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32・リスト
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屋敷に戻り、早速父のいる書斎に行った。父は仕事の手を休め、わたしをソファーに座るよう促した。
「父上、今日セルシュから聞いたんですが今度王宮でパーティーがあるとか」
「なんだ?珍しいなクルーディス。パーティーに興味があるのか?」
父は驚いてわたしの顔を覗きこんだ。
「興味……と言うか。いつも父上に無理を言ってパーティーとかから遠ざかってましたけど、流石にそろそろまずいかなと思って」
「ふぅん。どうしたんだ急に」
「……本当はセルシュに強制参加のダメ押しされているんです。」
「なんだそうか」
父は素直に暴露したわたしの話を聞いて快闊に笑った。
でもまずいと思っているのも本当。
アイラを守ると決めたわたしは、ランディスに言った様に自分こそが視野を広げて今後の対策を考えなければならなかった。
「でもあまり大きなパーティーに出た事はないのでどんな招待客がいるのか教えて欲しいと思いまして」
「そうか。で、クルーディスは俺に何を頼みたいんだ?」
「リストを見せていただきたいです」
父上はわたしに真っ直ぐな視線を向けた。きっとわたしの言葉の裏を探っているのだろう。
でも今は探られる裏もまだない状況だし、これからどうするのかはリストを見ないと始まらない。
わたしは父の視線を真っ直ぐに見つめ返した。
「わかった」
父はひと言そう言うと、引き出しから紙の束を出してわたしの前に広げた。
そこにはパーティーの参加者達の名前がずらりと書かれていた。
「本来は表立って出す物ではないからここで見ていきなさい」
「ありがとうございます」
その紙を見ると、爵位順に子供達の名前の一覧が記載されていたが……。
「父上、この印は一体……?」
このリストの名前の後ろには、○やら△やらの印が付いているものがあった。
「これは今の彼らの評判だ。社交でのものに限るがな」
ふぅん。セルシュの言ってた将来の人材選びはもう始まっているって事なのか。
その表は子息と令嬢に分かれていたので、わたしは子息達の記載されている表を見る。上から順に公爵家、侯爵家、伯爵家、男爵家と続いていた。
その公爵家の中でも別格な公爵家があって、通称『五大公爵家』と言われている。
先日わたしがアイラヴェントに会ったパーティーを主催したのはその中でも最上位のタランド公爵家。ご当主の公爵様は王族縁の家柄だったとか聞いた事があるけど……わたしは興味がなくてその辺はあんまり覚えていない。
ルルーシェイド王子のお遊びに付き合う位の頭の柔らかさもあるのに、器も大きくて、威厳もあり人望もある素晴らしい方なんだよね。
先日のパーティーではそのオーラに圧倒されてしまって、挨拶だってちゃんと出来ていたのかどうか……。
まぁそれは兎も角、その『五大公爵家』の中にいるのよね、気になる『攻略対象』が。
この表だと一番上にタランド公爵家のご子息の名前が書かれている。その次に書かれているのがナリタリア公爵家……ほら、すぐ見つけた。
『サイモン・ナリタリア 10歳 ○』
って事は評判は上々か。○が付いているなら今の所悪い要素はなさそう。
確かゲームでは笑顔の可愛いショタタイプの甘えん坊くんだったっけ。皆に愛されるって事で社交性も高いのかもしれない。
評価がいいって事はしっかりした子って事かな。自分の目でも確認しなきゃいけないけど、このままならアイラに何か酷い事をするなんて無さそうな気がする……少しホッとした。
それにしても、思いもかけず本人の評判までわかるとは。今のわたしにこのリストはとてもありがたい。
サイモンは今のところ心配なさそうだし、何だか幸先がいい気がする。この勢いで続けてちゃちゃっとチェックしよう。
その下は他の公爵家の子息の名前が並び、次は侯爵家……あれ?
『クルーディス・エウレン 10歳 ◎』
「……何で侯爵家の欄の一番上が僕なんです?」
「そりゃお前、我がエウレン侯爵家は侯爵連の筆頭だからだよ」
「ええっ!そうなんですか!?」
なんですと!?てっきりこの人が親バカ振りを発揮したのかと思ったよ!
我が家のランクとか考えた事なかった!家格なんて爵位で一括りに考えていたわ。奥が深い……。
「知りませんでした。公爵家以外でもランクとかあるんですね」
「ああ、こういったものは表には出さないものだからな……あくまでもこれは目安なんだ。それでもこれを気にする輩が多くてな、何かと五月蠅くてかなわん」
つまり少しでも上位になる為に騒いでる侯爵家があるって事か。
「王宮主催のパーティーはな、毎年公爵家の令息令嬢は全て招待される。侯爵家はこのランクが上位にあると毎年招待されるんだよ」
そういえばセルシュに、わたしやセルシュは毎年招待されるって言われたっけ。それはこういう事だったんだ。
「何故ですか?」
「家格の再確認と、家格を上げたい者達へ自分の立ち位置を見せつける為だな」
上位の侯爵家だけ毎年招待して立ち位置を見せつける?
