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辺境にて
052話
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「あの森の中に、盗賊のアジトが……」
ラリアントから出発して、半日。
もうすぐ夕方になる頃に、討伐隊は盗賊たちのアジトとなっている森が見える場所までやってきていた。
アランもまた、馬車の窓から森を見ながら微かに眉を顰める。
盗賊のアジトとなっている場所が森の中だとは聞いていた。
だが、実際にその目で見てみると非常に厄介な場所だと、しみじみと思ってしまったのだ。
何より、森ということで大量の木々が生えているのが面白くない。
平原で盗賊たちと戦うのであれば、ある程度の攻撃は出来るだろう。
だが、森の中での戦いとなると、当然のように木々によって視界が遮られる。
そうなると、フェルスを使っても敵の位置が見えない以上、仲間に攻撃をする危険があった。
ただ、森を見ながらアランは首を傾げる。
前もって聞いていた情報によると、森は森であってもある程度開けている場所があると、そう聞かされていたのだ。
にもかかわらず、馬車の中から……森の外側から見た限りでは木々がかなり密集して生えており、とてもではないが開けているとは言えない。
「モリクさん、俺が聞いた話とちょっと違うんですけど」
「そうね。もっと開けていると聞いていたけど、とてもそうは思えないわね」
レオノーラもまたアランと同様の疑問を覚えたのか、説明役として一緒の馬車に乗っているモリクに尋ねる。
だが、尋ねられたモリクは二人に心配ないといった様子でその問いに答えた。
「ここからは見えませんが、森の中である程度以上進んだところからは生えている木々が疎らになってるんですよ。何でも、この森に生えている植物特有のものだとか」
そういうこともあるのか?
若干の疑問を抱くアランだったが、そもそもこの世界の常識というのはアランの知っている常識とは大きく違う。
魔法があり、モンスターがおり、古代魔法文明の遺跡などというものがあり、さらには心核などというものもある。
その辺りの事情を考えると、そのような特性を持つ植物の生えている森があると言われれば、そういうものなのかと納得することしか出来ない。
「珍しいわね。私も探索者として色々な場所に行ったけど、そんな植生を持つ森は見たことがないわ」
「この辺りの特有、ですからね。それより、今日これから森に入るのは危険なので、今日はここで野営をし、明日の朝に森へ突入します。もちろん、お二人の分の野営道具は用意してあるので、安心して下さい」
それは前もって説明されていた内容なので、特に不満を抱くこともなく、アランとレオノーラの二人が頷きを返す。
とはいえ、盗賊がアジトにしている森のすぐ側で野営をやるというのは、色々と危険ではないかという思いがない訳でもなかったが。
もちろん森からはある程度の距離を取るのだろうが、それでも森のような場所での行動を得意としている盗賊たちにとってみれば、向こうのホームグラウンドに近い。
「私が言うまでもないけど、見張りとかはしっかりとやらないと危険じゃない?」
「当然その辺りはしっかりとやります。仮にも、討伐隊を二度も撃退した盗賊なのですから」
レオノーラの言葉にそう断言するモリク。
それなら、最初からもっと離れた場所で野営をすればいいのでは? とアランは思ったが、今回の自分たちはあくまでも助っ人で、盗賊の中にいる心核使いへの対抗策としてここにいるにすぎない。
そうである以上、討伐隊の流儀に従った方がいいかと思い直す。
馬車が停まると、やがてモリクの言っていた通りに野営の準備が始まる。
アランとレオノーラに二人は、今回あくまでも客人だからか、野営の準備は討伐隊の面々に任せてゆっくりしているようにとモリクに言われる。
「どうするの?」
レオノーラの言葉に、アランは微妙にやりにくそうな表情でどうするべきか迷う。
