一振りの刃となって

なんてこった

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126.一振りの刃を封じて

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 あれから、兄さんが基本寝る宣言から5年が過ぎた。
 僕自身は3年をちょっと過ぎたあたりでSPの限界を迎えてヒューマンを越えた。
 種族自体は変わらないそうだが限界を超えたことで寿命が大幅に伸びているそうだ、兄さんが言うには人を越えたからハイヒューマンとかでいいんじゃない?だそうだ。
 寿命が大幅に伸びたが体の成長は普通のヒューマンと変わらないみたいで今も少しづつ身長が伸びている、もうすぐ兄さんが使ってた肉体、ブレド・ファルシオンに届きそうだ。
 僕が領主として治めている地にはかつてのパーティメンバーが来てカズハたちと協力して僕を支えてくれた、最初カズハ達と会った時の彼女らの混乱ぶりは滑稽だった、それは見たいと思っていたイベントだったのにと兄さんも言っていた。
 そんなこんなでまぁ簡単な道とは言えないはずの領地経営なのに、割と腕力で解決できてしまうほど強力な存在となった僕達がそこまで苦戦することもなく今を迎えている。
 いま、そう僕達は今日、兄さんを安置するために建てた神殿の完成に立ち会っている。
「兄さんの提案で建てた神殿ですが・・・割と簡単な作りですね?」
 と毒づく僕ことニコル・ファルシオンはかつてのブレド並みの身長となり華奢な美少年はスマートな美青年になっていた。
「そういうこと言ったらだめよ?
 あんな簡単なつくりでも建設に一年もかけたんだから」
 更に追い打ちを立てる金髪の女性はサラ、フタバのモデルにもなった女性だ。
 彼女は博識で経営にもそれなりに口出しをしてくるので最近は丸投げしている。
「職人さんたちの努力にそんにゃふうに言ったら悪いよ!」
 と二人の言葉をいさめる灰と黒のストライプの毛並みが特徴的な女性はニナ、ミツバのモデルだ。
「まぁ遅いもんは遅いからいいんじゃ無いの?ウチらが手伝ってこの遅さだし」
 と雷凄をの顎を撫でながら文句をつける銀髪の女性は雪鱗、ヨツバのモデルだ。
「そんな事より~早く入りましょ~」
 話を無理やりうちきらせて先にと促した青紙の女性はライカ、カズハのモデルだ。
「そうですね、手早く済ませたほうがいいですね」
 と僕の言葉にみんなが同意して神殿へと歩を進める。


 石造りの廊下を抜け神殿中央まで進むと空間が広がり中央に祭壇のある部屋があった、そこには僕の護衛として作られた4人のフレッシュゴーレム達が膝をついて待っていた。
「マスターニコル、お待ちしておりました」
 カズハが代表して挨拶する。
「遅くなりましたが兄さんを運んできました。
 では、封印を始めます」
 そういうと僕は祭壇を登り祭壇の中央に創られていたでっぱりに兄さん、錬成魔剣ファルシオンを突き刺したてる。
 正直こういうのは予め剣を立て入れる穴があけてあるものだと思っていたのだがあいて無かったので突き刺した。
「では4人とも同調して下さい」
 僕がそういうと4人のフレッシュゴーレムは祭壇を自分たちが4角形の頂点になるように囲むと魔力を同調して高めあう。
 そして高めた魔力を僕に送りこんでくる。
 僕は魔力の供給を確認すると。
「”解放”」
 兄さんを起こす。


『よう、これは・・・神殿が完成したのか?』
 目覚めた俺は目の前のニコルに今の状況を聞く。
「はい、ついでに言いますと兄さんが以前言っていた術式に入っています」
 とニコルは答える、以前俺が言った術式。
 俺をこのノスモニアに建てた神殿にニコルが扱った神器として祀ることで俺に信仰を集めてみようという計画を立ててみたのだ。
 ついでにこの神殿にはいった参拝客からほんの少し魔力を拝借してこの部屋に入った者に軽く治癒魔法がかかるようにしている、勿論それを制御するのは俺だというか俺の無意識部分が勝手にやってくれるようにした、一々俺が制御すんのもめんどいし。
 因みに一日に一回ニコルかカズハたち4人の誰かが来たら魔力はお釣りがくる親切設計だ。
 そんなことを考えていると。
「兄さん、術式に魔力が行き渡りました。
 後はよろしくお願いします」
 と言ってきたので。
『そうか、それじゃあみんな部屋から出ろ』
 俺は安定した術式をニコルから引継ぎ退室を促す。
「では、長いお別れですね」
 ニコルが別れの挨拶を言う、この術式を展開中は神殿の一般開放中だ、ニコルと堂々やり取りするわけにもいかんからな、来ても無視せんといかん。
『おう!達者でな!』
 そう返事を返すとニコル達は部屋から出る、それを確認してから俺は術式を発動させる。
『”起動”』
 短く簡単な発動コードを唱え術式を完全に展開させる、瞬間周囲に軽い地震のような揺れが起きる。
『よし、うまく起動したみたいだし後はオートで大丈夫、というわけで』
 俺は勇者が、魔王が現れるまでにどれだけの信仰と魔力が集まるか楽しみにしながら。
『”おやすみ”』
 眠りにつく。
 長い長いゆめをみながら・・・。
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