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リガンの大冒険
リガン、クリス覚醒!!
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アレフ族との決闘の方式は3人対3人のバトルロイヤル。
アレフ族は種族の中でも最も強いと言われている、バンギャス、スプラト、トリスの3名を代表に出してきた。
広場の周りには多くのアレフ族が戦いを観に来ていた。
「それではこれより、決闘を始める。
用意はいいか?」
リンダの掛け声に、僕たちとアレフの戦士達は頷いた。
「よろしい。それでは始め!!」
掛け声と同時に6名は同時に飛び出した。
僕はリーダー格のバンギャスの相手をした。
薙刀を振るい、先手を取ろうとするが、バンギャスは僕の攻撃を簡単にいなす。
「ぐははは。小僧。ベビーリカントにしてはやるじゃねぇか。
だが、超えられない種族の壁ってもんがあるんだよ」
バンギャスは持っていた大型の剣を振るった。
頭上からの攻撃を薙刀で受け止める。
くっ…重い!!
その威力は凄まじく。僕の足は数センチ地面へとめり込んだ。
次の攻撃に備えようと、横っ飛びをしてその場を離れると、逃げた先にはトリスが待ち構えており、リガンはトリスの強烈なパンチを喰らった。
くっ。トリスの相手はリリーさんがしていたはずじゃ?
リリーの方を見ると、既に戦闘不能となって地面に伏していた。
さすがにリリーさんじゃ、アレフ族の相手はきつかったか。
クリスもスプラトと戦っているが、スプラトの方が一枚上手なのか、かなりのダメージを負っていた。
強い…。
これがリカント最強の種族の力か…
1対1でも敵いそうにない相手なのに、2対3の状況になってしまった。
リガンとクリスはマオとの修行で使った連携なども試すが、アレフの戦士達には全く通用せず、一方的に攻撃を食らっていた。
このままじゃ勝てない……。
「ほほほほほ。所詮はベビーリカントの力なんかそんな物なのよ。生まれつき我らには敵わない宿命なのよ」
リンダは高笑いした。
悔しい。
何か言い返してやりたいけど、手も足も出ないのも本当のことだ。
僕は所詮はベビーリカント。
超えられない壁があるのか……?
だけど僕は諦めたくない。
だって僕は……
「僕は最強のモンスターになるんだ!!」
「よく言ったな」
洞窟の入り口の方から声がした。
この声は……
「2人してこんなとこで何やってんだよ」
ジークさんとマオさんが立っていた。
「なんだ貴様らは!?」
リンダがジーク達に向かって怒鳴った。
「そいつらの保護者みたいなもんだ」
「保護者だと?
神聖な決闘の邪魔をするつもりか?」
「決闘?!
一方的にやられてるから弱いものいじめかと思ったわ」
ジークはケラケラと笑った。
「ジークさん。
これは僕達から申し出た決闘なんです。
申し訳ないですが、手出しはしないでください」
「そういうことじゃ。」
リンダがニヤリと笑った。
「おぉー。弱いくせに一丁前に決闘なんか申し込むようになったのか?」
ジークはまたケラケラと笑った。
本当にこの人は…性格が悪い。
そうは言ったものの、僕とクリスでは全く手も足も出ない。
今までに2人で編み出した連携も全て試した…。
僕とクリスはジークさん達の前で一方的にやられた。
けど、僕とクリスは何度倒されても立ち上がった。
「ほほほほ。そこの人間達よ。手を出したければ出してもよいのだぞ?
その代わり手を出せば我らアレフ族全てを敵に回すことになるがな」
「あ?別にお前らごとき敵に回しても、マオちゃんがその気になれば一瞬で消しされるぞ!?
まぁ手出しはしないけどな」
「なんだと??
強がっていても、本当は怖いだけなのじゃろう?
仲間がこんなにも痛ぶられているのに助けることも出来ぬとは。腰抜けめ」
「ふん。俺たちが手を出さないのは、そいつら2人だけで充分だからだよ」
ジークはリンダの言葉を鼻で笑った。
ジークさんはそう言ってくれたけど、はっきりいって勝ち目が全く見えない。
僕とクリスはどんどんダメージを蓄積していった。
時折うちらも武器を振るうが、虚しく空を切る。
武器を振るうスピードもパワーも格段に落ちてきていた。
「さすがにそろそろまずいか」
ジークが呟いた。
「おい。クリス、リガン。腕輪外していいぞ」
ジークが叫んだ。
腕輪……
そうか。修行を始めた日に付けられた呪いの腕輪。
ジークはそれを付けさせる時に言ってた。
これを外す時には大いなる力が身についていると!
僕とクリスはすぐに腕輪を外した。
一体どれ程の力が…?
腕輪を外すと体が少し軽くなった気がした。
まだ…戦える!
僕は再び武器を持つ手に力を込め、バンギャスへと向かって行った。
しかし…
「なんだ?その腕輪を外してもたいして変わりないじゃないか!?
この決闘が始まった時の方がまだマシな動きをしてたぞ?」
バンギャスは僕の攻撃を軽々受け止めた。
確かにスピードとパワーはほんの少し上がったかもしれない。
だけど、ここまでの戦いでダメージを受けすぎていた。
「ジーク……!
腕輪外しても全然強くなってないじゃないですか!」
隣で戦っているクリスが叫んだ。
「そんな腕輪一つでスピードやパワーが驚異的に上がるわけないだろ!」
ジークはそう言うとケラケラと笑った。
それもそうだ……。
結局ジークさんは僕らをからかっていただけなんだ…。
いや。ジークさんはそんな人じゃない。
見るに見兼ねたマオさんが、ジークに思い切りゲンコツをした。
「ジーク。いい加減にしなさい。
ちゃんとあの2人に力の使い方を教えてあげなさい」
マオさんがジークに激怒した。
「はい。ごめんなさい」
ジークは怒られた子供のようにしゅんとした。
「クリス、リガン。手に火をイメージしろ!」
「ひ?」
僕とクリスの言葉がハモった。
「そうだ。お前らは魔法耐性を身につける修行で何度もその手で色んな魔法を受けてきた。
その手に受けた時の火の温度、形、音、匂い全てをイメージしろ!」
僕は言われるがままに、手のひらに火のイメージを集中した。
すると、僕の手のひらに大きな火球が出現した。
「これは!!!?」
「魔法だよ!」
ジークはニヤリと笑った。
「その火球を相手に投げてみろ」
ジークの言われた通りに火球を投げた。
バンギャスはそれをあっさりと躱したが、急に魔法を使ってきたことに驚いた表情をしている。
凄い!これが魔法?!
氷をイメージすれば氷の魔法が出てきて
雷をイメージすれば雷の魔法が使える。
リガンはクリスと目を合わせ頷いた。
魔法が使えるようになったことで、戦術が一気に広がった。
中距離から、魔法で相手の動きを惑わし、隙を作って攻撃をした。
クリスと多少離れてしまっても、魔法で援護も出来る。
僕はバンギャスと離れた場所から、雷の魔法を連射してバンギャスの隙が出来るのを伺った。バンギャスに集中をしていると、いつの間にか背後にはトリスが立っていた。
トリスは僕に攻撃をしようとするが、離れた場所にいるクリスが魔法攻撃でトリスを威嚇し、僕への攻撃を防いだ。
僕に一瞬気を取られた隙に、スプラトがクリスに襲いかかる。
今度は僕が魔法を放ち、スプラトの動きを止めた。
「初めての魔法にしちゃ、なかなか様になった使い方をしてるな。戦術も悪くない。
日頃からうちらの戦い方を見てきた賜物だな」
ジークはうんうんと頷きながら言った。
魔法を使える様になって、戦局は一変した。
しかしそれでも3対2の状況は厳しく、僕達は決定打を決めれずにいた。
「クリス、リガン。次のステップだ。
何度か魔法を使って、魔力が体から発せられる感覚が少し分かってきただろ?
その魔力を自分の体全体に巡らせるイメージをしろ!」
魔力が体から発せられる感覚。
確かに魔法が発動するとき、見えるか見えないか程の薄っすらとした温かな光が手を包んでいた。
それを体内に留めて、体全体に行き渡る様にイメージをした。
すると周りの光景に変化が訪れた。
さっきまで見切れなかったバンギャスの動きが遅く見える。
僕はバンギャスの動きを軽々躱し、それを上回るスピードでバンギャスに薙刀の一撃を喰らわせた。
攻撃を受けたバンギャスは吹き飛ばされ、凄い勢いで洞窟内の壁に激突した。
これは一体!!?
「それは身体能力強化魔法だ。
スピード、パワー、動体視力が格段に増す。
俺やマオちゃん、サムライのトシキは戦う時にいつもこれを使っている」
凄い。
バンギャスと武器で力比べをしても、力負けしない。
そこからの決闘は一方的だった。
僕とクリスは魔法を駆使して、相手を撹乱し、身体能力強化されたスピードで武器の射程圏内に入り、次々と攻撃を重ねた。
バンギャス、スプラト、トリスを難なくやっつけてしまった。
「くっ……。そこまで…」
信じられないという表情をしながらリンダが決闘の終わりを告げた。
「約束じゃ。わらわの血液を分けてやる。
そのブォルフの女が目覚めたら、私の屋敷へ来るがよい」
リンダは広場を後にした。
「おい!!」
背後から急に声がしたのでビックリして振り返ると、そこにはバンギャスが立っていた。
「は…はい」
「お前すげーな。ベビーリカントのくせにどんな修行をしてきたんだ!?」
「ははは。あそこに立ってる人達は僕なんか足元に及ばないぐらい強くて、あの人達にいつも しごかれてるんだ」
「ほー。あいつらがそんなに強いのか?」
「うん。あの人達と一緒にいれば、いつか僕は本当に最強のモンスターになれるって信じられる程にね」
「最強のモンスター…か。
さっきは笑っちまって済まなかったな。
詫びといってはなんだが、そのブォルフの女が目覚めるまでうちで休むといい!
俺はお前達のこと気に入ったぞ!」
バンギャスはとても爽快な人だった。
きっと強さが全てのアレフ族にとって、強い者は尊敬の対象なのだろう。
僕達はお言葉に甘えてバンギャスの家で休ませてもらうことにした。
アレフ族は種族の中でも最も強いと言われている、バンギャス、スプラト、トリスの3名を代表に出してきた。
広場の周りには多くのアレフ族が戦いを観に来ていた。
「それではこれより、決闘を始める。
用意はいいか?」
リンダの掛け声に、僕たちとアレフの戦士達は頷いた。
「よろしい。それでは始め!!」
掛け声と同時に6名は同時に飛び出した。
僕はリーダー格のバンギャスの相手をした。
薙刀を振るい、先手を取ろうとするが、バンギャスは僕の攻撃を簡単にいなす。
「ぐははは。小僧。ベビーリカントにしてはやるじゃねぇか。
だが、超えられない種族の壁ってもんがあるんだよ」
バンギャスは持っていた大型の剣を振るった。
頭上からの攻撃を薙刀で受け止める。
くっ…重い!!
その威力は凄まじく。僕の足は数センチ地面へとめり込んだ。
次の攻撃に備えようと、横っ飛びをしてその場を離れると、逃げた先にはトリスが待ち構えており、リガンはトリスの強烈なパンチを喰らった。
くっ。トリスの相手はリリーさんがしていたはずじゃ?
リリーの方を見ると、既に戦闘不能となって地面に伏していた。
さすがにリリーさんじゃ、アレフ族の相手はきつかったか。
クリスもスプラトと戦っているが、スプラトの方が一枚上手なのか、かなりのダメージを負っていた。
強い…。
これがリカント最強の種族の力か…
1対1でも敵いそうにない相手なのに、2対3の状況になってしまった。
リガンとクリスはマオとの修行で使った連携なども試すが、アレフの戦士達には全く通用せず、一方的に攻撃を食らっていた。
このままじゃ勝てない……。
「ほほほほほ。所詮はベビーリカントの力なんかそんな物なのよ。生まれつき我らには敵わない宿命なのよ」
リンダは高笑いした。
悔しい。
何か言い返してやりたいけど、手も足も出ないのも本当のことだ。
僕は所詮はベビーリカント。
超えられない壁があるのか……?
