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帝国編
りゅーちゃんの怒り
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”しかし全てが上手くいっている、それが不安とは・・・”
康人は薄暗い城の地下牢を改造した実験室で、ニヤニヤと笑いながら巨大なビーカーの中の緑の液体に入っている4本腕のゾンビのチェックをしていた。
このゾンビのベースは帝国の剣聖と歌われた男をベースに騎士団長の腕を付け、さらに数種類の魔物の筋組織を組み込んで完成させた最強ゾンビだった。
魔物化して巨大になった身体は3メートル近くに達し、原型を留めていない顔からは苦悶の表情が見て取れた。
「ふふふ、これで結達は確実死だね」
”やすとちゃん最高”
”やすとやるなぁ”
康人の持つ杖のウュシイレカが喋ったように腹話術で声を上げる。
「そうだろう、そうだろう・・・僕はこれから世界の王になる!」
そう言ってビーカーの中からゾンビを吊るして外に出し、鎧の内側に触手が蠢く黒い鎧を装着して、二本の剣と二本の鎚を持たせると、真っ黒な卵形のカプセルに乗せて打ち出した。
その頃ラクヨウ周辺
ラクヨウ周辺に現れた黒の軍勢を結達が迎え撃っていた。
りゅーちゃんの予想通り、聖なる歌の対策がされており、鎧を砕けば聖なる歌の効果がある事もわかった。
そこでりゅーちゃんとピーちゃんが兵士達の武器に聖属性をエンチャントしたため、かなり有利に戦闘が行なわれていた。
結も自分の拳に聖属性を付加し、次々にゾンビ兵を薙ぎ倒し吹き飛ばしていく。
ある程度攻勢が強まった所で、ピーちゃんがピンクのセーラー服を着て少し高い台の上に立つと、聖なる歌を歌い始めた。
体の一部が傷ついたゾンビ兵は歌が届くとチリに変わる、それを見た兵士達は傷をつければ良いと理解した。
「みんな!傷で良い倒しきる必要がない」
その声に兵士達は更に奮起し、ゾンビ兵を駆逐して行く。
突如蝙蝠が空に集まり、キユに変わった。
「は~い君達の心を盗むヴァンパイア、キユだよ☆」
「あ~はいはい」
ウインクをして現れたキユに、メンドクサそうに対応する結。
りゅーちゃんは黙って問答無用で二振りの剣で一気に切り裂いた。
「ぎゃぁぁぁ、ま、待ちたまえ、僕の事が好きなのは解ったから。
僕は一人の物にはなれないんだよ」
そう言って前髪を払うようにして格好をつける。
「うざい」
無表情で剣を収め拳を握ると、目に見えない速さで拳を打ち込む。
「にぎゃぁぁぁ」
抵抗も出来ず全ての拳を顔面で受けたキユは顔を抑えながら大きく距離を取る。
「は、激しいレディーだ・・・」
「てめぇアイツに似ててうぜぇ」
りゅーちゃんはそう言うと、空に巨大な光のハンマーを作り出す。
「え?ま、待ちたまえ、それは流石に死んでしまうよ」
それを見て流石に青ざめたキユは、逃げ場を探して辺りを見回す。
「くたばれ」
一気にハンマーを振り下ろしたその刹那、黒いタマゴ状の塊がキユとハンマーの間に入り砕け散った。
「ちぃ」
りゅーちゃんはその場を飛び退き、距離を取った。
キユは砕けた塊をモロに体中に受け、悶え転げた。
「Goooooooo」
塊の中から4本腕の巨体が現れ雄叫びを上げると、りゅーちゃんに猛然と襲い掛かっていった。
隙間なく連続で繰り出される剣と鎚の攻撃を素早くりゅーちゃんの細腕で弾き続けた。
「きもちっっっ悪いんだよ」
最後の鎚の攻撃を捌ききり、大きく隙が出来たモンスターの右太腿に、思い切り蹴りを放ち距離を取る。
「はぁはぁ、ったく頑丈なやつめ!
ピーちゃん身体強化の歌を歌ってくれ。
俺は聖属性を最大限に込める」
「は~い」
ピーちゃんは身体強化の歌を歌い、りゅーちゃんは拳に最大限の聖属性を込めると、弾丸のような速度でモンスターに肉薄する。
モンスターも恐ろしい反応速度で二本の鎚でりゅーちゃんを迎撃。
二人の接触面から眩い火花が飛び散り、鎚が崩壊していく。
しかし、りゅーちゃんもバランスを崩し、がら空きの背中に二振りの剣が振り下ろされる。
「しまった!」
りゅーちゃんは身体に力を込めて襲い来る攻撃に耐えようとしたが、いつまでたっても攻撃は来ない。
りゅーちゃんが顔を上げて見ると、結が剣を受け流し、モンスターの伸びきった腕を掴み、その胸に肘を叩き込んだ所だった。
「りゅーちゃんを・・・虐めるな!!!!」
モンスターの鎧が割れ、結の肘が聖なる光を纏いモンスターを吹き飛ばす。
「すまない」
「うん、二人で行くよ」
そう言うと結は加速して武器のない左腕を殴りつけると、腕は塵となって消えた。
りゅーちゃんは結に追いつくと、剣を持った二本の腕と戦闘を始める。腰に挿した二本の剣を引き抜くと、次々と剣線を生み出す。
りゅーちゃんはモンスターの二本の剣を見ると、何かを思い出したように。
「その剣・・・サン・ヘルシング公国か?」
「ははは、知ってるのかい?
