27 / 87
第二章 自重を知らない回り
各陣営の様子
しおりを挟む
「これより、奪われし我らが地を取り戻し!蛮族どもを栄光ある我らの奴隷という名誉を与えるがため出陣する!!」
「「おお!!」」
沸き立つ兵士達を率いて帝国兵はフォース王国に向かい出陣していく、その数20万。
騎兵6万、魔法兵4万、歩兵10万の陣容は大国ならではの陣容であり、フォース王国の様な小国は直ぐに飲み込まれる程の陣容であった。
故に油断したのであろう、故に高慢であったのだろう、明らかに勝って当たり前の顔をした兵士たちは明らかに旅に出るような感じで暢気に進んでいくのであった。
「フォース王国で強敵はクラウス傭兵団だが、兵数の差で決着が着くだろう」
「ですな、所詮は弱小国の傭兵団、劣勢に追い込めばあっさりと逃げ出すでしょうな」
「さよう、わざわざヒャクタケ卿がお出になるまでも無い戦です」
指揮官達も勝ちを信じて疑わず、戦後の褒章に気持ちは飛んでいた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
対するフォース王国も小国として見れば負けておらず、クラウス傭兵団騎兵3万、歩兵4万、魔法兵5千
王国騎兵2万5千、歩兵3万の陣容で、国境主要道路部分に築かれた砦に布陣し、シール王国及びドラゴニアからの援軍を待つだけだった。
「陛下、ドラゴニアからの使者が付きました」
「うむ、合おう」
砦の広場で待っていたトッポは、運び込んだ食料の積み下ろしを指揮していた。
「お待たせした、私がフォース王国国王シルバーナである
「シール王国 辺境都市ドラゴニアの使者トッポっす」
礼をとるトッポに「楽にされよ」と声をかけ、兵士の持ってきたイすに座るシルバーナ。
トッポもそれにあわせてイすに腰を下ろす。
「此度の援軍感謝いたす、早速で申し訳ないが、陣容を教えていただけますか?」
「はいっす、大将は街の領主ブラウン様っす、後は龍人の姫3人、地龍20、炎龍18、水龍30、風龍5、光龍7
ハンティングギルド員500、・・・ワイバーン583・・・っす」
「なんと!!我が心の師ブラウン殿が!しかし、最後が聞き取れなかったのだが?」
なんとも気まずそうに「ワイバーン583っす」と答えると、辺りの兵共々固まってしまった。
そうなると思ったっすよ、ワイバーンを騎獣にしているのって龍人だけっすよ・・・
「で、提案なんっすけどワイバーン200と龍人200を背後に配置して残りを遊撃に回すっす」
「威圧と遊撃だな?では其方の案で行こう」
トッポは返事を受けドラゴニア陣営に戻って行った。
「まさか、最強の男が此方に付いてくれるうえに、龍人の乗るワイバーン・・・ありがたい」
決戦前日に決まったこの参戦はフォース王国の士気を最大に高めることになり、中には10年前取られた領地を奪い返せるのではとの声も上がるほどだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
シール王国の場合
フォース王国より援軍要請に使者に即答で援軍を送ると答えた。
元来は会議にかけるべきなのだが、少し前にクロバから帝国が怪しい動きをいているとの報告を受けていた。
そして、ハインツが各大臣に根回しをして、いつでも軍を動かせるようにしていたのだった。
「軍編成はグラディア将軍に7万の編成を任せて2日後に出陣で良いかな?」
「そうですね、グラディア将軍ならブラウンさんとも面識がありますし、出てこられる時は大丈夫でしょう。
それより、私の所から1000人出しますのでお楽しみに」
「・・・・・・たしか、遠見の水晶を付けているのだったな?」
「ええ、実況中継も出来るようになっていますよ、一人は戦場を見渡せる場所に配置いたしますので」
「・・・・・・ほどほどにな」
「勿論です、本番は別にあると思いますので、ある意味馴らしだと思っています」
ハインツはメガネを押し上げてニヤリと笑う、その姿に国王は少し頭が痛くなるのを感じていた。
2日後、グラディア将軍率いる7万の援軍はフォース王国へと出陣して行った。
その影でハインツ特務部隊も出陣していた。
こうして決戦の場に全ての陣営が出揃った、この決戦は歴史書に残る決戦となり、帝国およびフォース王国、ドラゴニアの今後を決める戦いになるのであった。
――――――――――――――――――――
たぬまるです、何時も読んでいただいてありがとうございます。