だけど僕は諦めたくない。
だって僕は……
「僕は最強のモンスターになるんだ!!」
「よく言ったな」
洞窟の入り口の方から声がした。
この声は……
「2人してこんなとこで何やってんだよ」
ジークさんとマオさんが立っていた。
「なんだ貴様らは!?」
リンダがジーク達に向かって怒鳴った。
「そいつらの保護者みたいなもんだ」
「保護者だと?
神聖な決闘の邪魔をするつもりか?」
「決闘?!
一方的にやられてるから弱いものいじめかと思ったわ」
ジークはケラケラと笑った。
「ジークさん。
これは僕達から申し出た決闘なんです。
申し訳ないですが、手出しはしないでください」
「そういうことじゃ。」
リンダがニヤリと笑った。
「おぉー。弱いくせに一丁前に決闘なんか申し込むようになったのか?」
ジークはまたケラケラと笑った。
本当にこの人は…性格が悪い。
そうは言ったものの、僕とクリスでは全く手も足も出ない。
今までに2人で編み出した連携も全て試した…。
僕とクリスはジークさん達の前で一方的にやられた。
けど、僕とクリスは何度倒されても立ち上がった。
「ほほほほ。そこの人間達よ。手を出したければ出してもよいのだぞ?
その代わり手を出せば我らアレフ族全てを敵に回すことになるがな」
「あ?別にお前らごとき敵に回しても、マオちゃんがその気になれば一瞬で消しされるぞ!?
まぁ手出しはしないけどな」
「なんだと??
強がっていても、本当は怖いだけなのじゃろう?
仲間がこんなにも痛ぶられているのに助けることも出来ぬとは。腰抜けめ」
「ふん。俺たちが手を出さないのは、そいつら2人だけで充分だからだよ」
ジークはリンダの言葉を鼻で笑った。
ジークさんはそう言ってくれたけど、はっきりいって勝ち目が全く見えない。
僕とクリスはどんどんダメージを蓄積していった。
時折うちらも武器を振るうが、虚しく空を切る。
武器を振るうスピードもパワーも格段に落ちてきていた。
「さすがにそろそろまずいか」
ジークが呟いた。
「おい。クリス、リガン。腕輪外していいぞ」
ジークが叫んだ。
腕輪……
そうか。修行を始めた日に付けられた呪いの腕輪。
ジークはそれを付けさせる時に言ってた。
これを外す時には大いなる力が身についていると!
僕とクリスはすぐに腕輪を外した。
一体どれ程の力が…?
腕輪を外すと体が少し軽くなった気がした。
まだ…戦える!
僕は再び武器を持つ手に力を込め、バンギャスへと向かって行った。
しかし…
「なんだ?その腕輪を外してもたいして変わりないじゃないか!?
この決闘が始まった時の方がまだマシな動きをしてたぞ?」
バンギャスは僕の攻撃を軽々受け止めた。
確かにスピードとパワーはほんの少し上がったかもしれない。
だけど、ここまでの戦いでダメージを受けすぎていた。
「ジーク……!
腕輪外しても全然強くなってないじゃないですか!」
隣で戦っているクリスが叫んだ。
「そんな腕輪一つでスピードやパワーが驚異的に上がるわけないだろ!」
ジークはそう言うとケラケラと笑った。
それもそうだ……。
結局ジークさんは僕らをからかっていただけなんだ…。
いや。ジークさんはそんな人じゃない。
見るに見兼ねたマオさんが、ジークに思い切りゲンコツをした。
「ジーク。いい加減にしなさい。
ちゃんとあの2人に力の使い方を教えてあげなさい」
マオさんがジークに激怒した。
「はい。ごめんなさい」
ジークは怒られた子供のようにしゅんとした。
「クリス、リガン。手に火をイメージしろ!」
「ひ?」
僕とクリスの言葉がハモった。
「そうだ。お前らは魔法耐性を身につける修行で何度もその手で色んな魔法を受けてきた。
その手に受けた時の火の温度、形、音、匂い全てをイメージしろ!」
僕は言われるがままに、手のひらに火のイメージを集中した。
すると、僕の手のひらに大きな火球が出現した。
「これは!!!?」
「魔法だよ!」
ジークはニヤリと笑った。
「その火球を相手に投げてみろ」
ジークの言われた通りに火球を投げた。
バンギャスはそれをあっさりと躱したが、急に魔法を使ってきたことに驚いた表情をしている。
凄い!これが魔法?!
