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君のPerfume
君のPerfume ③
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(side ミンジェ)
さっきまで、ヨングと喧嘩していた。
『喧嘩』する原因なんて、端から見たら些細なことだし本当に馬鹿馬鹿しくて。
僕がヨングに理不尽に怒られて、ショックのあまり気持ちが昂って言い返してただけだった。
途中で堪えきれない涙が零れて『喧嘩』は中止になって、ヨングから仲直りのキスをされれば身体は従順にトロリと溶かされていく。
僕が軽率で、無神経だったのかな。
ヨングが素直過ぎて、正直で、揺さぶったり試したりなんていう駆け引きは駄目なんだ。
結局子どもみたいに泣いて、君の愛情に許してもらう僕は、あざといのかな。
ヨングの使っている香水。ヨング自身の匂いと混ざって、僕が一番好きな匂い。
抱き締められて、キスされて。その魅惑的な甘い香りを吸い込んで熱い身体に包まれると、昂っていた気持ちが落ち着いてしまう。
鼻腔内に留まって僕の理性を奪い、ただ、ヨングが欲しくなってしまう。
恥ずかしい程、リップ音が耳に届く。僕の唇が吸われるチュッという音に、胸がドキドキして体温が上がって、ヨングに身体を擦り寄せて。
もっと、もっと、欲しいんだよ。
そのドキドキが。
香水といえば何年か前の事を、ふいに思い出す。僕が初めて香水を使って、君にどうかな?って訊いた事。
あの時は何の香りだったっけ?
何かフルーツの香りで、君は「美味しそう」って、言ったんだ。
あの時は、大変だったなぁ。
その後の練習、集中できなかった!
「……ふふっ」
「何で笑ったんですか?」
ヨングは、僕のスキニーを脱がしにかかっていて、そんな笑うタイミングではない。
「……教えなーい」
それよりも、気が付いたら僕だけほとんど裸なんだけど!
ヨングはまだ上着すら脱いでいない。
「おまえも、脱げよぉ」
上着の前を開いて、そのまま落としてやった。
ヨングが、僕の背中から腰のラインをなぞっている間に、シャツのボタンを外していく。
そのままお互いの素肌が触れる程引き寄せて、再びキスをした。
外気に触れて尖った僕の赤い実を、ヨングの尖りに擦り合わせると、ヨングはビクッと唇を離して、吐息を洩らした。顔が赤い。
ふふっ。好きだよね?
僕のココ……。
「ミンジェ、抱いてもいいですか?」
え?ここまで脱がしておいて今訊く?
でも、ヨングの目を見たらわかった。
僕に言わせたいんだ?そうでしょ。
「ねぇ、ミンジェっ」
「……抱いて?」
その時のヨングの笑顔は、蜂蜜をポタポタ垂らしたみたいな甘い表情で、思わず目を逸らしてしまう程だった。
耳まで熱くなり照れて顔を背ける僕の頬に、ゆっくり唇が押し当てられて。
それだけでおへその下の方が、キュンとなり、ヨングのシャツの背中を握りしめた。
(side ヨング)
擦り合わされた唇に夢中になりながら、いつものミンジェと少しだけ違う香りに、違和感を持ってしまった。
すぐに、ミンジェが Tシャツに付けていた香水の残り香だと気がつく。
"シャワー浴びてもらう……?"
でも、そんなの勝手過ぎる。ミンジェは何も悪くないのに責め立てて、服も脱がして、シャワー浴びてこい!
とか。さすがにない。
"抱き上げて連れていく……?"
嫉妬ばかりして束縛する僕を、貴方はどう思っているのだろう。
まだ高校生の時に、ミンジェとスヒョンが中々練習に来なかった日があった。
その日二人は、放課後一緒に何処かへ出掛けていて、いつもより少し遅れただけなのに、なんとなく面白くなかった。
「ごめんね?」
すまなそうにはにかむミンジェから、ふわりと柑橘系の香りがして、思わず目を瞬いた。ミンジェは、ふふっと笑って何か言って欲しそうにしているから、感じたまま、
「美味しそうな匂いですね」
と言ったら、ミンジェは白い頬を桜色に染め、
「美味しそうって、なんだよぅ」
肩を揺らして、萌え袖で顔を隠してしまった。
"女の子より可愛い反応……"
何だか、ドキドキしたのを覚えてる。
そういえば、あの時が"ミンジェの匂い"を意識するきっかけだった。
香水や柔軟剤、アロマキャンドル。
色々試してみても、やっぱりミンジェの匂いが一番好きだ。
蜂蜜のような、甘いのにほっこりと落ち着く。何度か嗅いでいると、ドキドキしてくる不思議な匂い。
でも、ミンジェがいつも同じ匂いだった訳ではない。僕ではない、誰かの匂いをさせている事もあった。
香水を付けないミンジェ。
誰かの匂いは、僕を嫉妬させたいの?
