迷宮に捨てられた○○、世界を震わせる

たぬまる

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龍人の国

龍人の国のエピローグ

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 エピローグ

 結国が興され3年が経った。
 りゅーちゃんは宰相と公を兼任して国の運営は思ったよりもスムーズに進み、今では龍谷関からの一部を国領旧セアキワ、現ミューゼン国領問題なく治めており、セアキワ時代よりも発展していた。

「結、柴犬族のフツウ国から支援して欲しいとの使者が来ているらしいぞ」

 執務室に入っていたりゅーちゃんに目を向けると、結はニッコリと笑って

「うん、会うよ」

 結は3年経ったが少しも体の成長が見えなかった。
 そして、確りと働いたお陰で女神であることを差し引いても国内の信頼は一番高くなっていた。。
 

 そこにはかなり高齢の柴犬族が平頭し、結が出てくるのを待っていた。 

「結国皇帝、ユイ ヨシカワ様、私はフツウ国宰相、柴犬族のチュータツと申します」

 深く頭を下げたチュータツはゆっくりと頭を上げると、りゅーちゃんを見て驚き固まった。

「久しぶりだなチュータツ、俺が蘇っていて驚いたか」

 そう言って悪戯が成功したような笑顔を浮かべる。
 それをみたチュータツは涙を流し、ひれ伏した。

「閣下、私はあの時貴方を封印いたしました。
 その後私は大いに後悔いたしました。
 我らに厳しく苛烈に不正を罰し、民を苦しめる者があれば軍を動かす。
 臣はみな恐れ慄き貴方様の顔色を見ておりました。」

「故にその恐怖から逃れるために我が忠臣を封印し、俺も封印したわけだ。
 その後はどうなった?不正が横行し国は衰退しギ国は解体、お前が辛うじて纏めたフツウ国が形骸的に残っている・・・だろう?」

 結はりゅーちゃんの話が終るまで静かにしている事にした。

「それが私の失敗・・・罪なのです」

「で?今回地震で国の殆どが瓦礫と化した、それを助けろと?」

「はい。
 ですが、貴方様はお助けにならないでしょうな。
 この爺の建てた国などに支援なさるまい」

 りゅーちゃんはため息をつくと、軽く首を振って

「お前は俺の本質を理解していないようだな・・・」

「じゃあ工兵と私が行くよ。りゅーちゃんはチュータツさんと確りお話していてね」

 結がそう言って謁見の間を出て行く。りゅーちゃんはそれに片手をあげて答えると、改めてチュータツに向き合った。

「こう言う事だ。あの時俺を理解するものが居なかった、忠臣で有っても真に理解は出来ていなかった。
 故に苛烈に成った、それが俺の失敗だったのだろうな。
 結国には結が居る、俺を理解しているし、俺が結を理解している。
 同じ間違いは起こらんだろう」

「そうですか・・・私はここまで生き永らえて良かった・・・これは閣下の忠臣を封じた場所の地図です。
 どうぞお救い下さい。」

 懐より出した地図を不満そうに受け取ると

「ふん、これは結次第だ。
 老骨にはここまでの旅きつかったであろう、温泉にでも入ってゆるりと休むがいい」

 そう言って去っていくりゅーちゃんにチュータツは

「私は、貴方の復活を見るために超延命の秘薬を飲みました・・・もう一度貴方にお使えしたく・・・」

 そう投げかけるチュータツの言葉に

「年寄りは少し休んでろ、使えそうなら考えてやる」

 実に2000年ぶりの会合であった。
 封印され若々しいりゅーちゃんと、延命を続け年老いたチュータツ。
 二人の会合が何を生んだのだろう?
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