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龍人の国
村の変化と結の狩り
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結とりゅーちゃん、それと17人の女性達は、半壊した村に昼にたどり着いた。
村の中を見てまわると、意外なことに村を覆う壁や外側の家は焼けたり破壊されたりしていたが、中心部の家屋は無事な物が多かった。少し掃除したら即使えるものもあったので、17人の女性で手分けして掃除をするように指示を出し、結とりゅーちゃんは外での作業にかかった。
「塀を作り直すのは時間がかかるから、土塁を作ろうと思うんだよね」
「土で作るのか?」
結は自分の背丈ほど土を掘って堀を作り、その直ぐ横に土塁を作ることで高さを出し、簡単な防衛施設にしようと考えていた。
「じゃあやるよ」
二人は競うように周りを掘っていく。結の提案で箱掘りといわれる底が平らで両面が高くなるように掘り進めた。
そして村側に掘り出した土をりゅーちゃんの魔法で固めながら、確りとした土塁を築き上げた。
夕方には二人のステータスをフルに使った巨大な城砦村が出来上がった。
出来上がった土塁と呼ぶには凄すぎる城壁を見上げて、唖然とする女性たちにりゅーちゃんは。
「聞くがいい、この村は今女しか居ない!敵から身を守るために城砦化した。
これからも色んな住人が増えるだろうが、お前達が仕え、守るのはこの結だ!
もし、傷つけたり利用して悪事をたくらめば、契約魔法により命を持って償うことになる」
助けられた恩もあり、このような事を一日でする二人に感謝の気持ちが強い17人の女性達は、素直に頷く。
その日の夜は結が何処からともなく出した食材を使ってパーティーになった。
そして移住の疲れからか、思ったより早く皆眠りについた。
次の日
セイトから来た兵士は、あまりの村の変わりように驚きつつも、任務をこなす為に門の所で声を上げた。
「私は、セイト県知事の使いで ミサバ・タイと申します。前日ギルドに売られた氷雨と言う女性なのだが・・・金僧侶と言う最初級なら良いが、それ以上の魔法を使うのに異常なほど金がかかる役立たずだと判明してな・・・県知事より貴殿らに無償で差し上げるそうだ。
かなり煩いので、猿轡をしておる。
ここに置いて行くので好きにしてくれ」
そう言ってミサバは氷雨を置いてそそくさと去って行った。
りゅーちゃんは蓑虫状態の氷雨を担いで村の広場まで運ぶと、氷雨の前で石を握りつぶしながら
「おめぇは俺達の持ち物になったわけだ・・・おめぇだけ特別にこの村の人間にかすり傷でもつけたら罰が与えられるようにしておいた。
結にタメ口をきいたら、この石の様にてめぇの頭もなるからな、わかったな」
氷雨は青い顔をして泣きながら頷いた。
スッキリした顔をして立ち上がると、氷雨を一先ず掘っ立て小屋に放り込み
村の女性を集めて今後の話をする事にした。
「この中で、畑仕事した事が有る人~」
結がりゅーちゃんを置き去りにして、話を進めだした。
「私やった事あります」
最初に手を上げたのは、年の頃なら15歳ぐらいの少女だった。
その後に続くように7人の女性が手を上げた。
「最初に手を上げた・・・」
「ショウカです」
「ありがとう、ショウカちゃんが畑班のリーダーね」
