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ハイエルフの里
ハイエルフの里へ
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レナルーラの戦も無事に終わり、レナルーラ国内には穏やかな生活が戻った。
クリス達はレナルーラに滞在し更に古代図書館で調べ物をした。1週間ほど調べてみたが、龍神族や1200年前の大戦、ファルファーに関する大した収穫はなかった。
しかし1つだけハイエルフに関わる情報が載っている本を発見した。
その本にはハイエルフの隠れ里の位置が記されていたのだ。
私たちはそのハイエルフの隠れ里を目指すことにした。
その本によるとレナルーラから少し南下した場所にある『妖樹の森』という所にあるらしい。
5日程かけて私達は妖樹の森に着いた。
妖樹とはよく言ったもので、この森の樹木は全て曲がりくねった形をし、おどろおどろしい雰囲気を醸し出している。
私はジーン=テイラーの住んでいた樹海によく似ていると思った。
きっとジーンさんも故郷に似た場所の方が落ち着くのだろうと納得した。
妖樹の森は樹木の密集度が高く、1本1本の樹木が大きく、陽の光をほぼ遮っている。
日中だというのに森の中は薄暗い。
私達は妖樹の森を2時間程歩いた。
ずっと似たような景色ばかりで、進んでいるのか、ぐるぐる同じ場所を回っているのかさえ分からない。
ジークが弱音を吐いて地面に座り込んだその時、マオさんがある物を発見した。
「みんな、ちょっと見て」
マオさんの前には小さな石碑のようなものがあった。
しかしその石碑はかなり風化していて、よく見なければただの岩と間違えそうな物だった。
「何か文字が書いてありますね。しかしこの国の言葉ではないようです」
トワイザランの騎士団の養成学校で各国の言語やわ学んだ私にすら分からない言語で何かが書かれていた。
「これは魔族の古代文字…」
マオさんがぼそりと言った
「読めるんですか!!?」
「あぁ。『我らが血筋の者よ、ここに手をかざせ。さすれば道は開かれん』と書いてある」
「我らが血筋。ハイエルフ族ということでしょうか?」
マオさんはゆっくりとその石碑に右手を翳した。
すると石碑は眩い光を放ち、私達の目を眩ませた。
ゆっくりと目を開けると、私たちは木で作られた家屋が立ち並ぶ集落の真ん中に立っていた。
「ここは……」
私とリガンは目をぱちくりさせながら辺りを見渡した。
「集落の場所がわからないように魔力で結界が張られていたんだな。
知らずに歩いてこの結界に触れると、集落の反対側まで知らずにワープするような結界が」
ジークが説明をしてくれた。
魔法とはそんなことまで出来るのか。
つくづく便利な物だと思った。
辺りを見渡すが、やはり人影はない。
家屋は約30軒程ある。ハイエルフとは少数種族だったのだろう。
「ここが…私達の故郷……?!」
マオさんは心に刻みつけるようにじっくりと辺りを見渡した。
結界を破り、この集落に入れたことは紛れもないハイエルフ族だという証明に他ならない。
どうせ誰もいない集落なので、私達は家屋の中なども見て回った。
どこの家にも高度な魔法の本が置いてある。
集会所のような場所の地面には何の魔法かは分からないが巨大な魔法陣が描かれたりしていた。
「なぁ、マオちゃん。
これだけ高度な魔法の知識を持っていた種族だ。
何かうちらがもっと簡単に帰れる方法や、マオちゃんたち魔族の魔素の問題を解決できるようなヒントはないのか?」
ジークがマオさんに尋ねた。
「私もそう思って色々と書物を見てみたけど、今のところは…。
でもジークの言う通り何か分かるかもしれないし、暫くここに滞在してみましょう」
こうして私達は暫くこのハイエルフの集落に滞在することになった。
しかしハイエルフの書物に書かれている言語はマオさんにしか読むことはできず、私達はマオさんが調べ物をしている間、何もすることがなかった。