僕を揺さぶりたいの?
でも、いつだって無意識なんだ。
無意識に誰かに触れて、無意識に誰かに触れられている。
だからその誰かに、ミンジェは僕のものなんだと、気がついてもらわなければならない。
いつも一緒にいるスヒョンは、その事にすぐに気がついていた。スヒョンからは、ユギの匂いがしてるけど、多分本人はわかってない。ユギも、僕と同じ事考えてるのかな。
あのグループ内では一見クールなユギが、僕と同じように?同じ目的でスヒョンに" マーキング "してるとしたら、それはそれで興味深いこと。
ミンジェのスキニーの前が、窮屈そうだ。
少しくつろげて……、いや、いっそ脱がしてしまおう。
ファスナーをゆっくり降ろせば、可愛らしく下着を膨らませて待っているミンジェ自身が、柔らかく指先に触れた。
キスだけで、こんなに感じてくれる愛しい人。
僕が、うっとりしていると、突然ミンジェが「ふふっ」っと笑った。
え?なに?なんですか?
「おまえも脱げよぉ」
あ、僕ガッついてました?
直後、合わされた素肌のプツンとした感触に、それがミンジェの胸の尖りであるとわかったら、
ブワッときた。
胸元に目を向けると、ユルユルと擦り合わされる小さな粒が、お互いを押し潰し先端が離れると、また吸い付くように触れる。
煽られて、顔が火照る。もうシャワーなんていいから、今すぐ繋がりたい。
「ミンジェ、抱いてもいいですか?」
至近距離の糸目は、優しく細められていて、僅かに傾げる首筋に、誘われる。
「………抱いて?」
その、表情!
あぁ……もう、ああーっ!もうーっ!
僕の顔が自然と蕩けてしまう。
目を逸らしたミンジェの頬にキスをして、スッとすべらせた首筋。
唇を押し当てるだけでは、物足りない。少しだけ歯を当てて、ちょっと吸う。
「……っ、跡……」
付いてない付いてない。ペロッと舐めて、安心してもらう。
腰に這わせた手を、指を、忙しなく双丘の奥へと忍ばせれば、僕にすがり付く腕に少しだけ力が入る。
あぁ、これから僕だけの【Minjhe】を
堪能させて頂きます。
fin.
さっきまで、ヨングと喧嘩していた。
『喧嘩』する原因なんて、端から見たら些細なことだし本当に馬鹿馬鹿しくて。
僕がヨングに理不尽に怒られて、ショックのあまり気持ちが昂って言い返してただけだった。
途中で堪えきれない涙が零れて『喧嘩』は中止になって、ヨングから仲直りのキスをされれば身体は従順にトロリと溶かされていく。
僕が軽率で、無神経だったのかな。
ヨングが素直過ぎて、正直で、揺さぶったり試したりなんていう駆け引きは駄目なんだ。
結局子どもみたいに泣いて、君の愛情に許してもらう僕は、あざといのかな。
ヨングの使っている香水。ヨング自身の匂いと混ざって、僕が一番好きな匂い。
抱き締められて、キスされて。その魅惑的な甘い香りを吸い込んで熱い身体に包まれると、昂っていた気持ちが落ち着いてしまう。
鼻腔内に留まって僕の理性を奪い、ただ、ヨングが欲しくなってしまう。
恥ずかしい程、リップ音が耳に届く。僕の唇が吸われるチュッという音に、胸がドキドキして体温が上がって、ヨングに身体を擦り寄せて。
もっと、もっと、欲しいんだよ。
そのドキドキが。
香水といえば何年か前の事を、ふいに思い出す。僕が初めて香水を使って、君にどうかな?って訊いた事。
あの時は何の香りだったっけ?
何かフルーツの香りで、君は「美味しそう」って、言ったんだ。
あの時は、大変だったなぁ。
その後の練習、集中できなかった!
「……ふふっ」
「何で笑ったんですか?」
ヨングは、僕のスキニーを脱がしにかかっていて、そんな笑うタイミングではない。
「……教えなーい」
それよりも、気が付いたら僕だけほとんど裸なんだけど!
ヨングはまだ上着すら脱いでいない。
「おまえも、脱げよぉ」
上着の前を開いて、そのまま落としてやった。
ヨングが、僕の背中から腰のラインをなぞっている間に、シャツのボタンを外していく。
そのままお互いの素肌が触れる程引き寄せて、再びキスをした。
外気に触れて尖った僕の赤い実を、ヨングの尖りに擦り合わせると、ヨングはビクッと唇を離して、吐息を洩らした。顔が赤い。
ふふっ。好きだよね?
僕のココ……。
「ミンジェ、抱いてもいいですか?」
え?ここまで脱がしておいて今訊く?
でも、ヨングの目を見たらわかった。
僕に言わせたいんだ?そうでしょ。
「ねぇ、ミンジェっ」
「……抱いて?」
その時のヨングの笑顔は、蜂蜜をポタポタ垂らしたみたいな甘い表情で、思わず目を逸らしてしまう程だった。
耳まで熱くなり照れて顔を背ける僕の頬に、ゆっくり唇が押し当てられて。
それだけでおへその下の方が、キュンとなり、ヨングのシャツの背中を握りしめた。
(side ヨング)
擦り合わされた唇に夢中になりながら、いつものミンジェと少しだけ違う香りに、違和感を持ってしまった。
すぐに、ミンジェが Tシャツに付けていた香水の残り香だと気がつく。
"シャワー浴びてもらう……?"
でも、そんなの勝手過ぎる。ミンジェは何も悪くないのに責め立てて、服も脱がして、シャワー浴びてこい!
とか。さすがにない。
"抱き上げて連れていく……?"
嫉妬ばかりして束縛する僕を、貴方はどう思っているのだろう。
まだ高校生の時に、ミンジェとスヒョンが中々練習に来なかった日があった。
その日二人は、放課後一緒に何処かへ出掛けていて、いつもより少し遅れただけなのに、なんとなく面白くなかった。
「ごめんね?」
すまなそうにはにかむミンジェから、ふわりと柑橘系の香りがして、思わず目を瞬いた。ミンジェは、ふふっと笑って何か言って欲しそうにしているから、感じたまま、
「美味しそうな匂いですね」
と言ったら、ミンジェは白い頬を桜色に染め、
「美味しそうって、なんだよぅ」
肩を揺らして、萌え袖で顔を隠してしまった。
"女の子より可愛い反応……"
何だか、ドキドキしたのを覚えてる。
そういえば、あの時が"ミンジェの匂い"を意識するきっかけだった。
香水や柔軟剤、アロマキャンドル。
色々試してみても、やっぱりミンジェの匂いが一番好きだ。
蜂蜜のような、甘いのにほっこりと落ち着く。何度か嗅いでいると、ドキドキしてくる不思議な匂い。
でも、ミンジェがいつも同じ匂いだった訳ではない。僕ではない、誰かの匂いをさせている事もあった。
香水を付けないミンジェ。
誰かの匂いは、僕を嫉妬させたいの?
僕を揺さぶりたいの?
でも、いつだって無意識なんだ。
無意識に誰かに触れて、無意識に誰かに触れられている。
だからその誰かに、ミンジェは僕のものなんだと、気がついてもらわなければならない。
いつも一緒にいるスヒョンは、その事にすぐに気がついていた。スヒョンからは、ユギの匂いがしてるけど、多分本人はわかってない。ユギも、僕と同じ事考えてるのかな。
あのグループ内では一見クールなユギが、僕と同じように?同じ目的でスヒョンに" マーキング "してるとしたら、それはそれで興味深いこと。
ミンジェのスキニーの前が、窮屈そうだ。
少しくつろげて……、いや、いっそ脱がしてしまおう。
ファスナーをゆっくり降ろせば、可愛らしく下着を膨らませて待っているミンジェ自身が、柔らかく指先に触れた。
キスだけで、こんなに感じてくれる愛しい人。
僕が、うっとりしていると、突然ミンジェが「ふふっ」っと笑った。
え?なに?なんですか?
「おまえも脱げよぉ」
あ、僕ガッついてました?
直後、合わされた素肌のプツンとした感触に、それがミンジェの胸の尖りであるとわかったら、
ブワッときた。
胸元に目を向けると、ユルユルと擦り合わされる小さな粒が、お互いを押し潰し先端が離れると、また吸い付くように触れる。
煽られて、顔が火照る。もうシャワーなんていいから、今すぐ繋がりたい。
「ミンジェ、抱いてもいいですか?」
至近距離の糸目は、優しく細められていて、僅かに傾げる首筋に、誘われる。
「………抱いて?」
その、表情!
あぁ……もう、ああーっ!もうーっ!
僕の顔が自然と蕩けてしまう。
目を逸らしたミンジェの頬にキスをして、スッとすべらせた首筋。
唇を押し当てるだけでは、物足りない。少しだけ歯を当てて、ちょっと吸う。
「……っ、跡……」
付いてない付いてない。ペロッと舐めて、安心してもらう。
腰に這わせた手を、指を、忙しなく双丘の奥へと忍ばせれば、僕にすがり付く腕に少しだけ力が入る。
あぁ、これから僕だけの【Minjhe】を
堪能させて頂きます。
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