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龍人の国
決着、そして
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ザイビス子爵に幻影を見せながら牢に繋ぎ、りゅーちゃん達は王都まで一気に兵を進める事にした。
ザイビスを発った翌日には王都間近の平原、かつてハイバトルゴブリンが現れたあの平原だった。
あっと言う間に土壁の陣を作り、翌日に決戦をする準備を整えていた。
一方のセアキワ国側は市民は逃げ出し、騎士団もほぼ壊滅、雇ったゴロツキだけが残っていた。
「くそ!俺は国王だぞ、何でこんな目に」
「サク王様~、私ねぇ新しい奴隷が欲しいのだけど」
空気を読まずにやって来た雪にサク王は
「もし今回の戦に勝てたら幾らでも買ってやるよ」
「ホント!じゃあ私頑張る」
そう言ってはしゃぎ、雪は城を出て一直線に結軍の陣地に駆けて行った。
「あいつはあんなのでも勇者だ、せいぜい敵を引きつけてくれ」
雪は自分の何倍もの大きさの斧を振り回し、土壁を壊そうと躍起になっていた。
そこへりゅーちゃんが空から舞い降りてきた。
「おいてめぇ確か雪とか言ったな」
赤黒いオーラを放ちながらりゅーちゃんが問いかけると
「王妃、雪王妃様とお呼び!」
そう言うと袈裟切りで斧を振り下ろしてきたが
”かーん”
軽い音を立てて弾かれてしまった。
弾かれた巨大な斧を一度見て、今度は斧に真っ黒なオーラを纏わせ真横に振りぬいた。
それを指二本でりゅーちゃんが受け止めるとピクリとも斧は動かなかった。
「それだけか?」
ショックを受けたように雪は二歩後ろに下がった。
「てめぇが、あの胸糞わりぃ道具を作ったんだったな。
徹底的に叩きのめしてやるよ」
「くひ、まさかこんな所で康人の発明が役に立つなんて」
そう言って不気味に光る紫の小瓶を取り出し、一気に飲み干した。
「これで、これでひひひひひ ワタシハサイギョウダダダダダダダダ」
突如肥大化して白目をむきりゅーちゃんが捨てた斧を拾い上げる。
「あれは確か・・・虎立薬か?」
りゅーちゃんの記憶では筋力などは5倍になるが理性や人間性が無くなる。
人間をモンスターに変えるクスリだったと思い出していた。
「だが、全く弱いんだよな~」
りゅーちゃんは光魔法を拳に纏わせると、一息で100に近い拳を叩き込んだ。
「バガガガロロロロロ」
おかしな声を上げながら、モンスター雪は吹き飛び転がっていった。
「ふぅ」
りゅーちゃんに殴られた場所が光を放ち人間に戻っていく、特に頭が
「まあ、頭が戻れば人格も痛みも思い出す。痛みは5倍ぐれぇになるから、はぁ食いしばれ」
雪の地獄はまだまだ終りそうに無い。牙を剥き、拳を打ち鳴らすりゅーちゃんの姿に腰を抜かして声を上げることも出来ず、ただ口をパクパクするしか出来なかった。
呪いを打ち消しながら殴り続ける。呪いが消えたら今度は回復させながら、小一時間ほど殴り続けて意識を失った雪を、ザイビス子爵と同じ様に幻影を見せ続け牢獄へと捕えた。
「ふ~、結に土産が出来たかな?」
ニコヤカにスッキリとした様に陣内に戻ると、結が丁度空中兵に指示を出した所だった。
「どうした?」
「あ、りゅーちゃん。雪が囮だったみたいで、ゴロツキみたいなのが南側から仕掛けようとしてたから空中兵の皆に出動してもらったの」
それを聞くと背伸びして肩を回し
「じゃあ、もう一仕事してくるかな?」
「え~結が行くよ」
結は少し頬を膨らませるとそう言って、龍翼をはためかせ飛び立っていった。
「ちぇ、結の奴張り切りやがって」
ゴロツキなどは空を翔け結の加護を受けた空中兵の敵では無く、次々に倒されていく。
そこへ結が機嫌よく歌いながら参戦。兵達は更に攻勢を強め、10分ほどで全滅させることに成功した。
翌日、結達が王都へ到着すると、いたるところに降伏の旗が上がり、門も開放されていた。
どうやら夜の内にサク王は逃げ出し、残ったゴロツキが降伏したようであった。
全ての土地を治めた後
結は皇帝となり、りゅーちゃんを公に任じ、ローザ・ミューゼンを初代王としてセアキワの地の半分を支配するように命じた。
またそれを支える臣下として何人かの貴族を配置。
ミューゼン王地として後に名を馳せるようになる。
