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井戸掘りとハンターギルドの災難の始まり
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村に着いて10日、村の整備が急ピッチに進む中一つの問題が浮上していた
それは水問題、村の井戸は1つで村人の水をまかなっていたのだが、
急激に増えた人数に井戸の数が足りなかった。
トッポとサニエル、クロバの三人は新たな井戸を設置できる所を探していたが
結局見つからずに、焦りが出て来ていた。
「どうしたもんすっかね」
トッポはため息を吐きつつ村の地図に×印を書き込む
「水脈は何処を通ってるんだろうね」
頭をかきつつ、クロバは井戸を中心に書き込まれた×を忌々しげに
にらみつける
サニエルは見落としが無いかもう一度地図を眺めるがさっぱりだった。
「どうしたんだ?最近3人で何かをやってるようだが」
「あ、兄貴」
「実はね、井戸をもう一つ掘ろうと水脈を探してるんだけどね」
「上手くいってないのか」
「そうなんだよ、もう探しつくしたと思うんだが・・・」
サニエルもお手上げといった風に両手を軽く上げる
「俺も探してみるか」
ブラウンはそう言うと腰につけていた、翡翠の飾りを見せるように
外して軽く持ち上げると、外に出て行った。
「兄貴、それで何をするんです?」
「ダウジングだよ、・・・こっちか」
翡翠の飾りが大きく揺れるほうに、歩き出す
「ダウンジングってなんだい?」
「なんっすっかね?」
「どこかで聞いた気もするが」
「ここだここだ、ここに水脈があるぞ」
ブラウンが立っていた所は井戸から離れすぎていて水脈が有るとは
思えない場所だ、三人は顔を見合わせると、不思議そうに
「ここは井戸から離れすぎじゃないかね?」
「ちょうど良い場所だと思うぞ、近いともう一つ作る意味が解らん」
「兄貴が言うなら掘ってみますが」
「大丈夫だ」
「なら掘ってみるか」
ドワーフのサニエルはすごい勢いで地面を掘っていく、
土の妖精族はこういった事が得意で砂を掘るように進んでいく
暫くすると、穴の中から
「み、水だ!水脈が有ったぞ!!」
予想外の場所から水が出たからなのか2人は声も無く目を見開いて
立ち尽くしている。
「な、なあ、ブラウン殿、ひょっとしてそれは何でも探せるのか?」
「うん?いや、これは水脈や鉱脈など地脈に属する物なら
探せるだけだよ、ノームの秘術ってやつだよ」
「な!だ、誰に習ったんだ?ドワーフが失伝している
ノーム様の秘術なんだよ」
「この翡翠に住んでるノームだよ、気まぐれに教えて
くれたりして覚えたんだよ」
サニエルは教えてくれと、泥まみれのゴツゴツした手で
ブラウンの腕をつかみ頼み込む光景を
正気に戻ったトッポ達が目にして、再び驚いて固まってしまうの
だった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
シール王国 国王の場合
俺はハンターギルドからの報告とクロバからの報告書を読み終えると、長いため息しかだせなかった。
当然だろう、この国最強の男を放逐したのだから、運よくトッポを頼って龍天山に住むことが解ったのは不幸中の幸いだ
「ハインツ、例の罪人の裁きは俺自らする事にする」
副官のハインツは燻し銀色の髪をした俺の幼馴染だ、宰相の地位より副官でいることを望んでくれている信頼できる部下だ
こんな頭の痛い話を出来るのもハインツぐらいだ
「王よ、龍天山の支配権はトッポが持っているが、多分ブラウン様に譲るだろう」
「なるほど、では早速ブラウンに爵位を送るとするか」
良い悪戯を思いついたように俺たちは笑い会うと、書類を相談しつつ書き始めるのであった。
あいつの嫌がる顔を思い浮かべるだけで楽しくなってくる
「で、爵位はどれにするかだな」
「いっそのこと、伯爵にでもした方が楽しそうではないか?」
「公爵でも良さそうだな」
二人で恩人のために色々と考えて行く、この時間が楽しくて仕方ない、昔爵位の話をした時のブラウンの顔は最高だった、何時も飄々としているブラウンが困った顔をして嫌がったのは良い思い出だ
しかし、今回はブラウンを守るために必要だし、何より面白い
「ハインツ、他にも色々と仕掛けておくか」
「そうだな、あのブタ いや、辺境伯が手を出せないようにしないとな」
「お前今ブタ伯と言おうとしたな、事実だがな」
「一応言い直しただろ」
俺たちは笑いながら考えを纏めつつ書類を進めていくのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
???の場合
ドラゴニアと言われる龍族の国は七つの丘とも呼ばれ7人の竜王が治める国である
その国から物凄い速度で飛ぶ龍人が居た、後を追う他の龍人よりも早い速度でドンドンと引き離していく
その龍人は炎の様な赤い髪を靡かせて金色の瞳を輝かせ、真っ直ぐに目的地に向かって飛んでいる
「あんた達そんな速度じゃいつ着くかわからないわよ!!置いていくからね」
「ひ、姫お待ちください」
この日、落ち目のハンターギルドに更なる不幸を持ち込む存在が猛スピードで空を駆けていった
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
