49 / 71
第六章 奪われた遺産
第四十九話 仮面の淑女
しおりを挟む
ロバートはミアにいきなり早朝訪問したことを、丁寧に詫びた。
伝え聞く傲慢な彼とはどこか違うその対応に、ミアは勢いを削がれてしまう。
「あなたにはどうか真実を語っていただきたい」
「真実? 私はあなたに隠し事なんてした覚えはないけれど」
と一蹴してさっさと追い出そうとしたら、アレックスは一枚の書類を取り出した。
それはあの夜。六年前の舞踏会の夜、参加者にサインを求めた書類の一つだった。
「六年前のあの夜、ホテルギャザリックで王太子殿下は花嫁候補を選ぶための舞踏会を催されました。その場にはあなたを招待しましたし、ミア様。あなたのサインもいただいています」
「あ……そうだったかも、ね」
「ところでこちらは、昨年、パルスティン公爵名義で慈善団体に贈られた寄付金の領収書ですが。サインはあなたがされたはず」
「どこから持ってきたの、そんなもの」
「新聞に掲載されておりますよ。まあそれはさておき、二つのサインを比べますと、こう――いろいろと、差異がある。一番明確なものは、あなたが右手で物を書こうとしておられる」
そう言い、アレックスは書類作業に入るから出て行け、と語ろうとしたまま固まってしまったミアをじっと見つめた。
「それがどうかして?」
「このサインは左利きの人間のものです。専門家の鑑定もそう裏付けております。これはどういうことでしょうか?」
「……盗まれたの。あの時、実家から送られてきた仮面もドレスも綺麗だったピンヒールだって。何もかも盗まれた」
自分は無関係だと苦し紛れにミアは嘘をつく。
目は右上を向いており、白々しいことこの上なかった。
「翌朝、ミア様のドレスルームのお手伝いに入り、荷物をまとめた従業員の話では、大層素晴らしいドレスがあったとか」
「えっう……それは」
「いろいろと話しを総合しますと、舞踏会に参加されたのは、ミア様ではない?」
「私。私じゃないわ。だってあのホテルに宿泊してから出て行くまでの間私はずっと寝込んでいたんだから。それはあなた達ホテル側だって理解しているはずでしょ?」
「もちろん理解しております。だが同様に、殿下と一夜を共にした女性も、ミア・パルスティン公爵令嬢と名乗り、左手でサインをし、素晴らしいダンスを披露し、銀髪でガラスのように透明な青い瞳だった。そのことはもうご存知なのでしょう?」
「一夜? え、は? ええ……」
どこかの誰かとベッドを共にしたということだけは聞いていた。
従甥。つまり、従姉妹のセナの息子だから、従甥なのだが、ディーノが持つ髪色と瞳の色は、帝国ではそうそう珍しい組みあわせでもない。
いつかディーノの父親が名乗り出てきた日には、よくも親友をこんな辛い目に遭わせて放置したな、いい度胸だ! と殴ってやろうかと密やかに心に誓ってきたものの、いきなりこんな不意打ちをされたのでは、驚きで声も出なくなる。
「まさか、とは思われるだろうが、そのまさか、だ。あなたには彼女がなくしたものを取り戻すための手助けをどうか願いたい」
「待って待って! 話がいきなり過ぎるじゃない。一体どうやってあの子のことを見つけ出したの。あの子は殿下、あなたの子供ではないかもしれないし、それに……」
「それに何かな、ミス・ミア」
「ミアでいいわよ……あの母子はもう社交界とか貴族とか、そういったものに興味を持ってないし取り戻したいとも思っていないと思う。これはあくまで生まれてからずっとセナのことを知っている、従姉妹としての意見だけど!」
「だがそれでは、セナがあまりにも憐れではないか」
身分の高い人はそうやってすぐに自分の都合を押し付けるんだから……。
と、同じ上流階級出身でありながら、世俗にまみれて日々自分の好きな考古学に没頭している公爵令嬢は、ぼやいた。
憐れみを与えられたところで、それを喜ぶかどうかはセナ次第なのだ。
自分が望むことは何でも与えられてきた、一方通行の生き方しか知らない殿下には、難しい話かもしれないけれど。
ここで無関係だからと追い返したら、さらにややこしい火種になりかねない。
