9 / 87
外伝 VSエンシェントドラゴン
しおりを挟む
その日、世界に激震が走った、伝説にしか出てこないエンシェントドラゴンの出現、現れた北の帝国がなすすべも無く敗れたとの急報は各国に早急な対応をさせたのだった。
エンシェントドラゴンを討伐するために各国首脳が会議を開くも平行線が続き、ハンターギルドに仕方なく3人しか居ないS級ハンターに強制討伐依頼を出す事になった。
どの国の王も思惑があり、軍が動かないまま一週間の時が過ぎてSランク一人がエンシェントドラゴンの元にたどり着いた、二人は国境で足止めをされているため更に遅くなりそうだったのでただ一人立ち向かったのである。
たどり着いた時には金色の鱗を持つ巨大な龍は壊滅した村の中央で眠りについていた。
「はぁ、なんだ寝てんのか?」
後ろ頭をポリポリとかきながら2メートルを超える男は無防備にエンシェントドラゴンに向かって歩いていく
「GRUUU」
エンシェントドラゴンは長い首を持ち上げると、口を開き青白い稲妻を収束し始めるが、その刹那龍、のあごを男の大剣の柄がカチ上げて口の中で爆発がおきた。
「行き成りはないだろう」
男の名前はブラウンSランク最強と呼ばれる男だった。
しかしエンシェントドラゴンはダメージを受けた風も無く体を起こし、咆哮をあげると巨体に似合わぬ速度でブラウンに肉薄すると爪撃を左右から繰り出す。
ブラウンはバックステップでそれを交わすと、追撃するように尻尾が着地点に迫るが、ブラウンは空中で身を捻ると大剣でその尻尾をしたたかに切りつけた。
「GAAAAAAA」
切り付けられた尻尾は宙を舞い遥か左に飛んでいった。
「お前・・・強いな!」
あらゆる攻撃を受け付けないと言われるエンシェントドラゴンの鱗ごと尻尾を切飛ばす奇跡を起こすが、ブラウンの皮鎧の前面も鋭く切り裂かれていた。
再び両者ぶつかり合い距離を取ることを繰り返し、地形を変え森林を吹き飛ばしつつ戦闘は激しさを増していく。
「ニ、ニンゲ、ン、ナノガ、キザマ」
「お?まだしゃべるのか、勿論人間だよ」
「GAAAAAAA!」
この世界に災害級になる魔物は死ぬ間際であり、自我を失っている魔物が災害級と指定される、会話が出来る事は無いと言える。
エンシェントドラゴンは急に距離を取ると、目に見えるほど龍気を体の中に収束させると、体が徐々に人の様に変わっていく。
両腕は鱗に包まれ頭にも龍の角が生えているが2メートル弱の長くて白い顎鬚を蓄えた老齢の男が立っていた。
「うは、本気モードって事か?」
「わ、わしは龍として死ぬわけには行かぬ、死ぬのなら戦士として!」
龍気が爆発的に辺りに広がり、筋骨隆々の体に更に力が満ちるのが目に見えてわかった。
「どら、俺も本気出すか」
ブラウンは、腹の下に力をこめると気を練り放出する、エンシェントドラゴンの龍気にも負けないほど辺りに広がる。
エンシェントドラゴンは垂直に龍爪を構え腰を落とす。
ブラウンは大剣を顔の右直ぐそばに構え切っ先はエンシェントドラゴンに向け、腰を深く重心を後ろに置く。
刹那、お互いの立ち位置が変わった。そう思えるほど一瞬でお互い交差し決着は付いた。
一瞬の静寂の後、エンシェントドラゴンは地に倒れ、ブラウンは左肩を血に塗れさせ荒い息のままエンシェントドラゴンに近づく。
「み、見事だ人の子よ、わしは龍帝 バーヒュム、見事じゃ」
「はぁはぁ、俺はブラウン、流石にエンシェントドラゴンなだけあるな」
「良き龍生であった、無念は少しはあるがブラウンのお陰でほぼ果たせた、最後は龍人の戦士として死ねる。ありがとう」
「俺も良い修行になったよ」
バーヒュムは口元に笑みを浮かべると。
「わしには孫娘がおる、多分龍人の里で見ておろう、孫娘を礼に嫁にやる、成人したらおぬしの元に行くだろうから頼むな」
「お、おい、行き成り何を言い出すんだ」
「龍人の女は強い者の元に嫁ぐ、わしを倒したのだ遠慮なく受け取れ」
それだけを言い残すとバーヒュムは光の粒子となって弾けて消えた。
降り注ぐ光を浴びて、ブラウンは
「言いたいだけ言って消えやがった」
ブラウンと言うか人類に知識が無かったのだが、この光こそ龍の祝福と言いエンシェントドラゴンをたおした者だけが受けれる、最高の祝福だった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
バーヒュムが消える少し前、ブラウン達が決着をつけた森から12キロ離れた岩山では
「ミネルバそこをどいてくれ、今あの爺を殺れば、龍の祝福はわしらに付く」
赤髪のイケ面はそう言うと同じ髪の色の少女をどけようとする。
「お前もだニンニル、このままではあの人間が受けてしまう」
青い髪のイケ面も同じく同じ髪の少女にそう言い放つが、
「はぁ、お父様情けないですわ、正々堂々とも言えない6人がかりでおじい様を襲撃しましたのにぼろ負け」
「挙句に人間がたおしたおじい様を横取りしようなんて龍王の風上にも置けない」
そうこのイケ面は6大龍王で襲い掛かったにもかかわらず、返り討ちに遭い4人が入院中に抜け駆けを企てたのだが、娘に見つかった残念さんなのであった。
「いいから退くんだ!」
龍王達が娘を退かそうとしたが、手を払われ一瞬目が合った・・・炎龍王さん曰く「死ぬかと思いました、妻、親父以外で恐ろしく感じたのはまさかの娘でした」
水龍王さん曰く「俺達二人とも病院送りですよ、何が有ったのかは思い出したくも無いです」
との感想が寄せられるほど、恐ろしい事が有ったようです。
「おじい様をたおす男・・・素敵ですわ」
「どきどきすよ、ブラウン・・・」