氷をイメージすれば氷の魔法が出てきて
雷をイメージすれば雷の魔法が使える。
リガンはクリスと目を合わせ頷いた。
魔法が使えるようになったことで、戦術が一気に広がった。
中距離から、魔法で相手の動きを惑わし、隙を作って攻撃をした。
クリスと多少離れてしまっても、魔法で援護も出来る。
僕はバンギャスと離れた場所から、雷の魔法を連射してバンギャスの隙が出来るのを伺った。バンギャスに集中をしていると、いつの間にか背後にはトリスが立っていた。
トリスは僕に攻撃をしようとするが、離れた場所にいるクリスが魔法攻撃でトリスを威嚇し、僕への攻撃を防いだ。
僕に一瞬気を取られた隙に、スプラトがクリスに襲いかかる。
今度は僕が魔法を放ち、スプラトの動きを止めた。
「初めての魔法にしちゃ、なかなか様になった使い方をしてるな。戦術も悪くない。
日頃からうちらの戦い方を見てきた賜物だな」
ジークはうんうんと頷きながら言った。
魔法を使える様になって、戦局は一変した。
しかしそれでも3対2の状況は厳しく、僕達は決定打を決めれずにいた。
「クリス、リガン。次のステップだ。
何度か魔法を使って、魔力が体から発せられる感覚が少し分かってきただろ?
その魔力を自分の体全体に巡らせるイメージをしろ!」
魔力が体から発せられる感覚。
確かに魔法が発動するとき、見えるか見えないか程の薄っすらとした温かな光が手を包んでいた。
それを体内に留めて、体全体に行き渡る様にイメージをした。
すると周りの光景に変化が訪れた。
さっきまで見切れなかったバンギャスの動きが遅く見える。
僕はバンギャスの動きを軽々躱し、それを上回るスピードでバンギャスに薙刀の一撃を喰らわせた。
攻撃を受けたバンギャスは吹き飛ばされ、凄い勢いで洞窟内の壁に激突した。
これは一体!!?
「それは身体能力強化魔法だ。
スピード、パワー、動体視力が格段に増す。
俺やマオちゃん、サムライのトシキは戦う時にいつもこれを使っている」
凄い。
バンギャスと武器で力比べをしても、力負けしない。
そこからの決闘は一方的だった。
僕とクリスは魔法を駆使して、相手を撹乱し、身体能力強化されたスピードで武器の射程圏内に入り、次々と攻撃を重ねた。
バンギャス、スプラト、トリスを難なくやっつけてしまった。
「くっ……。そこまで…」
信じられないという表情をしながらリンダが決闘の終わりを告げた。
「約束じゃ。わらわの血液を分けてやる。
そのブォルフの女が目覚めたら、私の屋敷へ来るがよい」
リンダは広場を後にした。
「おい!!」
背後から急に声がしたのでビックリして振り返ると、そこにはバンギャスが立っていた。
「は…はい」
「お前すげーな。ベビーリカントのくせにどんな修行をしてきたんだ!?」
「ははは。あそこに立ってる人達は僕なんか足元に及ばないぐらい強くて、あの人達にいつも しごかれてるんだ」
「ほー。あいつらがそんなに強いのか?」
「うん。あの人達と一緒にいれば、いつか僕は本当に最強のモンスターになれるって信じられる程にね」
「最強のモンスター…か。
さっきは笑っちまって済まなかったな。
詫びといってはなんだが、そのブォルフの女が目覚めるまでうちで休むといい!
俺はお前達のこと気に入ったぞ!」
バンギャスはとても爽快な人だった。
きっと強さが全てのアレフ族にとって、強い者は尊敬の対象なのだろう。
僕達はお言葉に甘えてバンギャスの家で休ませてもらうことにした。
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