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27・いち貴族(セルシュ視点5)
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俺は仕方なしにタランド公爵様のパーティーに親父と参加する。
試しに親父に行きたくないと言ってみたが、お前は面白い事を言うなぁと笑われてしまった。結構本気だったんだけどな。
親父と一緒に公爵様に挨拶をした後、やっぱり楽しそうな公爵様に連れられて別室に入った。王子はそこで満面の笑みを浮かべて待っていた。
俺はそんな王子を見て心の中で盛大なため息をついてしまった。なんて面倒な。
だけど俺の気持ちとは裏腹に親父も公爵様も楽しそうに王子と話をしている。今日のパーティーには王子がいるからと王家ご用達の楽団をわざわざ呼んだそうだ。
王子はただの貴族として参加するのにそんな事したらバレたりしないのだろうか?なんて事を俺なら気にするんだけどなぁ。
でもタランド公爵様は自分の甥っ子のお遊びに面白がって付き合っているだけだし、王子もそういう事は気にしてないのか気付かないのか……まぁ後者だろうけど。
何だかクルーディスに怒られる確率が高くなってて気が滅入る。
もういっそ親父がクルーディスに王子を紹介してくれりゃいいのに。バレたら後で俺がクルーディスに怒られるのは確定事項なのだ。いや、絶対バレる。それを思うと本当に憂鬱になってしまう。
そんな俺のぼやきを知らない親父は王子を俺に任せて公爵様と出ていった。
「セルシュ今日はよろしく頼むぞ」
やっと念願叶い、ただの貴族として参加出来るとあって王子はとても張り切っていた。地味に髪型も変えて衣装も王族の着る物ではなく、何やら変装めいた事をしている。大して変わってないけどな。
もう俺はその張り切りが裏目に出ない様に祈るしかない。
「はぁ……。わかりましたけど、必ず守って欲しい事があります」
俺は始まる前から疲れてしまった。もう帰りたくて仕方がない。そんな事思ったところで無理な話なのだから、せめてこれだけは譲れないと言う条件は自分の為にも伝えておかなければ。
・俺と接触するのはパーティーが始まって暫く経ってから。
・紹介する前に勝手にクルーディスに接触しない。
・必ずただの貴族として接する事。
俺は最初から最後まで王子の子守りをする気はなかった。美味しいものだって食べたいし、ゆっくりクルーディスと話もしたい。俺だけの時間は少しでも確保しておきたかった。
王子は素直に了承してくれたので、俺は王子を護衛騎士に任せ、さっさとその部屋を出て会場に向かった。
タランド公爵家のパーティーは流石公爵家という感じで、招待客も多く人でごった返している。歓談する人ダンスをする人、俺は様々な過ごし方をしている人混みの間をすり抜けて速攻で料理のある場所に向かった。そこに居ればきっと呆れた顔をしながらクルーディスがやってくるはずだ。それを待つ間俺は食事にがっついていた。
やっぱりタランド公爵様のところの料理は旨い。この後の面倒な事を考えると気が滅入るけど、今だけはそんな事を考えずに素直に楽しもう。今のうちにこの幸せを味わっておかなきゃな。
案の定クルーディスは思っていた通りの顔をしながら俺のところにやって来たが、少し話をしたら早々に俺の元を離れていってしまった。
食の細いあいつは俺の食べっぷりを見ているだけでも苦しくなると言う。厄介な。もっと食えば身体もしっかりしてもっと剣も強く振れるだろうに。
剣術が上手くなりたいと言う割に、そういうところは自分に甘いんだよな。
まぁいいや。俺が食べ終わる頃にはまた戻って来るのだろう。
クルーディスが消えた後、俺の横にはリーンフェルトが残っていた。あいつの妹はどうやら俺の事を好ましく思っている様で、俺の顔を見るとよく顔を赤くする。
俺はリーンを妹の様にしか思えないので、その気持ちに応える事は出来ない。いつも俺はそれに気付かない振りをする。それは本当に申し訳ないと思うけれども仕方がない。
今はまだリーンも俺も子供だし、そんなに深く考えなくてもいいだろう。早く世界を広げていい男を見つけて欲しいものだ。その時はもう一人の兄として相手をチェックしてやるからな。
「セルシュ、久しぶりだな!」