見せつけてどうするのだろう。わたしにはその理由がよくわからなかった。
「何故そんな事を?」
「色んな不穏な考えを持つ者達はこんなあからさまなパーティーがあると都合良く色んな顔を見せてくれるのさ」
疑問を素直に口にすると父上は笑顔でそんな事を言った。しかし笑顔のはずなのに、何故か目は全く笑っていない。
このパーティーは不穏な輩を何とかする為のひとつの餌って事なのかもしれない。なんて大規模な撒き餌なんだろう。
いつの世も何処の世も野心を持つ者は何かしらの画策をして、更に上にのしあがろうとするって事なのか。
「なんか面倒くさいですね」
「全くだ」
父上は本当に嫌そうに大きなため息を吐いた。
「で。この『◎』はなんですか」
「そりゃあお前が一番賢くて可愛いからに決まってるじゃないか!」
あー……こっちに親バカが出てきたか。
「トーランスの息子も同じだぞ。可愛さも賢さもクルーディスには敵わないけどな。社交性とか洞察力はあの歳でなかなかのものだから評価はいいんだ」
本当だ。わたしの次に名前があるセルシュ・ロンディールにも同じ様に『◎』が付いている。
でも父上、これ『可愛さ』って関係ないよね。
「その辺の実績なら余計に僕に『◎』がついてるのはおかしくないですか?」
だって引きこもりだったよわたし。セルシュは納得がいくけど、社交性ならわたしなんてマイナス付いてるはずでしょーに。
「これは議会での総意なんだよ」
「そうい……」
「印は適当につけてる訳じゃないんだ。この表は国家の後々の繁栄を担う大事なもの。議会で可決しなければ作成も出来ないものなのさ」
よく見るとそこには国が認めた証の押印がされている。でもそれじゃ余計にわたしの評価おかしくない?
「お前は先日の誕生パーティーの事が評価されている」
「え?」
たった一度のパーティーでの事がそんなに評価されているってどういう事?わたし何かしたっけ?
「だからこれは国としての正式な評価なんだよ」
父上はにこにこと満足げだ。他人から自分の子供の評価が高い事はやっぱり嬉しいのだろう。
わたしはこの評価に疑問を持ちながらも、突っ込むのが面倒になって他の招待客のチェックに戻った。
侯爵家の子息達をわたしはよく知らないので、気になる人物だけを探す事にした。
侯爵家グループもそれなりの人数だ。こんなに人が集まるパーティーってそうそうないよ。本当に凄いな。
そんな中わたしやセルシュの名前の10人位下にいたのは
『ヒューレット・ポートラーク 11歳 ○』
お、ヒューレットもいる。彼もやっぱり評価はいいんだな。
まだ会った事はないけどゲームでは、宰相様である父親に似て冷静沈着で寡黙なクールビューティーくんという設定だったっけ。
評価が貰えてるって事は、きっとわたしと違って真面目に貴族のご子息として頑張ってるんだろうな。
そういえば子供の時から眼鏡かけてるのかな。当日はこっそり見られたらいいな。
おっ、その2つ下にもいた。
『モーリタス・チャルシット 10歳 △』
あれ?さんかく?
初めての記号だな。○でも◎でもないこの印は何だろう。
「父上、この『△』はどういう意味ですか?」
「この印は『要確認』。良くも悪くも転がり易そうな人物だな」
「良くも悪くも、ですか?」
「時々いるだろ?周囲の意志に染まりやすい奴。こいつらは環境によってそうやって流されてしまう可能性がある者達だ」
自分の周りにいい人物がいたらそれに影響されていい人物になり、悪ければ悪い方に転がるタイプ。
ああ、いるよね。どこにでもそーゆー人って。調子のいい鬱陶しいタイプだったりするからまずいって事かな。
それじゃモーリタスにその懸念があるって事か……って、これヤバくね?
