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魔法塔編
85頁 カオスフロア16. とある少年side
しおりを挟む普通に歩いて、
石の塔を壊して、
普通に扉を開けて、
イラナイ者を、1人、壊した。
軽く…かるぅーく、尻尾を叩きつけただけ。
それだけで、その、イラナイ男は、潰れて、しんだ。
……あの、白い、動く骨?は、放っておいてもいいモノだ。イラナイ男がしんだから、そのうち魔力切れで勝手に壊れる。
踵を返し、次の標的に向かおうとした、けど……。
目の前に…何かいる。
強い力……前までのボクなら、手も足も出なかっただろうな。
綺麗な、青い剣、綺麗な、青い目と髪、綺麗な、青い服………。
………その、どれもから、かすかに…守らなきゃいけない者の匂いがした。
本当にかすかにだけど……なんで、オマエに、あの人の匂いが付いてるの?
少し威嚇しただけで……それが、剣を構える。
「縺雁燕縺ッ縲√↑繧薙□?」
何…?なんて言ったの?
……けど、武器を構えてるってことは…敵、かな?
「縺昴%繧貞虚縺上↑縲∝虚縺代?窶ヲ譁ャ繧」
……やっぱりわからないや。
邪魔者ではなさそうだけど…、あの人の匂いが付いてるのは…なんかイライラするし、うん。
1発叩いて…次に行こう。
軽く…いや、ちょっと強かったかもしれない尻尾の攻撃を、それに食らわせる。
……けど、青い剣で防がれて、尻尾に、ちょっとだけ傷がついた…。
……むぅ、イライラする…けど、そいつも衝撃で壁にぶつかってたし、おあいこだよね。
今のうちに行こ。
あと、まだ残ってるイラナイものは、
メリダ・ラッカートと、
石の塔10個……今1つ壊したから、あと9個。
理解る。
理解るよ。
メリダがどこにいるか、臭いで、理解る。
腐った肉を薬に漬けたような異臭が、フロアを満たしている…けど、それでも、ボクの鼻には、しっかりと臭いがわかった。
「あっちだね」
メリダの所に着くまでに、石の塔は全て破壊した。
マーリウス・アレクトニクスがつけてた賢者の石はボクが壊したし、
ほかの奴らが持ってた賢者の石が誰かに全部壊されてた。
ラッキーだ。
あとは、メリダを壊すだけ。
イラナイ女は、怯えたようにこっちを見る。
「縺ェ縲√↑縺ォ縲√↑繧薙〒螟ア謨嶺ス懊′窶ヲ縺薙s縺ェ?」
……なに、言ってるんだろう。
「縺薙?√%縺」縺。縺ォ譚・縺ェ縺?〒繧医♂縲√ヰ繧ア繝「繝弱?√ヰ繧ア繝「繝弱ヰ繧ア繝「繝弱ヰ繧ア繝「繝弱ヰ繧ア繝「繝弱ヰ繧ア繝「繝弱ヰ繧ア繝「繝弱ヰ繧ア繝「繝趣シ?シ」
……なんて言ってるかはわからないけど、なんか…気持ち悪いな。
「縺ソ縲√∩縲√∩繧薙↑?√い繝ャ繧呈ョコ縺励※縺?シ?シ」
そう、イラナイ女が叫ぶと同時に、近くにいたキメラたちが、一斉にボクに襲いかかる。
けれど、ボクに当たったキメラたちの、
牙は割れ、
蹄は砕け、
吐息は髪を揺らすだけ、
ボクは、尻尾を振る。
それに触れたキメラはパンっと破裂し、一撃の元に赤いヘドロと化した。
何匹も、何匹も、
尻尾で叩き、
爪で切り裂き、
たまに、角で突き刺す。
途中で、魔法陣の方に群がっていたキメラやゾンビ達をこっちに差し向けたけど…ムダだよ。
ボクは、喉をドラゴンに変えて、火を吐いた。