そうだよ、今は僕の国ヴァンピール帝国だけどね」
「貴様まさか、・・・」
りゅーちゃんは剣をいなしながら、キユを見る。
キユは芝居がかったように、会釈をすると。
「僕は元サン・ヘルシングの王子だよ、君が闘っているのは我が国の剣聖と騎士団長だよ。
全く役に立たないと思ったけど意外といけたね」
そう笑うキユを見てりゅーちゃんは口の端から血が流れるほど食いしばると。
「貴様は・・・武人の教示を知らぬ者が!!」
りゅーちゃんは結の後ろ襟を掴み、後ろに放り投げると。
一気に肉薄しモンスターを吹き飛ばした。
「辛かっただろ、苦しかっただろう・・・今俺が終らせてやる」
涙を流しモンスターを見つめると、両方の剣が光り輝き、剣を天に掲げると縦に一線光が通り過ぎ、モンスターは真っ二つになって、小さな声で「ありがとう」ともらして塵となって消えた。
過去の剣聖は武を尊び正々堂々とした清々しい男だった、試合後は酒盛りをしては楽しく過ごした。
そんなある日、初弟子が出来た祝いに二振りの剣を送った。
先ほどモンスターが振るっていたのはその時の剣だった、りゅーちゃんは初代剣聖の思いを見た気がした。
故に熱くたぎったのだろう、その怒りのまま
「さて・・・次はお前だ」
りゅーちゃんが振り向くとそこにはキユは居らず、何処からか
「また、会いに来るよ」
と声が響いた。
「次はぶっ殺す」
りゅーちゃんの言葉に答えるものは居なかったが・・・
「ちょっと、りゅーちゃんいきなり投げ飛ばすなんて酷くない?」
激オコな結をなだめるのにかなり時間がかかり、あいつよりも手強かったと後に語っていた。
康人は薄暗い城の地下牢を改造した実験室で、ニヤニヤと笑いながら巨大なビーカーの中の緑の液体に入っている4本腕のゾンビのチェックをしていた。
このゾンビのベースは帝国の剣聖と歌われた男をベースに騎士団長の腕を付け、さらに数種類の魔物の筋組織を組み込んで完成させた最強ゾンビだった。
魔物化して巨大になった身体は3メートル近くに達し、原型を留めていない顔からは苦悶の表情が見て取れた。
「ふふふ、これで結達は確実死だね」
”やすとちゃん最高”
”やすとやるなぁ”
康人の持つ杖のウュシイレカが喋ったように腹話術で声を上げる。
「そうだろう、そうだろう・・・僕はこれから世界の王になる!」
そう言ってビーカーの中からゾンビを吊るして外に出し、鎧の内側に触手が蠢く黒い鎧を装着して、二本の剣と二本の鎚を持たせると、真っ黒な卵形のカプセルに乗せて打ち出した。
その頃ラクヨウ周辺
ラクヨウ周辺に現れた黒の軍勢を結達が迎え撃っていた。
りゅーちゃんの予想通り、聖なる歌の対策がされており、鎧を砕けば聖なる歌の効果がある事もわかった。
そこでりゅーちゃんとピーちゃんが兵士達の武器に聖属性をエンチャントしたため、かなり有利に戦闘が行なわれていた。
結も自分の拳に聖属性を付加し、次々にゾンビ兵を薙ぎ倒し吹き飛ばしていく。
ある程度攻勢が強まった所で、ピーちゃんがピンクのセーラー服を着て少し高い台の上に立つと、聖なる歌を歌い始めた。
体の一部が傷ついたゾンビ兵は歌が届くとチリに変わる、それを見た兵士達は傷をつければ良いと理解した。
「みんな!傷で良い倒しきる必要がない」
その声に兵士達は更に奮起し、ゾンビ兵を駆逐して行く。
突如蝙蝠が空に集まり、キユに変わった。
「は~い君達の心を盗むヴァンパイア、キユだよ☆」
「あ~はいはい」
ウインクをして現れたキユに、メンドクサそうに対応する結。
りゅーちゃんは黙って問答無用で二振りの剣で一気に切り裂いた。
「ぎゃぁぁぁ、ま、待ちたまえ、僕の事が好きなのは解ったから。
僕は一人の物にはなれないんだよ」
そう言って前髪を払うようにして格好をつける。
「うざい」
無表情で剣を収め拳を握ると、目に見えない速さで拳を打ち込む。
「にぎゃぁぁぁ」
抵抗も出来ず全ての拳を顔面で受けたキユは顔を抑えながら大きく距離を取る。
