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僕たちのこじれた関係②
20. side Y ❷
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「気になりますか?ミンジェの方が、何倍も可愛いのに……」
「ふふっ、何倍も?ヨングの贔屓目だよぉ。だって女の子はさ?細くて柔らかそうで。小鹿みたいに目がぱっちりしてて可愛いし、髪も長くていい匂いするし……。男の僕とは違う生き物だよ……」
俯いたミンジェは、メイクの所為もあって凄く綺麗で……僕の胸が痛い位ドキドキする。いつもは優しい糸目が、ステージに立つ前の妖艶な目つきになっていて、隠しきれていない小さな焔が、僕をチリチリさせる。
本当は、激しい感情を秘めているミンジェ。誰よりも周りの人の事を考えて行動出来るのは、簡単な事ではない。
“ 嫉妬してくれてる?だとしたら嬉しい… ”
天使のような淡い金髪は、色白の肌を更に輝かせていて、僕は無意識に手を伸ばし、睫毛に絡まる前髪を整えてあげた。
「今日、音楽祭に集まってる女の子たちの……誰よりも貴方は綺麗で可愛いし、」
そのまま目尻から指先をすべらせて、白桃のように滑らかな頬を撫でる。
「そこにいるだけでヨジャもナムジャも皆が、貴方の、虜になっています」
グロスで光る口唇に視線はくぎづけで。
あと何時間経ったらキス出来る?
早く、貪るように……、キスしたい。
さっき僕に話しかけてきた女の子たちだって、可愛いとは思う。
でも、僕をこんな気持ちにさせるのは、
ミンジェだけだ。
「僕は、貴方が好きなんです。貴方だけを。僕の目には貴方しか見えないし、貴方しか欲しくない」
頬を撫でていた手にミンジェが手を添えて、まるで猫のようにスリッと頬擦りした。
『機嫌』直ったかな……。僕がもう一度キスしようと近づくと、するりと躱された。どこか嬉しそうに、楽しそうに微笑むミンジェ。
「……ヨング、トイレ行って戻らないと」
「わかりました」
僕たちが戻ると、ステージ裏に集合になった。メイク直しをしてもらい、軽く発声練習。リハーサルの時と変更がないか説明を聞いて、マイクのチェック。
イントロが流れ始めたステージへと出る、その前に。
「fighting !」
メンバー皆で声を掛け合い、肩を叩き合って鼓舞する。
ステージは大成功。
僕たちの名前を呼ぶ声や、一緒に歌ってくれた声がまだ耳に残る。
数々の賞を貰い、トロフィーを持ち、ミンジェの笑顔とメンバーの笑顔、胸に込み上げる熱い気持ちに涙が零れる……!
この瞬間を、ミンジェと共有出来る事が幸せで、すぐにミンジェの隣に寄り添い見つめあって笑い合った。
これからも、ずっとずっと隣で、一緒に目指すんだ……。
この、握った小さな手は、絶対に離さない。
「愛してます」
ミンジェの耳元で、囁いた……。
「ふふっ、何倍も?ヨングの贔屓目だよぉ。だって女の子はさ?細くて柔らかそうで。小鹿みたいに目がぱっちりしてて可愛いし、髪も長くていい匂いするし……。男の僕とは違う生き物だよ……」
俯いたミンジェは、メイクの所為もあって凄く綺麗で……僕の胸が痛い位ドキドキする。いつもは優しい糸目が、ステージに立つ前の妖艶な目つきになっていて、隠しきれていない小さな焔が、僕をチリチリさせる。
本当は、激しい感情を秘めているミンジェ。誰よりも周りの人の事を考えて行動出来るのは、簡単な事ではない。
“ 嫉妬してくれてる?だとしたら嬉しい… ”
天使のような淡い金髪は、色白の肌を更に輝かせていて、僕は無意識に手を伸ばし、睫毛に絡まる前髪を整えてあげた。
「今日、音楽祭に集まってる女の子たちの……誰よりも貴方は綺麗で可愛いし、」
そのまま目尻から指先をすべらせて、白桃のように滑らかな頬を撫でる。
「そこにいるだけでヨジャもナムジャも皆が、貴方の、虜になっています」
グロスで光る口唇に視線はくぎづけで。
あと何時間経ったらキス出来る?
早く、貪るように……、キスしたい。
さっき僕に話しかけてきた女の子たちだって、可愛いとは思う。
でも、僕をこんな気持ちにさせるのは、
ミンジェだけだ。
「僕は、貴方が好きなんです。貴方だけを。僕の目には貴方しか見えないし、貴方しか欲しくない」
頬を撫でていた手にミンジェが手を添えて、まるで猫のようにスリッと頬擦りした。
『機嫌』直ったかな……。僕がもう一度キスしようと近づくと、するりと躱された。どこか嬉しそうに、楽しそうに微笑むミンジェ。
「……ヨング、トイレ行って戻らないと」
「わかりました」
僕たちが戻ると、ステージ裏に集合になった。メイク直しをしてもらい、軽く発声練習。リハーサルの時と変更がないか説明を聞いて、マイクのチェック。
イントロが流れ始めたステージへと出る、その前に。
「fighting !」
メンバー皆で声を掛け合い、肩を叩き合って鼓舞する。
ステージは大成功。
僕たちの名前を呼ぶ声や、一緒に歌ってくれた声がまだ耳に残る。
数々の賞を貰い、トロフィーを持ち、ミンジェの笑顔とメンバーの笑顔、胸に込み上げる熱い気持ちに涙が零れる……!
この瞬間を、ミンジェと共有出来る事が幸せで、すぐにミンジェの隣に寄り添い見つめあって笑い合った。
これからも、ずっとずっと隣で、一緒に目指すんだ……。
この、握った小さな手は、絶対に離さない。
「愛してます」
ミンジェの耳元で、囁いた……。
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