Bonds〜最強勇者と最強女魔王が異世界からやってきた〜

ひがしの くも

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トワイザラン〜トゥラン山

ルクスブルグの村

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私達はブァルファーレで豪華な馬車を貰い、その後の旅は快適だった。

数日後
私達はとある森の中に来ていた。

ここはパルさん達ルクス族が新しく村を作ると事前に教えてくれていた場所だ。

ルクスの村の再建は順調なようで、既に木造の家が何件か建っていた。

「ジークー!」
村を歩いていると私達を呼ぶ声が聞こえた。
この元気な声はプルさんの声だ。
プルさんは駆け足で私達の元に来た。

「来てくれたんだね!」

「あぁ。少し様子を見にな。再建も順調そうで安心した。またすぐに旅立つつもりだ」

「そっか。旅立つ前にパル達にも会っていってよ」

そう言われ、パル達の住む家に案内された。

家の中にはパルとポル、ライラがいた。

「ジークさん、マオさん!皆さんお久しぶりです」
パルが笑顔で迎え入れてくれた。

「再建は思った以上に順調そうね!」
マオさんが言う。

「はい。実はここに来る前に、ライラさんのアーブルグ族の集落に行きまして、ライラさんがアーブルグの戦士達を連れて来たんです。
その人達の助けもあって、再建が思ったよりも早く進んでいるんです」
パルが言うと、ライラは少し照れ臭そうにした。

「アーブルグの人達も一緒暮らすようになって、この村も『ルクスブルグ』って名前にする予定なんだよ」
プルが無邪気な笑顔で言った。

「ルクスブルグか!いい名前ね。
それにしても、よくアーブルグ族は龍神族の支配から抜けられたわね。
後を追われたりとかしてないの?」
マオさんが尋ねた。

「きっと見つかったら、ただじゃ済まないでしょうね。
でも龍神族はそんなことよりも、もっと大事なことの為に動いているみたいで、私達アーブルグ族の裏切りなんかの為に時間を割いてる場合じゃなさそうなのよ。
だから今の所は追っ手の心配はなさそうよ」

「そうか。仲間の復活か」

私達はジャカンで起こったこと、ションさんから教えてもらった、龍神族の目的を話した。

「あなた達、龍神族を倒したんですか!?」
パルもライラも目を丸くした。

「えぇ。ちなみにいま私の肩に乗っている黒豚が、あなた達の村を破壊した張本人よ」

「こいつが……!?」
パルは歯を切りっと食いしばり黒豚のリーナを睨んだ。

「復讐したい?あなた達にはその権利はあるわ」
マオさんが聞いた。

「いえ。やめておきます。
こいつもこんな姿になっては何も出来ないでしょう。
神に近いと思っていたのに、黒豚として過ごさなければならない屈辱をずっと味わって生きるといいわ」
パル達はくすりと笑った。

「それにしても龍神族がまだそんなにたくさん封印されていたとは…。」
龍神族の恐ろしさを知っているライラは青ざめた表情をした。

「確かにあのレベルの奴らが何百もいたら、さすがに俺とマオちゃんがいたとしても厳しいな。」
厳しい!
ということは勝てる算段もあるということか!
しかし2人は元の世界に戻る方法がわかったら帰ってしまう……。
不安が全員に走った。

「まぁ、ジャカンのトシキやトワイザランのサラン、ブァルファーレのグレンのように、この世界にも強いやつは沢山いる。
全員が力を合わせてちゃんと戦いに備えて、龍神族の封印も阻止すればなんとかなるだろう」
ジークはみんなの不安を消すよう笑った。
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