心核使いとなった今でも、アランが雲海の中では一番年下であるのは代わらないし、元々雲海そのものが一つの家族のような集団である以上、野営をするときはアランも忙しく働くというのが常だった。
だからこそ、現在こうして討伐隊が野営地の準備として薪として使える木々を森から拾ってきたり、テントを張ったり、食料になりそうな動物を狩ったり、盗賊たちが襲ってこないのかと見張ったり……といったことをしているのに、黙って見ているだけというのは、どこか落ち着かないものがある。
「そう言われても、ゆっくりしているように言われたんじゃな。俺達が何か勝手にやる訳にもいかないだろ?」
「でしょうね」
微妙に落ち着かない様子のアランと違い、レオノーラの方は特にそんな様子はない。
元々レオノーラは実際に動くアランとは違い、指示を出す側の人間だ。
だからこそ今のような状況であっても、そこまで気にするようなことはないのだろう。
むしろ、自分たちとは違う指示の出し方を興味深そうに眺めてすらいた。
アランはそんなレオノーラの側で何となく野営の準備をするために働いている者たちを眺め……ふと、その働いている者の中に二種類の者たちがいることに気が付く。
緊張しており、それこそいつ盗賊が襲ってきてもすぐ反撃出来るようにといった者と、ここが盗賊たちのアジトとなっている森のすぐ側にあるというのに、全く緊張した様子がない者との二つに。
(どうなってるんだ? 前者は分かる。すでに二回も討伐隊を撃退された以上、それで緊張するなって方が無理だろうし。あとは、また兵士になったばかりで実戦経験が少ないとか。けど、あっちの余裕がある方は何なんだ?)
アランがそれに気が付いたのは、曲がりなりにもそれなりの実力を持つクランの一員として、何度となく命懸けの経験をしてきたからだろう。
そしてアランが気が付いている以上、当然アランよりも実力も経験も上のレオノーラがそのことに気が付いていないはずもなく……
「気が付いたようね」
アランの様子から、兵士たちの様子が二つに分かれているということに気が付いたレオノーラが、そう呟く。
周囲に聞こえないよう、アランの耳元で。
……レオノーラにその気がなくても、そのような真似をされれば当然のようにアランも耳に息を吹きかけられてい背筋がゾクリとする。
それを何とか表情に出さないようにして――当然のようにレオノーラには気がつかれていたが――頷く。
「ああ。どう思う? あっちの余裕がある方は、こういうのに慣れているからだと思うか?」
「どうかしら。正直なところ、分からないわ。私の目から見ても、余裕のある方には腕利きとは呼べないような人も多いし」
もちろんベテランの兵士が全員腕利きでなければならないということはない。
だが、アランから見ても自分よりも明らかに弱いといった者もいた。
そのことに、アランが疑問を抱くのはおかしな話ではない。
「そうなると、何だってあんな風に分かれてるんだと思う?」
「さぁ? それこそ、私に聞いてもその辺は分からないわよ。でも、緊張している様子の人だけよりはいいんじゃない?」
「ぴ!」
レオノーラの言葉に答えたのは、何故かアランではなくその心核たるカロだった。
「ちょっ!」
まさかこのような場所でいきなりカロが鳴き声を上げるとは思っていなかったのか、アランは急いで周囲を見回す。
幸いなことに、兵士たちの多くは自分の仕事をこなすことに集中しており、アランたちに注意を向けている者はいない。
そのことに安堵しつつ、アランはカロを叱る意味も込めて、軽く指先で心核を突く。
そんなアランに反抗するように鳴き声を上げるカロだったが、カロも自分の鳴き声が周囲にいる者達に聞かれるのは良くないと理解しているのか、声そのものは小さく、アランとレオノーラに聞こえる程度だ。
「ふふ」
カロと戯れているアランを見、レオノーラの口から小さな笑い声が上がる。
レオノーラから見れば、今のアランとカロは微笑ましいものだったのだろう。
