迷宮に捨てられた○○、世界を震わせる

たぬまる

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帝国編

外伝 ピーちゃんと神

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時は遡り、結達がセアキワ国と激しい戦いを繰り広げていた時。
 異次元自宅でピーちゃんは人化の練習を一人行なっていた。

「ふ~むつかしいなぁ」

 修行を始めてかなり経つが未だに人になれずに居た。
 リビングに置かれたピーちゃん用のピンクの丸い座布団に横になり眠りに付いた。

「やぁ、頑張ってるね」

 ピーちゃんの目の前に、いきなり金髪の青い目の少年が立っていた。

「あなただれ?」

 器用に顔の部分だけ傾けて問いかけるピーちゃんに少年は

「神だよ♪頑張ってるピーちゃんにアドバイスにやってきました☆」

「そう~なんだ♪」
 
 二人は飛び跳ねて喜びを表す。なぜ神まで?

「君のスキルで一番要らない排泄物作成を変えてもいいかな?」

 基本的にスライムは偽者の排泄物を作り、動物や弱いモンスターが追跡を始めた所を襲う習性がある。
 今までの習性を捨てることになる。

「う~ん・・・いいよ♪」

 少し考えてピーちゃんはOKを出した。

「O~K、O~K やっぱりアイドルはトイレに行かないものだもんね♪」

「え?いや、はやくますたーにあいたいから」

 ピーちゃんのそんな声を無視して、白い光をピーちゃんに押し付けると、ピーちゃんがピンク色の光を放つ。

「これで君も人化出来るよ♪」

”ピーちゃんはスキル:排泄物作成を失い、スキル:スキン作成を覚えました”

「さぁスキルを使ってみて♪」

「すきんさくせい」

 ぴかっとピーちゃんが光を放ち人の形になっていく。
 光が収まると、桜色の髪に赤い瞳の12~3歳の少女が立っていた。

「お~♪予想より・・・イイね♥、これ着てね」

「は~い」

 神が出した服をごそごそと着始めるピーちゃん。それをカメラを構えて見守る神・・・
 神が用意したのは白と赤袴のオーソドックスな巫女服だった。
 マジックテープでとても着やすいタイプだったが、ピーちゃんには難易度が高かったようで、身体に帯などを巻きつけて倒れて動けなくなってしまった。
 神は鼻血を出しながら、渋々ピーちゃんに着方などの知識を入れていった。
 無論、服のセンスなどは全く入れていないが。

「ふぉふ~おススメを聞いてよかったよ♪」

 ピーちゃんの巫女姿を確りと記録して、夢の世界から元の世界に戻すと、神はイソイソと自室に帰って行った。


一方ピーちゃん

 ピーちゃんが目を覚ますと最初に、人間の白い手が見えた。

「わ~い、人間になれた♪」

 巫女服の裾をめくり足を確認したりして少し悩むと、胸を大きくした。
 ピーちゃんのなかで、りゅーちゃんの胸を見ていた結を思い出して、もっと見て欲しい思いがそうさせた。

「よし♪」

 そう言って鏡を見ようと振り返ると、夢であった神が色んな意味でたっていた。

「え、あ・・・あははは、これ、着替え、僕、帰る」

 挙動不審な神は光の粒子を残して消え、その後には○長書店の紙袋が落ちていて、そこから色とりどりの服が出ていた。(何処で買ってんねん)

「変なの~」

 こうしてピーちゃんは人化出来、怪しげな衣装を度々神から送られ、リクエストされるのだった。

 
 現在

 その話を聞いたりゅーちゃんはイライラと爪をかむと。

「あのやろう~神になってもセンスの無さと、節操のなさは変わらねぇか」

「え?りゅーちゃん知ってるの?」

 ピーちゃんに優しい目を向け、頭をなでつつ

「ああ、知ってる。間違いなくあいつのセンスは最悪だ・・・」

 そうかな?と言いながら着ているすくーるみずぎを見回していた。

「安心しろ、今度出てきたら俺が全力でO・HA・NA・SIをしてやるからな」

 こうして、りゅーちゃんの必ずやる事が増えたのだった。



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