今回は短いですが、これで戦争の準備が出来たので一先ずここで区切りました。
「「おお!!」」
沸き立つ兵士達を率いて帝国兵はフォース王国に向かい出陣していく、その数20万。
騎兵6万、魔法兵4万、歩兵10万の陣容は大国ならではの陣容であり、フォース王国の様な小国は直ぐに飲み込まれる程の陣容であった。
故に油断したのであろう、故に高慢であったのだろう、明らかに勝って当たり前の顔をした兵士たちは明らかに旅に出るような感じで暢気に進んでいくのであった。
「フォース王国で強敵はクラウス傭兵団だが、兵数の差で決着が着くだろう」
「ですな、所詮は弱小国の傭兵団、劣勢に追い込めばあっさりと逃げ出すでしょうな」
「さよう、わざわざヒャクタケ卿がお出になるまでも無い戦です」
指揮官達も勝ちを信じて疑わず、戦後の褒章に気持ちは飛んでいた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
対するフォース王国も小国として見れば負けておらず、クラウス傭兵団騎兵3万、歩兵4万、魔法兵5千
王国騎兵2万5千、歩兵3万の陣容で、国境主要道路部分に築かれた砦に布陣し、シール王国及びドラゴニアからの援軍を待つだけだった。
「陛下、ドラゴニアからの使者が付きました」
「うむ、合おう」
砦の広場で待っていたトッポは、運び込んだ食料の積み下ろしを指揮していた。
「お待たせした、私がフォース王国国王シルバーナである
「シール王国 辺境都市ドラゴニアの使者トッポっす」
礼をとるトッポに「楽にされよ」と声をかけ、兵士の持ってきたイすに座るシルバーナ。
トッポもそれにあわせてイすに腰を下ろす。
「此度の援軍感謝いたす、早速で申し訳ないが、陣容を教えていただけますか?」
「はいっす、大将は街の領主ブラウン様っす、後は龍人の姫3人、地龍20、炎龍18、水龍30、風龍5、光龍7
ハンティングギルド員500、・・・ワイバーン583・・・っす」
「なんと!!我が心の師ブラウン殿が!しかし、最後が聞き取れなかったのだが?」
なんとも気まずそうに「ワイバーン583っす」と答えると、辺りの兵共々固まってしまった。
そうなると思ったっすよ、ワイバーンを騎獣にしているのって龍人だけっすよ・・・
「で、提案なんっすけどワイバーン200と龍人200を背後に配置して残りを遊撃に回すっす」
「威圧と遊撃だな?では其方の案で行こう」
トッポは返事を受けドラゴニア陣営に戻って行った。
「まさか、最強の男が此方に付いてくれるうえに、龍人の乗るワイバーン・・・ありがたい」
決戦前日に決まったこの参戦はフォース王国の士気を最大に高めることになり、中には10年前取られた領地を奪い返せるのではとの声も上がるほどだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
シール王国の場合
フォース王国より援軍要請に使者に即答で援軍を送ると答えた。
元来は会議にかけるべきなのだが、少し前にクロバから帝国が怪しい動きをいているとの報告を受けていた。
そして、ハインツが各大臣に根回しをして、いつでも軍を動かせるようにしていたのだった。
「軍編成はグラディア将軍に7万の編成を任せて2日後に出陣で良いかな?」
「そうですね、グラディア将軍ならブラウンさんとも面識がありますし、出てこられる時は大丈夫でしょう。
それより、私の所から1000人出しますのでお楽しみに」
「・・・・・・たしか、遠見の水晶を付けているのだったな?」
「ええ、実況中継も出来るようになっていますよ、一人は戦場を見渡せる場所に配置いたしますので」
「・・・・・・ほどほどにな」
「勿論です、本番は別にあると思いますので、ある意味馴らしだと思っています」
ハインツはメガネを押し上げてニヤリと笑う、その姿に国王は少し頭が痛くなるのを感じていた。
2日後、グラディア将軍率いる7万の援軍はフォース王国へと出陣して行った。
その影でハインツ特務部隊も出陣していた。
こうして決戦の場に全ての陣営が出揃った、この決戦は歴史書に残る決戦となり、帝国およびフォース王国、ドラゴニアの今後を決める戦いになるのであった。
――――――――――――――――――――
たぬまるです、何時も読んでいただいてありがとうございます。
今回は短いですが、これで戦争の準備が出来たので一先ずここで区切りました。
20
お気に入りに追加
6,634
あなたにおすすめの小説