「こういう人達にその議会では何かするんですか?」
「基本は何もしないさ。他人を害さなければ迷惑にはならんしな。最終的な判断が下された時にそれに見合った対応をするだけだな」
「その最終判断はいつになるのですか?」
「最終的には学園を卒業したらになるな。その前に何度か評価議会は開かれるがな」
議会の際には委員が集まり、そこに集められた情報を元に判定していくそうだ。
国を挙げての人事選定議会って事ですか。規模が凄いんですけど。
まぁ国をずっと存続させる為には次代の選定は大事だもんね。この制度作った人凄いわ。
◆ ◆ ◆
読んでいただきましてありがとうございます。
「父上、今日セルシュから聞いたんですが今度王宮でパーティーがあるとか」
「なんだ?珍しいなクルーディス。パーティーに興味があるのか?」
父は驚いてわたしの顔を覗きこんだ。
「興味……と言うか。いつも父上に無理を言ってパーティーとかから遠ざかってましたけど、流石にそろそろまずいかなと思って」
「ふぅん。どうしたんだ急に」
「……本当はセルシュに強制参加のダメ押しされているんです。」
「なんだそうか」
父は素直に暴露したわたしの話を聞いて快闊に笑った。
でもまずいと思っているのも本当。
アイラを守ると決めたわたしは、ランディスに言った様に自分こそが視野を広げて今後の対策を考えなければならなかった。
「でもあまり大きなパーティーに出た事はないのでどんな招待客がいるのか教えて欲しいと思いまして」
「そうか。で、クルーディスは俺に何を頼みたいんだ?」
「リストを見せていただきたいです」
父上はわたしに真っ直ぐな視線を向けた。きっとわたしの言葉の裏を探っているのだろう。
でも今は探られる裏もまだない状況だし、これからどうするのかはリストを見ないと始まらない。
わたしは父の視線を真っ直ぐに見つめ返した。
「わかった」
父はひと言そう言うと、引き出しから紙の束を出してわたしの前に広げた。
そこにはパーティーの参加者達の名前がずらりと書かれていた。
「本来は表立って出す物ではないからここで見ていきなさい」
「ありがとうございます」
その紙を見ると、爵位順に子供達の名前の一覧が記載されていたが……。
「父上、この印は一体……?」
このリストの名前の後ろには、○やら△やらの印が付いているものがあった。
「これは今の彼らの評判だ。社交でのものに限るがな」
ふぅん。セルシュの言ってた将来の人材選びはもう始まっているって事なのか。
その表は子息と令嬢に分かれていたので、わたしは子息達の記載されている表を見る。上から順に公爵家、侯爵家、伯爵家、男爵家と続いていた。
その公爵家の中でも別格な公爵家があって、通称『五大公爵家』と言われている。
先日わたしがアイラヴェントに会ったパーティーを主催したのはその中でも最上位のタランド公爵家。ご当主の公爵様は王族縁の家柄だったとか聞いた事があるけど……わたしは興味がなくてその辺はあんまり覚えていない。
ルルーシェイド王子のお遊びに付き合う位の頭の柔らかさもあるのに、器も大きくて、威厳もあり人望もある素晴らしい方なんだよね。
先日のパーティーではそのオーラに圧倒されてしまって、挨拶だってちゃんと出来ていたのかどうか……。
まぁそれは兎も角、その『五大公爵家』の中にいるのよね、気になる『攻略対象』が。
この表だと一番上にタランド公爵家のご子息の名前が書かれている。その次に書かれているのがナリタリア公爵家……ほら、すぐ見つけた。
『サイモン・ナリタリア 10歳 ○』
って事は評判は上々か。○が付いているなら今の所悪い要素はなさそう。
確かゲームでは笑顔の可愛いショタタイプの甘えん坊くんだったっけ。皆に愛されるって事で社交性も高いのかもしれない。
評価がいいって事はしっかりした子って事かな。自分の目でも確認しなきゃいけないけど、このままならアイラに何か酷い事をするなんて無さそうな気がする……少しホッとした。
それにしても、思いもかけず本人の評判までわかるとは。今のわたしにこのリストはとてもありがたい。
サイモンは今のところ心配なさそうだし、何だか幸先がいい気がする。この勢いで続けてちゃちゃっとチェックしよう。
その下は他の公爵家の子息の名前が並び、次は侯爵家……あれ?
『クルーディス・エウレン 10歳 ◎』
「……何で侯爵家の欄の一番上が僕なんです?」
「そりゃお前、我がエウレン侯爵家は侯爵連の筆頭だからだよ」
「ええっ!そうなんですか!?」
なんですと!?てっきりこの人が親バカ振りを発揮したのかと思ったよ!
我が家のランクとか考えた事なかった!家格なんて爵位で一括りに考えていたわ。奥が深い……。
「知りませんでした。公爵家以外でもランクとかあるんですね」
「ああ、こういったものは表には出さないものだからな……あくまでもこれは目安なんだ。それでもこれを気にする輩が多くてな、何かと五月蠅くてかなわん」
つまり少しでも上位になる為に騒いでる侯爵家があるって事か。
「王宮主催のパーティーはな、毎年公爵家の令息令嬢は全て招待される。侯爵家はこのランクが上位にあると毎年招待されるんだよ」
そういえばセルシュに、わたしやセルシュは毎年招待されるって言われたっけ。それはこういう事だったんだ。
「何故ですか?」
「家格の再確認と、家格を上げたい者達へ自分の立ち位置を見せつける為だな」
上位の侯爵家だけ毎年招待して立ち位置を見せつける?