とりあえず私とリガンはシグルドを相手に修行をした。
ジークは民家のベッドの上でゴロゴロとして過ごした。
クリス達はレナルーラに滞在し更に古代図書館で調べ物をした。1週間ほど調べてみたが、龍神族や1200年前の大戦、ファルファーに関する大した収穫はなかった。
しかし1つだけハイエルフに関わる情報が載っている本を発見した。
その本にはハイエルフの隠れ里の位置が記されていたのだ。
私たちはそのハイエルフの隠れ里を目指すことにした。
その本によるとレナルーラから少し南下した場所にある『妖樹の森』という所にあるらしい。
5日程かけて私達は妖樹の森に着いた。
妖樹とはよく言ったもので、この森の樹木は全て曲がりくねった形をし、おどろおどろしい雰囲気を醸し出している。
私はジーン=テイラーの住んでいた樹海によく似ていると思った。
きっとジーンさんも故郷に似た場所の方が落ち着くのだろうと納得した。
妖樹の森は樹木の密集度が高く、1本1本の樹木が大きく、陽の光をほぼ遮っている。
日中だというのに森の中は薄暗い。
私達は妖樹の森を2時間程歩いた。
ずっと似たような景色ばかりで、進んでいるのか、ぐるぐる同じ場所を回っているのかさえ分からない。
ジークが弱音を吐いて地面に座り込んだその時、マオさんがある物を発見した。
「みんな、ちょっと見て」
マオさんの前には小さな石碑のようなものがあった。
しかしその石碑はかなり風化していて、よく見なければただの岩と間違えそうな物だった。
「何か文字が書いてありますね。しかしこの国の言葉ではないようです」
トワイザランの騎士団の養成学校で各国の言語やわ学んだ私にすら分からない言語で何かが書かれていた。
「これは魔族の古代文字…」
マオさんがぼそりと言った
「読めるんですか!!?」
「あぁ。『我らが血筋の者よ、ここに手をかざせ。さすれば道は開かれん』と書いてある」
「我らが血筋。ハイエルフ族ということでしょうか?」
マオさんはゆっくりとその石碑に右手を翳した。
すると石碑は眩い光を放ち、私達の目を眩ませた。
ゆっくりと目を開けると、私たちは木で作られた家屋が立ち並ぶ集落の真ん中に立っていた。
「ここは……」
私とリガンは目をぱちくりさせながら辺りを見渡した。
「集落の場所がわからないように魔力で結界が張られていたんだな。
知らずに歩いてこの結界に触れると、集落の反対側まで知らずにワープするような結界が」
ジークが説明をしてくれた。
魔法とはそんなことまで出来るのか。
つくづく便利な物だと思った。
辺りを見渡すが、やはり人影はない。
家屋は約30軒程ある。ハイエルフとは少数種族だったのだろう。
「ここが…私達の故郷……?!」
マオさんは心に刻みつけるようにじっくりと辺りを見渡した。
結界を破り、この集落に入れたことは紛れもないハイエルフ族だという証明に他ならない。
どうせ誰もいない集落なので、私達は家屋の中なども見て回った。
どこの家にも高度な魔法の本が置いてある。
集会所のような場所の地面には何の魔法かは分からないが巨大な魔法陣が描かれたりしていた。
「なぁ、マオちゃん。
これだけ高度な魔法の知識を持っていた種族だ。
何かうちらがもっと簡単に帰れる方法や、マオちゃんたち魔族の魔素の問題を解決できるようなヒントはないのか?」
ジークがマオさんに尋ねた。
「私もそう思って色々と書物を見てみたけど、今のところは…。
でもジークの言う通り何か分かるかもしれないし、暫くここに滞在してみましょう」
こうして私達は暫くこのハイエルフの集落に滞在することになった。
しかしハイエルフの書物に書かれている言語はマオさんにしか読むことはできず、私達はマオさんが調べ物をしている間、何もすることがなかった。
とりあえず私とリガンはシグルドを相手に修行をした。
ジークは民家のベッドの上でゴロゴロとして過ごした。
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