最弱勇者は世界を壊す「いや、壊さねぇよ!?」

魔法塔編

65頁 鍵のかかった部屋からの脱出3.

よっしゃ、よっしゃ、よっしゃよっしゃよっしゃぁああアアアア！！！！


鍵ゲット！

これで脱出できるぅ！！！




ダッシュで扉まで行こうとしたその時、神の言葉が脳裏をよぎった。


『True end真エンドに行くためのヒントを作ってみたりだとか…』





俺、True Endのヒントなんて見つけたか？



………いや、見つけてない。




じゃあ、このルートはせいぜいノーマルエンド。下手したらバッドエンドだ。




……なら、やるべきは１つ。トゥルーエンド探し。





俺は、扉に背を向け、もう一度部屋を見渡す。


図を見ても、変化はない。






うーん、………本棚、行ってみる？



水槽はチュートリアル枠としても、３つもマークがあるのは明らかに怪しいよな。



３つのうちにバッドエンドがあったら…と、考えなくもないけど、こればっかりは運を天に任せるしかないな。


では、

どぉーれーにぃーしーよぉーおーかーなぁー、




よし、真ん中！





『幻獣図鑑や、植物図鑑などが所狭しと並んでいる。特に気になるものはない』


うん、ハズレ！




んー、じゃあ……左かな、なんとなくだけど。


『偶数の抽出ちゅうしゅつという本に、栞しおりが挟んである。どうやら、詩集のようだ。「回れ、回れ、左、右。鳥が鳴き泣き、進んだ、娘を。先にある、刹那の要、壁の、空に海底、左の書架を、作った賓まれびとと、調べる」………これは？』


ハイハイハイハイ！

わかったー、俺わかったー！



これは簡単ですわ。
脱出ゲーム好き(ただし結構ヒントは見る)を舐めんじゃねぇ！



タイトルが偶数の抽出って事は、文章の2番目ごとに読めばいいってことだろ？


つまり、


回れ、右。
進んだ、先にある、壁の、
左の書架を、調べる


になるわけだ。


そんで、指示通りに動く、と。




そこには、マークが付いていない本棚が左に２つ、右に１つ。

そして、図に記載されていない、壁に埋め込まれた本棚が１つ。




壁まで進み、左手側の本棚を見る。

一見何もないように見える……けど、


「お、図にマーク付いた」


同時に、本棚の側面にもマークが浮かぶ。


よし！調べるか！


『本棚の側面だ………おや、よく見ると、木目が合っていない部分がある』


再び、本棚の側面に、一回り小さいマークが浮かんだ。

これもタップ！


『本棚の側面が開いた。本棚の中に空間があるようだ……これは、レバー、だろうか』


レバー部分に浮いたマークをさらにタップぅ！








ヴィいいイイィーン。





音がした方を向くと、壁に埋め込まれた本棚が左右に分かれていた。


覗き込んでみると、小部屋になっている。






……入っても、大丈夫…だよな？


…………うん、問題ないみたいだ。





部屋の壁にはステンドグラスがはまっていて、そこから外が見える位置に、木造りの椅子が置かれていた。


さらに、ベッドとチェストまで置いてあって、ザ 隠し部屋って感じだ。




「ここにトゥルーエンドのヒントがある…のか？」


しかし、この部屋は簡略図に載ってないし、部屋の中には、もう、あのひし形マークは見当たらない。



「…とりあえず、チェスト探ってみるか」


1番なんかありそうなのはそこだし。







トラップとかは…なさそうだな。



じゃあ、オープン！





「干し肉に、果実水……うわっ、これワインじゃ？！あとは…ん？なんだこれ…本？」


いかにも高級そうなワインとワインの間に、なんとも薄っぺらな本が1冊入っている。


本っていうか…パンフレットに近いかも。


表紙には、



『パンパカパーン！おめでとうございます！トゥルーエンドへのヒントでーす！！』



の文字。

……これは神の仕業だな。



でも、無事にヒントは見つかったわけだし、よかったと思おう。





んじゃ、開いてみるか。


最初の1ページ目には、

『これまでの勉学の成果を発揮して、文章を読み解きましょー！』

勉学の成果って……。

自慢じゃないが、俺の成績は中の中。平均だぞ！！


……うん、本当に自慢じゃないわ。



んじゃ、次のページ。



『How to get Chaos Floor』
『Find a painting on the fifth floor』
『Look in the warehouse』





え、



英語…だと…？！