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ルクス族の村へ
大海獣との遭遇
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船旅6日目の朝、私達は慌ただしい音と船の激しい揺れによって目が覚めた。
船内のいたるところで、船員たちの大声での指示出しが飛び交っている。
船室を出て、船員に
「何があったんですか?」
と聞いたが、船員は
「何事もありませんよ。
お客様は船室で安心してごゆっくりお過ごしください。」
という答えが返ってきた。
客を不安にしてはなるまいというプロとしての気遣いだろうが、これだけの慌ただしさで何もなかったわけがない。
船員たちの動きを見ていると、みんな甲板に向かっている。
そこで何かあったのか。
こっそりと甲板に出てみると、船員達の話し声が聞こえてきた。
「何をしても舵が効かない!!天気も良いのに海が大荒れ。みんなで帆を操作して転覆しなようにするのがやっとだ」
「先輩!やはりこれは…」
「あぁ、近くにかなり大型の大海獣がいる可能性が高い」
大海獣!
大海獣とは全長10メートルを越す海の生物の総称だ。
この地は世界の6割が海だ。
陸上よりも海中の方が生物の数も多く、巨体の生物も多く存在している。
船員達はパニックを起こしながら、船の操作をしているが、揺れは一向におさまらない。
揺れがどんどん大きくなってく。
すると、船の前方の海面が盛り上がり始め、巨大な生物が顔を出した。
「うわぁーー!」
船員達の悲鳴が響き渡る。
驚くのも無理はない。
海面からは白いドラゴンのような大海獣の顔だけが出てきたのだが、その顔の大きさだけで10メートル以上ある。
額には大きな緋色の宝石のような物が付いており、頭には二本の巨大なツノを携えている。
少しずつ胴体も姿を現わし始めた。
数メートル胴体が出てきた所で、この海獣が蛇型のドラゴンだということが分かった。
遥か数百メートル先の方にも、この海獣の胴体の一部が見える。
こんなサイズの大海獣など聞いたことがない。
一体どれだけの大きさだというのだ?!
こんなのに襲われたら、この客船なんか一瞬で粉々にされてしまう。
その超巨大海獣を目の当たりにし、全ての人の動きが止まった。
誰しもがその超巨大海獣をただ眺めるだけで、何もしようとはしなかった。
避難しようとか、そういった足掻きが全て無駄であると悟り、諦めたのだ。
船員も私も絶望をしていると、カンカンと誰かが甲板に出てくる足音が聞こえてきた。
振り返るとそこにはジークとマオさんの2人の姿があった。
よかった。
この人達ならなんとかしてくれそうな気がする。
私はそんな安堵感に包まれた。
船内のいたるところで、船員たちの大声での指示出しが飛び交っている。
船室を出て、船員に
「何があったんですか?」
と聞いたが、船員は
「何事もありませんよ。
お客様は船室で安心してごゆっくりお過ごしください。」
という答えが返ってきた。
客を不安にしてはなるまいというプロとしての気遣いだろうが、これだけの慌ただしさで何もなかったわけがない。
船員たちの動きを見ていると、みんな甲板に向かっている。
そこで何かあったのか。
こっそりと甲板に出てみると、船員達の話し声が聞こえてきた。
「何をしても舵が効かない!!天気も良いのに海が大荒れ。みんなで帆を操作して転覆しなようにするのがやっとだ」
「先輩!やはりこれは…」
「あぁ、近くにかなり大型の大海獣がいる可能性が高い」
大海獣!
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この地は世界の6割が海だ。
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船員達はパニックを起こしながら、船の操作をしているが、揺れは一向におさまらない。
揺れがどんどん大きくなってく。
すると、船の前方の海面が盛り上がり始め、巨大な生物が顔を出した。
「うわぁーー!」
船員達の悲鳴が響き渡る。
驚くのも無理はない。
海面からは白いドラゴンのような大海獣の顔だけが出てきたのだが、その顔の大きさだけで10メートル以上ある。
額には大きな緋色の宝石のような物が付いており、頭には二本の巨大なツノを携えている。
少しずつ胴体も姿を現わし始めた。
数メートル胴体が出てきた所で、この海獣が蛇型のドラゴンだということが分かった。
遥か数百メートル先の方にも、この海獣の胴体の一部が見える。
こんなサイズの大海獣など聞いたことがない。
一体どれだけの大きさだというのだ?!
こんなのに襲われたら、この客船なんか一瞬で粉々にされてしまう。
その超巨大海獣を目の当たりにし、全ての人の動きが止まった。
誰しもがその超巨大海獣をただ眺めるだけで、何もしようとはしなかった。
避難しようとか、そういった足掻きが全て無駄であると悟り、諦めたのだ。
船員も私も絶望をしていると、カンカンと誰かが甲板に出てくる足音が聞こえてきた。
振り返るとそこにはジークとマオさんの2人の姿があった。
よかった。
この人達ならなんとかしてくれそうな気がする。
私はそんな安堵感に包まれた。
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