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72・告白3(アイラヴェント視点12)
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「今までの人生で初めて告白なんて事したのに……もっとカッコ良く決めたかったんだけどな。…ま、言うだけ言ったらスッキリしたんでクルーディスは気にしないでね」
生まれて初めての告白は何だか締まらないものになってしまったけど、それはそれで何かスッキリしてしまった。
そりゃいい返事とかもらえるならとても嬉しいけど、そこまで求めちゃいけないでしょ。
俺が言いたかっただけでクルーディスが気にする事ではないんだから。
「ねぇ、アイラ。わたしの話も聞いてくれる?」
クルーディスは俺に合わせる様に『僕』から『わたし』に言葉を直して話をしだした。
やっぱり俺の告白は重荷だったかな。きっと俺のために言葉を選んでくれているのだろう。そういうとこ本当に優しいよ。
俺は相づちをうちながらクルーディスの言葉を聞いていた。
「わたしもね、今までの人生で初めてこんな事言うけど、アイラヴェントが大好きなんだよ」
「へっ?」
「男の子でも女の子でもそれを全部ひっくるめた『アイラヴェント』の事が好き」
えっ?今なんて?
俺の都合のいい聞き間違いじゃないよね?
いや……相手はクルーディスだし、もしかして何か微妙に違う解釈をしているかもしれない。俺が思っている気持ちと同じとは限らない。まだ期待しちゃいけない。勘違いしちゃいけない。
「えっと……それは友達の『好き』とは違う?」
「うん。友達じゃなくて恋愛感情としての『好き』だよ」
…………え?ほんとに?
クルーディスも俺と同じ気持ち、なの?
「うわーまじかー!」
思わず俺は両手で顔を隠してしまった。
だってクルーディスが俺の事をそういう意味で好きって言うから!俺と同じ気持ちだって言うから!
その言葉に驚いて嬉しくて。思ってなかったその告白に、どう反応していいのかわからない。
今俺はどんな顔をしてるんだろう。嬉し過ぎてにやけてしまってるんじゃないだろうか。
「あ、あのねアイラ……」
クルーディスの心配そうな声に顔をあげると、クルーディスはこちらにとても困惑した顔を向けていた。
ああ、リーンフェルト様が言ってたな。クルーディスはこういう事はとんでもなく鈍いんだっけ。
きっと俺が言った言葉と自分の言った言葉が同じものかどうかまだわかってないんだろうな。こういう抜けているところ、本当に可愛いよ。
「クルーディス、今下らない事もやもや考えてるでしょ?」
「なっ、何でわかるの!?」
「そりゃあ、いつも見てますから」
そんなに感情駄々漏れさせて『何でわかるの?』は無いよ。俺も大概感情を隠すなんて事は出来ないけど、今のクルーディスは俺に負けない位表に出ちゃってるんだから。
そんなクルーディスを見てると気を許してもらえてるってわかるから、俺は幸せを感じちゃうんだよ。
「安心して。俺もクルーディスの事、恋愛対象として好きだから」
「えっ嘘だ!」
「嘘って……。俺だってちゃんとクルーディスに告白したつもりなんですけどね」
速攻で嘘って返されるとは思わなかった。もう、何でここまではっきり言ってんのに疑うかなぁ。嘘なんてつかないよ。
動揺してわたわたしているクルーディスが本当に可愛くてつい笑ってしまう。男の子のクルーディスの事を可愛いなんて思うのは、きっと俺の中にもちゃんと女の子としての感情があるんだろうなと思う。
「クルーディスの気持ちも嘘?」
「嘘じゃない」
「じゃあ両想いって事で」
俺は嬉しくなってクルーディスの手に自分の指を絡めてみた。大好きなクルーディスの手に触れるとクルーディスは真っ赤になって困ってしまった。ふふっ、可愛いなぁ。これじゃいつもと立場が逆だね。
「クルーディス可愛い」
思わずクルーディスのその手にキスしてしまった。だって動揺しているその姿がとても可愛くて愛おしかったから。
俺はもっとそんな姿を見たくなって少し意地悪をしてしまった。ごめんね。
そんな事をしていたら馬車が我が家に着いてしまった。
「あーあ残念。着いちゃった」
離れがたいと思ったけれどそんな我が儘はいけないよね。
俺はクルーディスの手にもう一度キスを落として馬車を降りた。
動揺したままのクルーディスを乗せた馬車はそのままエウレン家に向かっていく。
俺はそれが見えなくなるまでそこに立っていた。
相手から同じ気持ちをもらうとこんなに嬉しいんだって初めて知ったよ。
大好きだよ、クルーディス。
「お帰りなさいませお嬢様」
馬車を見送っているといつの間にかレイラが側に来ていた。
「ただいまレイラ」
「道中は大丈夫でしたか?」
「あ……」
心配そうな顔をしたレイラからそう言われて初めてそれに気が付いた。
そう言えば帰り道は『外』の怖さや苦しさを気にしてる暇がなかった。
あそこまで感情を出したのが初めてで周りに全く目が行ってなかった。怒りや焦りや嬉しさでそれどころじゃなかった。
結果的には『外』を怖がる暇もなかったしクルーディスの気持ちももらえて嬉しかったし……ん?結果オーライって事なのか?
