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辺境にて
055話
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騎士二人を相手にして……さらには、あとから来た騎士が率いていた兵士をも同時に相手にするのは、レオノーラにとっても決して楽な戦いではなかった。
いや、レオノーラが本当の意味で自由に戦えるのであれば、あるいは何とかなったかもしれない。
だが、今回はアランを守りながら戦わなければならない以上、自由に動き回るといったことも出来ない。
騎士や兵士たちの目的がアランである以上、アランをこの場に残して移動するような真似をすれば、それこそこの場に残った者がこれ幸いとアランを確保するだろう。
そのようなことをさせないためには、それこそアランの協力が必要だったのだが……薬の効果によって頭が朦朧としている今のアランには、そのようなことは期待出来ない。
だからこそ、レオノーラは自分が不利になるとわかっていても、この場に残って戦うという選択肢しか存在していない。だが……
「くそっ! 何て使い手だ! そっちだ、そっちに回り込め! アランを押さえれば、その女はどうとでもなる!」
焦燥感と共に、騎士が叫ぶ。
その声に、兵士がアランに近づこうとするものの、鞭の間合いは想像以上に広く、さらにはその速度は兵士程度の実力で見切ることはまず出来ない。
レオノーラとしても、アランを人質にされてしまえば戦いようがない。
「アラン、起きなさい! 敵を倒せとは言わないから、自分の身くらいは守りなさい!」
魔法によって紫電を纏わせた鞭を振るい、次々に兵士を倒しつつレオノーラが叫ぶ。
せめて、アランが自分の身を守ることが出来るのなら、レオノーラも取れる手段が増えるのだ。
だが、今のアランは薬の影響で頭が朦朧としており、それこそ起きたときと比べても余計に役立たずとなっている。
身体が気怠く、頭もろくに働かず、それどころか平衡感覚すら失っている。
言ってみれば、一般的な風邪の症状を強力にしたような症状に、現在襲われているのだ。
レオノーラが何かを叫んでいるというのは分かるのだが、それが何を意味しているのかは分からない。
アランの懐の中では、カロが必死に自分の主人たるアランを正気に戻そうと頑張っているものの、アランはそもそもそのことにすら気が付いている様子はなかった。
「無駄だよ、無駄。あの薬は死にはしないし、後遺症の類も残りはしないが、それでも……いや、だからこそ強力な効果を発揮する。アランを戦力にするのは不可能だ」
最初からレオノーラと対峙していた騎士が、嘲笑を浮かべて言う。
少しでもレオノーラの動揺を誘い、攻撃の手を緩めさせる。
そのための一手だった。
レオノーラも当然そのくらいのことは理解してはいるのだが、それでも現在の状況を考えると、分かっている上で騎士の言葉に動揺しないというのは無理だった。
「くっ、それでも……私はこんな場所で負ける訳にはいかないのよ! アラン、しっかりさしなさい、アラン!」
「う……あ……」
レオノーラの必死な声が聞こえたのか、アランは呻くような声を発する。
それに驚いたのは、アランに薬を盛ったと言っていた騎士だ。
まさかこのような状況でレオノーラの言葉に反応するとは、思ってもいなかったのだろう。
アランの手が動き、懐に手を伸ばす。
その動きに気が付いたのか、それとも返事をしたのが気になったのか、騎士は援軍として駆けつけてきた仲間の騎士に叫ぶ。
「奴を押さえるぞ!」
「分かっている! ここまでお膳立てをした状況で、逃がしてたまるか!」
声をかけられた騎士も、素早く叫ぶとアランの方に向かって駆け出す。
だが、いくら鍛えている騎士であっても、走って移動するのと、アランがカロに魔力を通すのでは当然のように後者の方が早い。
騎士がアランを自分の武器の間合いに捉えたと思った次の瞬間、アランの姿は突如現れたゼオンのコックピットに存在していた。
