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魔王の名は
最弱モンスターとの出会い
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その後はモンスター達に襲われることもなく、快適に登山は進んでいく。
更に1時間ほど山を登ってゆくと、遠くの方でガンガンと何かを叩いてる音がした。
うちらはその音が気になり、音のする方へと向かってみた。
音のした場所に着くと1匹の小型の獣人型のモンスターが槍で近くの木や岩を叩いていた。
その動きはとてもノロく、木や岩を打つ槍の攻撃力のなさが伺えた。
「なにやってんだ?」
ジークはいつの間にか獣人型モンスターの横にいて、急に話かけた。
「うわぁーーーっ」
獣人型モンスターはうちらの存在に気がつくなり、驚いてその場に尻餅をついた。
「ははははは。驚かせて悪かったな!別にお前を襲おうとかいう訳じゃないんだ。ここで何してるのか気になっただけだよ」
ジークはそう言いながら、獣人型モンスターに手を差し伸べた。
獣人型モンスターはその手を取り立ち上がると、自己紹介を始めた。
「俺は最強のモンスターを目指して修行をしている、リカント属のリガンだ!」
リガンと名乗るモンスターは胸を張ってそう言った。
「ぷっ」
女魔王が笑った。
「きさまー!何がおかしいんだ!僕の槍の一撃をお見舞いしちゃうぞ!!」
女魔王が笑うのも無理はない。
リガンは身長がちょうど1メートルぐらいしかない。
しかもリカント属は狼のような顔をした者が多いが、リガンの見た目は狼というよりはトイプードルのような円らな瞳と可愛らしい顔立ちをしていた。
これで最強のモンスターを目指すと言っているのだ。笑われても無理はない。
吊られて私とジークも笑い出してしまった。
「笑ったなぁ!許さないぞ!そこに直れ!順番に制裁を加えてやる!」
リガンが私達に襲いかかろうとしたその時、リガンの後ろからバキバキと樹木の枝が折れる音が聞こえた。
その音の方に目を向けると奥からノソノソと巨大な二足歩行モンスターが歩いてきた。
体長3メートルちょっと、全身には鎧のような鍛え抜かれた筋肉を纏っている。かなりの巨体だ。腕は女性のウエストほどの太さがある。
皮膚は黒い光沢をまとった外皮に覆われており、頭にはカブト虫のようなツノがあり、昆虫を思わせる。
「あわわわっ。グランビートルだ。この山の覇権を争ってる3大モンスターの1匹だ…。す…すぐに逃げないと!!」
グランビートルのあまりの威圧感にリガンはまたも尻餅をつき、全身の毛を逆立てながらぷるぷると震わせている。
グランビートルの風格、威圧感は初見であってもかなりの強者であることが伝わってきた。
「ふっ。世界最強のモンスターを目指してる男が聞いて呆れるわね。敵に背を向けて世界最強になれると思ってるの?」
女魔王はまた笑った。
更に1時間ほど山を登ってゆくと、遠くの方でガンガンと何かを叩いてる音がした。
うちらはその音が気になり、音のする方へと向かってみた。
音のした場所に着くと1匹の小型の獣人型のモンスターが槍で近くの木や岩を叩いていた。
その動きはとてもノロく、木や岩を打つ槍の攻撃力のなさが伺えた。
「なにやってんだ?」
ジークはいつの間にか獣人型モンスターの横にいて、急に話かけた。
「うわぁーーーっ」
獣人型モンスターはうちらの存在に気がつくなり、驚いてその場に尻餅をついた。
「ははははは。驚かせて悪かったな!別にお前を襲おうとかいう訳じゃないんだ。ここで何してるのか気になっただけだよ」
ジークはそう言いながら、獣人型モンスターに手を差し伸べた。
獣人型モンスターはその手を取り立ち上がると、自己紹介を始めた。
「俺は最強のモンスターを目指して修行をしている、リカント属のリガンだ!」
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「ぷっ」
女魔王が笑った。
「きさまー!何がおかしいんだ!僕の槍の一撃をお見舞いしちゃうぞ!!」
女魔王が笑うのも無理はない。
リガンは身長がちょうど1メートルぐらいしかない。
しかもリカント属は狼のような顔をした者が多いが、リガンの見た目は狼というよりはトイプードルのような円らな瞳と可愛らしい顔立ちをしていた。
これで最強のモンスターを目指すと言っているのだ。笑われても無理はない。
吊られて私とジークも笑い出してしまった。
「笑ったなぁ!許さないぞ!そこに直れ!順番に制裁を加えてやる!」
リガンが私達に襲いかかろうとしたその時、リガンの後ろからバキバキと樹木の枝が折れる音が聞こえた。
その音の方に目を向けると奥からノソノソと巨大な二足歩行モンスターが歩いてきた。
体長3メートルちょっと、全身には鎧のような鍛え抜かれた筋肉を纏っている。かなりの巨体だ。腕は女性のウエストほどの太さがある。
皮膚は黒い光沢をまとった外皮に覆われており、頭にはカブト虫のようなツノがあり、昆虫を思わせる。
「あわわわっ。グランビートルだ。この山の覇権を争ってる3大モンスターの1匹だ…。す…すぐに逃げないと!!」
グランビートルのあまりの威圧感にリガンはまたも尻餅をつき、全身の毛を逆立てながらぷるぷると震わせている。
グランビートルの風格、威圧感は初見であってもかなりの強者であることが伝わってきた。
「ふっ。世界最強のモンスターを目指してる男が聞いて呆れるわね。敵に背を向けて世界最強になれると思ってるの?」
女魔王はまた笑った。
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