「だ、大丈夫だったよ」
レイラにどう説明していいのかわからなくてそれだけを伝えた。レイラを怪訝そうな顔をしてこちらを見ているけど『興奮してそれどころじゃなかった』なんて、ちょっと恥ずかしくて言えないよ。
「……ようございました」
「うん」
何か言いたそうにしていたけど、俺は思わずレイラから目を逸らしてしまった。ごめん、レイラ。
レイラは諦めてひとつ大きく息を吐いた。
「アイラヴェント様、ご夕食まで少しお休みなさいますか?」
「うん。そうする」
いつものレイラに戻ってくれたので、俺は素直に頷いた。
着替えを済ませた俺はレイラに淹れてもらったお茶を飲む。やっと帰ってきた実感が湧いてきた。はー落ち着くぅ。
「パーティーは如何でしたか?」
「あー……」
色々とあったパーティーだったけど、クルーディスとの事があって他の事がなんだかぼやけてしまった様だった。
何があったっけ?
「あ!今日はクルーディスの妹と会えたよ。すっごい可愛かった!それと、第三王子とタランテラス殿下に会って、クルーディスとセルシュ様のお父様に会って……最後に宰相様のご子息にも会った」
指折り数えてみると……あれ?俺にしては結構色んな人と会ったんじゃない?俺頑張ったよね。
でも最後のクルーディスとの時間が自分の中の大半を占めていて、他の事はもうすっかり記憶の彼方だった。
「きちんとご挨拶できましたか?」
「そっ、そりゃーあんなにレイラに特訓を受けたんだから!クルーディスも褒めてくれたしっ!セルシュ様も一応令嬢っぽいって言ってくれたしっ!」
レイラってばお母さんかっ!心配し過ぎっ!
とは言ってもそのお蔭でちゃんと令嬢としてパーティーに参加できたし、しっかり挨拶も出来たのだからと、褒めてもらえた事を報告する。
「それはようございました」
にっこりと笑顔になるレイラに俺も一緒に笑顔になった。
「レイラ、ありがとね」
いつも厳しくて優しいレイラが側にいてくれたお蔭でこんながさつな俺でもなんとか令嬢っぽく振る舞えるし、クルーディスにも褒めてもらえた。
クルーディスに会う前から俺の事をずっと気遣ってくれている彼女には感謝してもし足りない。それでも今感謝している気持ちを伝えたかった。
「お嬢様のお側にいられる私の方がありがたいですわ」
「ほんとに?」
「ええ。勿論ですわ」
良かったー。こんな面倒くさい底辺の令嬢な俺でもレイラに許されている気がして嬉しくなった。半端な女の子でごめんね。
俺の側にレイラがいて、クルーディスもいて……あれ?これって俺幸せ過ぎじゃない?
『悪役令嬢』なんかに生まれ変わって神様を恨んだりもしたけど、今なら『アイラヴェント』になれた事に感謝してしまいそうだ。
「お嬢様」
「なに?」
「他にも何かありましたでしょう?」
「えっ!?」
ちょっと……レイラさん?俺何も言ってないよね。何でそんなに鋭いの?にこにこと微笑みながらそう言うレイラに俺はたじろいだ。
「さあ、早く教えてくださいませ」
言葉と微笑みで圧力をかけてくるレイラが怖くて、結局クルーディスとの事を打ち明ける事になった。
人にそういう事を言うのってこんなに恥ずかしくて照れるものだとは思わなかった。
それを笑顔で聞いてくれるレイラにちゃんと伝わったかな。
◆ ◆ ◆
読んでいただきましてありがとうございます。
生まれて初めての告白は何だか締まらないものになってしまったけど、それはそれで何かスッキリしてしまった。
そりゃいい返事とかもらえるならとても嬉しいけど、そこまで求めちゃいけないでしょ。
俺が言いたかっただけでクルーディスが気にする事ではないんだから。
「ねぇ、アイラ。わたしの話も聞いてくれる?」
クルーディスは俺に合わせる様に『僕』から『わたし』に言葉を直して話をしだした。
やっぱり俺の告白は重荷だったかな。きっと俺のために言葉を選んでくれているのだろう。そういうとこ本当に優しいよ。
俺は相づちをうちながらクルーディスの言葉を聞いていた。
「わたしもね、今までの人生で初めてこんな事言うけど、アイラヴェントが大好きなんだよ」
「へっ?」
「男の子でも女の子でもそれを全部ひっくるめた『アイラヴェント』の事が好き」
えっ?今なんて?
俺の都合のいい聞き間違いじゃないよね?
いや……相手はクルーディスだし、もしかして何か微妙に違う解釈をしているかもしれない。俺が思っている気持ちと同じとは限らない。まだ期待しちゃいけない。勘違いしちゃいけない。
「えっと……それは友達の『好き』とは違う?」
「うん。友達じゃなくて恋愛感情としての『好き』だよ」
…………え?ほんとに?
クルーディスも俺と同じ気持ち、なの?
「うわーまじかー!」
思わず俺は両手で顔を隠してしまった。
だってクルーディスが俺の事をそういう意味で好きって言うから!俺と同じ気持ちだって言うから!
その言葉に驚いて嬉しくて。思ってなかったその告白に、どう反応していいのかわからない。
今俺はどんな顔をしてるんだろう。嬉し過ぎてにやけてしまってるんじゃないだろうか。
「あ、あのねアイラ……」
クルーディスの心配そうな声に顔をあげると、クルーディスはこちらにとても困惑した顔を向けていた。
ああ、リーンフェルト様が言ってたな。クルーディスはこういう事はとんでもなく鈍いんだっけ。
きっと俺が言った言葉と自分の言った言葉が同じものかどうかまだわかってないんだろうな。こういう抜けているところ、本当に可愛いよ。
「クルーディス、今下らない事もやもや考えてるでしょ?」
「なっ、何でわかるの!?」
「そりゃあ、いつも見てますから」
そんなに感情駄々漏れさせて『何でわかるの?』は無いよ。俺も大概感情を隠すなんて事は出来ないけど、今のクルーディスは俺に負けない位表に出ちゃってるんだから。
そんなクルーディスを見てると気を許してもらえてるってわかるから、俺は幸せを感じちゃうんだよ。
「安心して。俺もクルーディスの事、恋愛対象として好きだから」
「えっ嘘だ!」
「嘘って……。俺だってちゃんとクルーディスに告白したつもりなんですけどね」
速攻で嘘って返されるとは思わなかった。もう、何でここまではっきり言ってんのに疑うかなぁ。嘘なんてつかないよ。
動揺してわたわたしているクルーディスが本当に可愛くてつい笑ってしまう。男の子のクルーディスの事を可愛いなんて思うのは、きっと俺の中にもちゃんと女の子としての感情があるんだろうなと思う。
「クルーディスの気持ちも嘘?」
「嘘じゃない」
「じゃあ両想いって事で」
俺は嬉しくなってクルーディスの手に自分の指を絡めてみた。大好きなクルーディスの手に触れるとクルーディスは真っ赤になって困ってしまった。ふふっ、可愛いなぁ。これじゃいつもと立場が逆だね。