騎士がアランを捕まえようとして伸ばした手は、ゼオンの足の装甲にぶつかり、突き指してしまう。
そこまで重傷ではない突き指だったが、それでも戦いの中で突き指をしたというのは大きい。
武器を握るにしても、とてもではないが万全の状態とは言えなくなるのだから。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
騎士が指を押さえて痛みに耐えているとき、アランはゼオンのコックピットの中で相変わらずの倦怠感や朦朧とする意識と戦っていた。
それこそ、少し気を抜けばそのまま意識が闇に沈んでいきそうなのを、何とか我慢しながらコックピットの映像モニタに視線を向ける。
現在は夜ではあるが、それでも野営地にはいくつもの篝火が用意されている。
それどころか、現在は襲ってきた盗賊たちの仕業か、テントの類が燃えているようなところもあり、明かりに困ることはない。
そんな状況で、いきなり姿を現したゼオンに驚くなという方が無理だろう。
ゼオンの存在に気が付いた者は、兵士や盗賊に関係なく、反射的に動きを止めてしまう。
とはいえ、中には元々ゼオンの存在について知っている者もおり……レオノーラと戦っている騎士も、そんな一人だった。
「ちぃっ、あの状態で心核を使うだと!? そんな真似が出来るのかよ!」
騎士たちがアランに盛った薬は、相手を殺しはしないものの、とてもではないが自由に動けるといった代物でもない。
そんな状況で、まさか心核を起動することが出来るというのは、完全に予想外だった。
とはいえ……
「女の方にも集中しろ! そいつが近くにいれば、あのゴーレムも攻撃は出来ないはずだ!」
騎士が前もって聞いていた情報から、仲間に向かって叫ぶ。
実際、その言葉は決して間違っている訳ではない。
ゼオンの持つ武器……ビームライフル、ビームサーベル、腹部拡散ビーム砲、フェルス、頭部バルカン。
そのどれもが、何人もが固まっている中で一人だけを狙わないようにして攻撃するといったことは非常に難しい。
一番威力の低い武器たる頭部バルカンであっても、普通の人間なら掠っただけで死んでもおかしくはない威力を持っているのだ。
そこまで詳しい事情は知らなかったが、それでもレオノーラの側にいれば攻撃されないだろうということくらいは予想出来た。
「あら、私の方に近づいてくるの? それはまた随分と……侮られたものね!」
叫びつつ、紫電の纏った鞭を振るうレオノーラの姿は、その整った顔立ちも影響してか、凄絶なまでの美しさを持っていた。
援軍に来た騎士は、一瞬そんなレオノーラの美しさに目を奪われる。
ここが戦場であるのは知っているし、また騎士として幾多もの戦いを経験してきたという自負はあった。
だが、そのような騎士であっても、紫電を纏わせた鞭を操るレオノーラは、篝火やテントに燃え移った火、月明かり、そして何より紫電によって煌めく黄金の髪と美貌を持つレオノーラに目を奪われるなというのは不可能だ。
そのような致命的な隙をレオノーラが見逃すはずもなく、援軍として来た騎士は紫電を纏った鞭によって意識を奪われる。
残っているもう一人……最初にやってきた騎士に向けても鞭を振るうレオノーラだったが、仲間がやられたのを見て油断するような迂闊さはない。
至近距離で鞭が使いにくいというのを最大限に活用し、レオノーラの近く……ゼオンによる攻撃がされない場所をキープする。
……実際には、アランは薬の影響でゼオンの操縦をろくに出来るような状態ではないのだが、それはコックピットの中身を見ることが出来ない騎士には分からない。
今のアランは、ゼオンのコックピットで映像モニタを見てはいるが、そこに映されている戦いに手を出すような余裕は全くない。
「はぁ、はぁ、はぁ……くそ……」
意識こそ、先程と違ってある程度戻ってはいたが、それでも視線の先に映る光景は揺れているようにすら感じられる。
いや、正確には身体を真っ直ぐにすることも出来ないのだ。
そんな状況では、当然のようにレオノーラの援護をするといったことは出来ない。