ミアは狭いオフィスの中で埃を被っていた来客用のソファーを見、それの埃を払って、二人に座るように勧めた。
お湯を沸かしながら紅茶を提供して、ようやくアレックスとロバートからここまでの道のりを聞き出すことに、成功する。
驚いたことに彼らはすでにセナのもとに行っていたのだ。
「呆れた判断ですよね、殿下。レイナが聞いたら泣きそうだわ」
「これはレイナと婚約する以前の問題だ。俺はそう考えている」
「セナが求めたら、婚約破棄をしてでも一緒に暮らすって? それこそとんでもない妄想ね。仮にもアーバンクル公爵家は聖女を祖先に持ち、皇帝家とも縁の深い血筋なの。我がパルスティン公爵家とは雲泥の差! 国際問題どころじゃ済まなくなるわよ」
「それではなぜ。それほどに縁が深いというなら、どうしてセナを放っておいた!」
それはまず当然の疑問だった。
誰しもが思うことだろう。そんなに身分の高い女性が行方不明だったのだから。
「消息が不明になった時、あの子の籍はすでに公爵家から抜かれていたの」
「なんだと……だから伯爵令嬢だったのか」
「なんだ、そんなところまで調べがついているの? その割には肝心なところが抜けているのね。呆れた」
「ついさっき調べたんだ。少しばかりの抜けは、勘弁して欲しいものだな」
「どうだか。六年も経って、いまさら探していた、なんて名乗られても、ね。可哀想なセナ」
せめてレイナとの関係を清算してから来るべきよ、とミアは責めるように言った。
だが二人にとって、レイナとセナの関係を数時間前にようやく把握したことだ。
それは少しばかり、無茶な依頼だった。
伝え聞く傲慢な彼とはどこか違うその対応に、ミアは勢いを削がれてしまう。
「あなたにはどうか真実を語っていただきたい」
「真実? 私はあなたに隠し事なんてした覚えはないけれど」
と一蹴してさっさと追い出そうとしたら、アレックスは一枚の書類を取り出した。
それはあの夜。六年前の舞踏会の夜、参加者にサインを求めた書類の一つだった。
「六年前のあの夜、ホテルギャザリックで王太子殿下は花嫁候補を選ぶための舞踏会を催されました。その場にはあなたを招待しましたし、ミア様。あなたのサインもいただいています」
「あ……そうだったかも、ね」
「ところでこちらは、昨年、パルスティン公爵名義で慈善団体に贈られた寄付金の領収書ですが。サインはあなたがされたはず」
「どこから持ってきたの、そんなもの」
「新聞に掲載されておりますよ。まあそれはさておき、二つのサインを比べますと、こう――いろいろと、差異がある。一番明確なものは、あなたが右手で物を書こうとしておられる」
そう言い、アレックスは書類作業に入るから出て行け、と語ろうとしたまま固まってしまったミアをじっと見つめた。
「それがどうかして?」
「このサインは左利きの人間のものです。専門家の鑑定もそう裏付けております。これはどういうことでしょうか?」
「……盗まれたの。あの時、実家から送られてきた仮面もドレスも綺麗だったピンヒールだって。何もかも盗まれた」
自分は無関係だと苦し紛れにミアは嘘をつく。
目は右上を向いており、白々しいことこの上なかった。
「翌朝、ミア様のドレスルームのお手伝いに入り、荷物をまとめた従業員の話では、大層素晴らしいドレスがあったとか」
「えっう……それは」
「いろいろと話しを総合しますと、舞踏会に参加されたのは、ミア様ではない?」
「私。私じゃないわ。だってあのホテルに宿泊してから出て行くまでの間私はずっと寝込んでいたんだから。それはあなた達ホテル側だって理解しているはずでしょ?」
「もちろん理解しております。だが同様に、殿下と一夜を共にした女性も、ミア・パルスティン公爵令嬢と名乗り、左手でサインをし、素晴らしいダンスを披露し、銀髪でガラスのように透明な青い瞳だった。そのことはもうご存知なのでしょう?」
「一夜? え、は? ええ……」
どこかの誰かとベッドを共にしたということだけは聞いていた。
従甥。つまり、従姉妹のセナの息子だから、従甥なのだが、ディーノが持つ髪色と瞳の色は、帝国ではそうそう珍しい組みあわせでもない。