そんな風に自分を見ているレオノーラに気が付いたアランは、小さく咳払いしてから、口を開く。
「ん、こほん。……それで、実際にはどう思う? ある程度慣れている兵士だとはいえ、あそこまで緊張しないでいられるものだと思うか?」
「そうね。可能性として考えられるのは……盗賊と繋がっていることかしら」
周囲に聞こえれば不味いと思ったのか、小さく呟くレオノーラ。
だが、それは言った本人も、そして聞いていたアランですら本気ではなかった。
気を抜いている兵士の数が一人や二人であれば、あるいはそんなことを思ったかもしれない。
しかし、アランから見ても分かるほどに気を抜いている者は、それこそ数十人、もしくは百人以上も存在しているのだ。
とてもではないが、その者たち全員が盗賊と繋がっているとは、思えない。
「それはないだろ」
「そうね」
アランの言葉に、レオノーラも特に異論なく、あっさりと頷く。
レオノーラもまた、アランが考えつくようなことは当然のように考えており、これだけ大量の兵士たちが盗賊たちと繋がっているとは思えなかった。
とはいえ、そうなると何故ここまでリラックスしているのかといった疑問が、まだ残っているのだが。
仕事のない二人……正確には、二人と一匹――カロを一匹と数えてもいいのかは微妙だが――は、野営の準備が終わるまで、そうやって話しながら時間を潰す。
すると、兵士たちも野営の準備をするのはある程度慣れているのだろう。
そう時間がかからず、野営の準備は完了する。
「レオノーラ様、アラン様、お二人のテントも準備が出来ましたので、ご案内します」
兵士の一人が近づき、そう告げてくる。
アランにとっては見覚えのない兵士だからか、レオノーラに続いてアランのことまで様付けで呼ぶ。
正直なところ、アランとしては自分が様付けで呼ばれるのは非常に慣れない。
それでも、取りあえず今は不満を口にするでもなく、アランはレオノーラと共にテントに案内される。
当然の話だが、アランとレオノーラのテントは隣り合っている場所に用意はされていても、一緒のテントではない。
本来なら一つのテントにされてもおかしくはなかったのだが、この件もまたイルゼンが条件としたのであろう。
……もっとも、アランとしてはレオノーラと一緒のテントではろくに寝ることも出来なかっただろうから、丁度よかったのだが。
ラリアントから出発して、半日。
もうすぐ夕方になる頃に、討伐隊は盗賊たちのアジトとなっている森が見える場所までやってきていた。
アランもまた、馬車の窓から森を見ながら微かに眉を顰める。
盗賊のアジトとなっている場所が森の中だとは聞いていた。
だが、実際にその目で見てみると非常に厄介な場所だと、しみじみと思ってしまったのだ。
何より、森ということで大量の木々が生えているのが面白くない。
平原で盗賊たちと戦うのであれば、ある程度の攻撃は出来るだろう。
だが、森の中での戦いとなると、当然のように木々によって視界が遮られる。
そうなると、フェルスを使っても敵の位置が見えない以上、仲間に攻撃をする危険があった。
ただ、森を見ながらアランは首を傾げる。
前もって聞いていた情報によると、森は森であってもある程度開けている場所があると、そう聞かされていたのだ。
にもかかわらず、馬車の中から……森の外側から見た限りでは木々がかなり密集して生えており、とてもではないが開けているとは言えない。
「モリクさん、俺が聞いた話とちょっと違うんですけど」
「そうね。もっと開けていると聞いていたけど、とてもそうは思えないわね」
レオノーラもまたアランと同様の疑問を覚えたのか、説明役として一緒の馬車に乗っているモリクに尋ねる。
だが、尋ねられたモリクは二人に心配ないといった様子でその問いに答えた。
「ここからは見えませんが、森の中である程度以上進んだところからは生えている木々が疎らになってるんですよ。何でも、この森に生えている植物特有のものだとか」
そういうこともあるのか?
