと思いつつも、アランは鷲に向けて頭部バルカンを撃つ。
……だが、周囲の様子を映像モニタで確認したアランは、空を飛ぶモンスターが他に何匹もいることに気が付き、頬を引き攣らせる。
空中での機動力は高いゼオンだったが、それでもこれだけの敵を相手にするのは面倒で……決断する。
「フェルス!」
その言葉と共にアランの背後の空間に波紋が浮かび、一メートルほどの長さを持つ紫の三角錐の物体がいくつも姿を現す。
いきなりゼオンの背後の空間に現れた波紋に、それを見ていた空を飛ぶモンスターは一瞬呆気にとられる。
それだけではなく、地上にいるモンスターたちも自分たちの上空で一体何が起きているのかと、そんな不安を感じていた。
何人か……ガリンダミア帝国軍の者から何らかの手段で情報を得ていた者たちは、それがすぐに警戒すべき攻撃方法であると理解はしたのだろう。
だが、それでも動くのは遅かった。
「行け!」
アランの命令に従い、フェルスはそれぞれに動き出す。
先端にビームソードを展開している物もあれば、側面にビームの刃を展開していたり、先端からビーム砲を発射したり……と、様々な、本当に様々な攻撃が次々と行われていく。
とはいえ、フェルスの攻撃は回避するのは難しいが、一撃の威力はそこまで高くはない。
次々と放たれる攻撃によって連続してビームが着弾するも、その一撃で即死するようなことはない。
「けど……それでも、塵も積もれば山となるってな! それに、フェルスに襲われている状況で、こっちの攻撃も回避出来るか?」
そう言い、ビームライフルや腹部拡散ビーム砲を発射するゼオン。
それらはフェルスの攻撃に対処出来ずにいるモンスターたちを、次々と撃ち抜いていくのだった。
そしてゼオンがいた場所に、次々に降り注いでくる無数の羽根。
その羽根は、まるで矢か何かのように次々と地面に突き刺さる。
咄嗟に上空を見たアランが見たのは、人間の上半身を持つモンスター。
上半身は全裸の女と呼ぶべき姿で、下半身は鳥、両手のある場所には翼があるという、ハーピーだった。
そのハーピーの翼から、羽根が次々と撃たれたのだ。
そんなに羽根を使えば、翼の方で悪影響が出るのではないか? と一瞬思ったアランだったが、ハーピーはそんなことは全く気にした様子もなく、ゼオンを牽制するように次々と羽根を射出する。
「面倒なんだよ!」
その羽根諸共に破壊してやる。
そんな思いで頭部バルカンをハーピーに向けたゼオンだったが、蛙がそれをさせまいと舌を伸ばす。
本来なら、蛙の舌程度でどうにかなったりといったことはしない。
だが、巨大な蛙だけあって……いや、普通の蛙ではなくモンスターだけあって、射出された舌の速度は素早く、ゼオンに激しい衝撃を与える。
……それでも、ゼオンの装甲が破損するようなことがなかったのは、ゼオンの装甲がそれだけ頑丈だったということなのだろう。
とはいえ、装甲は破壊されなくてもその衝撃を無効化することが出来る筈もなく、コックピットのアランには強烈な衝撃が伝わる。
その衝撃で怪我をするといった類のものではないが……衝撃によって操縦に数秒にも満たないタイムラグが生じた。
そして、ガリンダミア帝国軍の心核使いがそんな好機を見逃すはずがない。
ハーピーや蛙以外にも、ゼオンに怯えていた者、隙を窺っていた者といった他の心核使いの攻撃が一斉にゼオンに向けられる。
それを察したゼオンは、半ば反射的にウィングバインダーのスラスターを全開にして、その場から上空に向かって飛び上がっていた。
……だが、そのゼオンの行動は、敵の攻撃を回避するという意味では正しかったが、城壁を守るという意味では失敗でしかない。
ゼオンの背後から放たれた様々な攻撃は、ゼオンに命中するようなことはなかたが、その代わり……ラリアントの城壁に、次々と命中したのだ。