「は、激しいレディーだ・・・」
「てめぇアイツに似ててうぜぇ」
りゅーちゃんはそう言うと、空に巨大な光のハンマーを作り出す。
「え?ま、待ちたまえ、それは流石に死んでしまうよ」
それを見て流石に青ざめたキユは、逃げ場を探して辺りを見回す。
「くたばれ」
一気にハンマーを振り下ろしたその刹那、黒いタマゴ状の塊がキユとハンマーの間に入り砕け散った。
「ちぃ」
りゅーちゃんはその場を飛び退き、距離を取った。
キユは砕けた塊をモロに体中に受け、悶え転げた。
「Goooooooo」
塊の中から4本腕の巨体が現れ雄叫びを上げると、りゅーちゃんに猛然と襲い掛かっていった。
隙間なく連続で繰り出される剣と鎚の攻撃を素早くりゅーちゃんの細腕で弾き続けた。
「きもちっっっ悪いんだよ」
最後の鎚の攻撃を捌ききり、大きく隙が出来たモンスターの右太腿に、思い切り蹴りを放ち距離を取る。
「はぁはぁ、ったく頑丈なやつめ!
ピーちゃん身体強化の歌を歌ってくれ。
俺は聖属性を最大限に込める」
「は~い」
ピーちゃんは身体強化の歌を歌い、りゅーちゃんは拳に最大限の聖属性を込めると、弾丸のような速度でモンスターに肉薄する。
モンスターも恐ろしい反応速度で二本の鎚でりゅーちゃんを迎撃。
二人の接触面から眩い火花が飛び散り、鎚が崩壊していく。
しかし、りゅーちゃんもバランスを崩し、がら空きの背中に二振りの剣が振り下ろされる。
「しまった!」
りゅーちゃんは身体に力を込めて襲い来る攻撃に耐えようとしたが、いつまでたっても攻撃は来ない。
りゅーちゃんが顔を上げて見ると、結が剣を受け流し、モンスターの伸びきった腕を掴み、その胸に肘を叩き込んだ所だった。
「りゅーちゃんを・・・虐めるな!!!!」
モンスターの鎧が割れ、結の肘が聖なる光を纏いモンスターを吹き飛ばす。
「すまない」
「うん、二人で行くよ」
そう言うと結は加速して武器のない左腕を殴りつけると、腕は塵となって消えた。
りゅーちゃんは結に追いつくと、剣を持った二本の腕と戦闘を始める。腰に挿した二本の剣を引き抜くと、次々と剣線を生み出す。
りゅーちゃんはモンスターの二本の剣を見ると、何かを思い出したように。
「その剣・・・サン・ヘルシング公国か?」
「ははは、知ってるのかい?
そうだよ、今は僕の国ヴァンピール帝国だけどね」
「貴様まさか、・・・」
りゅーちゃんは剣をいなしながら、キユを見る。
キユは芝居がかったように、会釈をすると。
「僕は元サン・ヘルシングの王子だよ、君が闘っているのは我が国の剣聖と騎士団長だよ。
全く役に立たないと思ったけど意外といけたね」
そう笑うキユを見てりゅーちゃんは口の端から血が流れるほど食いしばると。
「貴様は・・・武人の教示を知らぬ者が!!」
りゅーちゃんは結の後ろ襟を掴み、後ろに放り投げると。
一気に肉薄しモンスターを吹き飛ばした。
「辛かっただろ、苦しかっただろう・・・今俺が終らせてやる」
涙を流しモンスターを見つめると、両方の剣が光り輝き、剣を天に掲げると縦に一線光が通り過ぎ、モンスターは真っ二つになって、小さな声で「ありがとう」ともらして塵となって消えた。
過去の剣聖は武を尊び正々堂々とした清々しい男だった、試合後は酒盛りをしては楽しく過ごした。
そんなある日、初弟子が出来た祝いに二振りの剣を送った。
先ほどモンスターが振るっていたのはその時の剣だった、りゅーちゃんは初代剣聖の思いを見た気がした。
故に熱くたぎったのだろう、その怒りのまま
「さて・・・次はお前だ」
りゅーちゃんが振り向くとそこにはキユは居らず、何処からか
「また、会いに来るよ」
と声が響いた。
「次はぶっ殺す」
りゅーちゃんの言葉に答えるものは居なかったが・・・
「ちょっと、りゅーちゃんいきなり投げ飛ばすなんて酷くない?」
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