若干の疑問を抱くアランだったが、そもそもこの世界の常識というのはアランの知っている常識とは大きく違う。
魔法があり、モンスターがおり、古代魔法文明の遺跡などというものがあり、さらには心核などというものもある。
その辺りの事情を考えると、そのような特性を持つ植物の生えている森があると言われれば、そういうものなのかと納得することしか出来ない。
「珍しいわね。私も探索者として色々な場所に行ったけど、そんな植生を持つ森は見たことがないわ」
「この辺りの特有、ですからね。それより、今日これから森に入るのは危険なので、今日はここで野営をし、明日の朝に森へ突入します。もちろん、お二人の分の野営道具は用意してあるので、安心して下さい」
それは前もって説明されていた内容なので、特に不満を抱くこともなく、アランとレオノーラの二人が頷きを返す。
とはいえ、盗賊がアジトにしている森のすぐ側で野営をやるというのは、色々と危険ではないかという思いがない訳でもなかったが。
もちろん森からはある程度の距離を取るのだろうが、それでも森のような場所での行動を得意としている盗賊たちにとってみれば、向こうのホームグラウンドに近い。
「私が言うまでもないけど、見張りとかはしっかりとやらないと危険じゃない?」
「当然その辺りはしっかりとやります。仮にも、討伐隊を二度も撃退した盗賊なのですから」
レオノーラの言葉にそう断言するモリク。
それなら、最初からもっと離れた場所で野営をすればいいのでは? とアランは思ったが、今回の自分たちはあくまでも助っ人で、盗賊の中にいる心核使いへの対抗策としてここにいるにすぎない。
そうである以上、討伐隊の流儀に従った方がいいかと思い直す。
馬車が停まると、やがてモリクの言っていた通りに野営の準備が始まる。
アランとレオノーラに二人は、今回あくまでも客人だからか、野営の準備は討伐隊の面々に任せてゆっくりしているようにとモリクに言われる。
「どうするの?」
レオノーラの言葉に、アランは微妙にやりにくそうな表情でどうするべきか迷う。
心核使いとなった今でも、アランが雲海の中では一番年下であるのは代わらないし、元々雲海そのものが一つの家族のような集団である以上、野営をするときはアランも忙しく働くというのが常だった。
だからこそ、現在こうして討伐隊が野営地の準備として薪として使える木々を森から拾ってきたり、テントを張ったり、食料になりそうな動物を狩ったり、盗賊たちが襲ってこないのかと見張ったり……といったことをしているのに、黙って見ているだけというのは、どこか落ち着かないものがある。
「そう言われても、ゆっくりしているように言われたんじゃな。俺達が何か勝手にやる訳にもいかないだろ?」
「でしょうね」
微妙に落ち着かない様子のアランと違い、レオノーラの方は特にそんな様子はない。
元々レオノーラは実際に動くアランとは違い、指示を出す側の人間だ。
だからこそ今のような状況であっても、そこまで気にするようなことはないのだろう。
むしろ、自分たちとは違う指示の出し方を興味深そうに眺めてすらいた。
アランはそんなレオノーラの側で何となく野営の準備をするために働いている者たちを眺め……ふと、その働いている者の中に二種類の者たちがいることに気が付く。
緊張しており、それこそいつ盗賊が襲ってきてもすぐ反撃出来るようにといった者と、ここが盗賊たちのアジトとなっている森のすぐ側にあるというのに、全く緊張した様子がない者との二つに。
(どうなってるんだ? 前者は分かる。すでに二回も討伐隊を撃退された以上、それで緊張するなって方が無理だろうし。あとは、また兵士になったばかりで実戦経験が少ないとか。けど、あっちの余裕がある方は何なんだ?)
