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承黒寺の乱
レナルーラへ
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龍神族の襲撃の翌日にヤオ老師の葬儀が行われた。
ダンレンの他の寺には龍神族との戦いによる戦死として報告をし、国中を挙げて壮大な葬儀となった。
私とリガンは葬儀に参列したが、ジークとマオさんは疲れからかずっと寝込んでいた。
その葬儀から更に2日も経つと武僧達は普段通りに修行を始めるようになった。
ジークとマオさんもすっかり回復し、私達もその日にダンレンを旅立つことにした。
荷支度をして寺を去ろうとすると、承黒寺の武僧全員が見送りに来てくれた。
新たな大僧正となったヨウゼンが一歩前に出る。
「ジークさん、マオさん、クリスさん、リガンくん。この度は本当にありがとうございました。
あなた方のお陰で、ダンレンも承黒寺も救われました」
武僧全員が深々と頭を下げる。
「もしあなた方に何かありましたら、我らは全力で協力させてもらいます。あなた方の旅に良き兆しがあるようお祈りしております。」
「ありがとうな。
ヨウゼンもヤオ老師から託された、新たなる拳法の形を実現できるように頑張れよな」
「ありがとうございます。
しかしこれから先に行く当てはあるのですか?結局四龍貴族の居場所も分からなかったわけですし」
「まぁ、適当にブラブラと旅をするさ。
俺たちは奴らにとって放っておけない存在になったはずだ。
かつて自分達を封印した者達の末裔であり、しかも龍神族をも倒せるだけの力を持ってるからな。
じきに奴らから仕掛けてくると思っているよ」
「そうですか。
もし行く当てがないのであれば、北西にある極寒の土地『レナルーラ王国』に行ってみてはいかがですか?
「レナルーラ王国?」
「はい。現存している国としての歴史はトワイザランが一番古いとされる国なのですが、レナルーラは貿易が盛んな国で、世界中からあらゆる物品が集まり、古代の書物なども沢山眠っています。
なにか龍神族のことや、ハイエルフ族、ファルファーのことに関して調べられるのではないでしょうか?」
「そうだな。行く当てもないし、そこに向かってみるか」
こうして私達はダンレンを後にし、レナルーラに向けて旅立った。
ダンレンの他の寺には龍神族との戦いによる戦死として報告をし、国中を挙げて壮大な葬儀となった。
私とリガンは葬儀に参列したが、ジークとマオさんは疲れからかずっと寝込んでいた。
その葬儀から更に2日も経つと武僧達は普段通りに修行を始めるようになった。
ジークとマオさんもすっかり回復し、私達もその日にダンレンを旅立つことにした。
荷支度をして寺を去ろうとすると、承黒寺の武僧全員が見送りに来てくれた。
新たな大僧正となったヨウゼンが一歩前に出る。
「ジークさん、マオさん、クリスさん、リガンくん。この度は本当にありがとうございました。
あなた方のお陰で、ダンレンも承黒寺も救われました」
武僧全員が深々と頭を下げる。
「もしあなた方に何かありましたら、我らは全力で協力させてもらいます。あなた方の旅に良き兆しがあるようお祈りしております。」
「ありがとうな。
ヨウゼンもヤオ老師から託された、新たなる拳法の形を実現できるように頑張れよな」
「ありがとうございます。
しかしこれから先に行く当てはあるのですか?結局四龍貴族の居場所も分からなかったわけですし」
「まぁ、適当にブラブラと旅をするさ。
俺たちは奴らにとって放っておけない存在になったはずだ。
かつて自分達を封印した者達の末裔であり、しかも龍神族をも倒せるだけの力を持ってるからな。
じきに奴らから仕掛けてくると思っているよ」
「そうですか。
もし行く当てがないのであれば、北西にある極寒の土地『レナルーラ王国』に行ってみてはいかがですか?
「レナルーラ王国?」
「はい。現存している国としての歴史はトワイザランが一番古いとされる国なのですが、レナルーラは貿易が盛んな国で、世界中からあらゆる物品が集まり、古代の書物なども沢山眠っています。
なにか龍神族のことや、ハイエルフ族、ファルファーのことに関して調べられるのではないでしょうか?」
「そうだな。行く当てもないし、そこに向かってみるか」
こうして私達はダンレンを後にし、レナルーラに向けて旅立った。
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