唐突にリーダー指名されたことに驚くショウカをよそに、畑の場所を日当たりから村の東側に作ることを知らせて、残りの冒険者達で森に肉や魚を取りに行く班を決めて話を締めた。
「じゃあ、後でりゅーちゃんが畑を作りに行くから先に行っておいてね」
「ま、待ってください」
慌てて呼び止めるが、すでに結の姿は無く、ショウカの肩にポンと何かが触れて振り向くと、そこには慈愛に満ちた目をしたりゅーちゃんがいた。
「諦めろ、お前が適任だよ」
そう言ってニッコリと笑った。
その言葉に諦めて受け入れたショウカは、少しでも役目を果たすために、気合を入れたのだった。
東側に集まった女性達を前に、りゅーちゃんが地面に手を置くと、家の焼け跡などを巻き込んで地面がうねり、確りと柔らかい土が出来た。
「す、すご~い」
「ってか何その魔法」
必要な範囲をあっと言う間に畑に変えたりゅーちゃんは、腰に手を当てて
「こんなもんか・・・種とかは適当に置いていくぞ。それとこのショウカが畑班のリーダーだから迷惑かけんなよ」
「「はい」」
「が、がんばります」
その頃結は冒険者の女性達を引き連れて狩りをしていた。
「そっちに熊の気配がするよ」
結は動物園に居た熊と同じ雰囲気を感じ取り指を指す。
「え?何も感じないけど?」
アーチャーのケファンが不思議そうに結を見る。
結は不思議そうに首をかしげて
「そうかな?行って見ようよ」
そう言って進路を熊が居るであろう場所に変える。
低い木々を抜けて暫く行くと、ちょうど熊が鹿を襲っている所だった。
「ホントに居た、何で私より解るのよ」
「気配を覚えたら簡単だよ」
「それが出来ないから驚いてんのよ」
「後で教えるね」と言って駆け出す結は、仕留められた鹿を掠め取ると、熊を挑発するように指をそろえてクイクイと曲げて挑発する。
「きなよ」
熊は鹿を奪った結に殺意を向けるが、結は楽しそうに熊に向かって駆け出した。
狩りには流石に篭手もレッグアーマーも置いてきていたので、加減をしつつ残像が見える程の速度で蹴りを叩き込む。
熊は声も無く後ろに倒れる。
「ええ~何それ!残像が・・・」
冒険者の女性たちは驚きすぎて目を見開く。
「ごめ~ん、解体できないから一回見せて」
顔の前で手を合わせる結に、冒険者の女性達が可愛いなぁと笑いあう。
ほのぼのとした空気が満ちていった。
村の中を見てまわると、意外なことに村を覆う壁や外側の家は焼けたり破壊されたりしていたが、中心部の家屋は無事な物が多かった。少し掃除したら即使えるものもあったので、17人の女性で手分けして掃除をするように指示を出し、結とりゅーちゃんは外での作業にかかった。
「塀を作り直すのは時間がかかるから、土塁を作ろうと思うんだよね」
「土で作るのか?」
結は自分の背丈ほど土を掘って堀を作り、その直ぐ横に土塁を作ることで高さを出し、簡単な防衛施設にしようと考えていた。
「じゃあやるよ」
二人は競うように周りを掘っていく。結の提案で箱掘りといわれる底が平らで両面が高くなるように掘り進めた。
そして村側に掘り出した土をりゅーちゃんの魔法で固めながら、確りとした土塁を築き上げた。
夕方には二人のステータスをフルに使った巨大な城砦村が出来上がった。
出来上がった土塁と呼ぶには凄すぎる城壁を見上げて、唖然とする女性たちにりゅーちゃんは。
「聞くがいい、この村は今女しか居ない!敵から身を守るために城砦化した。
これからも色んな住人が増えるだろうが、お前達が仕え、守るのはこの結だ!