何時もありがとうございます、24hで2位になれました
これも皆様のおかげです、これからもよろしくお願いします
それは水問題、村の井戸は1つで村人の水をまかなっていたのだが、
急激に増えた人数に井戸の数が足りなかった。
トッポとサニエル、クロバの三人は新たな井戸を設置できる所を探していたが
結局見つからずに、焦りが出て来ていた。
「どうしたもんすっかね」
トッポはため息を吐きつつ村の地図に×印を書き込む
「水脈は何処を通ってるんだろうね」
頭をかきつつ、クロバは井戸を中心に書き込まれた×を忌々しげに
にらみつける
サニエルは見落としが無いかもう一度地図を眺めるがさっぱりだった。
「どうしたんだ?最近3人で何かをやってるようだが」
「あ、兄貴」
「実はね、井戸をもう一つ掘ろうと水脈を探してるんだけどね」
「上手くいってないのか」
「そうなんだよ、もう探しつくしたと思うんだが・・・」
サニエルもお手上げといった風に両手を軽く上げる
「俺も探してみるか」
ブラウンはそう言うと腰につけていた、翡翠の飾りを見せるように
外して軽く持ち上げると、外に出て行った。
「兄貴、それで何をするんです?」
「ダウジングだよ、・・・こっちか」
翡翠の飾りが大きく揺れるほうに、歩き出す
「ダウンジングってなんだい?」
「なんっすっかね?」
「どこかで聞いた気もするが」
「ここだここだ、ここに水脈があるぞ」
ブラウンが立っていた所は井戸から離れすぎていて水脈が有るとは
思えない場所だ、三人は顔を見合わせると、不思議そうに
「ここは井戸から離れすぎじゃないかね?」
「ちょうど良い場所だと思うぞ、近いともう一つ作る意味が解らん」
「兄貴が言うなら掘ってみますが」
「大丈夫だ」
「なら掘ってみるか」
ドワーフのサニエルはすごい勢いで地面を掘っていく、
土の妖精族はこういった事が得意で砂を掘るように進んでいく
暫くすると、穴の中から
「み、水だ!水脈が有ったぞ!!」
予想外の場所から水が出たからなのか2人は声も無く目を見開いて
立ち尽くしている。
「な、なあ、ブラウン殿、ひょっとしてそれは何でも探せるのか?」
「うん?いや、これは水脈や鉱脈など地脈に属する物なら
探せるだけだよ、ノームの秘術ってやつだよ」
「な!だ、誰に習ったんだ?ドワーフが失伝している
ノーム様の秘術なんだよ」
「この翡翠に住んでるノームだよ、気まぐれに教えて
くれたりして覚えたんだよ」
サニエルは教えてくれと、泥まみれのゴツゴツした手で
ブラウンの腕をつかみ頼み込む光景を
正気に戻ったトッポ達が目にして、再び驚いて固まってしまうの
だった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
シール王国 国王の場合
俺はハンターギルドからの報告とクロバからの報告書を読み終えると、長いため息しかだせなかった。
当然だろう、この国最強の男を放逐したのだから、運よくトッポを頼って龍天山に住むことが解ったのは不幸中の幸いだ
「ハインツ、例の罪人の裁きは俺自らする事にする」
副官のハインツは燻し銀色の髪をした俺の幼馴染だ、宰相の地位より副官でいることを望んでくれている信頼できる部下だ
こんな頭の痛い話を出来るのもハインツぐらいだ
「王よ、龍天山の支配権はトッポが持っているが、多分ブラウン様に譲るだろう」
「なるほど、では早速ブラウンに爵位を送るとするか」
良い悪戯を思いついたように俺たちは笑い会うと、書類を相談しつつ書き始めるのであった。
あいつの嫌がる顔を思い浮かべるだけで楽しくなってくる
「で、爵位はどれにするかだな」
「いっそのこと、伯爵にでもした方が楽しそうではないか?」
「公爵でも良さそうだな」
二人で恩人のために色々と考えて行く、この時間が楽しくて仕方ない、昔爵位の話をした時のブラウンの顔は最高だった、何時も飄々としているブラウンが困った顔をして嫌がったのは良い思い出だ
しかし、今回はブラウンを守るために必要だし、何より面白い
「ハインツ、他にも色々と仕掛けておくか」
「そうだな、あのブタ いや、辺境伯が手を出せないようにしないとな」
「お前今ブタ伯と言おうとしたな、事実だがな」
「一応言い直しただろ」
俺たちは笑いながら考えを纏めつつ書類を進めていくのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
???の場合
ドラゴニアと言われる龍族の国は七つの丘とも呼ばれ7人の竜王が治める国である
その国から物凄い速度で飛ぶ龍人が居た、後を追う他の龍人よりも早い速度でドンドンと引き離していく
その龍人は炎の様な赤い髪を靡かせて金色の瞳を輝かせ、真っ直ぐに目的地に向かって飛んでいる
「あんた達そんな速度じゃいつ着くかわからないわよ!!置いていくからね」
「ひ、姫お待ちください」
この日、落ち目のハンターギルドに更なる不幸を持ち込む存在が猛スピードで空を駆けていった
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何時もありがとうございます、24hで2位になれました
これも皆様のおかげです、これからもよろしくお願いします
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