「クルーディス可愛い」
思わずクルーディスのその手にキスしてしまった。だって動揺しているその姿がとても可愛くて愛おしかったから。
俺はもっとそんな姿を見たくなって少し意地悪をしてしまった。ごめんね。
そんな事をしていたら馬車が我が家に着いてしまった。
「あーあ残念。着いちゃった」
離れがたいと思ったけれどそんな我が儘はいけないよね。
俺はクルーディスの手にもう一度キスを落として馬車を降りた。
動揺したままのクルーディスを乗せた馬車はそのままエウレン家に向かっていく。
俺はそれが見えなくなるまでそこに立っていた。
相手から同じ気持ちをもらうとこんなに嬉しいんだって初めて知ったよ。
大好きだよ、クルーディス。
「お帰りなさいませお嬢様」
馬車を見送っているといつの間にかレイラが側に来ていた。
「ただいまレイラ」
「道中は大丈夫でしたか?」
「あ……」
心配そうな顔をしたレイラからそう言われて初めてそれに気が付いた。
そう言えば帰り道は『外』の怖さや苦しさを気にしてる暇がなかった。
あそこまで感情を出したのが初めてで周りに全く目が行ってなかった。怒りや焦りや嬉しさでそれどころじゃなかった。
結果的には『外』を怖がる暇もなかったしクルーディスの気持ちももらえて嬉しかったし……ん?結果オーライって事なのか?
「だ、大丈夫だったよ」
レイラにどう説明していいのかわからなくてそれだけを伝えた。レイラを怪訝そうな顔をしてこちらを見ているけど『興奮してそれどころじゃなかった』なんて、ちょっと恥ずかしくて言えないよ。
「……ようございました」
「うん」
何か言いたそうにしていたけど、俺は思わずレイラから目を逸らしてしまった。ごめん、レイラ。
レイラは諦めてひとつ大きく息を吐いた。
「アイラヴェント様、ご夕食まで少しお休みなさいますか?」
「うん。そうする」
いつものレイラに戻ってくれたので、俺は素直に頷いた。
着替えを済ませた俺はレイラに淹れてもらったお茶を飲む。やっと帰ってきた実感が湧いてきた。はー落ち着くぅ。
「パーティーは如何でしたか?」
「あー……」
色々とあったパーティーだったけど、クルーディスとの事があって他の事がなんだかぼやけてしまった様だった。
何があったっけ?
「あ!今日はクルーディスの妹と会えたよ。すっごい可愛かった!それと、第三王子とタランテラス殿下に会って、クルーディスとセルシュ様のお父様に会って……最後に宰相様のご子息にも会った」
指折り数えてみると……あれ?俺にしては結構色んな人と会ったんじゃない?俺頑張ったよね。
でも最後のクルーディスとの時間が自分の中の大半を占めていて、他の事はもうすっかり記憶の彼方だった。
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「お嬢様のお側にいられる私の方がありがたいですわ」
「ほんとに?」
「ええ。勿論ですわ」
良かったー。こんな面倒くさい底辺の令嬢な俺でもレイラに許されている気がして嬉しくなった。半端な女の子でごめんね。
俺の側にレイラがいて、クルーディスもいて……あれ?これって俺幸せ過ぎじゃない?
『悪役令嬢』なんかに生まれ変わって神様を恨んだりもしたけど、今なら『アイラヴェント』になれた事に感謝してしまいそうだ。
「お嬢様」
「なに?」
「他にも何かありましたでしょう?」
「えっ!?」
ちょっと……レイラさん?俺何も言ってないよね。何でそんなに鋭いの?にこにこと微笑みながらそう言うレイラに俺はたじろいだ。
「さあ、早く教えてくださいませ」
言葉と微笑みで圧力をかけてくるレイラが怖くて、結局クルーディスとの事を打ち明ける事になった。
人にそういう事を言うのってこんなに恥ずかしくて照れるものだとは思わなかった。
それを笑顔で聞いてくれるレイラにちゃんと伝わったかな。
◆ ◆ ◆
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