日和見を決め込んだ貴族は、改易の後、元領民達を巻き込んだ大裁判を行い、大半が奴隷もしくは終身刑となった。
「さて諸君、この度の戦においてもっとも悪とされるのは誰だ?」
「「雪、雪」」
「「サク、サク」」
会場は雪とサクを断罪せよとの声に満ち溢れた。
「ふざけんじゃないわよ!私はこの国の王妃なのよ!愚民に裁かれる覚えは無いわ!!」
そう叫び声を上げる雪に市民からは怒りの声が更に上がる。あれだけの悪夢を見せられても自分を失わない雪にある意味呆れていた。
「折角だ、皆雪が作り出した全ての器具を使ってみようではないか。回復魔法で回復させつつ繰り返せば全て使えるだろ」
住民全てが賛成の声を上げる。
「やめなさいよ、何を考えてるの?嫌よイヤ」
髪を振り乱し拒否するが、結作の頑丈な拘束具が身動きを許さない。
「誰か、助けなさいよ!私は勇者よ」
民衆をにらみつけ命令するが誰も動こうとしない。
「あ?お前?まだ知らなかったのか?」
「何がよ」
「お前の職業は蛮勇者だろ? 蛮勇な者、つまり勇者ではないんだよ」
「な!勇者じゃない・・・」
心がそこ折れたかと思われたが。
「はん、勇者でなくても私は王妃。お前らとは違うのよ」
その後、雪は回復魔法を掛けられながら自分が作り出した拷問器具で拷問をされた。
一方でサクは賞金を掛けられ
雪の最後は自分が作った断頭台で首を刎ねられてその生涯を終えた。
その首は暫く広場にさらされていたが何時の間にか消えていた。
民はその事を気にも留めず、復興が急ピッチに進んで行った。
一方サクは
康人に渡された使いきり転移アイテムで何処かの森を彷徨っていた。
「ここは何処だ?早く街に着けたらあいつらに復讐してやる」
そう言って石を蹴飛ばし一歩踏み出すと
「ウフォ♥」
石に当たったのは穴掘りモホウコングの亜種、激堀ハーレムコングだった。
「おい、何故舌なめずりしている?俺は美味くないぞ」
「ウフォフォフォフォ♥」
「お、おい何故ズボンを脱がそうとする、うあ、やめろ・・・」
その後森の奥で人間の悲鳴が聞こえたとか聞こえなかったとか・・・南無
―――――――――――――
たぬまるです
激堀ハーレムコングの説明を少し。穴掘りモホウコングを自分のハーレムに入れる雌雄同体のコング
人間とも子作りが出来、その激しさから全てのコングから恐れられている。
ザイビスを発った翌日には王都間近の平原、かつてハイバトルゴブリンが現れたあの平原だった。
あっと言う間に土壁の陣を作り、翌日に決戦をする準備を整えていた。
一方のセアキワ国側は市民は逃げ出し、騎士団もほぼ壊滅、雇ったゴロツキだけが残っていた。
「くそ!俺は国王だぞ、何でこんな目に」
「サク王様~、私ねぇ新しい奴隷が欲しいのだけど」
空気を読まずにやって来た雪にサク王は
「もし今回の戦に勝てたら幾らでも買ってやるよ」
「ホント!じゃあ私頑張る」
そう言ってはしゃぎ、雪は城を出て一直線に結軍の陣地に駆けて行った。
「あいつはあんなのでも勇者だ、せいぜい敵を引きつけてくれ」
雪は自分の何倍もの大きさの斧を振り回し、土壁を壊そうと躍起になっていた。
そこへりゅーちゃんが空から舞い降りてきた。
「おいてめぇ確か雪とか言ったな」
赤黒いオーラを放ちながらりゅーちゃんが問いかけると
「王妃、雪王妃様とお呼び!」
そう言うと袈裟切りで斧を振り下ろしてきたが
”かーん”
軽い音を立てて弾かれてしまった。
弾かれた巨大な斧を一度見て、今度は斧に真っ黒なオーラを纏わせ真横に振りぬいた。
それを指二本でりゅーちゃんが受け止めるとピクリとも斧は動かなかった。
「それだけか?」
ショックを受けたように雪は二歩後ろに下がった。
「てめぇが、あの胸糞わりぃ道具を作ったんだったな。
徹底的に叩きのめしてやるよ」
「くひ、まさかこんな所で康人の発明が役に立つなんて」
そう言って不気味に光る紫の小瓶を取り出し、一気に飲み干した。
「これで、これでひひひひひ ワタシハサイギョウダダダダダダダダ」
突如肥大化して白目をむきりゅーちゃんが捨てた斧を拾い上げる。
「あれは確か・・・虎立薬か?」
りゅーちゃんの記憶では筋力などは5倍になるが理性や人間性が無くなる。
人間をモンスターに変えるクスリだったと思い出していた。
「だが、全く弱いんだよな~」
りゅーちゃんは光魔法を拳に纏わせると、一息で100に近い拳を叩き込んだ。
「バガガガロロロロロ」
おかしな声を上げながら、モンスター雪は吹き飛び転がっていった。
「ふぅ」
りゅーちゃんに殴られた場所が光を放ち人間に戻っていく、特に頭が
「まあ、頭が戻れば人格も痛みも思い出す。痛みは5倍ぐれぇになるから、はぁ食いしばれ」
雪の地獄はまだまだ終りそうに無い。牙を剥き、拳を打ち鳴らすりゅーちゃんの姿に腰を抜かして声を上げることも出来ず、ただ口をパクパクするしか出来なかった。
呪いを打ち消しながら殴り続ける。呪いが消えたら今度は回復させながら、小一時間ほど殴り続けて意識を失った雪を、ザイビス子爵と同じ様に幻影を見せ続け牢獄へと捕えた。
「ふ~、結に土産が出来たかな?」
ニコヤカにスッキリとした様に陣内に戻ると、結が丁度空中兵に指示を出した所だった。
「どうした?」
「あ、りゅーちゃん。雪が囮だったみたいで、ゴロツキみたいなのが南側から仕掛けようとしてたから空中兵の皆に出動してもらったの」
それを聞くと背伸びして肩を回し
「じゃあ、もう一仕事してくるかな?」
「え~結が行くよ」
結は少し頬を膨らませるとそう言って、龍翼をはためかせ飛び立っていった。
「ちぇ、結の奴張り切りやがって」
ゴロツキなどは空を翔け結の加護を受けた空中兵の敵では無く、次々に倒されていく。
そこへ結が機嫌よく歌いながら参戦。兵達は更に攻勢を強め、10分ほどで全滅させることに成功した。
翌日、結達が王都へ到着すると、いたるところに降伏の旗が上がり、門も開放されていた。
どうやら夜の内にサク王は逃げ出し、残ったゴロツキが降伏したようであった。
全ての土地を治めた後
結は皇帝となり、りゅーちゃんを公に任じ、ローザ・ミューゼンを初代王としてセアキワの地の半分を支配するように命じた。
またそれを支える臣下として何人かの貴族を配置。
ミューゼン王地として後に名を馳せるようになる。
日和見を決め込んだ貴族は、改易の後、元領民達を巻き込んだ大裁判を行い、大半が奴隷もしくは終身刑となった。
「さて諸君、この度の戦においてもっとも悪とされるのは誰だ?」
「「雪、雪」」
「「サク、サク」」
会場は雪とサクを断罪せよとの声に満ち溢れた。
「ふざけんじゃないわよ!私はこの国の王妃なのよ!愚民に裁かれる覚えは無いわ!!」
そう叫び声を上げる雪に市民からは怒りの声が更に上がる。あれだけの悪夢を見せられても自分を失わない雪にある意味呆れていた。
「折角だ、皆雪が作り出した全ての器具を使ってみようではないか。回復魔法で回復させつつ繰り返せば全て使えるだろ」
住民全てが賛成の声を上げる。
「やめなさいよ、何を考えてるの?嫌よイヤ」
髪を振り乱し拒否するが、結作の頑丈な拘束具が身動きを許さない。
「誰か、助けなさいよ!私は勇者よ」
民衆をにらみつけ命令するが誰も動こうとしない。
「あ?お前?まだ知らなかったのか?」
「何がよ」
「お前の職業は蛮勇者だろ? 蛮勇な者、つまり勇者ではないんだよ」
「な!勇者じゃない・・・」
心がそこ折れたかと思われたが。
「はん、勇者でなくても私は王妃。お前らとは違うのよ」
その後、雪は回復魔法を掛けられながら自分が作り出した拷問器具で拷問をされた。
一方でサクは賞金を掛けられ
雪の最後は自分が作った断頭台で首を刎ねられてその生涯を終えた。
その首は暫く広場にさらされていたが何時の間にか消えていた。
民はその事を気にも留めず、復興が急ピッチに進んで行った。
一方サクは
康人に渡された使いきり転移アイテムで何処かの森を彷徨っていた。
「ここは何処だ?早く街に着けたらあいつらに復讐してやる」
そう言って石を蹴飛ばし一歩踏み出すと
「ウフォ♥」
石に当たったのは穴掘りモホウコングの亜種、激堀ハーレムコングだった。
「おい、何故舌なめずりしている?俺は美味くないぞ」
「ウフォフォフォフォ♥」
「お、おい何故ズボンを脱がそうとする、うあ、やめろ・・・」
その後森の奥で人間の悲鳴が聞こえたとか聞こえなかったとか・・・南無
―――――――――――――
たぬまるです
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