もし、傷つけたり利用して悪事をたくらめば、契約魔法により命を持って償うことになる」
助けられた恩もあり、このような事を一日でする二人に感謝の気持ちが強い17人の女性達は、素直に頷く。
その日の夜は結が何処からともなく出した食材を使ってパーティーになった。
そして移住の疲れからか、思ったより早く皆眠りについた。
次の日
セイトから来た兵士は、あまりの村の変わりように驚きつつも、任務をこなす為に門の所で声を上げた。
「私は、セイト県知事の使いで ミサバ・タイと申します。前日ギルドに売られた氷雨と言う女性なのだが・・・金僧侶と言う最初級なら良いが、それ以上の魔法を使うのに異常なほど金がかかる役立たずだと判明してな・・・県知事より貴殿らに無償で差し上げるそうだ。
かなり煩いので、猿轡をしておる。
ここに置いて行くので好きにしてくれ」
そう言ってミサバは氷雨を置いてそそくさと去って行った。
りゅーちゃんは蓑虫状態の氷雨を担いで村の広場まで運ぶと、氷雨の前で石を握りつぶしながら
「おめぇは俺達の持ち物になったわけだ・・・おめぇだけ特別にこの村の人間にかすり傷でもつけたら罰が与えられるようにしておいた。
結にタメ口をきいたら、この石の様にてめぇの頭もなるからな、わかったな」
氷雨は青い顔をして泣きながら頷いた。
スッキリした顔をして立ち上がると、氷雨を一先ず掘っ立て小屋に放り込み
村の女性を集めて今後の話をする事にした。
「この中で、畑仕事した事が有る人~」
結がりゅーちゃんを置き去りにして、話を進めだした。
「私やった事あります」
最初に手を上げたのは、年の頃なら15歳ぐらいの少女だった。
その後に続くように7人の女性が手を上げた。
「最初に手を上げた・・・」
「ショウカです」
「ありがとう、ショウカちゃんが畑班のリーダーね」
唐突にリーダー指名されたことに驚くショウカをよそに、畑の場所を日当たりから村の東側に作ることを知らせて、残りの冒険者達で森に肉や魚を取りに行く班を決めて話を締めた。
「じゃあ、後でりゅーちゃんが畑を作りに行くから先に行っておいてね」
「ま、待ってください」
慌てて呼び止めるが、すでに結の姿は無く、ショウカの肩にポンと何かが触れて振り向くと、そこには慈愛に満ちた目をしたりゅーちゃんがいた。
「諦めろ、お前が適任だよ」
そう言ってニッコリと笑った。
その言葉に諦めて受け入れたショウカは、少しでも役目を果たすために、気合を入れたのだった。
東側に集まった女性達を前に、りゅーちゃんが地面に手を置くと、家の焼け跡などを巻き込んで地面がうねり、確りと柔らかい土が出来た。
「す、すご~い」
「ってか何その魔法」
必要な範囲をあっと言う間に畑に変えたりゅーちゃんは、腰に手を当てて
「こんなもんか・・・種とかは適当に置いていくぞ。それとこのショウカが畑班のリーダーだから迷惑かけんなよ」
「「はい」」
「が、がんばります」
その頃結は冒険者の女性達を引き連れて狩りをしていた。
「そっちに熊の気配がするよ」
結は動物園に居た熊と同じ雰囲気を感じ取り指を指す。
「え?何も感じないけど?」
アーチャーのケファンが不思議そうに結を見る。
結は不思議そうに首をかしげて
「そうかな?行って見ようよ」
そう言って進路を熊が居るであろう場所に変える。
低い木々を抜けて暫く行くと、ちょうど熊が鹿を襲っている所だった。
「ホントに居た、何で私より解るのよ」
「気配を覚えたら簡単だよ」
「それが出来ないから驚いてんのよ」
「後で教えるね」と言って駆け出す結は、仕留められた鹿を掠め取ると、熊を挑発するように指をそろえてクイクイと曲げて挑発する。
「きなよ」
熊は鹿を奪った結に殺意を向けるが、結は楽しそうに熊に向かって駆け出した。
狩りには流石に篭手もレッグアーマーも置いてきていたので、加減をしつつ残像が見える程の速度で蹴りを叩き込む。
熊は声も無く後ろに倒れる。
「ええ~何それ!残像が・・・」
冒険者の女性たちは驚きすぎて目を見開く。
「ごめ~ん、解体できないから一回見せて」
顔の前で手を合わせる結に、冒険者の女性達が可愛いなぁと笑いあう。
ほのぼのとした空気が満ちていった。
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