いつかディーノの父親が名乗り出てきた日には、よくも親友をこんな辛い目に遭わせて放置したな、いい度胸だ! と殴ってやろうかと密やかに心に誓ってきたものの、いきなりこんな不意打ちをされたのでは、驚きで声も出なくなる。
「まさか、とは思われるだろうが、そのまさか、だ。あなたには彼女がなくしたものを取り戻すための手助けをどうか願いたい」
「待って待って! 話がいきなり過ぎるじゃない。一体どうやってあの子のことを見つけ出したの。あの子は殿下、あなたの子供ではないかもしれないし、それに……」
「それに何かな、ミス・ミア」
「ミアでいいわよ……あの母子はもう社交界とか貴族とか、そういったものに興味を持ってないし取り戻したいとも思っていないと思う。これはあくまで生まれてからずっとセナのことを知っている、従姉妹としての意見だけど!」
「だがそれでは、セナがあまりにも憐れではないか」
身分の高い人はそうやってすぐに自分の都合を押し付けるんだから……。
と、同じ上流階級出身でありながら、世俗にまみれて日々自分の好きな考古学に没頭している公爵令嬢は、ぼやいた。
憐れみを与えられたところで、それを喜ぶかどうかはセナ次第なのだ。
自分が望むことは何でも与えられてきた、一方通行の生き方しか知らない殿下には、難しい話かもしれないけれど。
ここで無関係だからと追い返したら、さらにややこしい火種になりかねない。
ミアは狭いオフィスの中で埃を被っていた来客用のソファーを見、それの埃を払って、二人に座るように勧めた。
お湯を沸かしながら紅茶を提供して、ようやくアレックスとロバートからここまでの道のりを聞き出すことに、成功する。
驚いたことに彼らはすでにセナのもとに行っていたのだ。
「呆れた判断ですよね、殿下。レイナが聞いたら泣きそうだわ」
「これはレイナと婚約する以前の問題だ。俺はそう考えている」
「セナが求めたら、婚約破棄をしてでも一緒に暮らすって? それこそとんでもない妄想ね。仮にもアーバンクル公爵家は聖女を祖先に持ち、皇帝家とも縁の深い血筋なの。我がパルスティン公爵家とは雲泥の差! 国際問題どころじゃ済まなくなるわよ」
「それではなぜ。それほどに縁が深いというなら、どうしてセナを放っておいた!」
それはまず当然の疑問だった。
誰しもが思うことだろう。そんなに身分の高い女性が行方不明だったのだから。
「消息が不明になった時、あの子の籍はすでに公爵家から抜かれていたの」
「なんだと……だから伯爵令嬢だったのか」
「なんだ、そんなところまで調べがついているの? その割には肝心なところが抜けているのね。呆れた」
「ついさっき調べたんだ。少しばかりの抜けは、勘弁して欲しいものだな」
「どうだか。六年も経って、いまさら探していた、なんて名乗られても、ね。可哀想なセナ」
せめてレイナとの関係を清算してから来るべきよ、とミアは責めるように言った。
だが二人にとって、レイナとセナの関係を数時間前にようやく把握したことだ。
それは少しばかり、無茶な依頼だった。
28
お気に入りに追加
2,407
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
行き遅れにされた女騎士団長はやんごとなきお方に愛される
めもぐあい
恋愛
「ババアは、早く辞めたらいいのにな。辞めれる要素がないから無理か? ギャハハ」
ーーおーい。しっかり本人に聞こえてますからねー。今度の遠征の時、覚えてろよ!!
テレーズ・リヴィエ、31歳。騎士団の第4師団長で、テイム担当の魔物の騎士。
『テレーズを陰日向になって守る会』なる組織を、他の師団長達が作っていたらしく、お陰で恋愛経験0。
新人訓練に潜入していた、王弟のマクシムに外堀を埋められ、いつの間にか女性騎士団の団長に祭り上げられ、マクシムとは公認の仲に。
アラサー女騎士が、いつの間にかやんごとなきお方に愛されている話。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!
1度だけだ。これ以上、閨をともにするつもりは無いと旦那さまに告げられました。
尾道小町
恋愛
登場人物紹介
ヴィヴィアン・ジュード伯爵令嬢
17歳、長女で爵位はシェーンより低が、ジュード伯爵家には莫大な資産があった。
ドン・ジュード伯爵令息15歳姉であるヴィヴィアンが大好きだ。
シェーン・ロングベルク公爵 25歳
結婚しろと回りは五月蝿いので大富豪、伯爵令嬢と結婚した。
ユリシリーズ・グレープ補佐官23歳
優秀でシェーンに、こき使われている。
コクロイ・ルビーブル伯爵令息18歳
ヴィヴィアンの幼馴染み。
アンジェイ・ドルバン伯爵令息18歳
シェーンの元婚約者。
ルーク・ダルシュール侯爵25歳
嫁の父親が行方不明でシェーン公爵に相談する。
ミランダ・ダルシュール侯爵夫人20歳、父親が行方不明。
ダン・ドリンク侯爵37歳行方不明。
この国のデビット王太子殿下23歳、婚約者ジュリアン・スチール公爵令嬢が居るのにヴィヴィアンの従妹に興味があるようだ。
ジュリアン・スチール公爵令嬢18歳デビット王太子殿下の婚約者。
ヴィヴィアンの従兄弟ヨシアン・スプラット伯爵令息19歳
私と旦那様は婚約前1度お会いしただけで、結婚式は私と旦那様と出席者は無しで式は10分程で終わり今は2人の寝室?のベッドに座っております、旦那様が仰いました。
一度だけだ其れ以上閨を共にするつもりは無いと旦那様に宣言されました。
正直まだ愛情とか、ありませんが旦那様である、この方の言い分は最低ですよね?
女嫌いな辺境伯と歴史狂いの子爵令嬢の、どうしようもなくマイペースな婚姻
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
恋愛
「友好と借金の形に、辺境伯家に嫁いでくれ」
行き遅れの私・マリーリーフに、突然婚約話が持ち上がった。
相手は女嫌いに社交嫌いな若き辺境伯。子爵令嬢の私にはまたとない好条件ではあるけど、相手の人柄が心配……と普通は思うでしょう。
でも私はそんな事より、嫁げば他に時間を取られて大好きな歴史研究に没頭できない事の方が問題!
それでも互いの領地の友好と借金の形として仕方がなく嫁いだ先で、「家の事には何も手出し・口出しするな」と言われて……。
え、「何もしなくていい」?!
じゃあ私、今まで通り、歴史研究してていいの?!
こうして始まる結婚(ただの同居)生活が、普通なわけはなく……?
どうやらプライベートな時間はずっと剣を振っていたい旦那様と、ずっと歴史に浸っていたい私。
二人が歩み寄る日は、来るのか。
得意分野が文と武でかけ離れている二人だけど、マイペース過ぎるところは、どこか似ている?
意外とお似合いなのかもしれません。笑
追放された悪役令嬢は辺境にて隠し子を養育する
3ツ月 葵(ミツヅキ アオイ)
恋愛
婚約者である王太子からの突然の断罪!
それは自分の婚約者を奪おうとする義妹に嫉妬してイジメをしていたエステルを糾弾するものだった。
しかしこれは義妹に仕組まれた罠であったのだ。
味方のいないエステルは理不尽にも王城の敷地の端にある粗末な離れへと幽閉される。
「あぁ……。私は一生涯ここから出ることは叶わず、この場所で独り朽ち果ててしまうのね」
エステルは絶望の中で高い塀からのぞく狭い空を見上げた。
そこでの生活も数ヵ月が経って落ち着いてきた頃に突然の来訪者が。
「お姉様。ここから出してさし上げましょうか? そのかわり……」
義妹はエステルに悪魔の様な契約を押し付けようとしてくるのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる