だから、私は拳を握りしめる

「シュヴァルト伯第二令嬢アイネ! この不逞の輩、年下の男に言い寄られ、身体を許した売女め! お前との婚約を破棄する!」
「そんなっ、オルビエート様。これは何かの間違いです――ッ!」

 この国の王太子にして自身の婚約者であるオルビエートによる、突然の婚約破棄宣言。
 伯爵令嬢アイネは、いきなり告げられた冤罪に恐怖する――

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