【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】
一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。
追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。
無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。
そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード!
異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。
【諸注意】
以前投稿した同名の短編の連載版になります。
連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。
なんでも大丈夫な方向けです。
小説の形をしていないので、読む人を選びます。
以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。
disりに見えてしまう表現があります。
以上の点から気分を害されても責任は負えません。
閲覧は自己責任でお願いします。
小説家になろう、pixivでも投稿しています。

異世界召喚失敗から始まるぶらり旅〜自由気ままにしてたら大変なことになった〜
ei_sainome
ファンタジー
クラスメイト全員が異世界に召喚されてしまった!
謁見の間に通され、王様たちから我が国を救って欲しい云々言われるお約束が…始まらない。
教室内が光ったと思えば、気づけば地下に閉じ込められていて、そこには誰もいなかった。
勝手に召喚されたあげく、誰も事情を知らない。未知の世界で、自分たちの力だけでどうやって生きていけというのか。
元の世界に帰るための方法を探し求めて各地を放浪する旅に出るが、似たように見えて全く異なる生態や人の価値観と文化の差に苦悩する。
力を持っていても順応できるかは話が別だった。
クラスメイトたちにはそれぞれ抱える内面や事情もあり…新たな世界で心身共に表面化していく。
※ご注意※
初投稿、試作、マイペース進行となります。
作品名は今後改題する可能性があります。
世界観だけプロットがあり、話の方向性はその場で決まります。
旅に出るまで(序章)がすごく長いです。
他サイトでも同作を投稿しています。
更新頻度は1〜3日程度を目標にしています。

幼少期に溜め込んだ魔力で、一生のんびり暮らしたいと思います。~こう見えて、迷宮育ちの村人です~
月並 瑠花
ファンタジー
※ファンタジー大賞に微力ながら参加させていただいております。応援のほど、よろしくお願いします。
「出て行けっ! この家にお前の居場所はない!」――父にそう告げられ、家を追い出された澪は、一人途方に暮れていた。
そんな時、幻聴が頭の中に聞こえてくる。
『秋篠澪。お前は人生をリセットしたいか?』。澪は迷いを一切見せることなく、答えてしまった――「やり直したい」と。
その瞬間、トラックに引かれた澪は異世界へと飛ばされることになった。
スキル『倉庫(アイテムボックス)』を与えられた澪は、一人でのんびり二度目の人生を過ごすことにした。だが転生直後、レイは騎士によって迷宮へ落とされる。
※2018.10.31 hotランキング一位をいただきました。(11/1と11/2、続けて一位でした。ありがとうございます。)
※2018.11.12 ブクマ3800達成。ありがとうございます。

お願いだから俺に構わないで下さい
大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。
17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。
高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。
本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。
折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。
それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。
これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。
有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…

1人生活なので自由な生き方を謳歌する
さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。
出来損ないと家族から追い出された。
唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。
これからはひとりで生きていかなくては。
そんな少女も実は、、、
1人の方が気楽に出来るしラッキー
これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。

俺だけ皆の能力が見えているのか!?特別な魔法の眼を持つ俺は、その力で魔法もスキルも効率よく覚えていき、周りよりもどんどん強くなる!!
クマクマG
ファンタジー
勝手に才能無しの烙印を押されたシェイド・シュヴァイスであったが、落ち込むのも束の間、彼はあることに気が付いた。『俺が見えているのって、人の能力なのか?』
自分の特別な能力に気が付いたシェイドは、どうやれば魔法を覚えやすいのか、どんな練習をすればスキルを覚えやすいのか、彼だけには魔法とスキルの経験値が見えていた。そのため、彼は効率よく魔法もスキルも覚えていき、どんどん周りよりも強くなっていく。
最初は才能無しということで見下されていたシェイドは、そういう奴らを実力で黙らせていく。魔法が大好きなシェイドは魔法を極めんとするも、様々な困難が彼に立ちはだかる。時には挫け、時には悲しみに暮れながらも周囲の助けもあり、魔法を極める道を進んで行く。これはそんなシェイド・シュヴァイスの物語である。


異世界に落ちたら若返りました。
アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。
夫との2人暮らし。
何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。
そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー
気がついたら知らない場所!?
しかもなんかやたらと若返ってない!?
なんで!?
そんなおばあちゃんのお話です。
更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる