一振りの刃となって

なんてこった

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11.魂喰らい

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『ふむ、敵性反応も反応しないようじゃしもう大丈夫じゃな、それにしても油断したとはいえ剣犬ごときにこのざまとはな情けない、やはり魔術を使わねばワシもこの程度か・・・いい検証結果じゃな』
と 爺さんが警戒を解く、そういや敵性反応とかさっきから言ってたけどどういうもんなんだろ?きっと爺さんの頭の中にこの辺のマップが出てて敵対意思を持つ奴は赤いマーカーででも知らせてくれんだろうなきっと、魔法なんだろうなーん?魔術だっけ?まぁどっちでもいいや、似たようなもんだろう。
『思ったより深いが”傷よ!癒えよ”』
と いうと同時に傷口周辺が暖かい感じの光に包まれる、これはあれだな”ヒール”って奴だな多分。
 とか考えてるうちに爺さんの傷口は跡を残すだけとなった、スゲーな!傷口が強制的に治るって・・・気持ち悪くなったりしないのかな?ふむ、異世界クオリチィーですな・・・クオリティーね。
『さて、こ奴の死体を”オールイーター!”』
と 爺さんは剣犬の死体に剣先を突き立て死体を喰わせる、死体だからか流れ込んでくるもんが冷たい。
『ぬ?死体とはいえしばらくは魂の残照や魔力が多少は残ってるはずじゃと思ってたが、これは考えが違ったのかの?』
 ・・・ふむ今まで考えて無かったけど爺さんがオールイーター使った時って流れ込んできてたやつが爺さんにも何割か流れ込んでいたみたいだな、でもさっき俺が機転を利かせて仕留めたちゅいでに・・・ついでにつまみ食い、その名もソウルイーターを使った際に流れ込んできたやつ、多分これが魂って奴なのかな?取り込む際にはいろんな情報や魔力に勝手に還元されちゃうみたいだけど、その時の取り込んだ量が一匹目の剣犬の量より多かった、体は食べなかったのに。
 つまり俺が自分で抜き取って取り込んだ分は俺が独り占めしており爺さんには流れ込まなかった、だとすると爺さんは気づかなかったわけだ俺が剣犬を仕留めた瞬間に魂を掴みだしたことに。
 うん、実は刀身が伸びてもとにもどる瞬間、仕掛けた本人(本剣?)ということもあって伸びた感覚があったんだよね、自分の手が・・・たぶん自分が形の定まらないあやふやな状態だからこんなことが起きたのかもだけど、で元の大きさに戻るときに手が何かに触れた感触があったから反射的に握るイメージをしちゃったわけ。
 そしたらスポっ!て感じで剣犬から何かが抜けたんだよね、まぁそれが魂だったわけで、それ取り込むときに情報が走馬灯のように流れ込んできたから魂だったってわかったんだよね。
『魔力の補充にもならんとは死体では割に合わんようじゃな』
 だからこの爺さんの言葉が出てくるわけだ。
 てか、なるほど爺さんは無限に魔力を行使するために俺を材料としたこの剣・・・今は形状が刀だけどこの剣を作ったわけか。
 相手がいる間ならいくらでも魔力の補充もできるし、オールイーター使えば相手はほぼ即死だもんね。
 今のわが身ながら凶悪だね、自由にならない体だけど・・・ん?ほんとにそうかな?今回の戦闘で形状とか自分の意志で変えられたし意外と自由に動けるんじゃないかな?とか考えていると
『一度研究所に戻るかの”静まれ、ファルシオンよ”』
と 俺は杖になった、いやもう俺の本体ってこの剣みたいなもんだしこの剣が俺ってことでいいじゃん俺の意志で大概は形とか力も行使できるみたいだし。
 大概はってことに気づいた方も多いだろう、そう、今杖の状態になっている俺は剣を操れない状態のようだ。
 きっと杖状態だと剣の意志が切り離されて意識が飛ぶからこんな風に視界とかが飛ばせちゃうんだろうね~いろいろ納得、細かいことは気にしない。
『まさかたった一匹分の魂で暴走し始めるとはな、もう少し調整しておくかの』
と 俺には不穏なワードになりそうな言葉が聞こえた、やばいせっかく自由になれるチャンスだったかもしれないのに!
 あっそうだ!どうせだから”起きろ!ファルシオン!”は”解放”で”静まれ、ファルシオン”は”封印”ってことにしよう長いし、いちいち爺さんに名前叫ばれるの嫌だし。
 まぁ調整しようとしても多分1回2回じゃ俺には影響ないでしょ、今ですら俺の存在に気づけないんだからさww
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