Bonds〜最強勇者と最強女魔王が異世界からやってきた〜

ひがしの くも

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魔王の名は

魔王の名

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「さて次は魔王の番だな」

ジークが言う。

「私の名前は…
魔王のままでいい。
年齢は67歳だ」

「67!!!?
ばばぁじゃん!」

ジークがそう言った瞬間にグランビートルを倒した一撃がジークの右頬に炸裂し吹き飛ばされた。

右頬を腫らし足元をよろつかせジークが戻ってくる。

「私達魔族は長寿なのだ。
人間の3倍は生きる。
だから人間の年齢でいうなら20歳過ぎぐらいの若者だ!!」

魔王が怒鳴りちらす。

「それにしても、なんで名前教えてくれないんですか??」

私が聞き返す。

魔王は再び眉間に皺を寄せる。

「教えたくない。
魔王のままで言いと言ってるだろ!」

魔王はむきになりながら言った。

「おいおい。元の世界に戻ったら一緒に魔族と人間の共存する世界を作ろうってのに、名前も教えてくれないのかい?
そんなんじゃ本当の信頼関係は築けないぞ?」

ジークが目を細め言った。
さすがに性格が悪いだけあって、人の嫌な所を突いてくる。

魔王はくっと歯を食いしばった後に小さく口を開いた。


「マオ……」


小さな声で魔王が言った。

「えっ??!」

リガンとジークと私の声がハモった。


「だから………マオ!!
それが私の名前だ」


マオ……?!
そうか魔王のままの呼び名でいいと言ったのは、実名もそんなに変わりがないからだったのか!


「ぶひゃひゃひゃひゃっ!
マオ!!?
マオーのマオちゃん!!
ギャグみたいなネーミングセンスだな!」

ジークが涙を流しながら地面をバンバン叩いて笑っている。

マオさんは全身をプルプルと震わせながらも必死に怒りを抑えている。

だがジークはマオさんの名前を連呼しながらずっと爆笑を続けた。
ジークは笑うのに夢中で気付いていない……。

先ほどからマオさんの右手がどんどんと黒い魔力の光を帯びていっていることに…。

「マオちゃーん!!はははは」

ジークはからかうのをやめない。。

「だーかーらー。名前を教えるのは嫌だったんだよーー!!」

マオさんの渾身のアッパーがジークの顎に炸裂し、ジークは空の彼方へと飛ばされていった。。。
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