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第一部
第二話 耶蘇部紅羽
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「操、いつまで寝ているの? 早く起きなさい」
玄関から聞こえる祖母による起床の声で、私は夢から目覚めた。
はーい、と力なく返事をする。
祖母の百合子はまだ六十代後半、耳がいい。
肉体も健康そのものだ。
マラソンが趣味で朝早いうちから走りに出て戻ってくる。
近所の年齢が近い老人ばかりが集まってマラソン同好会を結成した、というのを三年ほどまえにきいた。
それからずっと毎朝、毎朝、継続しているのだからたいしたものだ。
現役高校生の私が付き合おうとしても、おいていかれてしまう。
かくしゃくとしていて、健康なことこのうえない。
そのお陰で、マラソンから戻ってきた祖母が、私を起こす目覚ましの役割をはたしている。
私は目覚めが悪く、目覚まし時計をつかっても、いつのまにか止めてしまう。
祖母が起こしたらすぐに返事をしないと機嫌が悪くなり、朝ごはんの品が一品減らされてしまう。
育ち盛りの女子高校生としては、朝ごはんが減るのは避けたい。
だから祖母の声が聞こえたら勝手に頭と口が反応して、「はーい」と応じてしまう。肉体が目覚めるのはそのあとだ。
「おはようございます」
祖母は礼儀に厳しい。朝の挨拶ができていないと、これまた食事が一品減ることになる。
「しっかりしなさい、だらしない。ほら、紅羽も起こしてきて」
「はーい」
リビングルームに顔を出した私は、そのまま隣の部屋に眠る紅羽を起こすのが日課だ。
彼は私より朝に弱く、起きてもうつらうつらしていてエンジンがかからない。
本調子になるのは学校に向かう電車のなかという遅さだから、駅まで歩いているときはふらふらと歩き、みているこちらがひやひやする。
しかし、祖母は紅羽には弱い。
彼が朝食の席に揃わなくても、機嫌はそのままだ。
私が遅れると一品減る。
ひどい待遇の差だと思う、差別だろうか?
「くれはー、そろそろ朝だよー。起きてー」
部屋の戸をたたいて声をかける。なかから「わかった……」とか細い声がしたから多分、起きてくるだろう。
4LDKのマンション。
祖母と私と、紅羽とそして客間がひとつ。
紅羽はフローリングがきらいだといい、和室を占拠している。
贅沢なやつだ。
先に洗面台を占拠して髪をととのえて戻ると、ようやくふらふらと部屋からでてきた紅羽は、そのままリビングのテーブル席に座っていた。
味噌汁に焼き魚、菜の和え物に、卵焼きとごはん。
あとはお好みでしょうゆだったり、ふりかけだったり、梅干しだったりを各自が使う。
祖母はてきぱきと仕度を整え、席に座って待っていた。
「いただきます」
白味噌のきいたお汁が美味しい。
昆布のふわっとした香りが鼻腔を駆けのぼる。
だし巻卵。程良く熱が通っていて、食べると口内でほろほろと卵がとろけていく。これも贅沢な一品だ。
魚はアジの開きだった。
香ばしいかおりのするアジの身を、はしの先で崩しながら身を口に運ぶ。ちょっと塩味が強い赤身をお供にして、ごはんを味わって食べる。
うちではお米はすべて五分つきだ。
玄米はもっちりとしていて独特の匂いがあるけれど、五分つきだと白米の甘味と調和して、白味噌のお味噌汁にもほどよく合う。
お汁の具材までこだわりがあるのかと思ったら、そこは違うらしく乾燥ワカメと刻んだネギが我が家の定番だ。
「手を抜くところは適当にするんだよ。朝の忙しい時間を無駄にしてはだめよ」
というのが、祖母の口癖だ。
自分が先に起きて家事をしているのだから、寝ている人間が食事の時間に遅れたら罰として一品抜くのは当たり前、という感覚らしい。
でもこれは私と紅羽が十六歳を迎え、真神家でいうところの成人をむかえたという証だから追加されたルールということらしかった。
大人になるって損ばかりだなあ、と感じた一件である。
食事の席ではただ、黙々と箸をすすめる。
会話をするのははしたない、という祖母の方針だからだ。
口のなかに食べ物が入った状態で、口を開くのは礼儀に反するということらしい。
このしつけのおかげで、私は小学生から高校生の現在に至るまで、学校の給食や昼休みの食事どき、友達たちと会話を弾ませながら楽しい食事をしたという記憶がない。
それは紅羽も同様で、二人して沈黙をつらぬくものだから、似合いの二人だとか、住んでいる家もおなじだからもう夫婦なんじゃないか、と心ない言葉に傷ついたことも過去にはなんどとなくある。
「ごちそうさまでした」と一足先に食べ終わった私が制服に着替え、学校に出かける支度が整ったころ、紅羽もようやくまともな格好になっていた。
紺色のブレザー、ストライプのスラックス、えんじ色のネクタイと革靴。私の場合は、ネクタイがリボンになり、スラックスがスカートになっただけだ。
「高校生活もまた紅羽と一緒の教室って、やな感じ」
「俺のせいかよ? 仕方ないだろ、小学校からずっと変わらないんだから。もう運命みたいなもんだろ。いや、美化しずぎか。ある意味、拷問?」
「知らないわよ、紅羽が裏から手を回してそうしたじゃないの?」
「俺をどこかのあぶない組織の一員みたいに言うな。能力の問題だろう……」
玄関で靴を履き、外にでようとドアノブに手をかけたら、祖母の待ったがかかった。
「今夜は奉納があるからね。学校が終わったらすぐに戻ってきなさい」
「えー、また奉納? 年に何回あるんだろ……龍神様も一回で済ませてくれたら、こつちだって楽でいいのに」
「ぼやいてどうするの。いずれあなたが受け継ぐ真神家の行事なのよ。しっかりしてちょうだい」
「だって、部活とかしたいし」
とぼやくと祖母は面白くなさそうに右の眉を上げた。
不機嫌になった証拠だ。
「おい、まずいぞ」
と隣で紅羽がそっと耳打ちしてくる。
「あなたのそんなとこ、母親そっくり。由紀子さんも常々、古臭いといって行事を学ぶのを嫌っていた」
「お母さんと一緒にしないで! 似ているなんていわれたくない」
私はやや剣呑ないいかたをしてしまった。
記憶のなかの母。
小学校入学式のときの母。
孤独と虚ろな狭い世界のなかで生きていた私を、広い世界に出してくれた母、そしてあの男。
ずっと一緒にいるからね、とささやくように約束してくれたあのときの記憶がよみがえる。
そして祖母に手を引かれた小さな男の子――紅羽だ。
あの日はみんなが泣いた。
私は男とどこかに去ってしまった母の裏切りに泣いた。
紅羽は自分よりも女を選んだ父親の仕打ちに泣いた。
祖母はせっかく育てた跡継ぎが消えてしまった不幸に、心で泣いた。
私たち一家は、みんな誰かに捨てられた者ばかりが集まっている。
祖母が母にかけていた期待の大きさは、孫である私に向き、祖母と孫、というよりも厳しく真神の規律を教える教師と、二人の生徒という形になってはや十年。
私は常にできが悪い生徒で、紅羽は適当にうまくやっている祖母のお気に入りだ。
あんな女と一緒にしないで――とつい、口にしそうになった。
もしいえば、祖母ははしたない、といつものようにぼやき、重苦しい雰囲気が流れたことだろう。
「あなた……操」
「お母さんの話しはしないでっていったよね、おばあちゃんは自分の機嫌でいったりいわなかったり。ころころ変わって私にはどうしていいかわからない!」
「おい、やめろって、操!」
「うるさい、紅羽は黙ってて! これはうちの問題なんだから」
叫ぶとなだめてくれていた紅羽の顔がきっと強張った。
祖母が私に「なんてことを! はしたない!」と悲しみを叩きつけて玄関から去ってしまう。
「……行くぞ。遅刻する」
「わかった」
「今夜は早く戻ってらっしゃい……家族で、奉納をするのだから」
リビングからまるで捨て台詞のように、祖母の言葉がとんできた。
返事をせずに、家を出る。
駅まで向かう道すがら、自分の気持ちと口に出したひどい言葉についての罪悪感と彼への謝罪をどうつたえていいかわからない想いがまとまって、心をおおい悶々とした気分になる。
「おい、操。もう気にするなって。今夜は奉納だっていうから、精進料理だな……」
「そうだね。量も少ないね」
「なら――」
はたと思いついたように紅羽が手をたたく。
「今日の学食はちょっと豪勢にいかないか? たまには焼肉定食、焼肉大盛とか、いいだろ?」
「はあ? そんなに頼んでも食べきれないし。またあんたが食べるんじゃない」
「そうかな?」
「そうだよ」
そして、私の残り物を食べてくれる彼をみて、みんなは夫婦だと噂する。
私は気にするが、紅羽は気にするどころか家族だから、と割り切っているようだった。紅羽、耶蘇部紅羽、十六歳。
同居を始めて十年。
もうそばにいるのが当たり前のような、空気のような――私の大事な家族だ。
玄関から聞こえる祖母による起床の声で、私は夢から目覚めた。
はーい、と力なく返事をする。
祖母の百合子はまだ六十代後半、耳がいい。
肉体も健康そのものだ。
マラソンが趣味で朝早いうちから走りに出て戻ってくる。
近所の年齢が近い老人ばかりが集まってマラソン同好会を結成した、というのを三年ほどまえにきいた。
それからずっと毎朝、毎朝、継続しているのだからたいしたものだ。
現役高校生の私が付き合おうとしても、おいていかれてしまう。
かくしゃくとしていて、健康なことこのうえない。
そのお陰で、マラソンから戻ってきた祖母が、私を起こす目覚ましの役割をはたしている。
私は目覚めが悪く、目覚まし時計をつかっても、いつのまにか止めてしまう。
祖母が起こしたらすぐに返事をしないと機嫌が悪くなり、朝ごはんの品が一品減らされてしまう。
育ち盛りの女子高校生としては、朝ごはんが減るのは避けたい。
だから祖母の声が聞こえたら勝手に頭と口が反応して、「はーい」と応じてしまう。肉体が目覚めるのはそのあとだ。
「おはようございます」
祖母は礼儀に厳しい。朝の挨拶ができていないと、これまた食事が一品減ることになる。
「しっかりしなさい、だらしない。ほら、紅羽も起こしてきて」
「はーい」
リビングルームに顔を出した私は、そのまま隣の部屋に眠る紅羽を起こすのが日課だ。
彼は私より朝に弱く、起きてもうつらうつらしていてエンジンがかからない。
本調子になるのは学校に向かう電車のなかという遅さだから、駅まで歩いているときはふらふらと歩き、みているこちらがひやひやする。
しかし、祖母は紅羽には弱い。
彼が朝食の席に揃わなくても、機嫌はそのままだ。
私が遅れると一品減る。
ひどい待遇の差だと思う、差別だろうか?
「くれはー、そろそろ朝だよー。起きてー」
部屋の戸をたたいて声をかける。なかから「わかった……」とか細い声がしたから多分、起きてくるだろう。
4LDKのマンション。
祖母と私と、紅羽とそして客間がひとつ。
紅羽はフローリングがきらいだといい、和室を占拠している。
贅沢なやつだ。
先に洗面台を占拠して髪をととのえて戻ると、ようやくふらふらと部屋からでてきた紅羽は、そのままリビングのテーブル席に座っていた。
味噌汁に焼き魚、菜の和え物に、卵焼きとごはん。
あとはお好みでしょうゆだったり、ふりかけだったり、梅干しだったりを各自が使う。
祖母はてきぱきと仕度を整え、席に座って待っていた。
「いただきます」
白味噌のきいたお汁が美味しい。
昆布のふわっとした香りが鼻腔を駆けのぼる。
だし巻卵。程良く熱が通っていて、食べると口内でほろほろと卵がとろけていく。これも贅沢な一品だ。
魚はアジの開きだった。
香ばしいかおりのするアジの身を、はしの先で崩しながら身を口に運ぶ。ちょっと塩味が強い赤身をお供にして、ごはんを味わって食べる。
うちではお米はすべて五分つきだ。
玄米はもっちりとしていて独特の匂いがあるけれど、五分つきだと白米の甘味と調和して、白味噌のお味噌汁にもほどよく合う。
お汁の具材までこだわりがあるのかと思ったら、そこは違うらしく乾燥ワカメと刻んだネギが我が家の定番だ。
「手を抜くところは適当にするんだよ。朝の忙しい時間を無駄にしてはだめよ」
というのが、祖母の口癖だ。
自分が先に起きて家事をしているのだから、寝ている人間が食事の時間に遅れたら罰として一品抜くのは当たり前、という感覚らしい。
でもこれは私と紅羽が十六歳を迎え、真神家でいうところの成人をむかえたという証だから追加されたルールということらしかった。
大人になるって損ばかりだなあ、と感じた一件である。
食事の席ではただ、黙々と箸をすすめる。
会話をするのははしたない、という祖母の方針だからだ。
口のなかに食べ物が入った状態で、口を開くのは礼儀に反するということらしい。
このしつけのおかげで、私は小学生から高校生の現在に至るまで、学校の給食や昼休みの食事どき、友達たちと会話を弾ませながら楽しい食事をしたという記憶がない。
それは紅羽も同様で、二人して沈黙をつらぬくものだから、似合いの二人だとか、住んでいる家もおなじだからもう夫婦なんじゃないか、と心ない言葉に傷ついたことも過去にはなんどとなくある。
「ごちそうさまでした」と一足先に食べ終わった私が制服に着替え、学校に出かける支度が整ったころ、紅羽もようやくまともな格好になっていた。
紺色のブレザー、ストライプのスラックス、えんじ色のネクタイと革靴。私の場合は、ネクタイがリボンになり、スラックスがスカートになっただけだ。
「高校生活もまた紅羽と一緒の教室って、やな感じ」
「俺のせいかよ? 仕方ないだろ、小学校からずっと変わらないんだから。もう運命みたいなもんだろ。いや、美化しずぎか。ある意味、拷問?」
「知らないわよ、紅羽が裏から手を回してそうしたじゃないの?」
「俺をどこかのあぶない組織の一員みたいに言うな。能力の問題だろう……」
玄関で靴を履き、外にでようとドアノブに手をかけたら、祖母の待ったがかかった。
「今夜は奉納があるからね。学校が終わったらすぐに戻ってきなさい」
「えー、また奉納? 年に何回あるんだろ……龍神様も一回で済ませてくれたら、こつちだって楽でいいのに」
「ぼやいてどうするの。いずれあなたが受け継ぐ真神家の行事なのよ。しっかりしてちょうだい」
「だって、部活とかしたいし」
とぼやくと祖母は面白くなさそうに右の眉を上げた。
不機嫌になった証拠だ。
「おい、まずいぞ」
と隣で紅羽がそっと耳打ちしてくる。
「あなたのそんなとこ、母親そっくり。由紀子さんも常々、古臭いといって行事を学ぶのを嫌っていた」
「お母さんと一緒にしないで! 似ているなんていわれたくない」
私はやや剣呑ないいかたをしてしまった。
記憶のなかの母。
小学校入学式のときの母。
孤独と虚ろな狭い世界のなかで生きていた私を、広い世界に出してくれた母、そしてあの男。
ずっと一緒にいるからね、とささやくように約束してくれたあのときの記憶がよみがえる。
そして祖母に手を引かれた小さな男の子――紅羽だ。
あの日はみんなが泣いた。
私は男とどこかに去ってしまった母の裏切りに泣いた。
紅羽は自分よりも女を選んだ父親の仕打ちに泣いた。
祖母はせっかく育てた跡継ぎが消えてしまった不幸に、心で泣いた。
私たち一家は、みんな誰かに捨てられた者ばかりが集まっている。
祖母が母にかけていた期待の大きさは、孫である私に向き、祖母と孫、というよりも厳しく真神の規律を教える教師と、二人の生徒という形になってはや十年。
私は常にできが悪い生徒で、紅羽は適当にうまくやっている祖母のお気に入りだ。
あんな女と一緒にしないで――とつい、口にしそうになった。
もしいえば、祖母ははしたない、といつものようにぼやき、重苦しい雰囲気が流れたことだろう。
「あなた……操」
「お母さんの話しはしないでっていったよね、おばあちゃんは自分の機嫌でいったりいわなかったり。ころころ変わって私にはどうしていいかわからない!」
「おい、やめろって、操!」
「うるさい、紅羽は黙ってて! これはうちの問題なんだから」
叫ぶとなだめてくれていた紅羽の顔がきっと強張った。
祖母が私に「なんてことを! はしたない!」と悲しみを叩きつけて玄関から去ってしまう。
「……行くぞ。遅刻する」
「わかった」
「今夜は早く戻ってらっしゃい……家族で、奉納をするのだから」
リビングからまるで捨て台詞のように、祖母の言葉がとんできた。
返事をせずに、家を出る。
駅まで向かう道すがら、自分の気持ちと口に出したひどい言葉についての罪悪感と彼への謝罪をどうつたえていいかわからない想いがまとまって、心をおおい悶々とした気分になる。
「おい、操。もう気にするなって。今夜は奉納だっていうから、精進料理だな……」
「そうだね。量も少ないね」
「なら――」
はたと思いついたように紅羽が手をたたく。
「今日の学食はちょっと豪勢にいかないか? たまには焼肉定食、焼肉大盛とか、いいだろ?」
「はあ? そんなに頼んでも食べきれないし。またあんたが食べるんじゃない」
「そうかな?」
「そうだよ」
そして、私の残り物を食べてくれる彼をみて、みんなは夫婦だと噂する。
私は気にするが、紅羽は気にするどころか家族だから、と割り切っているようだった。紅羽、耶蘇部紅羽、十六歳。
同居を始めて十年。
もうそばにいるのが当たり前のような、空気のような――私の大事な家族だ。
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