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僕と君のリング
1.彼シャツ
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ミンジェに僕のTシャツを着せるのは、少しサイズが大きいせいで鎖骨が見えてしまうのが可愛いからだ。
前屈みなんてされたら、襟ぐりから素肌が見えてその先の可愛い乳首がどんな状態かもわかってしまい、一回眼を逸らしてからガン見することになる。
そしてミンジェはこの前屈みを、小悪魔的にわざと僕に向かってする時がある。僕がゴクリと唾を飲み込むのを、楽しんでいるんだろう。
そんな時は、僕を煽ったことを後悔するくらい抱いてやる!と心の中で叫ぶ……。
ダンスの練習中に激しい動きでTシャツの裾が捲れ、お腹が見える時は焦ってしまう。
いやいや、駄目でしょ。ミンジェの腹筋を他の人には見せたくない。
あぁ、でもやっぱり一番はスルッと脱がせる事も出来て、✕✕もすぐに触れて、いや、それほんとサイコーじゃん!
「ヨング…今何考えてる?凄いニヤってるけど…」
「え?(ヤバいっ顔に出てた?危ない危ない)」
無表情のスヒョンに言われて、今が打合せ中だという事を思い出す。ちなみにミンジェは別室にてソロ曲のコンセプト確認をしているはず。
僕は今朝、ミンジェにプロポーズをした。日に日に綺麗になっていくミンジェを、どうしたら繋ぎ止めておけるのか。プロポーズなんて本当に最終手段だった。
ミンジェも同じ気持ちで、直ぐに喜んでオッケーしてくれると思っていたのに、彼は眉を少し八の字にする可愛らしい表情で言ったのだ。
「ヨング、プロポーズありがとう。でも……これからのお互いを考える意味で、少し距離を置こう」
ん?距離?予想もしてなかった単語。
「ごめんなさい、意味がわからないです。距離ってどういう……」
「うん、ごめんねヨング。ごめん」
足元がガラガラと崩れていく絶望感が、僕を襲った。
「え?なんでごめん?」
握っていたミンジェの手が、僕の手の中からするりと抜かれた。ゆっくりと身体を離すミンジェに、僕は混乱してしまった。
「なんで……どうして?昨夜だってあんなに愛し合って……」
その時。
僅かだけれど、ミンジェが煩わしそうな溜め息を吐いたので、なんだか頭がカッとして思わず彼の肩を強く押してしまった。
「僕は!ミンジェと、ずっと一緒にいたいと思ったから……っ」
「距離を置くって…別れようって言った訳じゃないよ?」
「わかるように説明して下さい!」
「僕は……ヨングが大好きだよ?凄く愛してるよ?知ってるでしょ。でも、でもさ。ヨング、成人してまだ間もないでしょ?世間から見たらまだ子どもだよ?僕だってそんなに変わらない。結婚は僕たちだけの問題じゃないから、距離を置いて少し考える時間が欲しいっていうのは僕の我が儘なの?」
一息に話しきったミンジェに、僕は咄嗟に反論出来なかった。
そうだよ……僕はまだ子どもなんだ。世間的にも、ミンジェの中でも。
ヒョン達のように、彼に頼られる存在になりたいのに。弟扱いもイラつくし、ミンジェから甘えて来る事もほとんどないし。
なんだ。結婚なんて言い出す前に、まだやらなきゃいけないこと、たくさんあるじゃん。
ありすぎて、途方にくれるよ。
それなのに……。いわゆる彼シャツ姿のミンジェは、鎖骨のホクロとか肌の透け感なんかでまた僕を無意識に煽るんだ……。
その、醸し出す色気の破壊力に、僕の思考がストップする。ミンジェの T シャツの裾に手をのばす。
「ちょ、今大事な話中 ! !」
「わかってます。結婚は保留にするとしても距離を置くなんて無理です」
ミンジェに僕のTシャツを着せるのは、少しサイズが大きいせいで鎖骨が見えてしまうのが可愛いからだ。
前屈みなんてされたら、襟ぐりから素肌が見えてその先の可愛い乳首がどんな状態かもわかってしまい、一回眼を逸らしてからガン見することになる。
そしてミンジェはこの前屈みを、小悪魔的にわざと僕に向かってする時がある。僕がゴクリと唾を飲み込むのを、楽しんでいるんだろう。
そんな時は、僕を煽ったことを後悔するくらい抱いてやる!と心の中で叫ぶ……。
ダンスの練習中に激しい動きでTシャツの裾が捲れ、お腹が見える時は焦ってしまう。
いやいや、駄目でしょ。ミンジェの腹筋を他の人には見せたくない。
あぁ、でもやっぱり一番はスルッと脱がせる事も出来て、✕✕もすぐに触れて、いや、それほんとサイコーじゃん!
「ヨング…今何考えてる?凄いニヤってるけど…」
「え?(ヤバいっ顔に出てた?危ない危ない)」
無表情のスヒョンに言われて、今が打合せ中だという事を思い出す。ちなみにミンジェは別室にてソロ曲のコンセプト確認をしているはず。
僕は今朝、ミンジェにプロポーズをした。日に日に綺麗になっていくミンジェを、どうしたら繋ぎ止めておけるのか。プロポーズなんて本当に最終手段だった。
ミンジェも同じ気持ちで、直ぐに喜んでオッケーしてくれると思っていたのに、彼は眉を少し八の字にする可愛らしい表情で言ったのだ。
「ヨング、プロポーズありがとう。でも……これからのお互いを考える意味で、少し距離を置こう」
ん?距離?予想もしてなかった単語。
「ごめんなさい、意味がわからないです。距離ってどういう……」
「うん、ごめんねヨング。ごめん」
足元がガラガラと崩れていく絶望感が、僕を襲った。
「え?なんでごめん?」
握っていたミンジェの手が、僕の手の中からするりと抜かれた。ゆっくりと身体を離すミンジェに、僕は混乱してしまった。
「なんで……どうして?昨夜だってあんなに愛し合って……」
その時。
僅かだけれど、ミンジェが煩わしそうな溜め息を吐いたので、なんだか頭がカッとして思わず彼の肩を強く押してしまった。
「僕は!ミンジェと、ずっと一緒にいたいと思ったから……っ」
「距離を置くって…別れようって言った訳じゃないよ?」
「わかるように説明して下さい!」
「僕は……ヨングが大好きだよ?凄く愛してるよ?知ってるでしょ。でも、でもさ。ヨング、成人してまだ間もないでしょ?世間から見たらまだ子どもだよ?僕だってそんなに変わらない。結婚は僕たちだけの問題じゃないから、距離を置いて少し考える時間が欲しいっていうのは僕の我が儘なの?」
一息に話しきったミンジェに、僕は咄嗟に反論出来なかった。
そうだよ……僕はまだ子どもなんだ。世間的にも、ミンジェの中でも。
ヒョン達のように、彼に頼られる存在になりたいのに。弟扱いもイラつくし、ミンジェから甘えて来る事もほとんどないし。
なんだ。結婚なんて言い出す前に、まだやらなきゃいけないこと、たくさんあるじゃん。
ありすぎて、途方にくれるよ。
それなのに……。いわゆる彼シャツ姿のミンジェは、鎖骨のホクロとか肌の透け感なんかでまた僕を無意識に煽るんだ……。
その、醸し出す色気の破壊力に、僕の思考がストップする。ミンジェの T シャツの裾に手をのばす。
「ちょ、今大事な話中 ! !」
「わかってます。結婚は保留にするとしても距離を置くなんて無理です」
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