まだ遠くにいたキメラやゾンビが燃えて灰になる。
たった1人残された、イラナイ女が、頭を抱えて叫んだ。
「縺ェ繧薙〒縺ェ繧薙〒縺ェ繧薙〒繝翫Φ繝?↑繧薙〒縺ェ繧薙〒縺吶°縺?シ滂シ√え繝√?縺溘□縲√え繝√r諢帙@縺ヲ縺上l繧句シキ縺上※縺九▲縺薙>縺?視蟄舌&縺セ縺ォ莨壹>縺溘°縺」縺溘□縺代↑縺ョ縺ォ??シ√↑繧薙〒繧ク繝」繝槭r縺吶k繧薙〒縺吶′?滂シ∬ェー縺ォ繧りソキ諠代°縺代※縺ェ縺?〒縺呻シ√■繧?s縺ィ謗域・ュ縺ッ縺励※繧九@縲√∩繧薙↑縺ォ蜆ェ縺励¥謗・縺励※繧九?縺ォ縲√↑繧薙〒繧ヲ繝√?縺」縺九j縺薙s縺ェ逶ョ縺ォ縺ゅ≧繝弱か??シ?シ滂シ」
…あはっ、
なんて言ってるか、わかんないよ。
手を振り上げ、床に倒れ込んだイラナイ女の頭を叩く。
グチャ。
頭が凹む。
尻尾を叩きつける。
女が潰れた。
潰れて、しんだ。
あは、
あはは、
あははははははははははっ!
あはははハハハハはハはハハハハッ!!!
これで、封印が解けるッ!
これで、あの人が助かるッ!!
これでッ、これで、これで……これで?
この後、ボクは…どうすればいいの?
手を見た。
グチャグチャと動いて、爪が生えたり、鱗が生えたり、滑ったり、乾いたりしている。
力が抜けて尻尾が床に落ちると、石の床に亀裂が走った。
あ、バケモノ、だ。
バケモノ…バケモノ、バケモノなボクは、
何をすればいいの?
何をすればいいの?
菴輔rすれ縺ーいいの?
「おい、おい!!!」
隱ー窶ヲ?溯ェー縺後?∝幕縺」縺ヲ繧九??
「聞こえるな、聞こえてるよな!!」
縺薙?声……あ縺ョ人の声、だ。
「ぃ…ぉ…ぇる」
出そうとした声は…うまく言葉にならない。
ああ…ドラゴンに変えた喉が、ヒトの形に戻ってないんだ。
「聞こえてるんだな!よし!!」
縺ェ繧で、嬉し縺昴≧縺ェんだろう。
あ縺、でも、縺ェ繧だか、落ち着く…。
……あたた、かい?
「想像するんだ、楽しいこと、嬉しいこと…なんでもいい」
「な、ん、ぇも?」
けど…ボクは谿コ縺ことしかできない。
楽しいこと縺ェ繧薙※知らない。
「…この世界にはな、美味しいものがいっぱいあるんだ。すごくいい匂いがする肉とか、すごく甘い果物とか、他にもいっぱい…!」
おいしいもの…。
……そういえば、カイトと一緒に食べたごはん…美味しかったな。
「自然も綺麗だぞ?海とか、山とか、虹とか、満月とか…言葉じゃ伝えきれないくらい綺麗なんだ」
……ボクは、牢屋しか知らない。
けど、昔、お父さんが言ってた気がする。
塔の外には、果てが見えない水たまりとか、どこまでも続く砂の山とか、緑の草がずーっと遠くまで生えた場所があるんだって。
…全然、想像できないけど、カイトが言うなら、きれい、なんだろうな。
「なぁ、一緒に行こう。一緒に、美味しいもの食って、青空を見ながら歩いて、綺麗なものいっぱい見て……な?」
「う、ん」
だんだん薄れていく意識の中で…夢を見た気がする。
柔らかい草を踏んで、歩く。
暖かな風が頬を撫でて、空へ登る。
ボクは片手に持ったツヤツヤのリンゴをかじって、その甘い蜜で喉を潤す。
隣で、ボクの手を握ったカイトがコッチを見て微笑んだ……。
そんな、夢を、見た気が……した。
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