この時6人の龍姫に目を付けられたとは、ブラウンは思いもしていなかった
エンシェントドラゴンを討伐するために各国首脳が会議を開くも平行線が続き、ハンターギルドに仕方なく3人しか居ないS級ハンターに強制討伐依頼を出す事になった。
どの国の王も思惑があり、軍が動かないまま一週間の時が過ぎてSランク一人がエンシェントドラゴンの元にたどり着いた、二人は国境で足止めをされているため更に遅くなりそうだったのでただ一人立ち向かったのである。
たどり着いた時には金色の鱗を持つ巨大な龍は壊滅した村の中央で眠りについていた。
「はぁ、なんだ寝てんのか?」
後ろ頭をポリポリとかきながら2メートルを超える男は無防備にエンシェントドラゴンに向かって歩いていく
「GRUUU」
エンシェントドラゴンは長い首を持ち上げると、口を開き青白い稲妻を収束し始めるが、その刹那龍、のあごを男の大剣の柄がカチ上げて口の中で爆発がおきた。
「行き成りはないだろう」
男の名前はブラウンSランク最強と呼ばれる男だった。
しかしエンシェントドラゴンはダメージを受けた風も無く体を起こし、咆哮をあげると巨体に似合わぬ速度でブラウンに肉薄すると爪撃を左右から繰り出す。
ブラウンはバックステップでそれを交わすと、追撃するように尻尾が着地点に迫るが、ブラウンは空中で身を捻ると大剣でその尻尾をしたたかに切りつけた。
「GAAAAAAA」
切り付けられた尻尾は宙を舞い遥か左に飛んでいった。
「お前・・・強いな!」
あらゆる攻撃を受け付けないと言われるエンシェントドラゴンの鱗ごと尻尾を切飛ばす奇跡を起こすが、ブラウンの皮鎧の前面も鋭く切り裂かれていた。
再び両者ぶつかり合い距離を取ることを繰り返し、地形を変え森林を吹き飛ばしつつ戦闘は激しさを増していく。
「ニ、ニンゲ、ン、ナノガ、キザマ」
「お?まだしゃべるのか、勿論人間だよ」
「GAAAAAAA!」
この世界に災害級になる魔物は死ぬ間際であり、自我を失っている魔物が災害級と指定される、会話が出来る事は無いと言える。
エンシェントドラゴンは急に距離を取ると、目に見えるほど龍気を体の中に収束させると、体が徐々に人の様に変わっていく。
両腕は鱗に包まれ頭にも龍の角が生えているが2メートル弱の長くて白い顎鬚を蓄えた老齢の男が立っていた。
「うは、本気モードって事か?」
「わ、わしは龍として死ぬわけには行かぬ、死ぬのなら戦士として!」
龍気が爆発的に辺りに広がり、筋骨隆々の体に更に力が満ちるのが目に見えてわかった。
「どら、俺も本気出すか」
ブラウンは、腹の下に力をこめると気を練り放出する、エンシェントドラゴンの龍気にも負けないほど辺りに広がる。
エンシェントドラゴンは垂直に龍爪を構え腰を落とす。
ブラウンは大剣を顔の右直ぐそばに構え切っ先はエンシェントドラゴンに向け、腰を深く重心を後ろに置く。
刹那、お互いの立ち位置が変わった。そう思えるほど一瞬でお互い交差し決着は付いた。
一瞬の静寂の後、エンシェントドラゴンは地に倒れ、ブラウンは左肩を血に塗れさせ荒い息のままエンシェントドラゴンに近づく。
「み、見事だ人の子よ、わしは龍帝 バーヒュム、見事じゃ」
「はぁはぁ、俺はブラウン、流石にエンシェントドラゴンなだけあるな」
「良き龍生であった、無念は少しはあるがブラウンのお陰でほぼ果たせた、最後は龍人の戦士として死ねる。ありがとう」
「俺も良い修行になったよ」
バーヒュムは口元に笑みを浮かべると。
「わしには孫娘がおる、多分龍人の里で見ておろう、孫娘を礼に嫁にやる、成人したらおぬしの元に行くだろうから頼むな」
「お、おい、行き成り何を言い出すんだ」
「龍人の女は強い者の元に嫁ぐ、わしを倒したのだ遠慮なく受け取れ」
それだけを言い残すとバーヒュムは光の粒子となって弾けて消えた。
降り注ぐ光を浴びて、ブラウンは
「言いたいだけ言って消えやがった」
ブラウンと言うか人類に知識が無かったのだが、この光こそ龍の祝福と言いエンシェントドラゴンをたおした者だけが受けれる、最高の祝福だった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
バーヒュムが消える少し前、ブラウン達が決着をつけた森から12キロ離れた岩山では
「ミネルバそこをどいてくれ、今あの爺を殺れば、龍の祝福はわしらに付く」
赤髪のイケ面はそう言うと同じ髪の色の少女をどけようとする。
「お前もだニンニル、このままではあの人間が受けてしまう」
青い髪のイケ面も同じく同じ髪の少女にそう言い放つが、
「はぁ、お父様情けないですわ、正々堂々とも言えない6人がかりでおじい様を襲撃しましたのにぼろ負け」
「挙句に人間がたおしたおじい様を横取りしようなんて龍王の風上にも置けない」
そうこのイケ面は6大龍王で襲い掛かったにもかかわらず、返り討ちに遭い4人が入院中に抜け駆けを企てたのだが、娘に見つかった残念さんなのであった。
「いいから退くんだ!」
龍王達が娘を退かそうとしたが、手を払われ一瞬目が合った・・・炎龍王さん曰く「死ぬかと思いました、妻、親父以外で恐ろしく感じたのはまさかの娘でした」
水龍王さん曰く「俺達二人とも病院送りですよ、何が有ったのかは思い出したくも無いです」
との感想が寄せられるほど、恐ろしい事が有ったようです。
「おじい様をたおす男・・・素敵ですわ」
「どきどきすよ、ブラウン・・・」
この時6人の龍姫に目を付けられたとは、ブラウンは思いもしていなかった
52
お気に入りに追加
6,634
あなたにおすすめの小説