見せつけてどうするのだろう。わたしにはその理由がよくわからなかった。
「何故そんな事を?」
「色んな不穏な考えを持つ者達はこんなあからさまなパーティーがあると都合良く色んな顔を見せてくれるのさ」
疑問を素直に口にすると父上は笑顔でそんな事を言った。しかし笑顔のはずなのに、何故か目は全く笑っていない。
このパーティーは不穏な輩を何とかする為のひとつの餌って事なのかもしれない。なんて大規模な撒き餌なんだろう。
いつの世も何処の世も野心を持つ者は何かしらの画策をして、更に上にのしあがろうとするって事なのか。
「なんか面倒くさいですね」
「全くだ」
父上は本当に嫌そうに大きなため息を吐いた。
「で。この『◎』はなんですか」
「そりゃあお前が一番賢くて可愛いからに決まってるじゃないか!」
あー……こっちに親バカが出てきたか。
「トーランスの息子も同じだぞ。可愛さも賢さもクルーディスには敵わないけどな。社交性とか洞察力はあの歳でなかなかのものだから評価はいいんだ」
本当だ。わたしの次に名前があるセルシュ・ロンディールにも同じ様に『◎』が付いている。
でも父上、これ『可愛さ』って関係ないよね。
「その辺の実績なら余計に僕に『◎』がついてるのはおかしくないですか?」
だって引きこもりだったよわたし。セルシュは納得がいくけど、社交性ならわたしなんてマイナス付いてるはずでしょーに。
「これは議会での総意なんだよ」
「そうい……」
「印は適当につけてる訳じゃないんだ。この表は国家の後々の繁栄を担う大事なもの。議会で可決しなければ作成も出来ないものなのさ」
よく見るとそこには国が認めた証の押印がされている。でもそれじゃ余計にわたしの評価おかしくない?
「お前は先日の誕生パーティーの事が評価されている」
「え?」
たった一度のパーティーでの事がそんなに評価されているってどういう事?わたし何かしたっけ?
「だからこれは国としての正式な評価なんだよ」
父上はにこにこと満足げだ。他人から自分の子供の評価が高い事はやっぱり嬉しいのだろう。
わたしはこの評価に疑問を持ちながらも、突っ込むのが面倒になって他の招待客のチェックに戻った。
侯爵家の子息達をわたしはよく知らないので、気になる人物だけを探す事にした。
侯爵家グループもそれなりの人数だ。こんなに人が集まるパーティーってそうそうないよ。本当に凄いな。
そんな中わたしやセルシュの名前の10人位下にいたのは
『ヒューレット・ポートラーク 11歳 ○』
お、ヒューレットもいる。彼もやっぱり評価はいいんだな。
まだ会った事はないけどゲームでは、宰相様である父親に似て冷静沈着で寡黙なクールビューティーくんという設定だったっけ。
評価が貰えてるって事は、きっとわたしと違って真面目に貴族のご子息として頑張ってるんだろうな。
そういえば子供の時から眼鏡かけてるのかな。当日はこっそり見られたらいいな。
おっ、その2つ下にもいた。
『モーリタス・チャルシット 10歳 △』
あれ?さんかく?
初めての記号だな。○でも◎でもないこの印は何だろう。
「父上、この『△』はどういう意味ですか?」
「この印は『要確認』。良くも悪くも転がり易そうな人物だな」
「良くも悪くも、ですか?」
「時々いるだろ?周囲の意志に染まりやすい奴。こいつらは環境によってそうやって流されてしまう可能性がある者達だ」
自分の周りにいい人物がいたらそれに影響されていい人物になり、悪ければ悪い方に転がるタイプ。
ああ、いるよね。どこにでもそーゆー人って。調子のいい鬱陶しいタイプだったりするからまずいって事かな。
それじゃモーリタスにその懸念があるって事か……って、これヤバくね?
「こういう人達にその議会では何かするんですか?」
「基本は何もしないさ。他人を害さなければ迷惑にはならんしな。最終的な判断が下された時にそれに見合った対応をするだけだな」
「その最終判断はいつになるのですか?」
「最終的には学園を卒業したらになるな。その前に何度か評価議会は開かれるがな」
議会の際には委員が集まり、そこに集められた情報を元に判定していくそうだ。
国を挙げての人事選定議会って事ですか。規模が凄いんですけど。
まぁ国をずっと存続させる為には次代の選定は大事だもんね。この制度作った人凄いわ。
◆ ◆ ◆
読んでいただきましてありがとうございます。
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