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サーシャは静かに暮らしたい
家出48日目~50日目
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家出48日目
スーケは目の前でドンドン消費されていく料理を呆然と眺めていた。
スーケが目の前の少女を拾ったのは町を流れる川に浮かんでいるところを拾ったのだが。
「こんなに食べるとは・・・」
ざっと5人前も食べた少女は満足そうに大量食いで少し出たお腹をなでながら、お茶をすすっていた。
「あ、ご馳走様でした、助かりました」
「で?なぜあのような所で浮いていたのだ?」
「じつは、敵を探して旅をしていたのですが、路銀もつき3日ほど何も食べていなかったために気を失ってしまって・・・」
「そうか・・・一先ず路銀を稼がないとな」
そう言って店を出ると、少女を連れてセドリックが居る宿屋に向かって行った。
「もうし遅れたのです。
ウチ、コザクラと言うのです」
「俺はスーケ・・・ここだ」
宿に入るとセドリックの居る部屋に向かって行った。
「おや?スーケさんその人は?」
スーケとコザクラは今までの事を説明する。
コザクラの母親に横恋慕した男「アント ニオ」が父親を殺して「シシュウカ」と共に逃げ出したと言うのだ。
父親の敵を討つために旅に出たという。
「そうですか、暫くはウチのお店で働きませんか?その間に情報を集めてみましょう」
その言葉にコザクラは何度も首を縦に振る。
セドリックはナナヤにアント ニオの特徴を伝えて調査を依頼した。
ナナヤは、サーシャに新たにつけてもらった眷属生成で作った巫女服を着た二足歩行の狐達が一斉に飛び出していった。
スーケに連れられてセドリック屋ユダ支店へと連れて行かれた。
元々商人の娘であったコザクラは飲み込みが早く、これからに期待されていた。
一方その頃の酒神ラビア
「これも、かなり丁寧に作りこまれて・・・しかも時空魔法を使って熟成を・・・」
サーシャに貰ったお酒をチェックしてはぁはぁしていた。
「う~ん凄い技術の塊です~
これだと、新しい材料を提供したらもっと色々と作ってもらえそうですね
えへへ、よだれが止まりません♪」
「や~酒神、何をしてるんだい?」
突如現れた創造神に驚きの声を上げる。
「わぎゃ!そ、創造神様びっくりしだです」
「うん、びっくりしたのは解ったから瓶の後ろに隠れないでもらえるかな?」
どんどん小さい瓶の後ろに隠れていくラビアを止めようと声をかけるが、その姿は更に小さくなっていく。
「あ~・・・あれ?これは僕の知らないお酒・・・」
ビンを開けてぐいっと飲むと「美味い」と声を洩らした。
「ぎゃ~!!酷いです酷いです、これはラビアが貰ったのに~」
大泣きを始めるラビアにおろおろするが、お酒を飲む手を止めない創造神が、厳重に封をされた酒瓶を開けると、濃密なお酒の香りが広がりラビアが顔を上げて止めようとするが、創造神は止まらない。
「うまぁ、これは青りんごの爽やかな香りと透き通った水の喉ごし・・・凄い」
そう言って残りも一気に飲んでしまう。
ラビアは絶望したように両膝を着くと泣き崩れてしまう。
「あ~なんだ、君が作ったお酒なんだし・・・美味しかったからさ。
また、作っておくれよ」
「ううう、うわぁぁぁぁぁ」
「え?なにちょっと?これって僕の評判が下がる・・・」
理解できない創造神が慌てる中、創造神の後頭部に蹴りが炸裂する。
「ごばひゃ」
「な~にラビアを泣かせてるのよ?潰すわよ」
倒れた創造神の股間に足を乗せ不穏当な事を囁くオウカ。
「なにも・・・ラビアが作ったお酒をちょっと拝借しただけだよ」
「それだけで、こんなに泣くわけないでしょ!」
「ぎゃ!!まってまって潰れちゃう・・・潰れちゃうから!!まって待って」
何が潰れるかは不明だが、必死に懇願する創造神を無視して、ラビアに目を向けると
「ラビア、何が有ったのだ?」
「ひぐ。っひう、創造神様がサーシャさんに分けてもらったお酒を・・・特別なお酒を飲んじゃったんです」
