悪の華は最後に咲く

「呪われてしまえ」
 その場にいた人々。大勢の観衆。自分に向い恐怖と嘲りを交えて魔女と呼んだ連中。
 恐れ知らずの市民たちは『本物』の『聖女』を魔族の手先をして処刑することに熱中する。
 その結果、自らが崩壊を招くとも知らずに――。
 誰に感謝されるとでもなく、孤独に国を守ってきた聖女は、初めて他人を呪う言葉を吐いた。
 呪いは毒となって国を犯していく。
 やがて、この国には悪の心しか持たない人ばかりが住むようになった……。

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