一振りの刃となって

なんてこった

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31.ショッピング

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 さて、一夜明けて現在カモメ亭にて朝食中である、メニューはパンと野菜が入ったスープ・・・一応具の説明はあったのだがニコルが聞いてたのでわざわざ聞くよりも食事を優先したため細かいレシピを聞けなかったのは内緒だ。
「食べ終わったら適当に買い物でもしておくか、どうせ昼までやることもないし」
「そうですね、島である程度の荷物はそろいましたけど買い足してもいいと思います、というより冒険者をやるのでしたらもう少しいい物を身に着けたほうがいいですし」
「俺の武器はともかくニコルのは鈍もいいところだからな防具も海賊のお振るって考えるとちょっと嫌だし荷物は一新しとくかな?」
と 今日の方針を決めた、ついでに言うと今更だが俺の魔力で接続されている体はちゃんと五感があり魔力で接続されている間は味や匂いを味わうことができる、なので力加減とかは割と簡単にできるようになった。
 それと船で魔力の補充ができた後に爺さんの使っていた大容量収納袋を作れないかと記憶情報を探っていたのだがその記憶情報にたいして”ライブラリ”と名付けることにした、なんか欲しい情報のワードが頭に流れたら必要な情報が勝手に出てくるっていう素晴らしい機能だったのがわかったため名前をつけてみた。
 んで収納袋が作れるか?って検索したら無理との事、設備が足りないらしい。
 どうしようかと思ったけど爺さんの知識情報で俺の本体は吸収した物の能力を別の何かに付与っぽいことができるらしい、”ペースト”と名付けたこの能力で爺さんと一緒に吸収しちゃった収納袋の能力を丁度腰に下げていた小物袋に”ペースト”してみたところ大容量の小物袋が完成した。
 この大容量袋はどうやら魔術的な儀式で創った隔離空間に物を入れておき必要な物をイメージすることでそれを出すことができるというものらしい、その隔離空間の広さは創った術者次第だそうだ、割と普及自体はされているらしいがまだまだ高価なものらしい、爺さんも自作したそうだ。
 で小物袋に船の荷物を入るだけ入れようとしたんだけど入口が小さいから入らないものがちょっと多かったので大きめの食料袋にも”ペースト”してみた、大口の収納袋になると何いれても隔離空間がいっぱいにならない限り袋は膨らまないようで入れるだけ入れてみたがぺったん状態だった。
 そしてそれを小物袋に入れようと思ったのだがここで疑問に思った、爺さんの創った隔離空間に”ペースト”で繋げているのか”ペースト”ごとに隔離空間が創られているのかである。
 一見似ていてどうでもいい気もしたが前者のように小物袋に大口袋を入れると、例えばカメラでテレビを撮影している映像をそのテレビに映すとテレビの中にテレビが映る映像次々に出来上がりまるで合わせ鏡のような状態になる現象が起きる、それと似たような現象が起き小物袋が破裂とかしかねない、最悪何が起こるかわかんない。
 後者なら似た隔離空間が2つあるだけだから特に問題はないのだが、そこで考えててもしょうがない!ってとりあえず入れてみたが後者だったらしく特に問題はなかったようだ。
 というわけで俺とニコルは一見軽装なのだが実は大荷物を持っている状態であるが、大体の荷物が誰かのお古なので一通り買い替えることにした。

