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76・中間報告
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王宮のパーティーから数日後、相変わらずふらりとセルシュが我が家に遊びに来ていた。
わたしが剣術の稽古を終わらせて部屋に戻ると何故かそこで当たり前の様にセルシュがシュラフにお茶を淹れてもらい、でーんと寛いでいる。
……だからここ誰の部屋だっけ?
「おう、お疲れ!」
わたしに気付いたセルシュがいつもの様に元気良く挨拶をしてくるけれど何だか解せない。
「今、更に疲れが増したよ……」
セルシュの爽やかさに思わず疲れがため息と共にこぼれてしまう。セルシュはそんな事はお構い無しで笑ってわたしの肩を叩いた。
「なんだ?相変わらずよわっちいな。ちゃんと食べてんのか?」
この疲れは殆どセルシュのせいだけどね。とは思ったけれど、この話を広げるつもりはないのでそれには返事はしなかった。
「今日は何かあったの?」
「ああ、ちょっと中間報告」
「報告?」
「例の件」
あ、コランダムの事かな?
そういえばツィードと広場の警備員を捕まえた後の話は何も聞いていなかったっけ。パーティーのバタバタですっかり忘れてた。
「何か進展があったの?」
そう聞くとセルシュはひとつため息を吐いた。
「そうだといいんだけどな……」
「ツィードと警備員は見限られたそうです」
「……あぁ、そう言う事」
コランダムにとってツィードは、チャルシット様の件で使えなくなった時点でいらなくなったんだろう。まぁ、足がつきそうな者はさっさと切り捨てた方がコランダムには得策だもんね。
「警吏の方で面通しもしたそうなのですが、コランダム侯爵は知らぬ存ぜぬの一点張りだったそうです」
「コランダムにとってあいつらはワイマールへの繋ぎの為だけの要員だったのかもしれないんだ。そう考えたら二人を切ったところでコランダムは痛くも痒くもないんだろうから、この件はここで打ち止めかもしれない」
「そうなんだ……」
彼らにはその程度の仕事しかさせなかったって事?
ツィードはモーリタスの屋敷にまで入り込んでたからもっと色んな事をさせていたのかと思ったんだけどなぁ。
モーリタスを唆すだけの為にあんな事をさせてたのなら、何だか勿体ない使い方だよね。
でも敢えてそんな使い方なら本当に用意周到で用心深い男だ。余程信頼出来ないと簡単に足がつく様な事は見せないんだろう。
どちらにせよ結局今は八方塞がりと言う事か。
「ツィード達はどうなるの?」
「叩けば埃の出る奴等みたいで、これから余罪を調べるとか言ってたな」
それじゃ今後はモーリタス達に会う事も無さそうかな。
ツィードは口が上手そうだからモーリタスなんかまた軽く丸め込まれちゃいそうだもの。ツィードと二度と会わないのならそれはそれで良かったのかもしれない。
「騎士団長様の方はどうなの?」
「うーん……そっちは小康状態ってとこかな」
「噂というものは消えるまでに時間もかかりますので、そう簡単にはいかないかと」
未だに騎士団の中にはチャルシット様が部下を殺したという不名誉な噂が残っているって事だよね。しかも、殺したその本人がその噂を流しているんだから始末に負えない。
「まぁそれでもモーリィ達が更正してくれたから思ってるよりは早く噂も落ち着くんじゃないか?」
ため息をつきながら仕方なさそうにセルシュは納得をしようとしているけれど、わたしは今の状況に納得したくはなかった。
「それじゃ違う噂でも流して本当の事気付かせた方が早くない?」
「……まぁーたお前はそーゆーぶっ飛んだ事を……」
「だってその噂が消えるのがいつになるかわからないし、消える前にまたコランダムが新しい作戦を考えてもっと酷い噂が出るかもしれないじゃない」
呆れたセルシュにわたしは畳み掛ける様に説明をした。だってあんなに優しい人がそんな嘘の噂で失墜したら嫌だもん。それを潰せる可能性があるならば、小さな事でも何とかしたいと思う。噂がその原因のひとつならその芽を潰してしまった方がいいんじゃないかと思った。
「クルーディス様、違う噂とはどの様な?」
ちゃんと考えているのかを確認するようにシュラフがわたしに怪訝な顔を向けた。
勿論考えてますよ!この間セルシュが言ってたじゃない。
「チャルシット様は亡くなった部下の家に毎年お届け物してるんでしょ?そういう美談的な話を広めるとかさ」
