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ルクス族の村へ
3人の賢者の卵
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ようやく閃光魔法も解け、視界が戻り始めた。
5人は相変わらず魔法陣に立って浮遊魔法を使っている
当然ながら魔法を使っている間は5人は魔法陣から離れられない。
5人は魔法をかけながら会話を始めた。
「あなた達は何者なの?」
マオさんが問いかけた。
すると3人のリーダーのような女性が口を開いた。
「私達はルクス族の者です。今まで旅をしていて、故郷に帰る途中にこの客船に乗っていたんです。
私はパル。このコがプル。こっちコがポルです」
パルと名乗った女性は身長が150センチほどでピンクの長髪。
丸眼鏡をかけており知的な雰囲気をだしているがマオさんに負けず劣らずの美女だ。
プルは少し小さめで140センチほど、ショートカットで少し子供っぽさはあるが、やはり綺麗な顔立ちをしている。
ポルはパルよりほんの少しだけ背が高く、綺麗な顔立ちをしているが、表情は常に険しくクールな感じを漂わせている。
だが、それよりも大きな胸に目がいってしまう。
そうか。
この人達はルクス族だったのか!
そういえば、ルクス族は男性は銀髪で女性はピンクの髪が特徴だと聞いていた。
髪の色をみればルクス族だとすぐに分かっただろうが、さっきはレヴィーアのことで精一杯で3人の髪の色など気にもかけていなかった。
「そう!?あなた達がルクス族だったのね!」
マオがニコリと笑った。
「はい。そうですが。それがどうかしたのですか?」
パルが不思議そうに聞き返す。
「えぇ。私達もルクス族の村に向かうつもりで旅をしていたの。
あなた達は魔法に詳しい種族と聞いていたから。
…噂通り魔法にはかなり詳しいようね。
正直不安だったのよ。どっかの誰かは世界で一番大きな王国の騎士団長だと言っておきながら弱かったから、この世界のレベルにはあまり期待していなかったけど、この魔法陣の術式を見ればあなた達の凄さがわかるわ」
マオさんはさらっと私をディスっている。。。
「いえいえ!
私達なんかより、あなた達の方が数倍凄いです。
先程のレヴィーアとの戦いをみてましたけど、あれだけの威力の魔法を全属性使いこなすなんて、とても信じられないです。
しかもレヴィーアの攻撃を耐えるほどの防御壁を作って、その後に上級魔法を連発して戦っておきながら、浮遊魔法でこんな大きな客船を長時間浮かせる魔力の許容量も。
魔法に長けたルクス族でもこんな凄い人は見たことありません!」
パルは驚いた表情をしている。
やはりこの人達は誰から見ても凄いんだなと痛感した。
「それならあなた達だって防御壁一緒に作ったり、今も一緒にこの船浮かせてるじゃない」
「私達のは補助魔法ばかりなので、魔力はそんなに使ってないんです。
先程の防御壁も お2人が作った堅固なものを少し強化させてもらっただけですし、この浮遊魔法もあなた達が使用しているものを私達が補助、強化しているに過ぎないんです」
パルは2人に尊敬に似た眼差しを向けた。
「私達3人は魔法に長けたルクス族の中でも魔力が高く、将来はルクス族を治める3賢者になる予定です。今回の旅も将来に村を治めるに当たって外の世界を知らなければならないと旅をしていたのですが、私達を遥かに凌駕する魔力の持ち主に会ったのは初めてです!
やはり世界は広いんですね」
パルは目をキラキラと輝かせている。
「これだけの魔力と強さ。
お前達、まさか噂の龍神族じゃないよな?」
ポルが和やかな雰囲気を切り裂くように突然口を割った。
ポルはそのまま鋭い眼差しでジークとマオさんを睨む。
「安心して。私達は龍神族じゃないわ。
理由は分からないけど私とそこのジークという男は異世界から紛れ込んできたの。
それで魔法や知識に長けたルクス族なら、私達が元の世界に戻れるような何かを知ってるんじゃないかと思って、ルクス族の村に向かってたのよ」
マオさんが答えた。
「そうだったんですか。
異世界というと、亜空間転移魔法のことですかね?
実在する魔法なのか、私達は詳しくは分かりませんが、現在のルクス族を治めている3賢者様であれば何か知ってるかもしれません」
それを聞いて、2人の表情が明るくなった。
もしこれで本当に2人が帰る手段が見つかったらこの旅もお終いなのか。
2人にとっては喜ばしいことかもしれないが、私にとっては寂しかった。
ようやく心から師と仰げそうな人を見つけたというのに……。
「うちらの旅に光明が見えたのはいいが、まずはレヴィーアの脅威から逃れないことには始まらないぞ。
そろそろうちらの魔力も限界だ。
降り始めるぞ。
レヴィーアがいなくなってることを祈ろう」
ジークがそう言うと、船はゆっくりと海に向かって下降し始めた。
5人は相変わらず魔法陣に立って浮遊魔法を使っている
当然ながら魔法を使っている間は5人は魔法陣から離れられない。
5人は魔法をかけながら会話を始めた。
「あなた達は何者なの?」
マオさんが問いかけた。
すると3人のリーダーのような女性が口を開いた。
「私達はルクス族の者です。今まで旅をしていて、故郷に帰る途中にこの客船に乗っていたんです。
私はパル。このコがプル。こっちコがポルです」
パルと名乗った女性は身長が150センチほどでピンクの長髪。
丸眼鏡をかけており知的な雰囲気をだしているがマオさんに負けず劣らずの美女だ。
プルは少し小さめで140センチほど、ショートカットで少し子供っぽさはあるが、やはり綺麗な顔立ちをしている。
ポルはパルよりほんの少しだけ背が高く、綺麗な顔立ちをしているが、表情は常に険しくクールな感じを漂わせている。
だが、それよりも大きな胸に目がいってしまう。
そうか。
この人達はルクス族だったのか!
そういえば、ルクス族は男性は銀髪で女性はピンクの髪が特徴だと聞いていた。
髪の色をみればルクス族だとすぐに分かっただろうが、さっきはレヴィーアのことで精一杯で3人の髪の色など気にもかけていなかった。
「そう!?あなた達がルクス族だったのね!」
マオがニコリと笑った。
「はい。そうですが。それがどうかしたのですか?」
パルが不思議そうに聞き返す。
「えぇ。私達もルクス族の村に向かうつもりで旅をしていたの。
あなた達は魔法に詳しい種族と聞いていたから。
…噂通り魔法にはかなり詳しいようね。
正直不安だったのよ。どっかの誰かは世界で一番大きな王国の騎士団長だと言っておきながら弱かったから、この世界のレベルにはあまり期待していなかったけど、この魔法陣の術式を見ればあなた達の凄さがわかるわ」
マオさんはさらっと私をディスっている。。。
「いえいえ!
私達なんかより、あなた達の方が数倍凄いです。
先程のレヴィーアとの戦いをみてましたけど、あれだけの威力の魔法を全属性使いこなすなんて、とても信じられないです。
しかもレヴィーアの攻撃を耐えるほどの防御壁を作って、その後に上級魔法を連発して戦っておきながら、浮遊魔法でこんな大きな客船を長時間浮かせる魔力の許容量も。
魔法に長けたルクス族でもこんな凄い人は見たことありません!」
パルは驚いた表情をしている。
やはりこの人達は誰から見ても凄いんだなと痛感した。
「それならあなた達だって防御壁一緒に作ったり、今も一緒にこの船浮かせてるじゃない」
「私達のは補助魔法ばかりなので、魔力はそんなに使ってないんです。
先程の防御壁も お2人が作った堅固なものを少し強化させてもらっただけですし、この浮遊魔法もあなた達が使用しているものを私達が補助、強化しているに過ぎないんです」
パルは2人に尊敬に似た眼差しを向けた。
「私達3人は魔法に長けたルクス族の中でも魔力が高く、将来はルクス族を治める3賢者になる予定です。今回の旅も将来に村を治めるに当たって外の世界を知らなければならないと旅をしていたのですが、私達を遥かに凌駕する魔力の持ち主に会ったのは初めてです!
やはり世界は広いんですね」
パルは目をキラキラと輝かせている。
「これだけの魔力と強さ。
お前達、まさか噂の龍神族じゃないよな?」
ポルが和やかな雰囲気を切り裂くように突然口を割った。
ポルはそのまま鋭い眼差しでジークとマオさんを睨む。
「安心して。私達は龍神族じゃないわ。
理由は分からないけど私とそこのジークという男は異世界から紛れ込んできたの。
それで魔法や知識に長けたルクス族なら、私達が元の世界に戻れるような何かを知ってるんじゃないかと思って、ルクス族の村に向かってたのよ」
マオさんが答えた。
「そうだったんですか。
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それを聞いて、2人の表情が明るくなった。
もしこれで本当に2人が帰る手段が見つかったらこの旅もお終いなのか。
2人にとっては喜ばしいことかもしれないが、私にとっては寂しかった。
ようやく心から師と仰げそうな人を見つけたというのに……。
「うちらの旅に光明が見えたのはいいが、まずはレヴィーアの脅威から逃れないことには始まらないぞ。
そろそろうちらの魔力も限界だ。
降り始めるぞ。
レヴィーアがいなくなってることを祈ろう」
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