最強の男ギルドから引退勧告を受ける

たぬまる

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第二章 自重を知らない回り

真夜中の会談と一方その頃

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 深夜12時砦の一角でマサナオとブラグニアは対峙していた。

「このたびは会談をお受けいただき・・・」

 そう言って頭を下げようとしたマサナオを片手を上げて止めるとニヤリと口の端を上げて笑う。

「これは正式な会談ではない、酒の席に堅苦しいのは無しじゃ」

「ありがたい、マサナオ・キノシタと申す」

「ブラグニアじゃ」

 二人は酒の注がれた杯を合わせ一気に飲む。

「ぅは、これは美味い・・・」

「これはドラゴニアのチンタラと言う酒じゃ、酒精がかなり強いが、美味いと言ってくれて嬉しいぞ。
息子はきつ過ぎて飲めないとぬかしおる」

 チンタラは火がつくほど濃厚な酒精を宿しており、大半の者は一口口に含むも飲みこめず吐き出してしまう。
 二人はそんな酒をガンガン飲み続け、一時間が経過した頃。

「ブラグニア殿・・・わしは皇帝もマツナリもヒャクタケも変わってしまっての、どう考えても信用出来ぬのだ」

「そうか・・・おぬしはそれが不安なのか」

 気心の知れ始めたた二人が色々な話をする中、少しずつお互いの話を重ねて行く

「わしは無駄に兵を損なうのも許せぬ、宰相殿が居てくれたら・・・」

「そうよな、フォースの今の国王が同じ事をしでかしたら、わしらは気って捨てておるじゃろう。
 昔な・・・」

 更にお互いのことに踏み込み暫くして、マサナオが杯を置くと真剣な顔をし

「このような話を信じるかは別ですが、あの三人は何かしらの方法を使って入れ替わったのではないかと思うのです」

 マサナオのその一言に、ブラグニアの目が一瞬で厳しい目に変わる。

「ほうぅ、それを言うと言う事の危険性を知っての事かのう?」

「無論です、このたびの会談はこの話を聞いていただいて、これからの戦について話をするためです」

「そうか。
 なら、こちらも腹を割って話すとするか。
 実はな商業ギルドのクロバやトッポ殿から聞いた話で、今ブラウン殿が確認に行っているが・・・」

「まさか、商業ギルドの闇の女王と万能殿だけでなく、最強のブラウン殿まで動いていただけているとは・・・」

 ブラグニアから齎された情報はまさに自分の予想と変わらぬ物であった。
 飛頭蛮とは思わなかったが、その特性を聞くと納得できる物だった。
 頭に翼が生えており、宿主の頭を背の高い山の山頂に隠して自らとすり替え、宿主として生活するよその大陸の妖怪と言われるモンスターであり、よその大陸では使役するものも居ると言う。
 その話を聞いたマサナオはブラグニアと同じ結論にたどり着いた。

「ブラウンが戻るまでは、戦をしているように見せておかねばな」

「はい、では暫くはその様に」

 二人の会談はこうして終わりを向かえ、マサナオはブラグニアから大量のチンタラをもらって陣に帰り、次の日には兵達は戦が出来ないほど酔いつぶれ、翌日は二日酔いで動けない状態を作り出し2日稼ぐことに成功したのだった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 その頃の大陸の国

 クロバやトッポの情報から大陸の2つの国がこちらの大陸を狙っている事が判明していたため龍姫達が密かに送り込まれていた。

 中央国首都王城では地獄の光景が広がっていた、獄炎龍による空中からの爆撃に加え降り立った龍姫達の蹂躙、奥の手と思われていた中央国の象徴たる龍の敗北、まさに国王には地獄のような光景であった。

「ばかなぁ、我が国の龍が一撃だと・・・」

「は?これ?ただの年寄りの翼蛇だけど?しかしまあ、これだけ瘴気を溜め込めるなって馬鹿なことしてたんだろうね」
 
 ミネルバがブラウンに返しそびれている大剣を軽く振るうと、空間が割ける様に割れていく。
 その光景に一瞬意識を取られる国王だが

「素晴らしい!!お前を今度は使役してやろう」

 ミネルバに向かって右手を突き出した刹那、紫の魔方陣が展開し、紫に光がミネルバを包み込むが、ガラスの割れるような音と共に魔方陣が砕けて消えた。

「おまえ・・・何してる・・・その程度の魔法効かないが良い気分でないね」

 髪を逆立てたミネルバが王城を更地に変え、それでも暴れまわることは止まらず、王城に居た王族貴族達は地獄を見ることになった。

「確かハインツとやらに頼まれたと言ってたな、丁度良いこいつを連れて行くか」

 トッポから頼まれていた人員?補充のためとオシオキをかねて王族の誰かを捕まえて来て欲しいと言われた事を思い出して、むかつく国王の首根っこを捕まえると高速で帰っていくのだった。

 残された者たちは、後世に語り継ぐ。
 東の大陸には手を出してはならぬ。
 一度手を出せば、空飛ぶ厄災が現れ煉獄を齎す。

 残された王族貴族達は恐怖に夜な夜な震え上がり、東から来る恐怖から逃げるために善政にまい進したという。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

ロウシュン覇王国の場合

 覇王城は氷に包まれ執務室に居た覇王は抵抗も虚しく四肢は氷りつき顔は恐怖に歪んでいた。

「二国で共謀したという事で間違いないのね?」

「あ、ああ間違いない、しゃべったのだから助けてくれ!!」

 ニンニルは冷たい目を向けて「いいわ」と呟くと氷が砕けて自由になる。
 ジリジリと後ろに下がりつつ様子を伺う。

「さてと・・・オシオキはしないといけないから・・・」

 考えている隙を突いて覇王が隠し持ったショートソードでニンニルの首に一気に切りかかるが、その肌を傷つける事は叶わなかった。

「そんな」

 驚愕に目を見開いてその場にへたり込む覇王を見下ろして。

「そうだ、これにしましょう」

 口の前に軽く手を叩くとご飯を決めるように、何かを決めたようだ。

「な、何をするつもりだ」

「こうするのよ」

 刹那無数の氷の刃が城中に駆け抜けた次の瞬間、城はばらばらになり、城に居た者は切り傷だらけになってあちらこちらで悲鳴が上がった。

「で、貴方はトッポのお土産決定」

 こうして碌でもない事を考えた者達はオシオキされ、責任者はハインツのお部屋に収納されたのだった。
 留守番のヘーラにはトッポからドーナツの差し入れをしてもらった事で文句を言われずに済んだのだった。

「ドーナツ美味いのじゃ、おかわり」
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