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六
ゆうと覚醒
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久しぶりに泣きそうになった。カイと目を合わせられなかった。拳だけ固く握り締めていた。感情を押し殺すためにはそれしか出来なかった。何も考えまいとしたが、無理な話だ。
カ「いいねぇー。その悔しそうな顔が最高だよ!」
俺は何も言わなかった。
カ「人間なんてホント軽い命を持っているよな。」
聞かないようにしたかった。だけど、そう思えば思うほど、はっきりと、鮮明に、頭の中に入ってきてしまう。
カ「ゆうとくんもそう思わないかい?僕にはわからないな。安くて軽い命がひとつ亡くなったことをそこまで悔やむのか、僕にはわからない。」
そのとき俺の中で何かが弾けたようだ。
?「コロセ……」
低く、息のような声がした。
?「イモウトヲコロシタソイツヲコロセ……」
俺の心の闇だ。自分で自分自身に語りかけているんだ。そう思わせる内容だ。
闇「イノチヲカルイモノトカンガエルソイツヲコロセ……アイツニハシガフサワシイ……コロサナイトコウカイスルゾ……コロセ……!」
だけどできない。そんなことでカイと同じになりたくない。人を殺すなんてことでカイと同じになるなんて絶対に嫌だ。人を殺せば、間違いなく人間ではなくなる。
闇「コロセ……イマスグ……イモウトヲコロシタソイツヲコノヨカラケセ……」
カ「愛する妹のところに寄って来ないんだ?じゃあこの子はどかしておくよ。」
そう言ってカイは梨沙を足でどかした。
その時、俺の中で怒りが爆発したのようにのように感じた。
ゆ「コロス……!ソノケガレタカラダデリサニフレルナゴミヤロウメ……!」
俺が聞いた心の闇で俺が喋った。そこからの記憶はない。気づいたら俺はカイの生首を持っていた。辺り一面血だらけだった。しかも最初に殺した5人とその後に殺したカイの血を合わせてもこんな量にはない得ない。きっと他の人も殺したのだろう。美奈子と呼ばれた女も。ドクターも。
しかし、不思議なことに死体が見当たらない。あるのは梨沙とカイの生首と……骨。
ゆ「骨……?」
意識が戻ってから初めて喋った。その時初めて気づいた。口の中がしょっぱいような辛いような味がする。しかも美味しいと感じていた。血だ……。俺はそれをほぼ無意識に飲み込んだ。身体のあちこちに違和感がある。カイの生首のせいかと思い投げ捨てた。だけど特に変わらなかった。
不意に、この部屋には鏡があることを思い出した。鏡なら何か写してくれるかもしれない。俺は鏡の前に立った。そこに写し出された自分の姿に愕然とした。
カ「いいねぇー。その悔しそうな顔が最高だよ!」
俺は何も言わなかった。
カ「人間なんてホント軽い命を持っているよな。」
聞かないようにしたかった。だけど、そう思えば思うほど、はっきりと、鮮明に、頭の中に入ってきてしまう。
カ「ゆうとくんもそう思わないかい?僕にはわからないな。安くて軽い命がひとつ亡くなったことをそこまで悔やむのか、僕にはわからない。」
そのとき俺の中で何かが弾けたようだ。
?「コロセ……」
低く、息のような声がした。
?「イモウトヲコロシタソイツヲコロセ……」
俺の心の闇だ。自分で自分自身に語りかけているんだ。そう思わせる内容だ。
闇「イノチヲカルイモノトカンガエルソイツヲコロセ……アイツニハシガフサワシイ……コロサナイトコウカイスルゾ……コロセ……!」
だけどできない。そんなことでカイと同じになりたくない。人を殺すなんてことでカイと同じになるなんて絶対に嫌だ。人を殺せば、間違いなく人間ではなくなる。
闇「コロセ……イマスグ……イモウトヲコロシタソイツヲコノヨカラケセ……」
カ「愛する妹のところに寄って来ないんだ?じゃあこの子はどかしておくよ。」
そう言ってカイは梨沙を足でどかした。
その時、俺の中で怒りが爆発したのようにのように感じた。
ゆ「コロス……!ソノケガレタカラダデリサニフレルナゴミヤロウメ……!」
俺が聞いた心の闇で俺が喋った。そこからの記憶はない。気づいたら俺はカイの生首を持っていた。辺り一面血だらけだった。しかも最初に殺した5人とその後に殺したカイの血を合わせてもこんな量にはない得ない。きっと他の人も殺したのだろう。美奈子と呼ばれた女も。ドクターも。
しかし、不思議なことに死体が見当たらない。あるのは梨沙とカイの生首と……骨。
ゆ「骨……?」
意識が戻ってから初めて喋った。その時初めて気づいた。口の中がしょっぱいような辛いような味がする。しかも美味しいと感じていた。血だ……。俺はそれをほぼ無意識に飲み込んだ。身体のあちこちに違和感がある。カイの生首のせいかと思い投げ捨てた。だけど特に変わらなかった。
不意に、この部屋には鏡があることを思い出した。鏡なら何か写してくれるかもしれない。俺は鏡の前に立った。そこに写し出された自分の姿に愕然とした。
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