……それでも、アランのいる場所はゼオンのコックピットなので、もし敵の援軍が来てもアランの身の安全だけは保証されていた。
アランを守るという制約がなくなったレオノーラにしてみれば、それだけでも十分に助かっているだろう。
そんなアランの視線の先では、何とかレオノーラの紫電を纏わせた攻撃を回避していた騎士が、結局は回避しきれなくなって意識を失い、地面に崩れ落ちるという光景が映像モニタに映し出されていた。
揺れる視界の中でも、アランは何とかその光景に気が付くことが出来た。
(これで、取りあえずは……けど……あれ? これからどうすればいいんだっけ? 盗賊を倒す? いや、けど……)
薬の影響でまともに考えることが出来ないアランは、ゼオンをどうするべきかと考える。
そんなゼオンのすぐ近くで、ようやく襲ってきた騎士や兵士の全てを倒すことが出来たレオノーラは、周囲に転がっている相手を一瞥する。
騎士や兵士の中には、生きている者もいれば死んでいる者もいる。
戦いの中で、レオノーラは特に手加減の類をしていなかったのだから、当然の結果だろう。
それこそ、相手を殺しても構わないという形で攻撃したのだから。
かといって、まだ生きてる相手に追撃をするつもりも、またなかった。
出来れば殺した方がいいというのは分かっているのだが、この野営地で行われいる戦闘も大分収まってきていた。
……ゼオンのような巨大な人型機動兵器が突然現れれば、それを疑問に思うのも当然だっただろうが。
(とにかく、アランを回復させないといけない以上、すぐにでもここを脱出する必要があるわね。アランの心核を……そしてその心核を使うアランの身柄を狙ってきているとなると、このままの状況では危ないでしょうし。野営地にいる他の連中も、こっちに向かってこないとも限らないでしょうし)
現状の不味さを理解しつつ、レオノーラは自分の心核を手に取り、躊躇うことなく魔力を流す。
すると次の瞬間にはレオノーラの姿は巨大な黄金のドラゴンとなり……そのドラゴンは、未だに立ったままだったゼオンを捕まえると、そのまま翼を羽ばたかせてその場を飛び去るのだった。
いや、レオノーラが本当の意味で自由に戦えるのであれば、あるいは何とかなったかもしれない。
だが、今回はアランを守りながら戦わなければならない以上、自由に動き回るといったことも出来ない。
騎士や兵士たちの目的がアランである以上、アランをこの場に残して移動するような真似をすれば、それこそこの場に残った者がこれ幸いとアランを確保するだろう。
そのようなことをさせないためには、それこそアランの協力が必要だったのだが……薬の効果によって頭が朦朧としている今のアランには、そのようなことは期待出来ない。
だからこそ、レオノーラは自分が不利になるとわかっていても、この場に残って戦うという選択肢しか存在していない。だが……
「くそっ! 何て使い手だ! そっちだ、そっちに回り込め! アランを押さえれば、その女はどうとでもなる!」
焦燥感と共に、騎士が叫ぶ。
その声に、兵士がアランに近づこうとするものの、鞭の間合いは想像以上に広く、さらにはその速度は兵士程度の実力で見切ることはまず出来ない。
レオノーラとしても、アランを人質にされてしまえば戦いようがない。
「アラン、起きなさい! 敵を倒せとは言わないから、自分の身くらいは守りなさい!」
魔法によって紫電を纏わせた鞭を振るい、次々に兵士を倒しつつレオノーラが叫ぶ。
せめて、アランが自分の身を守ることが出来るのなら、レオノーラも取れる手段が増えるのだ。
だが、今のアランは薬の影響で頭が朦朧としており、それこそ起きたときと比べても余計に役立たずとなっている。
身体が気怠く、頭もろくに働かず、それどころか平衡感覚すら失っている。
言ってみれば、一般的な風邪の症状を強力にしたような症状に、現在襲われているのだ。
レオノーラが何かを叫んでいるというのは分かるのだが、それが何を意味しているのかは分からない。