いや、さっき会いましたけどね。なんて心の中で突っ込んでしまうけど、そんな気持ちは顔に出さずに俺は笑顔を作った。
「お久しぶりですね」
実にタイミング良く王子が腹一杯になった俺の元にやって来た。よしよし、ちゃんと約束は守ったな。思っていたよりも少し早かったが、旨いものはそこそこ浚えたから良しとしよう。
俺が笑顔で答えたのがそんなに嬉しいのか、王子はぱあっと満面の笑顔になった。
「今日はここでセルシュに会えるのを楽しみにしていたんだ」
タランド公爵様のお陰でやっと念願叶ったんだもんな。素直に嬉しさを隠さないその姿は、王子も俺と同じ子供なんだよなと思える。何事も一生懸命なところは悪くない。悪くないけど、それに振り回されるのはまた別の話なんだよ。
そういえば、王子は『ルーカス』と名乗ると言っていたがどんな挨拶をするのだろう。研究の最終成果を俺は知らなかった。
にこにこと楽しい気持ちを溢れさせているこの王子に、俺は試しにリーンを紹介してみた。
「ルーカス、彼女はエウレン侯爵のご令嬢のリーンフェルト嬢です」
「そなたがエウレン侯爵のご息女か。おお、涼やかに咲く花の様ではないか」
おいおい……。
俺は王子のそのもの言いに呆気に取られてしまった。一体何処のじーさんのセリフなんだよそれは。
全く……誰の何をずっと研究してたんだか。
これには流石にリーンですら胡散臭いものを見る目になっていた。
「……失格」
俺は王子にも聞こえない位小さい声で呟いた。
その後来たクルーディスに、俺はもう一気に疲れてしまってちゃんとした紹介すら出来なかった。それでも王子は気にせずににこにことクルーディスに挨拶をする。
クルーディスはもうこの時点で誰なのかわかった様な反応をした。表には出してはいないが、わからない位こっそりと驚いて呆れている。ほら、だから言ったのに。
普段社交の場に参加してないこいつだってすぐ王子だってわかるのに。ほんと自由だよな、ルー王子。
でもバレている事に気付かない王子はそりゃもう楽しそうに色んな事を話していた。
クルーディスが時折俺の方を困った顔をして見てきたが俺には肩を竦める事位しか出来ない。
もう俺は口を出す気も起きなかった。悪い、クルーディス。
そしてやっぱり俺はクルーディスに怒られてしまった。
はぁ……だからヤだったんだよな。
あれから暫くして、パーティーの事を何か言われるのを覚悟で俺はエウレン邸を訪れた。
一度は許してくれたけど、それはあの場だったので軽いものだった。改めて会ったら絶対きちんと怒られそうな気がする。
気合いを入れてまるで何事もなかったかの様に部屋に入った。クルーディスの部屋に入ると、あいつは机に向かい何かを書いていた。
書きかけのそれを片付けたクルーディスに、俺はやっぱり改めて怒られた。とぼけてみたけど駄目だった。あの後国王陛下からおっさん経由でその話があったと言う。
ルー王子は陛下に何を進言したのやら……まぁ何を言ってもクルーディスには面倒な事になるのは変わらない。そりゃお前は怒るよな。
これでも結構俺は頑張ったんだ……とは言わずに王子の勢いに負けて諦めた事だけを伝えた。クルーディスは最後には王族相手じゃ仕方がないと理解してくれた。
良かった……俺は心底ほっとした。
さっきまで紙を広げて何をしていたのかと聞いたら、クルーディスは手紙を書いていたと言った。面倒くさがりのくせに珍しい。
そう思って突っ込んだら、手紙の相手は俺の知らない令嬢だと言った。
いつの間にそんな令嬢と知り合ったんだろう。何故手紙をやり取りするまでの関係になったのだろう。その令嬢がどういう人物なのか俺には情報が全くなかった。
俺の知らない所で何があったのかと聞くと、クルーディスは素直に話をしてくれた。
社交の場で何度か耳にした事がある残念な伯爵子息の妹がその手紙の相手らしい。そこの子息はいつもテンションが高く落ち着きがないと聞いた事があるが、妹の方は社交の場では全く話を聞いた事がなかった。妹がいたことすら初耳だ。
シュラフはその令嬢の事を『少年っぽい令嬢』と言っていたがその例えでは俺には全く想像ができない。少年と令嬢の接点がわからなかった。
だけどその少年令嬢と手紙のやり取りをしているクルーディスはとても楽しそうだ。見たことが無いような顔をして令嬢の事を『可愛い』と言った。面倒くさがりのくせにその令嬢との手紙のやり取りは特別なのだと言う。