「あ~後一瓶しか無いって言っていた・・・って今度の女神会の目玉!」
オウカはつい足に力を入れてしまった。
「はぅ・・・」
泡をふいて創造神は気を失った・
「あら?ゴメンナサイね、でも貴方が悪いのよ」
そう言ってにこやかに笑うオウカは、ラビアを慰めつつ、サーシャからまた目玉を貰わないとと思っていた。
一方サーシャは
サーシャはお酒の勢いもあり、秘蔵の米酒も渡したことに軽いショックは受けたものの、今はそれ以上のお酒を作り出すために研究を始めていた。
「あの時の麹菌は偶然見つけた新種なのよね・・・これを組み合わせると」
サーシャは魔道顕微鏡の画像を見ながら新たな麹菌を作る研究をしていた。
夕方までに3種の麹を作成仕込むことに成功し、軽く汗を拭うと。
「ふ~ここに来てからセドリックが頑張ってくれてるから、研究が進むのよね。
外に出なくて良いのが最高ね」
そう言って新しいお酒が出回ったらこの国のみんなが喜んでくれるかな?と思いながらワクワクし、他の研究もそろそろしようかなと考えていた。
家出50日目
セドリックはコザクラの敵が意外と近くに居ることを突き止めた。
敵はイワクニの町で商人をしており。
また、周辺のゴロツキを束ねる悪党でも知られていた。
「では、ウチはアントを討ちに行くです」
「我らも加勢しましょう、加勢は認められているでしょう?」
「そんな!そこまでしてもらうのは申しわけないです」
そう言って断ろうとするが、まぁまぁとセドリックに押し切られてしまう。
セドリック一行にコザクラを加えイワクニの町に入ると、奉行所に仇討ち許可書を提出し、呼び出し状を送ると錦帯橋にて待つとの返事を受け見届け人とそこへ向かった。
「卑怯な!」
そこには20人を超えるゴロツキが加勢としていた。
「なぁにそこの見届け人が良いっていやぁ良いんだしよ、だめなら殺しゃぁ良いんだよ」
ニヤニヤと笑いながらそう言うアント ニオ、にイラッとした目線を向けるコザクラ
「見届け人としては許可できんな、お前が不正者と記録させてもらおう」
「ほぅいい度胸だ、一緒に死ねや」
見届け人も刀を抜き構えると、スーケも脇差を抜く。
「やるじゃないかお役人」
「なに、不正は不正、わしもそこまで寛大ではない。
他にも被害を聞いておったが、証拠が無くてな。
今が証拠となる!」
コザクラの声に笑顔で答える見届け人は真剣な顔をして敵を見据える。
それを皮切りにゴロツキ共が殺到するが、上手い事その行きを往なしながら、スーケはドンドン峰打ちで意識を刈り取っていく。
カークスは川に投げ込み、拳や蹴りで意識を刈り取りと、ドンドンと転がしていく。
見届け人が切り伏せていると、何処からともなくシノビが現れゴロツキの意識を刈り取っていく。
セドリックから見ても、なれたような連携で隙が無いのは間違いなかった。
アント ニオと シシュウカだけ残し、全員を叩きのめすのに15分もかからなかった。
「スーケさん、カークスさん」
「「は」」
素早くセドリックを守るように前に立つと
「ひかえ!ひかえろおう!」
「この紋章が目に入らぬか!」
「此方におわすお方は、主神サーシャ様のご夫君セドリック様なるぞ!頭が高い!ひかえおろう!」
見届け人をふくむ全ての意識のある男達は正座をして頭を下げた、
「正々堂々と、果し合いを行いなさい」
そう言うと、コザクラとアントが果たしあうことになった。
「では、ナナヤさんお願いします」
ナナヤに何かを頼むと、コザクラはナナヤに渡された刀を持ってアントに立ち向かった。
コザクラは思いっきり刀を構えて真っ直ぐ駆け込んだ。
「そんなもの」
そう言ってアントは刀を叩き落すために自分の刀を叩き付けた。
「にゃび」
アントは一瞬のコザクラの刀からの電撃を受けて、崩れ落ちた。
「そこまで!勝者コザクラ」
こうして、コザクラは無事敵を討て、見届け人、代官がアント一家を引き立てて余罪を聞き出し、裁く事になった。
「セドリック様、敵を討てたのも貴方達のお陰です」
そう言って頭を下げた。
「いやいや、これもコザクラさんの運ですよ。
もし行く所が無かったら、家で働きませんか?」
「あ、ありがとうございます。
これからも頑張ります」