「まずは服屋か、ニコルも好きな服を持ってこい!とりあえず汚れてもいい外着と肌着、寝間着を3着ずつくらいでいいだろう?」
「はい!レッド兄さん、では店に入ったら各自で服を選ぶことにしましょう」
 などと話しながら店に入ると店の奥から女性の店員が現れて
「いらっしゃいませ!どのような商品をお求めでしょうか?」
と 聞いてきたので
「普段着と肌着と寝間着を3着ほど買いに来たんだ、予算は一万ナルほどで」
「かしこまりました、こちらのお連れ様の分もでしょうか?」
「頼めば見繕ってくれるのか?」
「はい、先にお体のサイズを魔術道具で確認させていただきますが、それでよろしのでしたらこちらでご用意できます。先ほどの注文の品に何かご希望となることなどはございませんでしょうか?」
と 店員は笑顔を崩すことなく答えてくれる、
「では頼むことにしよう、要望としては肌着と寝間着は特にないが、普段着の方はは今日から冒険者になるので丈夫なほうがいいな?ニコルもそれでいいだろ?」
 店に入る前の話はなかったことになったがこっちのほうが楽でいい、いやなら断ってくれればいいし
「そうですね、僕も店員さんに頼みます」
「かしこまりました、ではさっそく寸法などを測りますので気を落ちつけて楽にしていてくださいね」
と 店員がごそごそと眼鏡を取り出し顔にかけた、あ!あのメガネ魔道具だ。
「はい結構です、では数点ほど見繕ってまいりますので少々お待ちください」
と 言われたので数分ほどニコルと軽くおしゃべりをしながら待っていたら数点の服をもって店員が戻ってきた・・・思っていたよりだいぶ早くてちょっとびっくりした。
「こちらの数点になりますが、お連れ様はこれからもご成長するかと思い少しサイズを大きめのものを用意させていただきました」
「少し予想していたが・・・ニコルは男だぞ?」
 店員が並べた品には女物の下着が混じっていた、ふっ予定調和って奴だな。
「!!これは失礼いたしました!あまりにおきれいな顔をされていたのでつい!急いで取り替えてきます!」
 慌てて店の奥に戻る店員、というか魔道具でサイズ測ったんなら性別とかもわかんじゃないのか?まぁいいか、引っ込んでた店員が数分でまた戻ってきた、
「大変申し訳ありませんでした!こちらはお詫びの品としましてタダで提供させていただきます!」
と ニコルようであろう男物の肌着をこちらに渡してきたので遠慮なくもらっておいた。
「まぁよく間違えられているから気にする必要はないさ、ニコルもあまり気にしてないよな?」
「いえ、割と気にしていますよ?ですが謝っていただきましたし今回はここまでにしておきましょう」
と にっこり笑顔を店員に向けるまぶしい笑顔だが店員の顔に軽く冷や汗が流れているようだ。
 気を取り直して店員が持ってきた服を見る普段着用のシャツとジーンズみたいなズボンが3着、肌着用のインナーシャツとボクサータイプのパンツ、ゆったりな寝巻用の縞模様のシャツとシャツと同じ模様のズボンを俺とニコルの分で各3着ずつ置いてある、なぜかその横に女物が並んでるのは気にしない、ワザと回収しなかったのか、
「男の子でしたか・・・むしろそっちのほうが・・・」
といった小声が聞こえたりするが気にしない、
「よし、これでいい店員さん値段は?」
 ここで時間をかけても仕方がないからニコルの分の肌着が被ってるのもこの際もういいや、
「ありがとうございます、こちらのシャツ6着ズボン6足合わせて6000ナル、寝間着上下セット6つが3600ナル肌着の上下セット6つが1800ナルになりまして、合計11400ナルとなりますが先ほどの失礼な言動に関するお詫びとこれからご贔屓にしていただければという期待からしめて10400ナルでご提供させていただきたいと思います」
 予算1万つったのにこの店員・・・まぁそんなもんなのかな?サービスしてもらったみたいだし、渋々全額払う。
「・・・はい、確かに!では今後ともご贔屓におねがいします、 ありがとうございました!」
といった感じで服屋での買い物が終わった。
「あの店員さんはどうしてもニコルに女装させたかったんだな、女物の肌着をいつまでも並べてたし」
と 俺なりの冗談を言ったら
「兄さんが望むのでしたら着てもかまいませんが兄さんもそんな趣味なんですか?」
と 笑顔で答えてくれたのにその奥の瞳が笑ってなかったのでこちらも乾いた笑いで冗談だと告げた・・・この手の話は振らないほうがいいな。
 さて次はどの店に行きますかね?
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