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科学技術都市ジャカン
ジャカンはいい国一度はおいで
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長い船旅も終わり、ようやくジャカンにたどり着いた。
船はタテハマという港街に着いた。
タテハマは大型の客船が多く港に泊まっており、街は多くの人で賑わっていた。
私達は何かジーク達が元の世界に帰る手掛かりはないかと、街の人などに話を聞いたりして情報収集をした。
しばらく街を回ったが、この街はとても面白い。
パルに聞いたとおり、科学技術が進んでいる。魔力を活用して遠方の人に立体映像を送るテレビというもの、遠くの人と会話ができる電話という機械や、車と呼ばれる鋼鉄で出来た馬車のような乗り物。
まだ作れる技師が少なく、ジャカンの中でも少ししか出回っていない超高級品らしいが、これらの技術は間違いなく世界一だろう。
初めて見るのもばかりで、私達4人は途中目的を忘れて観光を楽しんでいたほどだ。
全員が子供のようにはしゃいでいた。
特にこの国の素晴らしい所は、食べ物が美味しい。海に囲まれた島国で魚が豊富に採れ、海のミネラルを多く含んだ土壌や山から取れる野菜も格別に美味しかった。
中でも寿司と呼ばれる薄く切った生魚を握った米の上に乗せた食べ物は忘れられない程の美味しさだった。
それ以外にもジャカンは他の国とは明らかに異なる文化、生活水準を有していた。
ジャカンに着いたその日にはめぼしい情報は得られず、私達は『旅館』と呼ばれる温泉付きの宿屋に泊まった。
この国は温泉資源も豊かで数多くの温泉宿泊施設がある、世界でもトップクラスの温泉大国だと女将さんと呼ばれる女性が自慢げに話していた。
翌日になり私達はまた街に出て情報収集を始めた。
しばらく街で色んな人の話を聞いていると、私達は電話や車という技術を発案したという、ションという人物の情報を手に入れた。
早速 私達はそのションという人物に会いにいくことにした。
ションに会うのは困難を極めた。
ションさんはこれだけの技術を発案し、実現した世界一とも言える科学技術者だ。
ジャカンの技術者と魔法科学者を1000人集めた『M &S』という会社の会長をしているらしく、その生活は多忙を極め、分単位でのスケジュールで動いているために時間がなかなか取れない。
何度も面会の申し入れをしたが、会社の受付で断られた。
それでも私達は諦めずに何度も面会の申し出をし、ようやく面会の許可がおりた。
だが不審者を会わせるわけにはいかないと、面会の為のセキュリティーチェックは念入りに行われた。
私達は2日後の午後に13分だけ面会の約束を取り付けることができた。
2日後。
私達はションさんが会長を務めている『M&S』という会社の応接室で面会が行われた。
私達が応接室で待っていると、恰幅の良い50代の男性と若い女性が入ってきた。
「初めまして。ワシはこのM&Sで会長を務めている、ション・ミウラと申します。
今日はどういったご用件で?」
面会の時間は限られている。
私達は完結に要件を伝えた。
「異世界に人を転送する方法ですか…?
残念ながら、今の私達にはそれだけの知識と技術はないです。
今から研究を始めたとしても、何年、何十年かかるかわからない。
そもそもそんなことが可能なのかも…」
ションさんの言葉に私達はがっくりとした。
それはそうだ。
そんな技術があれば既に私達の世界とジークの住む世界はとっくに繋がっているはずだ。
しばらく重い沈黙が続くと、秘書の女性が口を開いた。
「あの……ユウナさんなら何か知ってないですかね??」
「ユウナくんか…。
確かにあのコなら、何か手伝えることもあるかもしれんが、今は時期が時期だからのう。素直に協力してくれるとは思えんが…」
ションさんが眉間に皺を寄せた。
「あの……。
そのユウナさんというのは…?」
私が問いかけた。
「天才…じゃよ。ワシを遥かに上回るね。
まだ18歳の若い女の子じゃ。
彼女の父の『ムラサメ コウスケ』はワシと共にこのM&Sを立ち上げた優秀な科学技術者でな。
父のコウスケを追い出し、私が1人でここまでの地位に就いたと、彼女はワシ達をとても恨んでおる。
ワシ達のことを見返してやろうと、人里離れた山奥で1人研究に明け暮れておるよ」
「会長!!追い出したなんて……」
秘書が声を荒げる。
「まぁまぁ。事実はどうあれ結果は私が今は1人でこの会社を仕切っておることに変わりはない。
お客人たちよ。あのコは今は自分の研究に手一杯じゃ。行っても無駄かもしれんよ?」
「んー。まぁどっちにしろ手掛かりは無いわけだし、ダメ元で会いに行ってみるか」
ジークが言った。
船はタテハマという港街に着いた。
タテハマは大型の客船が多く港に泊まっており、街は多くの人で賑わっていた。
私達は何かジーク達が元の世界に帰る手掛かりはないかと、街の人などに話を聞いたりして情報収集をした。
しばらく街を回ったが、この街はとても面白い。
パルに聞いたとおり、科学技術が進んでいる。魔力を活用して遠方の人に立体映像を送るテレビというもの、遠くの人と会話ができる電話という機械や、車と呼ばれる鋼鉄で出来た馬車のような乗り物。
まだ作れる技師が少なく、ジャカンの中でも少ししか出回っていない超高級品らしいが、これらの技術は間違いなく世界一だろう。
初めて見るのもばかりで、私達4人は途中目的を忘れて観光を楽しんでいたほどだ。
全員が子供のようにはしゃいでいた。
特にこの国の素晴らしい所は、食べ物が美味しい。海に囲まれた島国で魚が豊富に採れ、海のミネラルを多く含んだ土壌や山から取れる野菜も格別に美味しかった。
中でも寿司と呼ばれる薄く切った生魚を握った米の上に乗せた食べ物は忘れられない程の美味しさだった。
それ以外にもジャカンは他の国とは明らかに異なる文化、生活水準を有していた。
ジャカンに着いたその日にはめぼしい情報は得られず、私達は『旅館』と呼ばれる温泉付きの宿屋に泊まった。
この国は温泉資源も豊かで数多くの温泉宿泊施設がある、世界でもトップクラスの温泉大国だと女将さんと呼ばれる女性が自慢げに話していた。
翌日になり私達はまた街に出て情報収集を始めた。
しばらく街で色んな人の話を聞いていると、私達は電話や車という技術を発案したという、ションという人物の情報を手に入れた。
早速 私達はそのションという人物に会いにいくことにした。
ションに会うのは困難を極めた。
ションさんはこれだけの技術を発案し、実現した世界一とも言える科学技術者だ。
ジャカンの技術者と魔法科学者を1000人集めた『M &S』という会社の会長をしているらしく、その生活は多忙を極め、分単位でのスケジュールで動いているために時間がなかなか取れない。
何度も面会の申し入れをしたが、会社の受付で断られた。
それでも私達は諦めずに何度も面会の申し出をし、ようやく面会の許可がおりた。
だが不審者を会わせるわけにはいかないと、面会の為のセキュリティーチェックは念入りに行われた。
私達は2日後の午後に13分だけ面会の約束を取り付けることができた。
2日後。
私達はションさんが会長を務めている『M&S』という会社の応接室で面会が行われた。
私達が応接室で待っていると、恰幅の良い50代の男性と若い女性が入ってきた。
「初めまして。ワシはこのM&Sで会長を務めている、ション・ミウラと申します。
今日はどういったご用件で?」
面会の時間は限られている。
私達は完結に要件を伝えた。
「異世界に人を転送する方法ですか…?
残念ながら、今の私達にはそれだけの知識と技術はないです。
今から研究を始めたとしても、何年、何十年かかるかわからない。
そもそもそんなことが可能なのかも…」
ションさんの言葉に私達はがっくりとした。
それはそうだ。
そんな技術があれば既に私達の世界とジークの住む世界はとっくに繋がっているはずだ。
しばらく重い沈黙が続くと、秘書の女性が口を開いた。
「あの……ユウナさんなら何か知ってないですかね??」
「ユウナくんか…。
確かにあのコなら、何か手伝えることもあるかもしれんが、今は時期が時期だからのう。素直に協力してくれるとは思えんが…」
ションさんが眉間に皺を寄せた。
「あの……。
そのユウナさんというのは…?」
私が問いかけた。
「天才…じゃよ。ワシを遥かに上回るね。
まだ18歳の若い女の子じゃ。
彼女の父の『ムラサメ コウスケ』はワシと共にこのM&Sを立ち上げた優秀な科学技術者でな。
父のコウスケを追い出し、私が1人でここまでの地位に就いたと、彼女はワシ達をとても恨んでおる。
ワシ達のことを見返してやろうと、人里離れた山奥で1人研究に明け暮れておるよ」
「会長!!追い出したなんて……」
秘書が声を荒げる。
「まぁまぁ。事実はどうあれ結果は私が今は1人でこの会社を仕切っておることに変わりはない。
お客人たちよ。あのコは今は自分の研究に手一杯じゃ。行っても無駄かもしれんよ?」
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ジークが言った。
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