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僕たちのこじれた関係&君のPerfume(Spin-off)
君のPerfume ❶
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(side スヒョン)
「ユギヒョン、凄く良い匂いの香水使ってるよね!」
減量中につき、昼飯を水だけで我慢しているミンジェがそう言い出して、放課後香水を買いに行こうと誘ってきた。
「なんか一緒にいて、こうフワッと?良い匂いがしたらさ、大人!って感じしない?」
「うーん?男の色気的な話?」
ここはまだ学校で、階段の最上階の踊り場。クラスが違うミンジェとは、よくここで一緒に昼食を食べたり、ダンスの練習をしている。
香水を買いに行くと言っても、繁華街に行けば時間が経つのはあっという間で、夜の練習に遅刻してしまうだろう。
「次の休みにすれば?」
「次の休みっていつ?」
俺は携帯でスケジュールを確認したが、全て練習で埋まっていた。
「じゃあ、ホンソギヒョンに相談すれば?ミンジェに合いそうなの、知ってるかも。それか、使ってないヤツ貰ったら?」
「うーん。でもスヒョンの方がわかると思うんだよね。ヨングの好み」
出た。ミンジェの『ヨングのウケ』狙い。どうせ、匂いフェチのヨングへのアピールに、香水をつけようって安易な考えだろ。心の中で悪態を吐きながら、苦笑した。
「ヨングの好みなんて知らないよ」
正直なところ。最後のひと言で、ミンジェとの楽しいデートの約束のはずが、憂鬱なものになった。
何故に恋敵へのアピール手伝いせなあかん?
ミンジェは2つ下の弟的な存在、チームメイトのヨングの事が好きだ。
最初にその話を聞いた時は、本気にも冗談にも感じてなんとも言えなかった。
男が男を?という抵抗感は無い。
何故かというと、俺がミンジェを好きな気持ちは恋愛感情だと自覚しているからだ。
俺はミンジェが好き。
ミンジェはヨングが好き。
じゃあ、ヨングは?
誰が好きなのだろう?
まさか、俺の事が好きだったら片想いのループが不毛過ぎる。
香水は、人間関係がバレてしまう恐ろしいアイテムだ。
大抵のカップルは、同じ香水かもしくは同じブランドの、香りと香りがケンカしないような物を使っている。
だから香水をお揃いにする事は、周囲へ交際宣言をしているようなものだと、俺は認識していた。
「そんなにヨングの好みが気になるなら、直接訊いたらいいだろ」
「それってさ、どうなの。" どんな香りが好き? " って訊いてブランドとかも教えてもらって買うの?」
「ないわ。そんな下心見え見え……」
「でしょ?やっぱりさ一緒に居てフワッと香って" さすがヒョン!キュン♡"って思われたいじゃん?」
「……キュン♡?」
そんな漫画みたいな展開になるのか?
はぁ。お前はなんて健気なんだろうな。そして俺は何なんだろうな?
お前にとって、俺は何なんだろうな。
「スヒョナ~食べ終わった?僕先に始めるよぉ?」
ミンジェは立ち上がって、ステップを踏み始めた。
結局放課後、俺たちは急いで香水を買いに行き、ミンジェは一本の香水を選んだ。練習に行く途中で開封して、シュシュッと服や身体に吹きかけていた。
「うん、いいねこの香り。ねえ?スヒョナ~、どうかな?」
「……いいんじゃん?」
俺が同意したら、ミンジェは糸目になってはにかんだ。
この笑顔が、とても好きだ。
『天使の微笑み』なんだ。
たとえ、俺に向けられたものではなくても。
俺は、ヨングを好きなミンジェが好きだ。ヨングを想って、一喜一憂する姿が。
俺のミンジェへの気持ちは恋愛感情だけど、ミンジェを俺だけのものにしたいという訳でも、どうこうなりたい訳でもない。ミンジェの幸せを願っているだけだ。
だけど、こうして一緒にいる間位……。
俺はミンジェを後ろから抱き締めた。首筋の匂いを嗅いで、鼻を擦り寄せる。
いつもの匂いに混じる柑橘系の香水。
ほんとは何も付けない方がいいのに。
「ユギヒョン、凄く良い匂いの香水使ってるよね!」
減量中につき、昼飯を水だけで我慢しているミンジェがそう言い出して、放課後香水を買いに行こうと誘ってきた。
「なんか一緒にいて、こうフワッと?良い匂いがしたらさ、大人!って感じしない?」
「うーん?男の色気的な話?」
ここはまだ学校で、階段の最上階の踊り場。クラスが違うミンジェとは、よくここで一緒に昼食を食べたり、ダンスの練習をしている。
香水を買いに行くと言っても、繁華街に行けば時間が経つのはあっという間で、夜の練習に遅刻してしまうだろう。
「次の休みにすれば?」
「次の休みっていつ?」
俺は携帯でスケジュールを確認したが、全て練習で埋まっていた。
「じゃあ、ホンソギヒョンに相談すれば?ミンジェに合いそうなの、知ってるかも。それか、使ってないヤツ貰ったら?」
「うーん。でもスヒョンの方がわかると思うんだよね。ヨングの好み」
出た。ミンジェの『ヨングのウケ』狙い。どうせ、匂いフェチのヨングへのアピールに、香水をつけようって安易な考えだろ。心の中で悪態を吐きながら、苦笑した。
「ヨングの好みなんて知らないよ」
正直なところ。最後のひと言で、ミンジェとの楽しいデートの約束のはずが、憂鬱なものになった。
何故に恋敵へのアピール手伝いせなあかん?
ミンジェは2つ下の弟的な存在、チームメイトのヨングの事が好きだ。
最初にその話を聞いた時は、本気にも冗談にも感じてなんとも言えなかった。
男が男を?という抵抗感は無い。
何故かというと、俺がミンジェを好きな気持ちは恋愛感情だと自覚しているからだ。
俺はミンジェが好き。
ミンジェはヨングが好き。
じゃあ、ヨングは?
誰が好きなのだろう?
まさか、俺の事が好きだったら片想いのループが不毛過ぎる。
香水は、人間関係がバレてしまう恐ろしいアイテムだ。
大抵のカップルは、同じ香水かもしくは同じブランドの、香りと香りがケンカしないような物を使っている。
だから香水をお揃いにする事は、周囲へ交際宣言をしているようなものだと、俺は認識していた。
「そんなにヨングの好みが気になるなら、直接訊いたらいいだろ」
「それってさ、どうなの。" どんな香りが好き? " って訊いてブランドとかも教えてもらって買うの?」
「ないわ。そんな下心見え見え……」
「でしょ?やっぱりさ一緒に居てフワッと香って" さすがヒョン!キュン♡"って思われたいじゃん?」
「……キュン♡?」
そんな漫画みたいな展開になるのか?
はぁ。お前はなんて健気なんだろうな。そして俺は何なんだろうな?
お前にとって、俺は何なんだろうな。
「スヒョナ~食べ終わった?僕先に始めるよぉ?」
ミンジェは立ち上がって、ステップを踏み始めた。
結局放課後、俺たちは急いで香水を買いに行き、ミンジェは一本の香水を選んだ。練習に行く途中で開封して、シュシュッと服や身体に吹きかけていた。
「うん、いいねこの香り。ねえ?スヒョナ~、どうかな?」
「……いいんじゃん?」
俺が同意したら、ミンジェは糸目になってはにかんだ。
この笑顔が、とても好きだ。
『天使の微笑み』なんだ。
たとえ、俺に向けられたものではなくても。
俺は、ヨングを好きなミンジェが好きだ。ヨングを想って、一喜一憂する姿が。
俺のミンジェへの気持ちは恋愛感情だけど、ミンジェを俺だけのものにしたいという訳でも、どうこうなりたい訳でもない。ミンジェの幸せを願っているだけだ。
だけど、こうして一緒にいる間位……。
俺はミンジェを後ろから抱き締めた。首筋の匂いを嗅いで、鼻を擦り寄せる。
いつもの匂いに混じる柑橘系の香水。
ほんとは何も付けない方がいいのに。
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