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大武闘祭編
準決勝 リガンvsナタク その3
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勝てる!!
リガンは勢いに乗って猛攻を仕掛ける。
片手の使えなくなったナタクには全ての攻撃を防ぐことは出来ず、リガンの攻撃が次々と決まってゆく。
「調子に乗るなー!!」
ナタクがリガンに向けて、左の拳を頭上から振り下ろす。
しかしリガンはそれを躱し、ナタクの拳は舞台を破壊しながら地面に突き刺さった。
「ナタク。お前はもう僕には勝てない。
降参するんだ!」
「降参?!
勝てる相手に何故降参しなければいけない!?
勝てると言うなら、お前からかかってこい!」
ナタクの挑発にリガンはナタクに向かって行った。
ナタクの懐に入り攻撃をしようとした瞬間、リガンは急に体勢を崩した。
これは……
さっきナタクが地面に放った拳が壊した、武舞台の破片!!
破片に足を取られ、ナタクから意識が外れてしまった。
「目を閉じてたのが仇となったな!」
ナタクがまたも左拳を振り下ろしてきた。
今度は躱すことが出来ず、パンチを顔面に喰らい、地面に叩きつけられた。
ナタクは地面に伏せたリガンを蹴り上げ、宙に浮かせると、強烈な回し蹴りがリガンの腹部にめり込んだ。蹴りを喰らって吹き飛ぶリガンの腕を掴み、引き戻す。
ナタクはせっかく掴んだ好機を逃すつもりはない。
リガンの腹部に膝蹴りを入れるとリガンはそのまま地面に伏せた。
「どうだ小僧…。
やはり勝つのは俺だっただろう」
ナタクは勝利を確信したのか、リガンに背を向け歩き始めた。
審判のカウントが始まる。
負け……たのか?
体中が痛い。
手足がゆうことをきかない。
眠い。このまま目を閉じて眠りたい。
うん。
僕はよくやった。
このまま寝ても、誰も僕を責めはしないだろう。
僕の負……
「リガーーーン!たてぇーー!」
この声は……
「決勝で私と戦うんだろ!!
こんな所で負けるなーー」
クリス……。
そうだ。
僕は決勝でクリスと戦う約束をしたんだ。
クリスが決勝で待ってくれている。
立たなきゃ……。
痺れる手足を何とか動かし、懸命に立ち上がろうとする。
その姿に会場中から大きな声援が送られてきた。
その声援にナタクは足を止め、再びリガンの方を振り返った。
リガンはボロボロになりながらも立ち上がった。
その瞳に宿る闘志の光は少しも衰えていなかった。
この眼差しにナタクは初めて顔を引きつらせた。
「まだ……終わって…ない…ぞ」
「ならば……これで終わりだーー」
ナタクが決死の表情でリガンに襲いかかってきた。
もう体を動かす体力は残ってない。
この1撃が最後だ。
魔力コントロールが難しいと言ってたけど、これに賭けるしかない。
右手に全ての魔力を集中させるんだ。
この拳を!魔力をナタクにねじり込むんだ!
ナタクが間合いに入ってきて、攻撃の体勢に入った。
リガンもそれに合わせて、魔力を集中させた右のパンチを繰り出す。
「くらえーーーー」
激しく拳がぶつかる音がし、そのままの体勢でリガンとナタクは動きを止めていた。
リガンの拳がナタクの腹部に触れている。
しかし、ナタクの拳はリガンの顔に深く決まっていた。
リガンはそのままゆっくりと倒れた。
「勝者、ナタク!!」
さすがにこれ以上の試合の続行は不可能と、審判がすぐさまナタクの勝ち名乗りをあげた。
ごめん。クリス。
勝てなかったよ……。
リガンは一筋の涙を流しながら、意識を失った。
リガンは勢いに乗って猛攻を仕掛ける。
片手の使えなくなったナタクには全ての攻撃を防ぐことは出来ず、リガンの攻撃が次々と決まってゆく。
「調子に乗るなー!!」
ナタクがリガンに向けて、左の拳を頭上から振り下ろす。
しかしリガンはそれを躱し、ナタクの拳は舞台を破壊しながら地面に突き刺さった。
「ナタク。お前はもう僕には勝てない。
降参するんだ!」
「降参?!
勝てる相手に何故降参しなければいけない!?
勝てると言うなら、お前からかかってこい!」
ナタクの挑発にリガンはナタクに向かって行った。
ナタクの懐に入り攻撃をしようとした瞬間、リガンは急に体勢を崩した。
これは……
さっきナタクが地面に放った拳が壊した、武舞台の破片!!
破片に足を取られ、ナタクから意識が外れてしまった。
「目を閉じてたのが仇となったな!」
ナタクがまたも左拳を振り下ろしてきた。
今度は躱すことが出来ず、パンチを顔面に喰らい、地面に叩きつけられた。
ナタクは地面に伏せたリガンを蹴り上げ、宙に浮かせると、強烈な回し蹴りがリガンの腹部にめり込んだ。蹴りを喰らって吹き飛ぶリガンの腕を掴み、引き戻す。
ナタクはせっかく掴んだ好機を逃すつもりはない。
リガンの腹部に膝蹴りを入れるとリガンはそのまま地面に伏せた。
「どうだ小僧…。
やはり勝つのは俺だっただろう」
ナタクは勝利を確信したのか、リガンに背を向け歩き始めた。
審判のカウントが始まる。
負け……たのか?
体中が痛い。
手足がゆうことをきかない。
眠い。このまま目を閉じて眠りたい。
うん。
僕はよくやった。
このまま寝ても、誰も僕を責めはしないだろう。
僕の負……
「リガーーーン!たてぇーー!」
この声は……
「決勝で私と戦うんだろ!!
こんな所で負けるなーー」
クリス……。
そうだ。
僕は決勝でクリスと戦う約束をしたんだ。
クリスが決勝で待ってくれている。
立たなきゃ……。
痺れる手足を何とか動かし、懸命に立ち上がろうとする。
その姿に会場中から大きな声援が送られてきた。
その声援にナタクは足を止め、再びリガンの方を振り返った。
リガンはボロボロになりながらも立ち上がった。
その瞳に宿る闘志の光は少しも衰えていなかった。
この眼差しにナタクは初めて顔を引きつらせた。
「まだ……終わって…ない…ぞ」
「ならば……これで終わりだーー」
ナタクが決死の表情でリガンに襲いかかってきた。
もう体を動かす体力は残ってない。
この1撃が最後だ。
魔力コントロールが難しいと言ってたけど、これに賭けるしかない。
右手に全ての魔力を集中させるんだ。
この拳を!魔力をナタクにねじり込むんだ!
ナタクが間合いに入ってきて、攻撃の体勢に入った。
リガンもそれに合わせて、魔力を集中させた右のパンチを繰り出す。
「くらえーーーー」
激しく拳がぶつかる音がし、そのままの体勢でリガンとナタクは動きを止めていた。
リガンの拳がナタクの腹部に触れている。
しかし、ナタクの拳はリガンの顔に深く決まっていた。
リガンはそのままゆっくりと倒れた。
「勝者、ナタク!!」
さすがにこれ以上の試合の続行は不可能と、審判がすぐさまナタクの勝ち名乗りをあげた。
ごめん。クリス。
勝てなかったよ……。
リガンは一筋の涙を流しながら、意識を失った。
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