【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】
一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。
追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。
無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。
そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード!
異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。
【諸注意】
以前投稿した同名の短編の連載版になります。
連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。
なんでも大丈夫な方向けです。
小説の形をしていないので、読む人を選びます。
以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。
disりに見えてしまう表現があります。
以上の点から気分を害されても責任は負えません。
閲覧は自己責任でお願いします。
小説家になろう、pixivでも投稿しています。

異世界召喚失敗から始まるぶらり旅〜自由気ままにしてたら大変なことになった〜
ei_sainome
ファンタジー
クラスメイト全員が異世界に召喚されてしまった!
謁見の間に通され、王様たちから我が国を救って欲しい云々言われるお約束が…始まらない。
教室内が光ったと思えば、気づけば地下に閉じ込められていて、そこには誰もいなかった。
勝手に召喚されたあげく、誰も事情を知らない。未知の世界で、自分たちの力だけでどうやって生きていけというのか。
元の世界に帰るための方法を探し求めて各地を放浪する旅に出るが、似たように見えて全く異なる生態や人の価値観と文化の差に苦悩する。
力を持っていても順応できるかは話が別だった。
クラスメイトたちにはそれぞれ抱える内面や事情もあり…新たな世界で心身共に表面化していく。
※ご注意※
初投稿、試作、マイペース進行となります。
作品名は今後改題する可能性があります。
世界観だけプロットがあり、話の方向性はその場で決まります。
旅に出るまで(序章)がすごく長いです。
他サイトでも同作を投稿しています。
更新頻度は1〜3日程度を目標にしています。

幼少期に溜め込んだ魔力で、一生のんびり暮らしたいと思います。~こう見えて、迷宮育ちの村人です~
月並 瑠花
ファンタジー
※ファンタジー大賞に微力ながら参加させていただいております。応援のほど、よろしくお願いします。
「出て行けっ! この家にお前の居場所はない!」――父にそう告げられ、家を追い出された澪は、一人途方に暮れていた。
そんな時、幻聴が頭の中に聞こえてくる。
『秋篠澪。お前は人生をリセットしたいか?』。澪は迷いを一切見せることなく、答えてしまった――「やり直したい」と。
その瞬間、トラックに引かれた澪は異世界へと飛ばされることになった。
スキル『倉庫(アイテムボックス)』を与えられた澪は、一人でのんびり二度目の人生を過ごすことにした。だが転生直後、レイは騎士によって迷宮へ落とされる。
※2018.10.31 hotランキング一位をいただきました。(11/1と11/2、続けて一位でした。ありがとうございます。)
※2018.11.12 ブクマ3800達成。ありがとうございます。

お願いだから俺に構わないで下さい
大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。
17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。
高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。
本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。
折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。
それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。
これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。
有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…

1人生活なので自由な生き方を謳歌する
さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。
出来損ないと家族から追い出された。
唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。
これからはひとりで生きていかなくては。
そんな少女も実は、、、
1人の方が気楽に出来るしラッキー
これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。

俺だけ皆の能力が見えているのか!?特別な魔法の眼を持つ俺は、その力で魔法もスキルも効率よく覚えていき、周りよりもどんどん強くなる!!
クマクマG
ファンタジー
勝手に才能無しの烙印を押されたシェイド・シュヴァイスであったが、落ち込むのも束の間、彼はあることに気が付いた。『俺が見えているのって、人の能力なのか?』
自分の特別な能力に気が付いたシェイドは、どうやれば魔法を覚えやすいのか、どんな練習をすればスキルを覚えやすいのか、彼だけには魔法とスキルの経験値が見えていた。そのため、彼は効率よく魔法もスキルも覚えていき、どんどん周りよりも強くなっていく。
最初は才能無しということで見下されていたシェイドは、そういう奴らを実力で黙らせていく。魔法が大好きなシェイドは魔法を極めんとするも、様々な困難が彼に立ちはだかる。時には挫け、時には悲しみに暮れながらも周囲の助けもあり、魔法を極める道を進んで行く。これはそんなシェイド・シュヴァイスの物語である。


異世界に落ちたら若返りました。
アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。
夫との2人暮らし。
何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。
そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー
気がついたら知らない場所!?
しかもなんかやたらと若返ってない!?
なんで!?
そんなおばあちゃんのお話です。
更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる