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拳法の国 ダンレン
剣の手がかり
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クリス達は新たな武器を携えて、武事山の樹海を出た。
最近様子のおかしかったマオさんも元の調子に戻ったし、こんなに素晴らしい武器も手に入った。
クリスは何度も妖刀 水鏡をチラチラと見た。
魔法は覚えたが、まだ魔法増幅や魔法伝導を使ったことはない。
一体どれ程の力が自分にはあるのだろう!
不謹慎かもしれないが、次に戦うのが楽しみに思えた。
樹海から出るとすぐにマオさんの持っている携帯電話が鳴った。
マオさんはカバンから携帯を取り出し電話に出た。
「もしもし」
「お久しぶりです。ブァルファーレのグレンです!」
マオさんは携帯をスピーカーモードにしてくれたのでグレンの声は私達にも聞こえてきた。
「久しぶりね。どうしたの?」
「ようやくお二人の剣の手掛かりが手に入ったんです!」
「本当!?」
マオさんとジークが同時に声をあげた。
「はい。本当はもっと早く伝えたかったのですが、ここ数日毎日電話を掛けていたのですが、繋がらなくて…」
きっと武事山の樹海の魔力が電話の魔力を途切れさせていたのだろう。
「そうだったの。ごめんなさい。
で私達の剣はどこに?」
「それが……」
「なに?」
「新たに復活した龍神族の1人が持っているとの噂が…」
「なんだって…!?」
やっかいな名前が出てきた。
「しかもそいつは龍神族の武人の中でも最高位といわれる『四龍貴族【しりゅうきぞく】』の1人なんです」
「四龍貴族??」
「はい。古代の文献によると、龍神族の中にも階級があるようです。
龍神族はより神に近く、より強い者ほど階級が高くなるようです。
当然、一族の王と王妃が1番の実力者。
その力は神獣すらも従える程の魔力があるとか。
その次が王と王妃の補佐役である、『皇星将』と呼ばれる階級の物です。
その『皇星将』の下の階級が『四龍貴族』です。皇星将は実力は四龍貴族より上ですが、政を司る仕事の方が多く、実際に王を守る直属の武人はこの『四龍貴族』と呼ばれる4人なのです。
四龍貴族はそれぞれが1200年前の大戦にて、1人で大国を滅ぼしたという伝説を持っているようです」
グレンはマオさんとジークに分かるよう丁寧に説明をしてくれた。
「なんかやっかいそうな奴が出てきたな」
ジークが人ごとのように言った。
「ジークさん!!やっかいなんてレベルじゃないですよ!
四龍貴族といえば、こっちの世界では歴史の教科書に出てくるぐらい有名な武人なんですよ!」
「そうなのか?まぁ実物を見てみないと、どれぐらい凄いかはわからないな。
で、そいつは何処にいるんだ?」
「それはまだ分かっていないんです。
龍神族に襲われた街の人から、四龍貴族が1人復活したということと、その四龍貴族がマオさんの剣と同じ特徴の剣を持っていたという情報しか…」
「そうか……。じゃあ魔王剣は諦めて、覇王剣を探そう!!」
ジークが真顔で言った瞬間に、マオさんがジークの頭を叩いた。
「ジーク!私の剣が悪事に利用されてるのかもしれないのよ!?」
「確かにそうかもしれないけど、龍神族と戦うのはちょっとめんどくさいからなぁ」
「でも現状は、全く情報のない貴方の覇王剣より、龍神族の居場所を探して戦って魔王剣を取り返す方が早そうよ?」
「まぁ。そうだな」
その後私達は話し合いをして、龍神族を探して本拠地まで尾行するか、無理矢理場所を聞き出そうということになった。
ジークはもしその旅の途中で龍神族を見つけるより先に覇王剣の情報が入ったら、覇王剣を探すという条件を提示してきた。
私達はM&Sの本社に行き、ユウナに状況を説明し、トシキと別れ、旅を再開することにした。
私達はグレンの情報から、龍神族に最後に襲われた『ダンレン』という国に向かう事にした。
最近様子のおかしかったマオさんも元の調子に戻ったし、こんなに素晴らしい武器も手に入った。
クリスは何度も妖刀 水鏡をチラチラと見た。
魔法は覚えたが、まだ魔法増幅や魔法伝導を使ったことはない。
一体どれ程の力が自分にはあるのだろう!