不幸中の幸いだったのは、何らかのモンスターの放った木で出来た槍が城壁の前にいる蛙の身体を串刺しにしたことか。
本来なら味方同士で被害を与えるというのは考えれないことだったが、ガリンダミア帝国軍の心核使いは、あくまでも占領された従属国から強制的に連れてこられた者たちだ。
当然のように、お互いに対する仲間意識の類は薄い。
ない訳ではないのだが、それでも自分と同じ境遇とはいえ、初めて会った心核使いよりも、故郷で待っている仲間たち……言ってみればガリンダミア帝国軍に人質とされている者たちの方が心配なのは当然だった。
また、故郷の者たちを人質にされてりいるのは事実だが、同時にこの戦いで活躍すれば、故郷に対する利益にもなる。
だからこそ、自分と同じ国の心核使い、またはガリンダミア帝国に征服される前に交流があり、親しい相手だったといったような理由でもない限り、攻撃を止めるということはなかった。
ましてや、もし数人がその心核使いと知り合いであっても、この場に集まっている心核使いの数はすでに十人を超えている。
そうである以上、今のままではどうにか出来るはずもない。
「うわぁ……っと、邪魔だ!」
味方の攻撃によって蛙が斬り裂かれ、貫かれ、燃やされ、砕かれ……様々な攻撃によって死ぬのを見ていたアランだったが、そんなアランの様子にチャンスだと思ったのか、ハーピーがゼオンの頭部に向かって急降下してくる。
いくらゴーレムであっても、頭部を破壊すれば殺せる……いや、壊せると。そう思っての行動だったのだろう。
それは決して間違ってはいない。いないのだが……ハーピーにとって最大の誤算は、単純に戦力差が大きすぎるということだった。
足の爪でゼオンの目でも攻撃しようとしたハーピーだったが……アランはそんなハーピーに対し、頭部バルカンのトリガーを引く。
次々と放たれる無数の弾丸は、それこそ一瞬にしてハーピーを死体すら残さないよう肉片として、周囲に巻き散らかす。
地上にいた他の心核使いたちは、ハーピーの肉片や骨片、血、体液……それらで出来た雨により、身体を汚されることになる。
ここに連れて来られはしたものの、戦いに積極的ではなかった羊の心核使いは、自分の身体が次々と血や肉片によって汚れていくのを見て、悲しそうな悲鳴を上げた。
それでも、その羊の心核使いはまだ運のいい方だっただろう。
運の悪い……コボルトの心核使いは、ハーピーの足の爪が降ってきたところに運悪く立っており、顔に非常に大きな傷をつくり、右目の眼球を失うことになってしまったのだから。
「ついでだ、これも食らえ!」
そんな戸惑いを感じたアランは、地上に向かって腹部拡散ビーム砲を放つ。
放たれた拡散ビーム砲は、地上にいた心核使いたちの変身したモンスターに向かって降り注ぐ。
何人もの心核使いに向かって放たれる攻撃。
当然のように、その攻撃を食らった心核使いたちは多かれ少なかれダメージを受けた者が多かったが、それでも今の一撃で死んだり戦闘不能になるほどの大きなダメージを受けた者というのは、そこまで多くはなかった。
本来なら上空でもう少しゆっくりしたかったというのが、アランの正直な気持ちだった。
しかし、今の状況ではそのようなことも出来ない。
そもそも、現在こうしてアランがゼオンに乗って戦っているのは、あくまでも敵の心核使いをこの場に集めるためだ。
ガリンダミア帝国軍が有する心核使いの数は、ラリアント軍に比べて圧倒的に多い。
「というか、多すぎるだろ!」
先程の腹部拡散ビーム砲で倒した以上の心核使いが既に集まっているのを確認し、アランの口からは弱音が出る。
ザラクニアとの一件でも、ガリンダミア帝国軍は多くの心核使いを密かに派遣していた。
その派遣された心核使いも、ほぼ全員が殺されるなり、降伏して捕獲されるなりといったことになったのだ。