アランの懐の中では、カロが必死に自分の主人たるアランを正気に戻そうと頑張っているものの、アランはそもそもそのことにすら気が付いている様子はなかった。
「無駄だよ、無駄。あの薬は死にはしないし、後遺症の類も残りはしないが、それでも……いや、だからこそ強力な効果を発揮する。アランを戦力にするのは不可能だ」
最初からレオノーラと対峙していた騎士が、嘲笑を浮かべて言う。
少しでもレオノーラの動揺を誘い、攻撃の手を緩めさせる。
そのための一手だった。
レオノーラも当然そのくらいのことは理解してはいるのだが、それでも現在の状況を考えると、分かっている上で騎士の言葉に動揺しないというのは無理だった。
「くっ、それでも……私はこんな場所で負ける訳にはいかないのよ! アラン、しっかりさしなさい、アラン!」
「う……あ……」
レオノーラの必死な声が聞こえたのか、アランは呻くような声を発する。
それに驚いたのは、アランに薬を盛ったと言っていた騎士だ。
まさかこのような状況でレオノーラの言葉に反応するとは、思ってもいなかったのだろう。
アランの手が動き、懐に手を伸ばす。
その動きに気が付いたのか、それとも返事をしたのが気になったのか、騎士は援軍として駆けつけてきた仲間の騎士に叫ぶ。
「奴を押さえるぞ!」
「分かっている! ここまでお膳立てをした状況で、逃がしてたまるか!」
声をかけられた騎士も、素早く叫ぶとアランの方に向かって駆け出す。
だが、いくら鍛えている騎士であっても、走って移動するのと、アランがカロに魔力を通すのでは当然のように後者の方が早い。
騎士がアランを自分の武器の間合いに捉えたと思った次の瞬間、アランの姿は突如現れたゼオンのコックピットに存在していた。
騎士がアランを捕まえようとして伸ばした手は、ゼオンの足の装甲にぶつかり、突き指してしまう。
そこまで重傷ではない突き指だったが、それでも戦いの中で突き指をしたというのは大きい。
武器を握るにしても、とてもではないが万全の状態とは言えなくなるのだから。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
騎士が指を押さえて痛みに耐えているとき、アランはゼオンのコックピットの中で相変わらずの倦怠感や朦朧とする意識と戦っていた。
それこそ、少し気を抜けばそのまま意識が闇に沈んでいきそうなのを、何とか我慢しながらコックピットの映像モニタに視線を向ける。
現在は夜ではあるが、それでも野営地にはいくつもの篝火が用意されている。
それどころか、現在は襲ってきた盗賊たちの仕業か、テントの類が燃えているようなところもあり、明かりに困ることはない。
そんな状況で、いきなり姿を現したゼオンに驚くなという方が無理だろう。
ゼオンの存在に気が付いた者は、兵士や盗賊に関係なく、反射的に動きを止めてしまう。
とはいえ、中には元々ゼオンの存在について知っている者もおり……レオノーラと戦っている騎士も、そんな一人だった。
「ちぃっ、あの状態で心核を使うだと!? そんな真似が出来るのかよ!」
騎士たちがアランに盛った薬は、相手を殺しはしないものの、とてもではないが自由に動けるといった代物でもない。
そんな状況で、まさか心核を起動することが出来るというのは、完全に予想外だった。
とはいえ……
「女の方にも集中しろ! そいつが近くにいれば、あのゴーレムも攻撃は出来ないはずだ!」
騎士が前もって聞いていた情報から、仲間に向かって叫ぶ。
実際、その言葉は決して間違っている訳ではない。
ゼオンの持つ武器……ビームライフル、ビームサーベル、腹部拡散ビーム砲、フェルス、頭部バルカン。
そのどれもが、何人もが固まっている中で一人だけを狙わないようにして攻撃するといったことは非常に難しい。
一番威力の低い武器たる頭部バルカンであっても、普通の人間なら掠っただけで死んでもおかしくはない威力を持っているのだ。
そこまで詳しい事情は知らなかったが、それでもレオノーラの側にいれば攻撃されないだろうということくらいは予想出来た。