こうして無事一件落着した。
代官は決め台詞がいえなくて不満そうであったが。
スーケは目の前でドンドン消費されていく料理を呆然と眺めていた。
スーケが目の前の少女を拾ったのは町を流れる川に浮かんでいるところを拾ったのだが。
「こんなに食べるとは・・・」
ざっと5人前も食べた少女は満足そうに大量食いで少し出たお腹をなでながら、お茶をすすっていた。
「あ、ご馳走様でした、助かりました」
「で?なぜあのような所で浮いていたのだ?」
「じつは、敵を探して旅をしていたのですが、路銀もつき3日ほど何も食べていなかったために気を失ってしまって・・・」
「そうか・・・一先ず路銀を稼がないとな」
そう言って店を出ると、少女を連れてセドリックが居る宿屋に向かって行った。
「もうし遅れたのです。
ウチ、コザクラと言うのです」
「俺はスーケ・・・ここだ」
宿に入るとセドリックの居る部屋に向かって行った。
「おや?スーケさんその人は?」
スーケとコザクラは今までの事を説明する。
コザクラの母親に横恋慕した男「アント ニオ」が父親を殺して「シシュウカ」と共に逃げ出したと言うのだ。
父親の敵を討つために旅に出たという。
「そうですか、暫くはウチのお店で働きませんか?その間に情報を集めてみましょう」
その言葉にコザクラは何度も首を縦に振る。
セドリックはナナヤにアント ニオの特徴を伝えて調査を依頼した。
ナナヤは、サーシャに新たにつけてもらった眷属生成で作った巫女服を着た二足歩行の狐達が一斉に飛び出していった。
スーケに連れられてセドリック屋ユダ支店へと連れて行かれた。
元々商人の娘であったコザクラは飲み込みが早く、これからに期待されていた。
一方その頃の酒神ラビア
「これも、かなり丁寧に作りこまれて・・・しかも時空魔法を使って熟成を・・・」
サーシャに貰ったお酒をチェックしてはぁはぁしていた。
「う~ん凄い技術の塊です~
これだと、新しい材料を提供したらもっと色々と作ってもらえそうですね
えへへ、よだれが止まりません♪」
「や~酒神、何をしてるんだい?」
突如現れた創造神に驚きの声を上げる。
「わぎゃ!そ、創造神様びっくりしだです」
「うん、びっくりしたのは解ったから瓶の後ろに隠れないでもらえるかな?」
どんどん小さい瓶の後ろに隠れていくラビアを止めようと声をかけるが、その姿は更に小さくなっていく。
「あ~・・・あれ?これは僕の知らないお酒・・・」
ビンを開けてぐいっと飲むと「美味い」と声を洩らした。
「ぎゃ~!!酷いです酷いです、これはラビアが貰ったのに~」
大泣きを始めるラビアにおろおろするが、お酒を飲む手を止めない創造神が、厳重に封をされた酒瓶を開けると、濃密なお酒の香りが広がりラビアが顔を上げて止めようとするが、創造神は止まらない。
「うまぁ、これは青りんごの爽やかな香りと透き通った水の喉ごし・・・凄い」
そう言って残りも一気に飲んでしまう。
ラビアは絶望したように両膝を着くと泣き崩れてしまう。
「あ~なんだ、君が作ったお酒なんだし・・・美味しかったからさ。
また、作っておくれよ」
「ううう、うわぁぁぁぁぁ」
「え?なにちょっと?これって僕の評判が下がる・・・」
理解できない創造神が慌てる中、創造神の後頭部に蹴りが炸裂する。
「ごばひゃ」
「な~にラビアを泣かせてるのよ?潰すわよ」
倒れた創造神の股間に足を乗せ不穏当な事を囁くオウカ。
「なにも・・・ラビアが作ったお酒をちょっと拝借しただけだよ」
「それだけで、こんなに泣くわけないでしょ!」
「ぎゃ!!まってまって潰れちゃう・・・潰れちゃうから!!まって待って」
何が潰れるかは不明だが、必死に懇願する創造神を無視して、ラビアに目を向けると
「ラビア、何が有ったのだ?」
「ひぐ。っひう、創造神様がサーシャさんに分けてもらったお酒を・・・特別なお酒を飲んじゃったんです」
「あ~後一瓶しか無いって言っていた・・・って今度の女神会の目玉!」
オウカはつい足に力を入れてしまった。
「はぅ・・・」
泡をふいて創造神は気を失った・
「あら?ゴメンナサイね、でも貴方が悪いのよ」