「そうか!その話なら嘘じゃないし隠したいのは本人だけだし……それいいんじゃね?」
セルシュは色々と先を考えて同意してくれる。そう、嘘じゃないからいいと思うんだよね。
「その美談を使ってコランダム派の歪んだ噂を払拭すればよろしいと言う事ですか?」
「うん。そのチャルシット様の不名誉な噂があるからこそのコランダム派なんでしょ?それなら本当の話を皆に知ってもらった方がいいじゃない」
チャルシット様はその美談を隠しているかもしれないけれど、セルシュまで知ってる話なんだから改めてその話が広まったところでチャルシット様にはデメリットは無さそうなんだよね。
「では、それをするとして。クルーディス様はどこにどう広めようと考えておられますか」
「貴族の中なら母上とかに広めてもらえるけど、本当は町の人達に広めたら早く広がると思うんだ」
「町ねぇ……どの辺りから始めたら広まりやすそうだ?」
「例えば……宿屋とか教会とか市場とか。人が集まる様なところかな」
「ああ、そうですね。旅人ならそんな話も遠くまで持っていけますね」
シュラフがわたしの言葉の真意を汲み取って頷いた。
「うん。で、僕はそこから他国の騎士団まで話がいけばいいと思うんだ」
そう言うとセルシュもあぁ、と思惑に気付いてくれた。
「外堀から埋めるって事か?」
「うん」
他国の騎士団がそんな話を知ってるとなるとそれこそ信憑性も増すはずよね。うちの国の騎士団だって内情を知らない他国から話を聞いた方が信用してくれ易いと思うのよ。
「その考えはいいかもしれません」
「んじゃフリスライトの騎士団が交流会の時によく使っている西の町の宿屋とかなら一石二鳥かもな」
へぇ、御用達の宿とかあったんだ……ってか、それがすぐ出てくるセルシュにびっくりですけどね。
「裏を取られても嘘ではないですし、この話を広める事には問題ないかと思われます」
シュラフにも賛同してもらってちょっと安心した。
「僕的にはチャルシット様が亡くなった部下の家族にお届け物をしてるってとこからチャルシット様は部下の死を悲しんでいるって知ってもらって、噂と何か違うよねって気にして欲しい。それで、殺したのはチャルシット様ではないって気付いてもらって、じゃあ誰がそんな事をしたのか?って誰かに疑問を持ってもらう……本当はここまで持っていけたらいいと思うんだ」
「面白い考えですね」
第三者が話題にすれば誰かしらここまで考えてくれると思うんだよね。そうなったらこっちのものなんだけどな。
私の構想を打ち明けると、それを聞いた二人は楽しそうに口角を上げた。
「すげぇなそれ」
「人の口に戸は立てられません。思惑通りとはいかなくても古い噂は新しい噂に薄められる可能性は高いと思います」
この話に二人に賛同してもらえるとは思ってなかったからとても嬉しい。
でも、結局は机上の空論な訳で。ただの子供の言葉遊びと変わらない。
「……なんて、こんな案を出しても子供の浅知恵なのはわかってるし、その方法が上手くいくかはわからないんだけどね」
わたしにはこの空論を実行出来る程の行動力と実現する力はないんだもん。確認する術だってない。折角二人に褒めてもらえたのに少し残念だなぁなんて思った。
「折角お前が考えた訳だし、親父に話してみてもいいか?」
「え?ロンディール様に?」
「言うのはタダだしいいだろ」
ニヤリと笑うセルシュにわたしは素直に頷いた。
「そういう事はセルシュに任せるよ」
所詮子供の考えと一蹴されるかもしれないけど、少しでもロンディール様や父上に貢献出来るなら嬉しいと思う。
この先に待っているものが戦争だったら、子供の自分でも出来る事はやらなきゃいけない。少しでも食い止める力になればいいと思った。
セルシュは残っていたお茶を飲み干して、この話をロンディール様に早く話したいと慌ただしく帰っていった。
「噂に噂で対抗するとは面白い考え方ですね」
「悪口だけが噂じゃないからね。使えるものは何でも使った方がいいじゃない?」
にっこり笑っているシュラフにわたしもにっこりと答えた。
「後はこの計画をロンディール様や父上達が採用するかどうかだけどね」
「さぁどうでしょうね」
子供の考えだから大したものではないかもしれないけど、こんな話でも父上達の仕事に少しでも役立つなら嬉しいな。
わたしが剣術の稽古を終わらせて部屋に戻ると何故かそこで当たり前の様にセルシュがシュラフにお茶を淹れてもらい、でーんと寛いでいる。
……だからここ誰の部屋だっけ?
「おう、お疲れ!」
わたしに気付いたセルシュがいつもの様に元気良く挨拶をしてくるけれど何だか解せない。
「今、更に疲れが増したよ……」
セルシュの爽やかさに思わず疲れがため息と共にこぼれてしまう。セルシュはそんな事はお構い無しで笑ってわたしの肩を叩いた。
「なんだ?相変わらずよわっちいな。ちゃんと食べてんのか?」
この疲れは殆どセルシュのせいだけどね。とは思ったけれど、この話を広げるつもりはないのでそれには返事はしなかった。
「今日は何かあったの?」
「ああ、ちょっと中間報告」
「報告?」
「例の件」
あ、コランダムの事かな?
そういえばツィードと広場の警備員を捕まえた後の話は何も聞いていなかったっけ。パーティーのバタバタですっかり忘れてた。
「何か進展があったの?」
そう聞くとセルシュはひとつため息を吐いた。
「そうだといいんだけどな……」
「ツィードと警備員は見限られたそうです」
「……あぁ、そう言う事」
コランダムにとってツィードは、チャルシット様の件で使えなくなった時点でいらなくなったんだろう。まぁ、足がつきそうな者はさっさと切り捨てた方がコランダムには得策だもんね。
「警吏の方で面通しもしたそうなのですが、コランダム侯爵は知らぬ存ぜぬの一点張りだったそうです」
「コランダムにとってあいつらはワイマールへの繋ぎの為だけの要員だったのかもしれないんだ。そう考えたら二人を切ったところでコランダムは痛くも痒くもないんだろうから、この件はここで打ち止めかもしれない」
「そうなんだ……」
彼らにはその程度の仕事しかさせなかったって事?
ツィードはモーリタスの屋敷にまで入り込んでたからもっと色んな事をさせていたのかと思ったんだけどなぁ。
モーリタスを唆すだけの為にあんな事をさせてたのなら、何だか勿体ない使い方だよね。
でも敢えてそんな使い方なら本当に用意周到で用心深い男だ。余程信頼出来ないと簡単に足がつく様な事は見せないんだろう。
どちらにせよ結局今は八方塞がりと言う事か。
「ツィード達はどうなるの?」
「叩けば埃の出る奴等みたいで、これから余罪を調べるとか言ってたな」
それじゃ今後はモーリタス達に会う事も無さそうかな。
ツィードは口が上手そうだからモーリタスなんかまた軽く丸め込まれちゃいそうだもの。ツィードと二度と会わないのならそれはそれで良かったのかもしれない。
「騎士団長様の方はどうなの?」
「うーん……そっちは小康状態ってとこかな」
「噂というものは消えるまでに時間もかかりますので、そう簡単にはいかないかと」
未だに騎士団の中にはチャルシット様が部下を殺したという不名誉な噂が残っているって事だよね。しかも、殺したその本人がその噂を流しているんだから始末に負えない。
「まぁそれでもモーリィ達が更正してくれたから思ってるよりは早く噂も落ち着くんじゃないか?」
ため息をつきながら仕方なさそうにセルシュは納得をしようとしているけれど、わたしは今の状況に納得したくはなかった。
「それじゃ違う噂でも流して本当の事気付かせた方が早くない?」
「……まぁーたお前はそーゆーぶっ飛んだ事を……」
「だってその噂が消えるのがいつになるかわからないし、消える前にまたコランダムが新しい作戦を考えてもっと酷い噂が出るかもしれないじゃない」
呆れたセルシュにわたしは畳み掛ける様に説明をした。だってあんなに優しい人がそんな嘘の噂で失墜したら嫌だもん。それを潰せる可能性があるならば、小さな事でも何とかしたいと思う。噂がその原因のひとつならその芽を潰してしまった方がいいんじゃないかと思った。
「クルーディス様、違う噂とはどの様な?」
ちゃんと考えているのかを確認するようにシュラフがわたしに怪訝な顔を向けた。
勿論考えてますよ!この間セルシュが言ってたじゃない。
「チャルシット様は亡くなった部下の家に毎年お届け物してるんでしょ?そういう美談的な話を広めるとかさ」
「そうか!その話なら嘘じゃないし隠したいのは本人だけだし……それいいんじゃね?」
セルシュは色々と先を考えて同意してくれる。そう、嘘じゃないからいいと思うんだよね。
「その美談を使ってコランダム派の歪んだ噂を払拭すればよろしいと言う事ですか?」
「うん。そのチャルシット様の不名誉な噂があるからこそのコランダム派なんでしょ?それなら本当の話を皆に知ってもらった方がいいじゃない」
チャルシット様はその美談を隠しているかもしれないけれど、セルシュまで知ってる話なんだから改めてその話が広まったところでチャルシット様にはデメリットは無さそうなんだよね。
「では、それをするとして。クルーディス様はどこにどう広めようと考えておられますか」
「貴族の中なら母上とかに広めてもらえるけど、本当は町の人達に広めたら早く広がると思うんだ」
「町ねぇ……どの辺りから始めたら広まりやすそうだ?」
「例えば……宿屋とか教会とか市場とか。人が集まる様なところかな」
「ああ、そうですね。旅人ならそんな話も遠くまで持っていけますね」
シュラフがわたしの言葉の真意を汲み取って頷いた。
「うん。で、僕はそこから他国の騎士団まで話がいけばいいと思うんだ」
そう言うとセルシュもあぁ、と思惑に気付いてくれた。
「外堀から埋めるって事か?」
「うん」
他国の騎士団がそんな話を知ってるとなるとそれこそ信憑性も増すはずよね。うちの国の騎士団だって内情を知らない他国から話を聞いた方が信用してくれ易いと思うのよ。
「その考えはいいかもしれません」
「んじゃフリスライトの騎士団が交流会の時によく使っている西の町の宿屋とかなら一石二鳥かもな」
へぇ、御用達の宿とかあったんだ……ってか、それがすぐ出てくるセルシュにびっくりですけどね。
「裏を取られても嘘ではないですし、この話を広める事には問題ないかと思われます」
シュラフにも賛同してもらってちょっと安心した。
「僕的にはチャルシット様が亡くなった部下の家族にお届け物をしてるってとこからチャルシット様は部下の死を悲しんでいるって知ってもらって、噂と何か違うよねって気にして欲しい。それで、殺したのはチャルシット様ではないって気付いてもらって、じゃあ誰がそんな事をしたのか?って誰かに疑問を持ってもらう……本当はここまで持っていけたらいいと思うんだ」
「面白い考えですね」
第三者が話題にすれば誰かしらここまで考えてくれると思うんだよね。そうなったらこっちのものなんだけどな。
私の構想を打ち明けると、それを聞いた二人は楽しそうに口角を上げた。
「すげぇなそれ」
「人の口に戸は立てられません。思惑通りとはいかなくても古い噂は新しい噂に薄められる可能性は高いと思います」
この話に二人に賛同してもらえるとは思ってなかったからとても嬉しい。
でも、結局は机上の空論な訳で。ただの子供の言葉遊びと変わらない。
「……なんて、こんな案を出しても子供の浅知恵なのはわかってるし、その方法が上手くいくかはわからないんだけどね」
わたしにはこの空論を実行出来る程の行動力と実現する力はないんだもん。確認する術だってない。折角二人に褒めてもらえたのに少し残念だなぁなんて思った。
「折角お前が考えた訳だし、親父に話してみてもいいか?」
「え?ロンディール様に?」
「言うのはタダだしいいだろ」
ニヤリと笑うセルシュにわたしは素直に頷いた。
「そういう事はセルシュに任せるよ」
所詮子供の考えと一蹴されるかもしれないけど、少しでもロンディール様や父上に貢献出来るなら嬉しいと思う。
この先に待っているものが戦争だったら、子供の自分でも出来る事はやらなきゃいけない。少しでも食い止める力になればいいと思った。
セルシュは残っていたお茶を飲み干して、この話をロンディール様に早く話したいと慌ただしく帰っていった。
「噂に噂で対抗するとは面白い考え方ですね」
「悪口だけが噂じゃないからね。使えるものは何でも使った方がいいじゃない?」
にっこり笑っているシュラフにわたしもにっこりと答えた。
「後はこの計画をロンディール様や父上達が採用するかどうかだけどね」
「さぁどうでしょうね」
子供の考えだから大したものではないかもしれないけど、こんな話でも父上達の仕事に少しでも役立つなら嬉しいな。
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