アランがそれに気が付いたのは、曲がりなりにもそれなりの実力を持つクランの一員として、何度となく命懸けの経験をしてきたからだろう。
そしてアランが気が付いている以上、当然アランよりも実力も経験も上のレオノーラがそのことに気が付いていないはずもなく……
「気が付いたようね」
アランの様子から、兵士たちの様子が二つに分かれているということに気が付いたレオノーラが、そう呟く。
周囲に聞こえないよう、アランの耳元で。
……レオノーラにその気がなくても、そのような真似をされれば当然のようにアランも耳に息を吹きかけられてい背筋がゾクリとする。
それを何とか表情に出さないようにして――当然のようにレオノーラには気がつかれていたが――頷く。
「ああ。どう思う? あっちの余裕がある方は、こういうのに慣れているからだと思うか?」
「どうかしら。正直なところ、分からないわ。私の目から見ても、余裕のある方には腕利きとは呼べないような人も多いし」
もちろんベテランの兵士が全員腕利きでなければならないということはない。
だが、アランから見ても自分よりも明らかに弱いといった者もいた。
そのことに、アランが疑問を抱くのはおかしな話ではない。
「そうなると、何だってあんな風に分かれてるんだと思う?」
「さぁ? それこそ、私に聞いてもその辺は分からないわよ。でも、緊張している様子の人だけよりはいいんじゃない?」
「ぴ!」
レオノーラの言葉に答えたのは、何故かアランではなくその心核たるカロだった。
「ちょっ!」
まさかこのような場所でいきなりカロが鳴き声を上げるとは思っていなかったのか、アランは急いで周囲を見回す。
幸いなことに、兵士たちの多くは自分の仕事をこなすことに集中しており、アランたちに注意を向けている者はいない。
そのことに安堵しつつ、アランはカロを叱る意味も込めて、軽く指先で心核を突く。
そんなアランに反抗するように鳴き声を上げるカロだったが、カロも自分の鳴き声が周囲にいる者達に聞かれるのは良くないと理解しているのか、声そのものは小さく、アランとレオノーラに聞こえる程度だ。
「ふふ」
カロと戯れているアランを見、レオノーラの口から小さな笑い声が上がる。
レオノーラから見れば、今のアランとカロは微笑ましいものだったのだろう。
そんな風に自分を見ているレオノーラに気が付いたアランは、小さく咳払いしてから、口を開く。
「ん、こほん。……それで、実際にはどう思う? ある程度慣れている兵士だとはいえ、あそこまで緊張しないでいられるものだと思うか?」
「そうね。可能性として考えられるのは……盗賊と繋がっていることかしら」
周囲に聞こえれば不味いと思ったのか、小さく呟くレオノーラ。
だが、それは言った本人も、そして聞いていたアランですら本気ではなかった。
気を抜いている兵士の数が一人や二人であれば、あるいはそんなことを思ったかもしれない。
しかし、アランから見ても分かるほどに気を抜いている者は、それこそ数十人、もしくは百人以上も存在しているのだ。
とてもではないが、その者たち全員が盗賊と繋がっているとは、思えない。
「それはないだろ」
「そうね」
アランの言葉に、レオノーラも特に異論なく、あっさりと頷く。
レオノーラもまた、アランが考えつくようなことは当然のように考えており、これだけ大量の兵士たちが盗賊たちと繋がっているとは思えなかった。
とはいえ、そうなると何故ここまでリラックスしているのかといった疑問が、まだ残っているのだが。
仕事のない二人……正確には、二人と一匹――カロを一匹と数えてもいいのかは微妙だが――は、野営の準備が終わるまで、そうやって話しながら時間を潰す。
すると、兵士たちも野営の準備をするのはある程度慣れているのだろう。
そう時間がかからず、野営の準備は完了する。
「レオノーラ様、アラン様、お二人のテントも準備が出来ましたので、ご案内します」
兵士の一人が近づき、そう告げてくる。
アランにとっては見覚えのない兵士だからか、レオノーラに続いてアランのことまで様付けで呼ぶ。
正直なところ、アランとしては自分が様付けで呼ばれるのは非常に慣れない。
それでも、取りあえず今は不満を口にするでもなく、アランはレオノーラと共にテントに案内される。
当然の話だが、アランとレオノーラのテントは隣り合っている場所に用意はされていても、一緒のテントではない。
本来なら一つのテントにされてもおかしくはなかったのだが、この件もまたイルゼンが条件としたのであろう。
……もっとも、アランとしてはレオノーラと一緒のテントではろくに寝ることも出来なかっただろうから、丁度よかったのだが。
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