それを聞いていたら何故だか胸の辺りがもやっとした。
◆ ◆ ◆
読んでいただきましてありがとうございます。
試しに親父に行きたくないと言ってみたが、お前は面白い事を言うなぁと笑われてしまった。結構本気だったんだけどな。
親父と一緒に公爵様に挨拶をした後、やっぱり楽しそうな公爵様に連れられて別室に入った。王子はそこで満面の笑みを浮かべて待っていた。
俺はそんな王子を見て心の中で盛大なため息をついてしまった。なんて面倒な。
だけど俺の気持ちとは裏腹に親父も公爵様も楽しそうに王子と話をしている。今日のパーティーには王子がいるからと王家ご用達の楽団をわざわざ呼んだそうだ。
王子はただの貴族として参加するのにそんな事したらバレたりしないのだろうか?なんて事を俺なら気にするんだけどなぁ。
でもタランド公爵様は自分の甥っ子のお遊びに面白がって付き合っているだけだし、王子もそういう事は気にしてないのか気付かないのか……まぁ後者だろうけど。
何だかクルーディスに怒られる確率が高くなってて気が滅入る。
もういっそ親父がクルーディスに王子を紹介してくれりゃいいのに。バレたら後で俺がクルーディスに怒られるのは確定事項なのだ。いや、絶対バレる。それを思うと本当に憂鬱になってしまう。
そんな俺のぼやきを知らない親父は王子を俺に任せて公爵様と出ていった。
「セルシュ今日はよろしく頼むぞ」
やっと念願叶い、ただの貴族として参加出来るとあって王子はとても張り切っていた。地味に髪型も変えて衣装も王族の着る物ではなく、何やら変装めいた事をしている。大して変わってないけどな。
もう俺はその張り切りが裏目に出ない様に祈るしかない。
「はぁ……。わかりましたけど、必ず守って欲しい事があります」
俺は始まる前から疲れてしまった。もう帰りたくて仕方がない。そんな事思ったところで無理な話なのだから、せめてこれだけは譲れないと言う条件は自分の為にも伝えておかなければ。
・俺と接触するのはパーティーが始まって暫く経ってから。
・紹介する前に勝手にクルーディスに接触しない。
・必ずただの貴族として接する事。
俺は最初から最後まで王子の子守りをする気はなかった。美味しいものだって食べたいし、ゆっくりクルーディスと話もしたい。俺だけの時間は少しでも確保しておきたかった。
王子は素直に了承してくれたので、俺は王子を護衛騎士に任せ、さっさとその部屋を出て会場に向かった。
タランド公爵家のパーティーは流石公爵家という感じで、招待客も多く人でごった返している。歓談する人ダンスをする人、俺は様々な過ごし方をしている人混みの間をすり抜けて速攻で料理のある場所に向かった。そこに居ればきっと呆れた顔をしながらクルーディスがやってくるはずだ。それを待つ間俺は食事にがっついていた。
やっぱりタランド公爵様のところの料理は旨い。この後の面倒な事を考えると気が滅入るけど、今だけはそんな事を考えずに素直に楽しもう。今のうちにこの幸せを味わっておかなきゃな。
案の定クルーディスは思っていた通りの顔をしながら俺のところにやって来たが、少し話をしたら早々に俺の元を離れていってしまった。
食の細いあいつは俺の食べっぷりを見ているだけでも苦しくなると言う。厄介な。もっと食えば身体もしっかりしてもっと剣も強く振れるだろうに。
剣術が上手くなりたいと言う割に、そういうところは自分に甘いんだよな。
まぁいいや。俺が食べ終わる頃にはまた戻って来るのだろう。
クルーディスが消えた後、俺の横にはリーンフェルトが残っていた。あいつの妹はどうやら俺の事を好ましく思っている様で、俺の顔を見るとよく顔を赤くする。
俺はリーンを妹の様にしか思えないので、その気持ちに応える事は出来ない。いつも俺はそれに気付かない振りをする。それは本当に申し訳ないと思うけれども仕方がない。
今はまだリーンも俺も子供だし、そんなに深く考えなくてもいいだろう。早く世界を広げていい男を見つけて欲しいものだ。その時はもう一人の兄として相手をチェックしてやるからな。
「セルシュ、久しぶりだな!」
いや、さっき会いましたけどね。なんて心の中で突っ込んでしまうけど、そんな気持ちは顔に出さずに俺は笑顔を作った。
「お久しぶりですね」
実にタイミング良く王子が腹一杯になった俺の元にやって来た。よしよし、ちゃんと約束は守ったな。思っていたよりも少し早かったが、旨いものはそこそこ浚えたから良しとしよう。
俺が笑顔で答えたのがそんなに嬉しいのか、王子はぱあっと満面の笑顔になった。
「今日はここでセルシュに会えるのを楽しみにしていたんだ」
タランド公爵様のお陰でやっと念願叶ったんだもんな。素直に嬉しさを隠さないその姿は、王子も俺と同じ子供なんだよなと思える。何事も一生懸命なところは悪くない。悪くないけど、それに振り回されるのはまた別の話なんだよ。
そういえば、王子は『ルーカス』と名乗ると言っていたがどんな挨拶をするのだろう。研究の最終成果を俺は知らなかった。
にこにこと楽しい気持ちを溢れさせているこの王子に、俺は試しにリーンを紹介してみた。
「ルーカス、彼女はエウレン侯爵のご令嬢のリーンフェルト嬢です」
「そなたがエウレン侯爵のご息女か。おお、涼やかに咲く花の様ではないか」
おいおい……。
俺は王子のそのもの言いに呆気に取られてしまった。一体何処のじーさんのセリフなんだよそれは。
全く……誰の何をずっと研究してたんだか。
これには流石にリーンですら胡散臭いものを見る目になっていた。
「……失格」
俺は王子にも聞こえない位小さい声で呟いた。
その後来たクルーディスに、俺はもう一気に疲れてしまってちゃんとした紹介すら出来なかった。それでも王子は気にせずににこにことクルーディスに挨拶をする。
クルーディスはもうこの時点で誰なのかわかった様な反応をした。表には出してはいないが、わからない位こっそりと驚いて呆れている。ほら、だから言ったのに。
普段社交の場に参加してないこいつだってすぐ王子だってわかるのに。ほんと自由だよな、ルー王子。
でもバレている事に気付かない王子はそりゃもう楽しそうに色んな事を話していた。
クルーディスが時折俺の方を困った顔をして見てきたが俺には肩を竦める事位しか出来ない。
もう俺は口を出す気も起きなかった。悪い、クルーディス。
そしてやっぱり俺はクルーディスに怒られてしまった。
はぁ……だからヤだったんだよな。
あれから暫くして、パーティーの事を何か言われるのを覚悟で俺はエウレン邸を訪れた。
一度は許してくれたけど、それはあの場だったので軽いものだった。改めて会ったら絶対きちんと怒られそうな気がする。
気合いを入れてまるで何事もなかったかの様に部屋に入った。クルーディスの部屋に入ると、あいつは机に向かい何かを書いていた。
書きかけのそれを片付けたクルーディスに、俺はやっぱり改めて怒られた。とぼけてみたけど駄目だった。あの後国王陛下からおっさん経由でその話があったと言う。
ルー王子は陛下に何を進言したのやら……まぁ何を言ってもクルーディスには面倒な事になるのは変わらない。そりゃお前は怒るよな。
これでも結構俺は頑張ったんだ……とは言わずに王子の勢いに負けて諦めた事だけを伝えた。クルーディスは最後には王族相手じゃ仕方がないと理解してくれた。
良かった……俺は心底ほっとした。
さっきまで紙を広げて何をしていたのかと聞いたら、クルーディスは手紙を書いていたと言った。面倒くさがりのくせに珍しい。
そう思って突っ込んだら、手紙の相手は俺の知らない令嬢だと言った。
いつの間にそんな令嬢と知り合ったんだろう。何故手紙をやり取りするまでの関係になったのだろう。その令嬢がどういう人物なのか俺には情報が全くなかった。
俺の知らない所で何があったのかと聞くと、クルーディスは素直に話をしてくれた。
社交の場で何度か耳にした事がある残念な伯爵子息の妹がその手紙の相手らしい。そこの子息はいつもテンションが高く落ち着きがないと聞いた事があるが、妹の方は社交の場では全く話を聞いた事がなかった。妹がいたことすら初耳だ。
シュラフはその令嬢の事を『少年っぽい令嬢』と言っていたがその例えでは俺には全く想像ができない。少年と令嬢の接点がわからなかった。
だけどその少年令嬢と手紙のやり取りをしているクルーディスはとても楽しそうだ。見たことが無いような顔をして令嬢の事を『可愛い』と言った。面倒くさがりのくせにその令嬢との手紙のやり取りは特別なのだと言う。
それを聞いていたら何故だか胸の辺りがもやっとした。
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