そう言ってにこやかに笑うオウカは、ラビアを慰めつつ、サーシャからまた目玉を貰わないとと思っていた。
一方サーシャは
サーシャはお酒の勢いもあり、秘蔵の米酒も渡したことに軽いショックは受けたものの、今はそれ以上のお酒を作り出すために研究を始めていた。
「あの時の麹菌は偶然見つけた新種なのよね・・・これを組み合わせると」
サーシャは魔道顕微鏡の画像を見ながら新たな麹菌を作る研究をしていた。
夕方までに3種の麹を作成仕込むことに成功し、軽く汗を拭うと。
「ふ~ここに来てからセドリックが頑張ってくれてるから、研究が進むのよね。
外に出なくて良いのが最高ね」
そう言って新しいお酒が出回ったらこの国のみんなが喜んでくれるかな?と思いながらワクワクし、他の研究もそろそろしようかなと考えていた。
家出50日目
セドリックはコザクラの敵が意外と近くに居ることを突き止めた。
敵はイワクニの町で商人をしており。
また、周辺のゴロツキを束ねる悪党でも知られていた。
「では、ウチはアントを討ちに行くです」
「我らも加勢しましょう、加勢は認められているでしょう?」
「そんな!そこまでしてもらうのは申しわけないです」
そう言って断ろうとするが、まぁまぁとセドリックに押し切られてしまう。
セドリック一行にコザクラを加えイワクニの町に入ると、奉行所に仇討ち許可書を提出し、呼び出し状を送ると錦帯橋にて待つとの返事を受け見届け人とそこへ向かった。
「卑怯な!」
そこには20人を超えるゴロツキが加勢としていた。
「なぁにそこの見届け人が良いっていやぁ良いんだしよ、だめなら殺しゃぁ良いんだよ」
ニヤニヤと笑いながらそう言うアント ニオ、にイラッとした目線を向けるコザクラ
「見届け人としては許可できんな、お前が不正者と記録させてもらおう」
「ほぅいい度胸だ、一緒に死ねや」
見届け人も刀を抜き構えると、スーケも脇差を抜く。
「やるじゃないかお役人」
「なに、不正は不正、わしもそこまで寛大ではない。
他にも被害を聞いておったが、証拠が無くてな。
今が証拠となる!」
コザクラの声に笑顔で答える見届け人は真剣な顔をして敵を見据える。
それを皮切りにゴロツキ共が殺到するが、上手い事その行きを往なしながら、スーケはドンドン峰打ちで意識を刈り取っていく。
カークスは川に投げ込み、拳や蹴りで意識を刈り取りと、ドンドンと転がしていく。
見届け人が切り伏せていると、何処からともなくシノビが現れゴロツキの意識を刈り取っていく。
セドリックから見ても、なれたような連携で隙が無いのは間違いなかった。
アント ニオと シシュウカだけ残し、全員を叩きのめすのに15分もかからなかった。
「スーケさん、カークスさん」
「「は」」
素早くセドリックを守るように前に立つと
「ひかえ!ひかえろおう!」
「この紋章が目に入らぬか!」
「此方におわすお方は、主神サーシャ様のご夫君セドリック様なるぞ!頭が高い!ひかえおろう!」
見届け人をふくむ全ての意識のある男達は正座をして頭を下げた、
「正々堂々と、果し合いを行いなさい」
そう言うと、コザクラとアントが果たしあうことになった。
「では、ナナヤさんお願いします」
ナナヤに何かを頼むと、コザクラはナナヤに渡された刀を持ってアントに立ち向かった。
コザクラは思いっきり刀を構えて真っ直ぐ駆け込んだ。
「そんなもの」
そう言ってアントは刀を叩き落すために自分の刀を叩き付けた。
「にゃび」
アントは一瞬のコザクラの刀からの電撃を受けて、崩れ落ちた。
「そこまで!勝者コザクラ」
こうして、コザクラは無事敵を討て、見届け人、代官がアント一家を引き立てて余罪を聞き出し、裁く事になった。
「セドリック様、敵を討てたのも貴方達のお陰です」
そう言って頭を下げた。
「いやいや、これもコザクラさんの運ですよ。
もし行く所が無かったら、家で働きませんか?」
「あ、ありがとうございます。
これからも頑張ります」
こうして無事一件落着した。
代官は決め台詞がいえなくて不満そうであったが。
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