Bonds〜最強勇者と最強女魔王が異世界からやってきた〜

ひがしの くも

文字の大きさ
上 下
88 / 117
大武闘祭編

準決勝 リガンvsナタク その3

しおりを挟む
勝てる!!

リガンは勢いに乗って猛攻を仕掛ける。
片手の使えなくなったナタクには全ての攻撃を防ぐことは出来ず、リガンの攻撃が次々と決まってゆく。

「調子に乗るなー!!」

ナタクがリガンに向けて、左の拳を頭上から振り下ろす。
しかしリガンはそれを躱し、ナタクの拳は舞台を破壊しながら地面に突き刺さった。

「ナタク。お前はもう僕には勝てない。
降参するんだ!」

「降参?!
勝てる相手に何故降参しなければいけない!?
勝てると言うなら、お前からかかってこい!」

ナタクの挑発にリガンはナタクに向かって行った。
ナタクの懐に入り攻撃をしようとした瞬間、リガンは急に体勢を崩した。

これは……
さっきナタクが地面に放った拳が壊した、武舞台の破片!!
破片に足を取られ、ナタクから意識が外れてしまった。

「目を閉じてたのが仇となったな!」

ナタクがまたも左拳を振り下ろしてきた。
今度は躱すことが出来ず、パンチを顔面に喰らい、地面に叩きつけられた。
ナタクは地面に伏せたリガンを蹴り上げ、宙に浮かせると、強烈な回し蹴りがリガンの腹部にめり込んだ。蹴りを喰らって吹き飛ぶリガンの腕を掴み、引き戻す。

ナタクはせっかく掴んだ好機を逃すつもりはない。

リガンの腹部に膝蹴りを入れるとリガンはそのまま地面に伏せた。

「どうだ小僧…。
やはり勝つのは俺だっただろう」

ナタクは勝利を確信したのか、リガンに背を向け歩き始めた。
審判のカウントが始まる。

負け……たのか?
体中が痛い。
手足がゆうことをきかない。
眠い。このまま目を閉じて眠りたい。

うん。
僕はよくやった。
このまま寝ても、誰も僕を責めはしないだろう。
僕の負……

「リガーーーン!たてぇーー!」

この声は……

「決勝で私と戦うんだろ!!
こんな所で負けるなーー」

クリス……。

そうだ。
僕は決勝でクリスと戦う約束をしたんだ。
クリスが決勝で待ってくれている。

立たなきゃ……。
痺れる手足を何とか動かし、懸命に立ち上がろうとする。
その姿に会場中から大きな声援が送られてきた。

その声援にナタクは足を止め、再びリガンの方を振り返った。

リガンはボロボロになりながらも立ち上がった。
その瞳に宿る闘志の光は少しも衰えていなかった。

この眼差しにナタクは初めて顔を引きつらせた。

「まだ……終わって…ない…ぞ」

「ならば……これで終わりだーー」

ナタクが決死の表情でリガンに襲いかかってきた。

もう体を動かす体力は残ってない。
この1撃が最後だ。
魔力コントロールが難しいと言ってたけど、これに賭けるしかない。

右手に全ての魔力を集中させるんだ。
この拳を!魔力をナタクにねじり込むんだ!

ナタクが間合いに入ってきて、攻撃の体勢に入った。
リガンもそれに合わせて、魔力を集中させた右のパンチを繰り出す。

「くらえーーーー」

激しく拳がぶつかる音がし、そのままの体勢でリガンとナタクは動きを止めていた。

リガンの拳がナタクの腹部に触れている。
しかし、ナタクの拳はリガンの顔に深く決まっていた。

リガンはそのままゆっくりと倒れた。

「勝者、ナタク!!」
さすがにこれ以上の試合の続行は不可能と、審判がすぐさまナタクの勝ち名乗りをあげた。

ごめん。クリス。
勝てなかったよ……。

リガンは一筋の涙を流しながら、意識を失った。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

転移した場所が【ふしぎな果実】で溢れていた件

月風レイ
ファンタジー
 普通の高校2年生の竹中春人は突如、異世界転移を果たした。    そして、異世界転移をした先は、入ることが禁断とされている場所、神の園というところだった。  そんな慣習も知りもしない、春人は神の園を生活圏として、必死に生きていく。  そこでしか成らない『ふしぎな果実』を空腹のあまり口にしてしまう。  そして、それは世界では幻と言われている祝福の果実であった。  食料がない春人はそんなことは知らず、ふしぎな果実を米のように常食として喰らう。  不思議な果実の恩恵によって、規格外に強くなっていくハルトの、異世界冒険大ファンタジー。  大修正中!今週中に修正終え更新していきます!

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜

月風レイ
ファンタジー
 グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。  それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。  と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。  洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。  カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

成長チートと全能神

ハーフ
ファンタジー
居眠り運転の車から20人の命を救った主人公,神代弘樹は実は全能神と魂が一緒だった。人々の命を救った彼は全能神の弟の全智神に成長チートをもらって伯爵の3男として転生する。成長チートと努力と知識と加護で最速で進化し無双する。 戦い、商業、政治、全てで彼は無双する!! ____________________________ 質問、誤字脱字など感想で教えてくださると嬉しいです。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

お願いだから俺に構わないで下さい

大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。 17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。 高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。 本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。 折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。 それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。 これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。 有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…

隣国から有能なやつが次から次へと追放されてくるせいで気づいたらうちの国が大国になっていた件

さそり
ファンタジー
カーマ王国の王太子であるアルス・カーマインは父親である王が亡くなったため、大して興味のない玉座に就くことになる。 これまでと変わらず、ただ国が存続することだけを願うアルスだったが、なぜか周辺国から次々と有能な人材がやってきてしまう。 その結果、カーマ王国はアルスの意思に反して、大国への道を歩んでいくことになる。

魔王が間違って召喚された俺で大丈夫だろうか

藤丸セブン
ファンタジー
万引きを犯した高校生黒瀬悠馬が異世界の魔王となり、仲間と共に悪の勇者を倒していく異世界バトルコメディ!

処理中です...