不謹慎かもしれないが、次に戦うのが楽しみに思えた。
樹海から出るとすぐにマオさんの持っている携帯電話が鳴った。
マオさんはカバンから携帯を取り出し電話に出た。
「もしもし」
「お久しぶりです。ブァルファーレのグレンです!」
マオさんは携帯をスピーカーモードにしてくれたのでグレンの声は私達にも聞こえてきた。
「久しぶりね。どうしたの?」
「ようやくお二人の剣の手掛かりが手に入ったんです!」
「本当!?」
マオさんとジークが同時に声をあげた。
「はい。本当はもっと早く伝えたかったのですが、ここ数日毎日電話を掛けていたのですが、繋がらなくて…」
きっと武事山の樹海の魔力が電話の魔力を途切れさせていたのだろう。
「そうだったの。ごめんなさい。
で私達の剣はどこに?」
「それが……」
「なに?」
「新たに復活した龍神族の1人が持っているとの噂が…」
「なんだって…!?」
やっかいな名前が出てきた。
「しかもそいつは龍神族の武人の中でも最高位といわれる『四龍貴族【しりゅうきぞく】』の1人なんです」
「四龍貴族??」
「はい。古代の文献によると、龍神族の中にも階級があるようです。
龍神族はより神に近く、より強い者ほど階級が高くなるようです。
当然、一族の王と王妃が1番の実力者。
その力は神獣すらも従える程の魔力があるとか。
その次が王と王妃の補佐役である、『皇星将』と呼ばれる階級の物です。
その『皇星将』の下の階級が『四龍貴族』です。皇星将は実力は四龍貴族より上ですが、政を司る仕事の方が多く、実際に王を守る直属の武人はこの『四龍貴族』と呼ばれる4人なのです。
四龍貴族はそれぞれが1200年前の大戦にて、1人で大国を滅ぼしたという伝説を持っているようです」
グレンはマオさんとジークに分かるよう丁寧に説明をしてくれた。
「なんかやっかいそうな奴が出てきたな」
ジークが人ごとのように言った。
「ジークさん!!やっかいなんてレベルじゃないですよ!
四龍貴族といえば、こっちの世界では歴史の教科書に出てくるぐらい有名な武人なんですよ!」
「そうなのか?まぁ実物を見てみないと、どれぐらい凄いかはわからないな。
で、そいつは何処にいるんだ?」
「それはまだ分かっていないんです。
龍神族に襲われた街の人から、四龍貴族が1人復活したということと、その四龍貴族がマオさんの剣と同じ特徴の剣を持っていたという情報しか…」
「そうか……。じゃあ魔王剣は諦めて、覇王剣を探そう!!」
ジークが真顔で言った瞬間に、マオさんがジークの頭を叩いた。
「ジーク!私の剣が悪事に利用されてるのかもしれないのよ!?」
「確かにそうかもしれないけど、龍神族と戦うのはちょっとめんどくさいからなぁ」
「でも現状は、全く情報のない貴方の覇王剣より、龍神族の居場所を探して戦って魔王剣を取り返す方が早そうよ?」
「まぁ。そうだな」
その後私達は話し合いをして、龍神族を探して本拠地まで尾行するか、無理矢理場所を聞き出そうということになった。
ジークはもしその旅の途中で龍神族を見つけるより先に覇王剣の情報が入ったら、覇王剣を探すという条件を提示してきた。
私達はM&Sの本社に行き、ユウナに状況を説明し、トシキと別れ、旅を再開することにした。
私達はグレンの情報から、龍神族に最後に襲われた『ダンレン』という国に向かう事にした。
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