そこまで消耗させたにもかかわらず、まだこうして無尽蔵に心核使いを出してくる余裕のあるガリンダミア帝国軍の国力というのは、アランから見て恐るべきものとしか表現出来ない。
この戦場では大量に存在しているので勘違いしそうになるが、本来なら心核使いというのは非常に希少な存在なのだ。
それこそ、小規模な戦場であれば心核使いが一人いるだけで、その戦局が決まってしまってもおかしくはないような。
そのような心核使いが、何故これだけいるのか。
当然のように、アランはその理由に覚えがあった。
ガリンダミア帝国が以前からラリアントを欲していて、今回の侵略は牽制や示威行為の類ではなく、本気でラリアントを占領しているからというのもある。
だが……それ以上に、やはりガリンダミア帝国にとってアランの持つゼオンをそれほどに欲しているということなのだろう。
今まで見たこともないようなゴーレム。
……正確にはゴーレムではないのだが、人型機動兵器などという概念の存在しない世界の者にしてみれば、無理矢理分類するとなればやはりゼオンはゴーレムなのだ。
とはいえ、当然のようにゼオンは普通のゴーレムではなく、特殊……いや、特別なゴーレムと認識されているのだが。
実際に空を飛ぶことが出来、それこそ心核使いが変身したモンスターよりも早い速度で飛べて、その上で、あくまでもゴーレムなので本人に疲労はない。
また、ビーム兵器というこの世界では類を見ない兵器を使うことも出来て、どこからともなく呼び出せる遠隔操作砲台のフェルスを使えもする。
その辺の事情を考えると、ゼオンという戦力を欲するのは当然のことだった。
それこそ、ガリンダミア帝国にしてみれば、その辺の諸々の心核使いを犠牲にしてでも欲するのは間違いない。
アランもその辺の事情は何となく理解している。
しているのだが……今の自分の状況を思えば、それがどうした! と叫びたくなる。
空を飛んでいたゼオンに、足が三本ある鷲が攻撃を仕掛ける。
これで鷲ではなく鴉であれば八咫烏だなと思いつつも、アランは鷲に向けて頭部バルカンを撃つ。
……だが、周囲の様子を映像モニタで確認したアランは、空を飛ぶモンスターが他に何匹もいることに気が付き、頬を引き攣らせる。
空中での機動力は高いゼオンだったが、それでもこれだけの敵を相手にするのは面倒で……決断する。
「フェルス!」
その言葉と共にアランの背後の空間に波紋が浮かび、一メートルほどの長さを持つ紫の三角錐の物体がいくつも姿を現す。
いきなりゼオンの背後の空間に現れた波紋に、それを見ていた空を飛ぶモンスターは一瞬呆気にとられる。
それだけではなく、地上にいるモンスターたちも自分たちの上空で一体何が起きているのかと、そんな不安を感じていた。
何人か……ガリンダミア帝国軍の者から何らかの手段で情報を得ていた者たちは、それがすぐに警戒すべき攻撃方法であると理解はしたのだろう。
だが、それでも動くのは遅かった。
「行け!」
アランの命令に従い、フェルスはそれぞれに動き出す。
先端にビームソードを展開している物もあれば、側面にビームの刃を展開していたり、先端からビーム砲を発射したり……と、様々な、本当に様々な攻撃が次々と行われていく。
とはいえ、フェルスの攻撃は回避するのは難しいが、一撃の威力はそこまで高くはない。
次々と放たれる攻撃によって連続してビームが着弾するも、その一撃で即死するようなことはない。
「けど……それでも、塵も積もれば山となるってな! それに、フェルスに襲われている状況で、こっちの攻撃も回避出来るか?」
そう言い、ビームライフルや腹部拡散ビーム砲を発射するゼオン。
それらはフェルスの攻撃に対処出来ずにいるモンスターたちを、次々と撃ち抜いていくのだった。
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