「あら、私の方に近づいてくるの? それはまた随分と……侮られたものね!」
叫びつつ、紫電の纏った鞭を振るうレオノーラの姿は、その整った顔立ちも影響してか、凄絶なまでの美しさを持っていた。
援軍に来た騎士は、一瞬そんなレオノーラの美しさに目を奪われる。
ここが戦場であるのは知っているし、また騎士として幾多もの戦いを経験してきたという自負はあった。
だが、そのような騎士であっても、紫電を纏わせた鞭を操るレオノーラは、篝火やテントに燃え移った火、月明かり、そして何より紫電によって煌めく黄金の髪と美貌を持つレオノーラに目を奪われるなというのは不可能だ。
そのような致命的な隙をレオノーラが見逃すはずもなく、援軍として来た騎士は紫電を纏った鞭によって意識を奪われる。
残っているもう一人……最初にやってきた騎士に向けても鞭を振るうレオノーラだったが、仲間がやられたのを見て油断するような迂闊さはない。
至近距離で鞭が使いにくいというのを最大限に活用し、レオノーラの近く……ゼオンによる攻撃がされない場所をキープする。
……実際には、アランは薬の影響でゼオンの操縦をろくに出来るような状態ではないのだが、それはコックピットの中身を見ることが出来ない騎士には分からない。
今のアランは、ゼオンのコックピットで映像モニタを見てはいるが、そこに映されている戦いに手を出すような余裕は全くない。
「はぁ、はぁ、はぁ……くそ……」
意識こそ、先程と違ってある程度戻ってはいたが、それでも視線の先に映る光景は揺れているようにすら感じられる。
いや、正確には身体を真っ直ぐにすることも出来ないのだ。
そんな状況では、当然のようにレオノーラの援護をするといったことは出来ない。
……それでも、アランのいる場所はゼオンのコックピットなので、もし敵の援軍が来てもアランの身の安全だけは保証されていた。
アランを守るという制約がなくなったレオノーラにしてみれば、それだけでも十分に助かっているだろう。
そんなアランの視線の先では、何とかレオノーラの紫電を纏わせた攻撃を回避していた騎士が、結局は回避しきれなくなって意識を失い、地面に崩れ落ちるという光景が映像モニタに映し出されていた。
揺れる視界の中でも、アランは何とかその光景に気が付くことが出来た。
(これで、取りあえずは……けど……あれ? これからどうすればいいんだっけ? 盗賊を倒す? いや、けど……)
薬の影響でまともに考えることが出来ないアランは、ゼオンをどうするべきかと考える。
そんなゼオンのすぐ近くで、ようやく襲ってきた騎士や兵士の全てを倒すことが出来たレオノーラは、周囲に転がっている相手を一瞥する。
騎士や兵士の中には、生きている者もいれば死んでいる者もいる。
戦いの中で、レオノーラは特に手加減の類をしていなかったのだから、当然の結果だろう。
それこそ、相手を殺しても構わないという形で攻撃したのだから。
かといって、まだ生きてる相手に追撃をするつもりも、またなかった。
出来れば殺した方がいいというのは分かっているのだが、この野営地で行われいる戦闘も大分収まってきていた。
……ゼオンのような巨大な人型機動兵器が突然現れれば、それを疑問に思うのも当然だっただろうが。
(とにかく、アランを回復させないといけない以上、すぐにでもここを脱出する必要があるわね。アランの心核を……そしてその心核を使うアランの身柄を狙ってきているとなると、このままの状況では危ないでしょうし。野営地にいる他の連中も、こっちに向かってこないとも限らないでしょうし)
現状の不味さを理解しつつ、レオノーラは自分の心核を手に取り、躊躇うことなく魔力を流す。
すると次の瞬間にはレオノーラの姿は巨大な黄金のドラゴンとなり……そのドラゴンは、未だに立ったままだったゼオンを捕まえると、そのまま翼を羽ばたかせてその場を飛び去るのだった。
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